剣雄伝記 大陸十年戦争

篠崎流

文字の大きさ
上 下
46 / 57
終幕の攻防編

二重の裏

しおりを挟む
 水竜は水中を移動して、かつて知ったる崖の下の洞窟にたどり着いた。
 『水泡』に包まれたリーンと共に水中から上がり、奥にある部屋へ向かうまでに、水竜は姿を変え、包まれていたリーンの『水泡』も消え、フールシアの腕の中にいた。
 そのまま奥にある、高さの低い巨大なベットの上に降ろされる。
「…。」
「さっきのは誰だ」
 ルークの事だ。
 いつも一人でいるから…。
 誰かが側にいることなんて無かったから、フールシアは訪ねて来るのだろう。
 何て答えればいい…。
 リーンはうつ向きながら、答えた。
「今、一緒に旅をしている仲間だ」
 本当の事だ…。
「そんな顔をして、ただの仲間なのか?」
 フールシアに顎を持たれ、上を向かされ視線が合う。
 どんな顔をしているかなんて、わからない…。
「まあ、いい…。おいおい聞かせてもらう…」
 そう言って『魔力の交合』をするために、フールシアは口付けてきた。
 自分でもわからない存在位置を、答えられる訳がない…。


 『魔力の交合』の後のたわむれが、気だるかった。
 ルークの叫び声と姿が、脳裏に焼き付いたまま消えてくれない…。
 リーンはフールシアのされるがままに、身体を明け渡していた。
「…気乗りしないみたいだな。…少し趣向を変えよう」
 フールシアが珍しくそんなことを言って、洞窟の外に向かって、『水泡』を放った。
 別段何が起こるわけでもなく、フールシアは背後からリーンを穿うがち突き上げる。
「んっっ…あっ…あっ…」
 フールシアはリーンの首筋に口付け、耳元で囁く。
「何か別の事を考えているな…」
「…。」
「ココにいる間は俺を見ろ…」
 そう言って両胸の突起をきつく摘ままれた。
「あああっっ…」
 なぜか分からないが、涙が溢れてきた。
 何で!どうして!
 もうどうしたら良いのかわからない…。

 フールシアに背後から抱えられ、楔を打ち込まれ、上下に動かせれ、動くたびリーンの髪が揺れ、声が上がる。
「あっ…あっ…あんっ…んんんっ…」
 考えることに疲れたリーンの思考は止まっていた。
 フールシアが突然動きを止め、右手をリーンの前方に掲げる。
「『移動』」
 そんな風に聞こえたかと思ったら、リーンの目の前にルークがいた。
「「!?」」
 何が起こったのか、驚いているルークとリーンを見て、フールシアはニヤリと笑う。
「リーン。お前の可愛いところを見せてやれ」
 そう言って、フールシアはリーンの両ひざ裏を掴み、左右に開いた。
 リーンは我に返り、蜜を溢しながらち上がっているモノを両手で隠し、涙を溢した。
「嫌っ!見ないで!」
 こんな姿をルークには見られたくなかった。
 欲情して、身体を繋げて、男を欲しがっている姿なんて見せてくなかった。
 悲しくて、涙が止まらない…。
 ルークは固まったまま、じっとリーンを見ている。
「…抱かせてないのか?」
 二人の様子を見ていたフールシアが、不思議そうに笑う。
「…そんな…関係じゃ…ない…って…」
 ルークの視線にさらされながら、恥ずかしくて、しどろもどろで答える。
「ふ~ん」
 フールシアは納得しかねない感じで、ルークを見る。
「リーンが苦しそうだから、お前が慰めてやれ」
「ちょっと!何を言って!」
 何を言い出すんだ!
 この状況で、どう慰めるって!
 ルークは顔を赤くして、操られたかのようにリーンに近付いて来て、顔を近づけてきた。
「ちょっとルーク!んっ…っ…」
 ルークに口付けられ、口内に舌が侵入してきて、絡まり合う。
 角度を変えられながら口内を蹂躙される。
「んっ…っ…んっ…つっ…んっっ…」
 …気持ちがいい…思考が…溶ける…。
 唇が離され、唾液が糸を作り、身体の力が抜け、背後のフールシアにもたれ掛かってしまう。
 そう、まだ、フールシアは身体の中で固さを保ったまま…。
 ルークはリーンが両手で隠している股間に顔を近付け、その隙間から見える濡れた茎に舌を這わす。
「あああっっ…!」
 何度もイって敏感になっているソレは蜜を溢す。
「…ダメ…ルークが…ああっ…そんなことを…はぁ…んんっ…ダメ…」
 そう言いながらも、リーンのモノはビクビクと震え、蜜を溢し、快楽から逃げようと腰が揺れ、中のフールシアを締め付ける。
 外からと中からの刺激にリーンの身体が揺れだし、ルークにリーンの手が隠しているモノから、手を退けられた。
 ルークの目の前に曝された、濡れてち上がるモノに熱い視線を向けられ、身体が火照ってくる。 
「…あっ…」
 視観され、トロリと蜜が流れて、それをルークが舌で舐め取っていく。
「あああぁぁ…!」
 ルークが前を咥え、舌先で刺激され、フールシアが後ろから突き上げてくる。
「あああっっ…あっ…あああっっ…あっ…あっ…あああっ…!」
 …もう、快楽に身を委ねるしかなかった。
 
 




しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

父が再婚しました

Ruhuna
ファンタジー
母が亡くなって1ヶ月後に 父が再婚しました

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

境界線の知識者

篠崎流
ファンタジー
その世界、大陸は割拠の真っ只中だった、俗世と戦を避けて放浪していた無名の術師フォレス。ベリオールという国に流れ自然に暮らしていたがそこでも戦禍が発生する、敗戦の捕虜に成りかけた王族の姫を偶々助けた事で彼の運命と世界が大きく変わっていく

異世界の貴族に転生できたのに、2歳で父親が殺されました。

克全
ファンタジー
アルファポリスオンリー:ファンタジー世界の仮想戦記です、試し読みとお気に入り登録お願いします。

婚約破棄からの断罪カウンター

F.conoe
ファンタジー
冤罪押しつけられたから、それなら、と実現してあげた悪役令嬢。 理論ではなく力押しのカウンター攻撃 効果は抜群か…? (すでに違う婚約破棄ものも投稿していますが、はじめてなんとか書き上げた婚約破棄ものです)

強制力がなくなった世界に残されたものは

りりん
ファンタジー
一人の令嬢が処刑によってこの世を去った 令嬢を虐げていた者達、処刑に狂喜乱舞した者達、そして最愛の娘であったはずの令嬢を冷たく切り捨てた家族達 世界の強制力が解けたその瞬間、その世界はどうなるのか その世界を狂わせたものは

そんなの知らない。自分で考えれば?

ファンタジー
逆ハーレムエンドの先は? ※小説家になろう、カクヨム、pixivにも同じものを投稿しております。

凡人がおまけ召喚されてしまった件

根鳥 泰造
ファンタジー
 勇者召喚に巻き込まれて、異世界にきてしまった祐介。最初は勇者の様に大切に扱われていたが、ごく普通の才能しかないので、冷遇されるようになり、ついには王宮から追い出される。  仕方なく冒険者登録することにしたが、この世界では希少なヒーラー適正を持っていた。一年掛けて治癒魔法を習得し、治癒剣士となると、引く手あまたに。しかも、彼は『強欲』という大罪スキルを持っていて、倒した敵のスキルを自分のものにできるのだ。  それらのお蔭で、才能は凡人でも、数多のスキルで能力を補い、熟練度は飛びぬけ、高難度クエストも熟せる有名冒険者となる。そして、裏では気配消去や不可視化スキルを活かして、暗殺という裏の仕事も始めた。  異世界に来て八年後、その暗殺依頼で、召喚勇者の暗殺を受けたのだが、それは祐介を捕まえるための罠だった。祐介が暗殺者になっていると知った勇者が、改心させよう企てたもので、その後は勇者一行に加わり、魔王討伐の旅に同行することに。  最初は脅され渋々同行していた祐介も、勇者や仲間の思いをしり、どんどん勇者が好きになり、勇者から告白までされる。  だが、魔王を討伐を成し遂げるも、魔王戦で勇者は祐介を庇い、障害者になる。  祐介は、勇者の嘘で、病院を作り、医師の道を歩みだすのだった。

処理中です...