境界線の知識者

篠崎流

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明澄の前

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翌日の戦闘も同じ展開で進む

首都、手前平地を確保する為の森出口の突破と迎撃が只管続く、前提の条件の有利不利が明確にある

テスネア側が軍としては強い事、これで二日目も圧倒的に相手に有利なまま東友軍が戦力を浪費する事となる

ただメリルには疑問もある
戦場策としては妥当だし、地形を上手く利した迎撃防衛戦ではある、続けても「防いで削っている」には違い無いがテスネア側から見た、状況の打開には遠く見えた

これはアデルが最初に打った手や策から疑問に呈された事「勝ったとしても先の展望があるのか?」という部分

中央を制して連合を立てた、そこでのミスがあり、今こうなっている、そこまではいいとしても、グランセルナやペンタグラムからの出頭、武装解除の告知を蹴るのは無謀に見えた、少なくともメリルにとっては

この戦や策にしても「耐える」「防ぐ」としても逐次的な面や効果しかない、それをあえて行うアデルが不思議で仕方なかった

これはメリルが最初から持っている部分「冷徹」な思考に起因する

「ここをどんなに防いでも、中期、長期に成ればどの道崩れるでしょうに」としか言いようが無かった

「この戦場策の事ですか~?」
「ええ、確かにテスネアは防げていますけど、既に兵力差が広がりすぎていますし、逆転はありません、何故これを続けるのか理解に苦しみます」
「う~ん‥、そうなんですけど、状況に寄って変わりますし~」
「策の部分ですか?」
「心理の面もです。例えばテスネアが立てた「ゼントラム連合」ですが、あの時点では有効な策です、ですが、集めた味方が仲間とは言えません、それが崩れた原因ですが、同時に、アデル国王の心理的にグランセルナ連合が大きいなら、それに対する必要がある、と考えて行ったのでしょう~」
「では今のこの行動は?、正直「私」の考えで云いますと、ペンタグラムの告知を蹴ったのが意味不明です」

「ええと~‥あの時点ではまだ兵力もありましたし、我々への勝算があった、故に、こちらを正面決戦で打ち破り、打開を図ったかと~結果的に成らなかったですが」
「成る程、分らなくありませんね」
「はい~、今の行動もそれが成されなかった為、引き防衛に切り替えたのでは?~作戦としては妥当ですし、結果も一定数は出ていますし~」
「でも、そもそもの根本的な部分はどうなんでしょう?」
「それは?~」
「君主、個人、何れにしろ、ペンタグラムの告知を受けて、あるいは受けるフリでもしておいて、時間を稼ぐか、実際受けて一定の軍備を放棄してでも、国の維持を図った方が得だと思いますが?」

「う~ん、それはモノの見方の差でしょうね~、メリル参謀長や私なら、あえて戦わずという君主の評価を気遣うとか、その方が国の維持だけを見た場合、楽で得と考えますが、アデル国王はそうではないという事かと~」
「つまり私益なんでしょうか」
「そこは何とも~‥ただ「覇者」は勝ってこその評価ですし、そうでなくなった場合、今もそうですが、戦う事に寄って自分があると考えるのかもしれません」
「武王は武に寄って、治世の王は治世に寄って、ですかね」
「人間は皆「私」の範囲でしか物は見れません「人の気持ち成って」と、よく言いますが、人の痛みや苦しみは当人にしか分りません、故に、自分だったらという、そこでも「私」を中心に考えます」
「成る程、想像する事、でしょうか」
「はい~、アデル国王は「強い自分こそ支持を得られる」と考えるのかもしれませんね。」
「結果国を失う事に成っても?」

「メリル参謀長や陛下なら馬鹿らしいと思うかも知れませんですが、アデル国王にはその道しか残っていないと思うのでしょう~」
「ホントに‥馬鹿らしいですね‥」
「そこは~、資質と言うか~‥「私」の範囲でと言ってもフォレス陛下とアデル国王では此処に至る道も経験も環境も違います、「私」の範囲も民衆の生活等した事が無ければ分りようがありません、したがって、思考の範囲も変わります」
「あくまで主はどちらで従はどちらか、という考え方と思考方向範囲と言ってもいいのでしょうか」
「そですね~、陛下は自身が苦労人ですし、元々流浪の冒険者ですから、飢えも痛みも分るのでしょう、だから色々な人の気持ちも理解出来ます」
「そうですね、その点は私もあります、元々グランセルナは陛下が来るまで悲惨な状況でしたから」

「しかし‥だとして、この相手が打った作戦は、単に迎撃を繰り返してこちらを追いかえせば良い、との考えなんでしょうか?」
「う~ん‥どうでしょう?、メリル参謀長はそこに疑問があるからには懸念があるのでしょう?」
「私ならやはり大規模な策は考えますね」
「同感です~ただ防いでこちらを削り倒すにはかなりの時間と補給もいります、戦争なんて、どう運用しても金、物、人が掛かりますから~」
「なので短期決戦で何かあるのでは?とはずっと思ってますけど」
「そですね~‥しかし、こちらがゲリラ戦に対して同じ手を返してあらかた潰してますから~」
「ですねぇ、この場所を選び、引き込み蓋をした、それで狭い入り口から、出てくる敵を叩く、それは妥当ですけど、それだけなのか?と」

「長蛇の陣形に誘導したとすれば、横からの分断ですがこちらも横や後背の監視、布陣してます、これを行うには、よほどの事が無いと無理かと~。とりあえず、の監視強化でしょうか?」
「しか無いですね‥」
「あまり疑心暗鬼にならない方が宜しいかと~既に大勢は決しているに、近い状況ですから」
「罠、と云っても、ソレを展開する余地もありませんしねぇ‥」
「もし、そこが心配だと仰るなら~、今現状我々連合側は引いた状態です、後ろに引いた所に居るわけですから、後退防衛を強化しては如何でしょう~」
「どの道、前に出て戦う事も出来ませんからねぇ」
「ええ」

との、メリルとハーベストのやりとりから、エミリアに了承を取り「どうせ第二陣の立場なのだから」と

街道後方、深い所にある湖まで下がり、陣建て、所謂、待機支援の形を取って、そこから連合側の各将も下げて細かく、少数部隊での編成を行う

これで「狭い前線」に小部隊での交換援護等に充てる方針を取った

前を預かる東軍の疲弊や被弾をした部分と連合の後方部隊を少しづつ入れ替えて、継続していく形である

どの道、連合側の各指揮官の軍は万単位であり、前に出るには多い、故に、少数での、前の綻びを補いながら休ませる戦法にした

昼夜問わずの戦闘継続であれば、数の多い側は、戦闘、支援と分けた方が効率がいい、そうなれば、予備兵が多い方が優位ではある

この継続した出入り口の戦闘は三日連続で続き
展開が変わったのが四日目

テスネア側の前を預かるベステックが自部隊の疲弊から一旦後退したのに合わせ、前を担当した東軍が、ここがチャンスとばかりに一斉突破を図る

これでテスネア側の出入り口防衛が崩れかけたが、不味いとはアデルは思わなかった

そのもう一つの展開が変わった要素は、正午から夕に変わる直前天候が変わった事にある

冬の終わり時期にしては温暖な其の日再び冷たい北風が起こる

「待っていた」のはこの天候である

一斉に火矢を撃ち掛け、攻撃側を再び押し返す、無論それだけは無い、出入り口を取り返したまま、蓋をし、一歩も追撃を掛けず、只管横一線に火を放つ

「火計」

冬の終わりから春先、北から南への強風、狭い街道、周囲全て森、全ての条件が揃うまで待っていたのだ

「これは不味い」となったのは相手では無くコチラ側だった
あっという間に火に撒かれ、詰まった街道と陣形の中、急速後退をするが、向かい風の中、混乱の極みと成った

「森全部燃やす気か!?」としか連合側主将エミリアも言いようが無かった

自軍も急速後退を指示する、問題は後ろに居る自分らでは無い、長蛇で下がるスペースの無い友軍だ

しかも、この状況では鎮火策が無い
自軍が兎に角下がって、前の友軍の道を開けねばならない

湖と言っても小さい、消火作業に使える程でもなく、そのまま放棄して更に後ろの大河まで下がる判断を行う

「このままでは前の友軍が全滅しかねない」そういう事だ

連合側全軍と東軍の急速撤退と成ったが、事態が更に変わったのが、火を撃たれてからの1時間後、北から南の向かい風の強風が突如、ピタリと止まる

これで下がる攻め側を追うように飛び火する火計が無くなり
更に、二十一時を過ぎる頃には、連合側全軍、離脱に成功する

まさに「奇跡」の様な事が起きた

離脱撤退に成功した連合側は再び、川の橋の周囲まで後退、深夜2時を過ぎた所だが、陣建てと、自軍の再編、被害の調査と成ったが

連合側は五十人に成らない被害、東軍は八百弱の被害だった
あの状況からこれほど少ない被害はまさに「奇跡」だった

この奇跡には理由がある
テスネア側が火を放った同時刻、別行動での潜入を行っていたフォレスら一同は、戦場の東の山岳で「あるもの」を監視していた

これは当初の方針からずっと続けていたモノだ、そしてテスネア側が打った、この策でフォレスはそれを見つける事になる

裏のメンツを戦場の周囲に配置し、自らは眼鏡装備で山の上から観戦、火計の混乱の中、ソレに気がつく「不覚な魔力」に

「アノミア、北東、森に強力な力を検知、お前が一番近い」
「分った!」
「何かは分らん、無理するな、大物ならこっちがやられかねん」
「任せろ、こっちは召喚がある」

最低限の伝心だけ交し、待機していたアノミアが目的の場所に向けて飛行、其々別の場所で待機した、ターニャとフォレスも即座に飛ぶ

ある程度の距離に近づいた所で彼女は地面に降りて立ち集中する「シャドウ・ウルフ」を八匹呼び出し、遠隔で目標点に放った

これら闇の狼が「そいつ」を捉えるのに時間は掛からなかった

森の奥深く、翼を持った山羊とも馬ともつかない姿の獣に、アノミアの召喚が飛び掛る

「何だこいつは‥」彼女もそうとしか言いようが無かった

獣の周囲を囲い、連携によって飛び掛り、噛み砕きに行った自身の召喚は、牙が届かず、跳ね返って、拡散し、そのまま一匹、一匹と再び闇に戻り消されていくのだ

「直接行かぬとダメか!」

そう心で叫んで再び飛ぼうとするが、それが成される前に事態は終る

飛行して、次点で現場に辿り着いたターニャが「相手」と対峙、即座に「ソウルオブ・リメンバー」を構えた所で相手は空間に溶ける様に姿を消した

「え!?逃げた??」そう、逃げたのである

事態を聞いたフォレスも後続で辿り着いて、ターニャと合流、周囲を探るが、やはり、隠れた訳では無く、「逃げた」事を確認して落ち着く事と成った

そして戦場の「風」が止まったのがこの直後である

「なんだろう、アレ‥」
「どんな奴だった?」
「鹿みたいな山羊みたいな、デッカイ角と羽が生えてた、あと何かヘビのしっぽ??」
「それだけわかりゃ十分だ、調べるのはオレの仕事だ」
「何で逃げたんだろ?」
「こっちは神剣持ちだからな、そりゃ分る奴は逃げるだろう」
「と、云う事は‥」
「間違いなく「向こう側」の奴だな」
「魔界の住民??」
「程度で済めばいいがな‥、ま、こうなりゃやる事も決まってるし、準備はしてあるさ」

そう交わして再び三者は野営場所に戻った

これら一連の事態は友軍、つまり戦場側を担当したメンツに知らされたのはエミリアとメリルだけと成った。

全部に知らせた所で混乱と、理解し難い事であり、ごく一部だけと情報共有される

一連の事態が片付いて再び主軍側と合流したのが翌朝
これら「裏」の事情も勿論あるが、自軍の側が混乱にあり、次の防止の意味でも指示を出す必要があった為である

フォレスは軍側を川の南側まで下がらせ、比較的広い場所で滞在する陣建てを指示、そのまま、東軍と合わせて高官会議を行う、とは云え、現時点でやるべき事、選択の余地はそれほど無い

連合外東軍はそのままテスネアの首都の攻めを主張、これをフォレスは許可する

先の策での被害も再侵攻が出来ない状況でもないし、何より、既にテスネア側の兵力は十万切っている、首都決戦以外有りえないし、ここまで来て帰る選択も無い、まして「前」で自分らが戦ったのだ

「ただ、時期は待って欲しい」
「どういう事ですか?」
「テスネア側が余計な事をするかしないかもあるし、北から攻めて来る他国の事もある、タイミングは合わせた方がいい」
「首都決戦は我々に任せて頂く点は宜しいですな?」
「構わない、オレらはテスネア領土なんぞいらん、そっちが好きにすればいい、が」
「が?」
「人道に反する統治や分配は避けて貰いたい」
「それは無論ですが、向こうの王はそうはいくまい」
「‥、まあ、そうだな、が、一応、降伏勧告は出す、それに乗らねばやむをえないか」
「そちらもペンタグラムのガーディアンの立場が有りますからな温情を見せるのは必要でしょう」
「すまない、もし、相手が受け入れた場合、連合から変わりに何か出す、終った後、各国と会談と交渉の場を持つ」
「問題ありません、が、保障は頂きたい」
「分った、今書こう」

その場で両者側で書状が交わされ
戦自体は、連合外が主導する事が継続される

先の策で既に森は1割消失したが、打った場所が場所だけに
再び同じ罠の類は無く、テスネア首都も目と鼻の先である、任せて負ける要素も無い

また、同時期から参戦している北地域からの侵攻作戦も継続しており、挟み撃ちのかっこうである、決している状況には違いなかった

ただ、テスネア側の防衛軍は迎撃の類は行わなかった、既に兵力、後方支援共にギリギリの所にあり、積極的に前に出て打ち返す状況に無かった

「さて、エミリアらもそのまま後に付いていきゃいい」
「ふむ、ま、最後の策も失敗と言っていいのかどうか、もう無いだろうし」
「そーだな、あるとすれば、だが」
「例の「裏」の話か?」
「うむ」
「だとしたら、どういうやり方になるんだ?嘗てのバルクストみたいな?」
「もう、それも意味無いなぁ‥、誰狙って殺したところでどうにもならん、あまり心配する事でもないな」
「‥そうかなぁ‥お前に死なれると困ると思うが、嫁も三人居るし」
「そうだな、死なんようにするさ」
「で?、判明したのか?」
「んー、災害、天候の変更、んで対面した魔、目星は付いた、現物見ないと分らんが、かなり従わすのに難しい奴だ、おそらく術者に寄る召喚ではない、召喚器の類だな」
「ターニャの「ソウルオブリメンバー」みたいな?そいつで意図的にテスネア側が有利になる工作を?」

「確認するまで分らん、が、中央の災害から今に渡るまでそういう風に動いている、得したのは誰か?、と考えれば候補は少ない」
「ああ」
「で、エミリア側は他国軍と共同してこれまで通り援護で。
間違いなく最後の決戦だ、お前とメリルの力は必要に成る、ただ積極的に出る必要は無い」
「ま、戦場での、と限定すれば、例のベステックの相手くらいか」
「多分な、ターニャくらいの武力は必要に成る」
「ああ、任せろ」
「という訳で鉄騎馬はエミリアに預ける」
「ターニャは?」

「ソウルオブリメンバーの主はターニャだ、もう一度あるかどうか分らんがオレとアノミア、ターニャで個人戦はやる」
「個人戦つっても、どうするのだ?」
「テスネア側の人間、と成れば、決戦後、呼び出した奴を追って捕らえるか戦うか、あるいは戦が終る前に使われるのを防ぐも必要に成る、というかオレにしろアノミアにしろ、闇召喚とか魔法だしな魔族系呼ばれるとターニャ頼みだが」
「テスネア側、という根拠は?」
「向こう側にも魔力を感知した、多分、召喚器にしろ、呼び出したにしろ裏からやってる奴が居る」
「なるほど」
「が、相手も魔側か、こっちに聖側が居ないからなぁ‥」
「まぁ、ロベルタの神聖騎士を呼べなくは無いけど、今回ばかりは相手が悪い」
「そんなに?」
「うぬ、大物過ぎるんだな」
「うーん、でも一応呼んだ方が良くないか?専門家には違い無いしそっち3人もどうかと思うが‥」
「‥一応、相談してみるか‥」

そこで早速ロベルタ側に伝心で通知を行うが、結論から言うと、ロベルタの近衛、つまり神聖騎士団が二つ返事でこちらに来る事を了承した

「我々の力がフォレス陛下の役に立つのなら」と云う事と、シンシアもクロスもフォレスにはこれ以上無い程恩義と借りがある為だ、まして、普段の戦場ではあまりロベルタの近衛は用が無く

「ここで神術の使いどころを発揮しなくてどこで使うのです」という所である

即日、専用武具と部隊を揃えて出立する事と成った、と言っても到着は早い、ペンタグラムの転移施設がある事と

ロベルタの近衛も選抜した15人の少数である事から
転移施設から全員一度に跳べる所以である
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