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ゲリラ戦
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一方、フォレスはこの一週間に、先の準備を整える
軍は既に問題なく、数も将も居る、任せて問題無しと考え「個人的な懸念」の部分の改善措置に取り組んだ
ペンタグラムからの呼びかけに応えた他国からの使者が訪れるにあたり連合側の味方に会議の場、指示も行う
「全体の司令官もエミリアに任せる、引き続き参謀にメリルをハーベも軍を動かす際に、前の助言を」とした
「それは良いのだが、参戦してくる他国の軍は?」
「この際だから好きに動いて貰おう」
「と、云ってもあまり適当に動かれると困るんだが‥」
「ですよね‥」
「うむ、そこでウチ等は後ろ盾として、他軍に前を任せる」
「!?」
「王様、もしや遊撃軍に使うつもりですか?」
「そういう事になるかなぁ、向こうにしてもコッチが偉そうに指示出しても迷惑じゃろ、崩れない程度に援護してやって、金、物資も出してやればいい」
「またセコイ作戦を、が一理あるな「参加」と言ってもこちらの同盟や連合でないし、あれこれ口出されても不愉快、と考えるか」
「まぁ、終盤参戦だけに向こうも積極的に動くだろうし」
「しかし王様、戦果を独占されませんか??」
「だとしても一向に構わないな、オレの目的は直接自分の手でテスネアを倒す事では無いし、連合側の被害無ければそれでいいさ」
「それも道理か」
「北、東からの参戦国みりゃ元々戦が好きな所ばっかだ義勇に駆られての事ではない、後々も役に立つだろう」
「後々?」
「これで乱が全て終結する訳じゃない、この戦いが仮に終ってもな今の内に両者で争って貰ってガス抜きしてくれればいいさ、という事だ」
「なるほど」
「ま、どうなるかは分らんし、テスネア側が大きく被弾するなら、また和平の持ち掛けでもしてみるさ」
テスネア攻めを一部、宣誓で新たに便乗して参加してきた国々にやらせようという事である、要は彼らに好きに攻めさせて、自分らの被害を減らし本来やっていた「削り」を他国に任せる、そういう作戦である
上手く行けば再び適当な時期で降伏勧告か和平の持ち掛けをすれば良くダメなら改めて仕切りなおしすれば良い
だが、このフォレスの打った「アドリブ策」で相手側、アデルの策も予定通りに行かなくなる、アデルからすれば、周辺各国等、最初から相手にしていない、作戦も今後の目的も最大の敵である連合を打ち返す事にある
北、東からの一部軍部参戦に合わせ、全体方針も基本的な部分だけ決めて以降の戦争もエミリアらに任せた
方針も先の言と同じく
「各国の好きにやらせる、連合側の各指揮官も後押しや援護に徹せよ」殆どの軍将に基本方針だけ伝えて任せた
各指揮官に二万づつ預け、新たに得た前線拠点、リム城砦に、主軍、後方支援も集めて、ここから補給線を作る
二万づつ任せた将も
エミリア、カルディア、アトロス、カンツォーネらに、其々参謀、前線指揮官等を付けて補い「自由にしろ」という形で任せる
ここで前線から外したのがターニャである
「オレの所に置いておく」として軍指揮から除く「何で?」ともちろん云われるが「最終局面でオレと動いてもらう」として通した
連合外の国からの参戦もリムでの合同会議が開かれたが、代理を任されたエミリアらも先の方針「自由参戦」の形と物資、兵糧はこちらで出す告知をし、フォレスの考え通りにした
これは「参戦が遅かった」他国からすれば寧ろ有り難い、何しろ、口は出さん、好きにしろ、援護も後方支援も連合がするという事だ。交換条件とも云えないが
「テスネアが折れたら、再度、降伏勧告をする、終わりのタイミングはこちらで決めるので従ってもらいたい」
と言う基本的な部分だけ主張し、これの了承も取る
アデルの策、の崩れる部分がコレにある
当面の敵、連合を対象としたモノが、実質後ろ盾に近い形に成った、前に居た敵が後ろにひっこんだ様な物だ
ただ、基本方針や策を変更する事も無かった、他に打てる方針も策も無く、既に用意は整っている、故に
「ならば、前に来た連中から潰せばよい」そう考える「しかなかった」とも云える
テスネアは既に保持二国となっているが、ここでアデルは大胆な作戦を展開する、元々決まっているものだが、前の相手が変わった事で細心である必要も無かった
間を置かず始まった全国からの攻め、連合外、各国の軍は、テスネアの領土国が二国しか無い事、既に、最終局面である事から積極的に南東、北から相手領土に攻め込む
10日この展開で小競り合いの戦が続いた後、フォレスも街道から一番最後に、ターニャの部隊、鉄騎馬隊と、アノミアらの武芸者ら合わせて60人程の少数部隊で行動を取る
既に全体兵力で二十万を切っていたテスネアは西と南の本国直通の街道に展開し、引き防衛しながら本国側へ
「釣り後退じゃないのか?」と連合側、各指揮官も懸念を示したがメリルもハーベストも一旦追撃を緩めて相手の反応を見る方針を見せて連合側は、その場で野営陣で停止、滞在の運びと成る
「他軍は追うつもりらしいですが‥」
「今更急いで相手を追撃してもあまり意味は無いよなぁ」
メリルとエミリアは陣幕でもそう見解を述べたが、これはある意味仕方無い自体ではある
「功を焦っているのだろう、陛下の方針自体「前を任せる」としたのだから我々は便乗しなくて良いかと」
「同感です、相手の策があったとしても、こちらも殺到しては混乱の元です」
「おそらく、其の辺りの事も考えての、この作戦かと」
バルクスト四剣が其々、そう示して、通常の戦争と同じく
日の昇っている間だけの行軍をすべし、とした
「テスネアの意図が判断がつきませんが、引込み戦なら罠もあります~一応自重を促しては?~」
「そうだな、其の程度でよかろう、そもそも本国までのルートが街道以外無いし自然が多い、策を仕掛けやすい」
「同感です~」
そう一応の決定が成されて先行して進む味方に「無策に猪突すると罠の可能性がある」とだけ伝令を出すが、これを受けて「それはありうるな」と、進軍を自重したのは半々であった理由はアトロスの述べた通り「功を焦る」部分による
逆に半々の自重した側からすればそれも道理、テスネア本国周辺は、中央大河が侵攻ルート、西、南の街道を寸断して横たわっており、森多く、首都回りは山岳に囲まれている
自然、軍展開が非常にやり難く、少数部隊、つまり工作員の類が展開しやすく、逆に大軍で攻めるに不向き、故に、慎重に進むのが妥当と考える者が現状の圧倒的有利があってもそうするのは普通の判断である
翌、正午前には
先行して進んだ味方先行軍が大河の橋を越えた所で接敵、アデルの主軍二万と先行軍三万であるが
攻め側は後ろから、味方が来る現状と橋前後の狭い空間である事を考慮し、数負けでも接敵から即、開戦に踏み切る
報を受けて連合側も行軍を早め現地に向かうが
辿り着く前に結果は出る事になる
「二時間で敗戦??」
エミリアに届いたのはそういう報告だった
「前衛軍はテスネア主軍と対峙、開戦に踏み切りましたが橋を越えた街道で伏兵に合い挟撃されたと‥」
「私が云うのもなんだが‥マヌケ過ぎるだろ‥」
「兎に角、後退させましょう、やはり我々が押えないと被害が増えます」
「うむ‥、友軍の被害は?」
「二割程度に留めましたが、既に街道を戻っています」
「どうしたもんかねぇ‥これ」
「後退して戻ってくるなら、陣立てを行い合流しましょう」
メリルにそう助言されて、一旦その場で野営陣を組む
更に半日後、敗戦後退してきた前衛軍と合流、話し合いを行うが、この時点で既に、向こうの方針は決まっていた
「四千近い被害ですが、あそこを突破するのは我々には難しい一旦下がって再編を行います」だった
これは要するに「連合側に任せる」という事だ、めんどうな所を押付けられたとも云うが、エミリアもメリルもこれに反対はせず、受け持つ事となる
こういう状況に成ると、友軍に任せてどうにか成るモノでもないし相手が直々に主軍を出してきたと成れば策の面でも軍のクオリティの面でも、連合側がやるほうが話が早いという事だ
「使っておいてなんだが、頼りにならん味方だな‥」
そうして連合側が一旦集結した
が、現地の状況を斥候に任せて調べた後、とりあえずの進軍から戦場に辿り着くと、この見解も変わる事となる
「狭いですね」
「周り山、其の麓から森が左右、街道を横切る様に川が幾つも、か」
「殆ど平地がありませんし、数万の軍の展開など初めから出来ないかと長蛇の陣形に成りますし」
「しかも、この地形だと長蛇にならざる得ない、向こうの狙いはこれか」
「でしょうね、ここなら狭く、大軍を出す必要がありません、しかも、伏兵や罠がかけ易い、反面、こちらが向こうの状況を把握し難く向こうは隠れやすい、地元にしか分らないルートもあるかも知れませんし」
「調査の類が大規模に必要に成りますが~‥、これは難しい‥」
「調査と言ってもそう広く展開できんぞ‥」
「如何しましょう?司令」
「川前で陣建てだな、そこそこ広いし、一旦ここでキャンプ張って情報収集か地形調査が要るな、それとフォレスに伝えよう」
「了解です」
フォレスへの伝心を飛ばした後だが、ここに直接本人が飛んで戻り既に夜であったがそのまま、小会議と成った、ただ、会議というより、伝達事項と指示だけだ
「ここで様子見、ならそれで良い、情報はこっちが調べてる」
「先行して潜ったのですか??」
「そう、アノミアの裏の面子がこっちに居るのでそれ主流で、オレとターニャも術が使えるので、色々潜入」
「大丈夫なんですか!?」
「問題ないな、向こうにマトモな術士が居なきゃバレはせんし」
「しかし、調べるとは?」
「うむ、アノミアは元々過去にテスネアの調査をやってる、それとあわせて地図作りだな、略出来ているので渡す」
「これは、有り難い」
「なんで、エミリアらはこのままこれまで通り、戦いたい連合外の国に任せて良い、精精、援護程度で」
「ふむ、で?このままで良いとは?」
「アデルが潔く戦うとも思ってないし、どうせ何かあるだろうなとは思ってる」
「???」
「王様、もしかして、相手の策潰しですか?」
「そう」
「どういう事だ?」
「一度掛かった罠は2度発動しない、向こうが自然を使った罠や伏兵を徹底してやるなら、敷設した罠や伏兵にぶつける」
「オイオイ‥友軍を地ならしに使うのか‥」
「そういう側面もあるかなぁ、ただ、こっちの調査で暴けない場合だが」
「あんまり感心せんなぁ」
「別にこっちが頭を下げて頼んだ訳じゃない、勝手に来て攻めてるだけだ」
「ま、そうだが」
「だから「援護」が要るのよ」
「しかし、既に友軍は痛い目に合って、こちらに任されているのだが?」
「問題無い、こちらも同じ手で行く、軍展開がし難いし、仮に遭遇戦に成っても大兵力戦ではない、だから少数軍でアチコチから藪を突いて進めば良い、これは実軍を使ったゲリラ戦に近い、ならこちらも同じ手で返す、これには、元々人材が豊富なこっちのが優位だ」
「だから分散配置なのか」
「そう、この際、街道に拘る必要が無い、森でも丘でも鈍足でもいい、広く扇に展開して、突きながら進み、藪からヘビが出たら叩きまわれば良い、人海戦術でな、向こうの伏兵の類の対処はこちらがすると告知して、引き続き、メインの戦闘は東友軍に任せていい」
「向こうも一定の安心とか保障があれば動くでしょうね」
「そうそう」
これら方針からメイン街道を友軍に任せて、連合側主軍は合同軍で他の連合指揮官は「道」で無い所から鈍足で周囲森等を探索しながら可能性のある部分、を全て潰して進む事になる
翌日から「決戦」と云えない様な小規模戦闘の繰り返しとなった
敵の伏兵や斥候を追いたてながら、森や丘での少数連続戦、が、これは、明らかに連合側の方が優位である、歩兵が元々軽装で防御力が高く地形に関係なく、機動力が高い
各所に指揮官、武芸者の質の差が大きい、まして既に数の上では逆転している、これが五日続くが、先に折れたのはテスネア側であった
ここで、アデルも次に移る、首都側の道へ後退、集結しながら出入り口の防衛に切り替える
「まあいい、予定の範囲だ」第三段階の作戦
自然の多い地域を抜ける手前の街道に布陣しての総力戦とは云え、狭いことに違いは無い、そしてここでも、ゲリラ戦術に近い形に成る
エミリアの主軍と東地域軍の合同で七万
テスネア側五万、ここもアデルが主軍を指揮し、前線指揮にリバースクロスだけを充てたベステックに前を任せる
出入り口が狭い事からここでの戦いなら兵力差はそう出ないと考えた
だが、見た目は殆ど軍の決戦では無い、両側に森があり、街道側まで侵食している、森の中の戦いに近かった、状況的には、連合側に不利と成る
テスネア側は出口を横に広く布陣し
連合側は長蛇、そして相軍、森の中まで横に展開した形である。盤面で言えば以下のようになる、しかも街道も精々横に20人並べるかの狭さ
テスネア主軍
山 山
山 森 街道 森 山
森 東軍 森
連合
エミリアの参謀に付いたメリルはこの展開に懸念を示した
「これは宜しくないですね‥、障害物が多く、相手の半包囲待ち構えの所を分っていながら中央突破せざる得ない‥」
「うーん‥しかし事前策はある訳だし、いや、それも形は変わらんか」
「ええ、横に他の指揮官の部隊が森の中に、と言っても出てくる所を、叩かれる事には違いありません、出口が狭いですから、しかも、この状況だとこちらの遠距離が‥」
「とは云え、友軍は積極的に前に出ているし、やる気だからなぁ」
「そうですね、ここを抜ければテスネアの首都まで直ぐですからね、なら、連合外の国に引き続き任せましょう」
「それもあまり宜しくないが‥」
無論「宜しくない」とは連合外から参加している軍を盾と剣に使う事であるが、この状況だと、そもそも連合側も無理に前に出ると混乱の元にしかならない
前に展開出来るスペースも碌に無く相当無理がある、そもそもテスネア側の出口が左右ハの字の様に、出口側に攻める程狭くなる自然条件にある
エミリアは最後まで渋ったが、既にフォレスの狙い通りに事と策が進んだと云える、そのもう一つの形が、参加している東地域軍の積極性これが参戦当初からあまり変わっていない
この戦いは開始から只管数に勝る連合側の前衛、東軍がテスネア側防衛軍を突破する形で進む
当日の開戦から激しい歩兵での打ち合いが展開されるが
これは逆にアデルの思惑通りと成った
何しろ、出口、森と街道を出た所の広くなっている平地の取り合い、テスネア側からすれば、狭い街道から出てくる敵を只管もぐら叩きを繰り返せば良く、兵力差に関わらず、テスネア側が圧倒的優位に進む
逆に連合側は相手を引かせるか、無理矢理突破して、平地側を確保しない事には不利が変わらない、分っていてもやらざる得ない状況にある
そしてこの戦いは昼夜を問わない連続戦闘と成る
と言うのも通常戦場の様な「一旦後退して、陣建て、再編」がそもそも出来ない、特に、攻め側は長蛇で陣形の前後すら入れ替えが難しく、野営地を確保する事自体も難しい状況にある
もう一つの不利が連合側の独自武装特に移動式バリスタも動かせず街道にも木々がある為「弩」も繰り出せない
左右に回っての射撃も出来なければ後ろから打つも味方を巻き込みかねない
「これは戦い難い、というよりこちらがすべき選択肢が無いぞ」
「ここで我々が無理に参加しても前が詰まってますし、邪魔になりますね」
「うむ、前衛が事態が変わっても後退出来なくなるな‥引くか」
「妥当です、大人しく第二陣として控えた方が宜しいかと」
そう交わされ、エミリアも連合側に一旦後退の指示を出し、前衛の東参加友軍も、これを妥当な判断として、長蛇の前後を切り離して、連合側が一旦引く事に成る
この判断は「妥当」そして、それが後日活きて来る事となるからである
軍は既に問題なく、数も将も居る、任せて問題無しと考え「個人的な懸念」の部分の改善措置に取り組んだ
ペンタグラムからの呼びかけに応えた他国からの使者が訪れるにあたり連合側の味方に会議の場、指示も行う
「全体の司令官もエミリアに任せる、引き続き参謀にメリルをハーベも軍を動かす際に、前の助言を」とした
「それは良いのだが、参戦してくる他国の軍は?」
「この際だから好きに動いて貰おう」
「と、云ってもあまり適当に動かれると困るんだが‥」
「ですよね‥」
「うむ、そこでウチ等は後ろ盾として、他軍に前を任せる」
「!?」
「王様、もしや遊撃軍に使うつもりですか?」
「そういう事になるかなぁ、向こうにしてもコッチが偉そうに指示出しても迷惑じゃろ、崩れない程度に援護してやって、金、物資も出してやればいい」
「またセコイ作戦を、が一理あるな「参加」と言ってもこちらの同盟や連合でないし、あれこれ口出されても不愉快、と考えるか」
「まぁ、終盤参戦だけに向こうも積極的に動くだろうし」
「しかし王様、戦果を独占されませんか??」
「だとしても一向に構わないな、オレの目的は直接自分の手でテスネアを倒す事では無いし、連合側の被害無ければそれでいいさ」
「それも道理か」
「北、東からの参戦国みりゃ元々戦が好きな所ばっかだ義勇に駆られての事ではない、後々も役に立つだろう」
「後々?」
「これで乱が全て終結する訳じゃない、この戦いが仮に終ってもな今の内に両者で争って貰ってガス抜きしてくれればいいさ、という事だ」
「なるほど」
「ま、どうなるかは分らんし、テスネア側が大きく被弾するなら、また和平の持ち掛けでもしてみるさ」
テスネア攻めを一部、宣誓で新たに便乗して参加してきた国々にやらせようという事である、要は彼らに好きに攻めさせて、自分らの被害を減らし本来やっていた「削り」を他国に任せる、そういう作戦である
上手く行けば再び適当な時期で降伏勧告か和平の持ち掛けをすれば良くダメなら改めて仕切りなおしすれば良い
だが、このフォレスの打った「アドリブ策」で相手側、アデルの策も予定通りに行かなくなる、アデルからすれば、周辺各国等、最初から相手にしていない、作戦も今後の目的も最大の敵である連合を打ち返す事にある
北、東からの一部軍部参戦に合わせ、全体方針も基本的な部分だけ決めて以降の戦争もエミリアらに任せた
方針も先の言と同じく
「各国の好きにやらせる、連合側の各指揮官も後押しや援護に徹せよ」殆どの軍将に基本方針だけ伝えて任せた
各指揮官に二万づつ預け、新たに得た前線拠点、リム城砦に、主軍、後方支援も集めて、ここから補給線を作る
二万づつ任せた将も
エミリア、カルディア、アトロス、カンツォーネらに、其々参謀、前線指揮官等を付けて補い「自由にしろ」という形で任せる
ここで前線から外したのがターニャである
「オレの所に置いておく」として軍指揮から除く「何で?」ともちろん云われるが「最終局面でオレと動いてもらう」として通した
連合外の国からの参戦もリムでの合同会議が開かれたが、代理を任されたエミリアらも先の方針「自由参戦」の形と物資、兵糧はこちらで出す告知をし、フォレスの考え通りにした
これは「参戦が遅かった」他国からすれば寧ろ有り難い、何しろ、口は出さん、好きにしろ、援護も後方支援も連合がするという事だ。交換条件とも云えないが
「テスネアが折れたら、再度、降伏勧告をする、終わりのタイミングはこちらで決めるので従ってもらいたい」
と言う基本的な部分だけ主張し、これの了承も取る
アデルの策、の崩れる部分がコレにある
当面の敵、連合を対象としたモノが、実質後ろ盾に近い形に成った、前に居た敵が後ろにひっこんだ様な物だ
ただ、基本方針や策を変更する事も無かった、他に打てる方針も策も無く、既に用意は整っている、故に
「ならば、前に来た連中から潰せばよい」そう考える「しかなかった」とも云える
テスネアは既に保持二国となっているが、ここでアデルは大胆な作戦を展開する、元々決まっているものだが、前の相手が変わった事で細心である必要も無かった
間を置かず始まった全国からの攻め、連合外、各国の軍は、テスネアの領土国が二国しか無い事、既に、最終局面である事から積極的に南東、北から相手領土に攻め込む
10日この展開で小競り合いの戦が続いた後、フォレスも街道から一番最後に、ターニャの部隊、鉄騎馬隊と、アノミアらの武芸者ら合わせて60人程の少数部隊で行動を取る
既に全体兵力で二十万を切っていたテスネアは西と南の本国直通の街道に展開し、引き防衛しながら本国側へ
「釣り後退じゃないのか?」と連合側、各指揮官も懸念を示したがメリルもハーベストも一旦追撃を緩めて相手の反応を見る方針を見せて連合側は、その場で野営陣で停止、滞在の運びと成る
「他軍は追うつもりらしいですが‥」
「今更急いで相手を追撃してもあまり意味は無いよなぁ」
メリルとエミリアは陣幕でもそう見解を述べたが、これはある意味仕方無い自体ではある
「功を焦っているのだろう、陛下の方針自体「前を任せる」としたのだから我々は便乗しなくて良いかと」
「同感です、相手の策があったとしても、こちらも殺到しては混乱の元です」
「おそらく、其の辺りの事も考えての、この作戦かと」
バルクスト四剣が其々、そう示して、通常の戦争と同じく
日の昇っている間だけの行軍をすべし、とした
「テスネアの意図が判断がつきませんが、引込み戦なら罠もあります~一応自重を促しては?~」
「そうだな、其の程度でよかろう、そもそも本国までのルートが街道以外無いし自然が多い、策を仕掛けやすい」
「同感です~」
そう一応の決定が成されて先行して進む味方に「無策に猪突すると罠の可能性がある」とだけ伝令を出すが、これを受けて「それはありうるな」と、進軍を自重したのは半々であった理由はアトロスの述べた通り「功を焦る」部分による
逆に半々の自重した側からすればそれも道理、テスネア本国周辺は、中央大河が侵攻ルート、西、南の街道を寸断して横たわっており、森多く、首都回りは山岳に囲まれている
自然、軍展開が非常にやり難く、少数部隊、つまり工作員の類が展開しやすく、逆に大軍で攻めるに不向き、故に、慎重に進むのが妥当と考える者が現状の圧倒的有利があってもそうするのは普通の判断である
翌、正午前には
先行して進んだ味方先行軍が大河の橋を越えた所で接敵、アデルの主軍二万と先行軍三万であるが
攻め側は後ろから、味方が来る現状と橋前後の狭い空間である事を考慮し、数負けでも接敵から即、開戦に踏み切る
報を受けて連合側も行軍を早め現地に向かうが
辿り着く前に結果は出る事になる
「二時間で敗戦??」
エミリアに届いたのはそういう報告だった
「前衛軍はテスネア主軍と対峙、開戦に踏み切りましたが橋を越えた街道で伏兵に合い挟撃されたと‥」
「私が云うのもなんだが‥マヌケ過ぎるだろ‥」
「兎に角、後退させましょう、やはり我々が押えないと被害が増えます」
「うむ‥、友軍の被害は?」
「二割程度に留めましたが、既に街道を戻っています」
「どうしたもんかねぇ‥これ」
「後退して戻ってくるなら、陣立てを行い合流しましょう」
メリルにそう助言されて、一旦その場で野営陣を組む
更に半日後、敗戦後退してきた前衛軍と合流、話し合いを行うが、この時点で既に、向こうの方針は決まっていた
「四千近い被害ですが、あそこを突破するのは我々には難しい一旦下がって再編を行います」だった
これは要するに「連合側に任せる」という事だ、めんどうな所を押付けられたとも云うが、エミリアもメリルもこれに反対はせず、受け持つ事となる
こういう状況に成ると、友軍に任せてどうにか成るモノでもないし相手が直々に主軍を出してきたと成れば策の面でも軍のクオリティの面でも、連合側がやるほうが話が早いという事だ
「使っておいてなんだが、頼りにならん味方だな‥」
そうして連合側が一旦集結した
が、現地の状況を斥候に任せて調べた後、とりあえずの進軍から戦場に辿り着くと、この見解も変わる事となる
「狭いですね」
「周り山、其の麓から森が左右、街道を横切る様に川が幾つも、か」
「殆ど平地がありませんし、数万の軍の展開など初めから出来ないかと長蛇の陣形に成りますし」
「しかも、この地形だと長蛇にならざる得ない、向こうの狙いはこれか」
「でしょうね、ここなら狭く、大軍を出す必要がありません、しかも、伏兵や罠がかけ易い、反面、こちらが向こうの状況を把握し難く向こうは隠れやすい、地元にしか分らないルートもあるかも知れませんし」
「調査の類が大規模に必要に成りますが~‥、これは難しい‥」
「調査と言ってもそう広く展開できんぞ‥」
「如何しましょう?司令」
「川前で陣建てだな、そこそこ広いし、一旦ここでキャンプ張って情報収集か地形調査が要るな、それとフォレスに伝えよう」
「了解です」
フォレスへの伝心を飛ばした後だが、ここに直接本人が飛んで戻り既に夜であったがそのまま、小会議と成った、ただ、会議というより、伝達事項と指示だけだ
「ここで様子見、ならそれで良い、情報はこっちが調べてる」
「先行して潜ったのですか??」
「そう、アノミアの裏の面子がこっちに居るのでそれ主流で、オレとターニャも術が使えるので、色々潜入」
「大丈夫なんですか!?」
「問題ないな、向こうにマトモな術士が居なきゃバレはせんし」
「しかし、調べるとは?」
「うむ、アノミアは元々過去にテスネアの調査をやってる、それとあわせて地図作りだな、略出来ているので渡す」
「これは、有り難い」
「なんで、エミリアらはこのままこれまで通り、戦いたい連合外の国に任せて良い、精精、援護程度で」
「ふむ、で?このままで良いとは?」
「アデルが潔く戦うとも思ってないし、どうせ何かあるだろうなとは思ってる」
「???」
「王様、もしかして、相手の策潰しですか?」
「そう」
「どういう事だ?」
「一度掛かった罠は2度発動しない、向こうが自然を使った罠や伏兵を徹底してやるなら、敷設した罠や伏兵にぶつける」
「オイオイ‥友軍を地ならしに使うのか‥」
「そういう側面もあるかなぁ、ただ、こっちの調査で暴けない場合だが」
「あんまり感心せんなぁ」
「別にこっちが頭を下げて頼んだ訳じゃない、勝手に来て攻めてるだけだ」
「ま、そうだが」
「だから「援護」が要るのよ」
「しかし、既に友軍は痛い目に合って、こちらに任されているのだが?」
「問題無い、こちらも同じ手で行く、軍展開がし難いし、仮に遭遇戦に成っても大兵力戦ではない、だから少数軍でアチコチから藪を突いて進めば良い、これは実軍を使ったゲリラ戦に近い、ならこちらも同じ手で返す、これには、元々人材が豊富なこっちのが優位だ」
「だから分散配置なのか」
「そう、この際、街道に拘る必要が無い、森でも丘でも鈍足でもいい、広く扇に展開して、突きながら進み、藪からヘビが出たら叩きまわれば良い、人海戦術でな、向こうの伏兵の類の対処はこちらがすると告知して、引き続き、メインの戦闘は東友軍に任せていい」
「向こうも一定の安心とか保障があれば動くでしょうね」
「そうそう」
これら方針からメイン街道を友軍に任せて、連合側主軍は合同軍で他の連合指揮官は「道」で無い所から鈍足で周囲森等を探索しながら可能性のある部分、を全て潰して進む事になる
翌日から「決戦」と云えない様な小規模戦闘の繰り返しとなった
敵の伏兵や斥候を追いたてながら、森や丘での少数連続戦、が、これは、明らかに連合側の方が優位である、歩兵が元々軽装で防御力が高く地形に関係なく、機動力が高い
各所に指揮官、武芸者の質の差が大きい、まして既に数の上では逆転している、これが五日続くが、先に折れたのはテスネア側であった
ここで、アデルも次に移る、首都側の道へ後退、集結しながら出入り口の防衛に切り替える
「まあいい、予定の範囲だ」第三段階の作戦
自然の多い地域を抜ける手前の街道に布陣しての総力戦とは云え、狭いことに違いは無い、そしてここでも、ゲリラ戦術に近い形に成る
エミリアの主軍と東地域軍の合同で七万
テスネア側五万、ここもアデルが主軍を指揮し、前線指揮にリバースクロスだけを充てたベステックに前を任せる
出入り口が狭い事からここでの戦いなら兵力差はそう出ないと考えた
だが、見た目は殆ど軍の決戦では無い、両側に森があり、街道側まで侵食している、森の中の戦いに近かった、状況的には、連合側に不利と成る
テスネア側は出口を横に広く布陣し
連合側は長蛇、そして相軍、森の中まで横に展開した形である。盤面で言えば以下のようになる、しかも街道も精々横に20人並べるかの狭さ
テスネア主軍
山 山
山 森 街道 森 山
森 東軍 森
連合
エミリアの参謀に付いたメリルはこの展開に懸念を示した
「これは宜しくないですね‥、障害物が多く、相手の半包囲待ち構えの所を分っていながら中央突破せざる得ない‥」
「うーん‥しかし事前策はある訳だし、いや、それも形は変わらんか」
「ええ、横に他の指揮官の部隊が森の中に、と言っても出てくる所を、叩かれる事には違いありません、出口が狭いですから、しかも、この状況だとこちらの遠距離が‥」
「とは云え、友軍は積極的に前に出ているし、やる気だからなぁ」
「そうですね、ここを抜ければテスネアの首都まで直ぐですからね、なら、連合外の国に引き続き任せましょう」
「それもあまり宜しくないが‥」
無論「宜しくない」とは連合外から参加している軍を盾と剣に使う事であるが、この状況だと、そもそも連合側も無理に前に出ると混乱の元にしかならない
前に展開出来るスペースも碌に無く相当無理がある、そもそもテスネア側の出口が左右ハの字の様に、出口側に攻める程狭くなる自然条件にある
エミリアは最後まで渋ったが、既にフォレスの狙い通りに事と策が進んだと云える、そのもう一つの形が、参加している東地域軍の積極性これが参戦当初からあまり変わっていない
この戦いは開始から只管数に勝る連合側の前衛、東軍がテスネア側防衛軍を突破する形で進む
当日の開戦から激しい歩兵での打ち合いが展開されるが
これは逆にアデルの思惑通りと成った
何しろ、出口、森と街道を出た所の広くなっている平地の取り合い、テスネア側からすれば、狭い街道から出てくる敵を只管もぐら叩きを繰り返せば良く、兵力差に関わらず、テスネア側が圧倒的優位に進む
逆に連合側は相手を引かせるか、無理矢理突破して、平地側を確保しない事には不利が変わらない、分っていてもやらざる得ない状況にある
そしてこの戦いは昼夜を問わない連続戦闘と成る
と言うのも通常戦場の様な「一旦後退して、陣建て、再編」がそもそも出来ない、特に、攻め側は長蛇で陣形の前後すら入れ替えが難しく、野営地を確保する事自体も難しい状況にある
もう一つの不利が連合側の独自武装特に移動式バリスタも動かせず街道にも木々がある為「弩」も繰り出せない
左右に回っての射撃も出来なければ後ろから打つも味方を巻き込みかねない
「これは戦い難い、というよりこちらがすべき選択肢が無いぞ」
「ここで我々が無理に参加しても前が詰まってますし、邪魔になりますね」
「うむ、前衛が事態が変わっても後退出来なくなるな‥引くか」
「妥当です、大人しく第二陣として控えた方が宜しいかと」
そう交わされ、エミリアも連合側に一旦後退の指示を出し、前衛の東参加友軍も、これを妥当な判断として、長蛇の前後を切り離して、連合側が一旦引く事に成る
この判断は「妥当」そして、それが後日活きて来る事となるからである
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