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北の獅子編
人の世界
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二週間後 一旦銀の国戻ったエドガー、カルラの二人はマリアに労を労われ数日豪華な宿泊と個人恩賞の後
一連の北伐戦争での情報をマリアに通達する
「とにかく人材の豊富さとそれを見出し使う若い王の鋭敏さが素晴らしくあります」
「知と武の両軍優れた接戦の強国同士の戦争の結果もそれが土台にあっての事と考えます」
「うむ、聞いただけでよだれの出る人材国じゃの」
「は、それに、聞く所によると、代替わりしてからまだ二年とか、その間に倍以上の人材、有事に対する準備を整え、最終的には装備も人もベルフ北伐軍を上回り、終始優位に展開しました」
「狙ってやっている訳でもないのでしょうが、無償の援護、他国住民への保護等からも人と物の集まりが向こうから勝手にやってきて集うという結果になったようです」
「今後の戦略はどう考えていたか?」
「更に人を増やすつもりらしく、推薦等も進めるようです、そう指示を出していました」
「それと、東地域との連携も視野に入れているようです」
「なるほど、よく見ておる、東は北からしか繋がらんからな」
「はい、それと、マリア様、西地域らの現状も理解しており豊富な人材を更に増やし、「人」の面からのこちらへの援護も考えているようです」
「なんとも頼りになる連中じゃな」
「ご尤もです」
「一連の戦争から見ても、知者も多くアリオスも封じたと言っていいでしょう。特にアルベルト、ロベールらの手持ち武芸者と戦える者が多く、数でも楽に上回ります」
「単身で任せても防備できる国というのは貴重じゃな」
「ハイ、が、新王はそれに奢らず、常に味方や部下の意見を聞き、決定を行います。実際軍議の類が異常に多くあります。」
「それに野心も多くない、庶民派です、王単身でも「知勇」に優れ、自ら軍を率いて戦い前線でも他の者に劣らず、全体を疎かにしません、それほどの単身の実力、国家軍力がありながら、他国への強引な介入もありません」
「よく分かった、ほんとにご苦労じゃった。二人はそのまま、落としたトレバー砦に戻るといい、そのほうが力を活かせる」
「ハハ!」
同日、東メルト国へ、アレクシアが訪問、とりあえずの一連報告と挨拶前王は引退して大御所として、代替わり、息子の新王に謁見した
その場で同席したメルト側の政治担当官で大御所直属軍師として顔を出していた、マルガレーテを紹介されて、主に二人での話しをとなるが
アレクシアもマリーもお互いの顔を見て固まった。30秒程見つめあって居た、というより双方刺すような視線だった
その空気を呼んで王は「どうかしたのか?二人共?」と言ったが
「いえ、美しい方ですわね、と思いまして」とマリーは誤魔化し「同じ事を思いました」とアレクシアもそれに乗って誤魔化した
「ふむ?、ああ、たしかにそうだね」と納得したようだ
そこで二人は
「では細かい事はアレクシア様と協議致します」として密室会談を行う。部屋に入って、席に付いた後お互い顔を上げて見て、同時に
「貴女何者なの?」と二人共言った
あまりのタイミングの良さにそこでまた固まるが、まずアレクシアはフッと笑って表情を崩した
「まあいいわ、別に敵じゃないんだし」
「そうね、今はお互い国の「人」だしね」と返した
二人が、お互いに驚いて固まったのは双方魔術士であるからだ、しかも「人間ではありえない許容量の魔力」がお互いあったからである
「成程、10代で魔術を極めた北の天才魔術士、アレクシアが貴女なら納得だわ」
「それにしても似た者が居るとは驚きだわ」
お互いどうしようかとも思ったが
「まあ、私はハイブリットだから「人」でもあるけど」とアレクシアが先に言ったのでマリーも「私は純粋種よ」とお互いの正体を明かすことをそう返して同意した
それが、お互い秘密を洩らさない、事への同意でもある、と分かり話したのだ
「人魔の生き残りよ」
「魔竜の生き残りよ」とそこでもお互い明かして驚いた
「人魔って暴虐じゃないの?‥」
「そうで無い者も居る、それに私は「魔」と言っても神格の方だから」
「驚いたわね‥」
「それはこちらのセリフよ、魔竜と言えば基礎元素への親和性が生まれつき高い激レア種じゃないの、しかも、竜の純粋種とは」
そこでまたお互い同時に「何で人間社会に‥」と言って吹き出しそうになった「そりゃ、もう世界は人間の物だし」とまた同じ見解を示して笑った
「だったら、無意味な話は止めましょうか‥」
「そうね、お互い「立場」があるのだし‥」
そこでようやく今回の本題の大陸戦略について話し合う
「うーん、どちらも魔術士なら「渡り」を付ける意味も無いかしら」
「一応道具を用意したから渡すわ、貴女は兎も角、他の人や国にも使えるし」と、マリーは「伝心のエンチャンターのイヤリング」を渡す
「‥貴女エンチャンターなの?」
「一応」
アレクシアがそう聞くもの当然である、そもそも伝心のイヤリング等聞いた事がないどう見ても「自作品」である
「それ、後で教えてくれる?」
「え?いいのかなぁ‥うーん」
「悪用はしないわよ」
アレクシアもマリーが一瞬渋った理由も瞬時に理解した故にそう言った
「分かった、時間が出来たら声を掛けるわ」
「時間が無い?」
「結婚して子供出来たから長期間、空けられないし」
「え?!人間と?!」
「あ、うん」とマリーは自分の旦那、ジェイドとの経緯を簡単に説明した
「幸せな事ね、正体を知って尚、愛してくれる人なんて‥」
「あ、エヘー」そう言われてマリーがデレる
「しかも、今時ドラゴンスレイヤーとはね‥メルトには凄い人間が居たものね」
「引き分けだったからスレイヤーでもバスターでもないけどね‥」
「並ぶ者、かしらね強いて言えば」
「例に無いからなんともねぇ」
「竜と人の伝承はいっぱいあるけど、単身で戦って引き分けて、しかも夫婦になるなんてあんまり無いからね」
「そうなんよ~」
「所で‥アレクシアの方は?」
「何で北の獅子の重臣なのか?って事?」
「うん」
「そうねぇ‥今の陛下、が王子の頃、まだ9歳だったかしら、彼に拾われたのよ」
「そうだったの」
「ええ、彼とは王都外の森で出会った、まだ私は姿を隠して生きていたけど、彼はそこに妹と遊びに来てた、そこで「身隠し」を使って眺めていた私をあっさり見つけて話しかけてきたわ、まるで昔からの友達の様に」
「魔術の親和性が高いのかしら?」
「だと思う、実際妹のモニカ様はかなりの魔術士になったし」
「話がそれたわね、それで」
「子供なら、と思ったものあるし、どうせ夢でも見たのだろうと誰も信じないと思った。それと私自身が誰かに話したかったのかもしれない、そこで、私は自分の正体を明かしたわ」
「でも、彼も妹も「別に魔の血が混ざってるからって隠れて生きる必要もないよ?」て言った。そこからはトントン拍子ね、王に紹介し、魔術も知識も一番自分の側に置いて、教育官にも任命、様々な所で結果を出して出世もさせてもらったわ」
「良い王様ね」
「ええ、私の事情を察して「普通の人間」として活かしてくれたし秘密も知っているのは二人だけと、ここに居る貴女だけよもう、何百年も生きてるけど、きっと今が一番幸せ‥」
「そっか‥」
「ま、そういう事情ね、だからロラン様の為に尽くしたいそう思ってるわ」
「裏表が無いのね、良い関係だわ」
「ところで」
「ん?」
「貴女の、子も見てみたいわね、後学の為に」
「そっか、じゃそれもまた、時間のある時に、ちょっと遠い所に預けてあるし」
「分かったわ」と言ってアレクシアは立ってから握手を求めた
「とりあえず本題は終わったから戻るわ、また、会いましょう」
「ええ、宜しく」とマリーもその手を握り返して会談を終えた
「意外な友達」が公人会談で出来てしまった事も驚きだが同じ考えと境遇の人物が居たのも驚きだ
「もしかしたら知らないだけでいっぱいるのかも?」と両者思った。無論「種」的な意味合いでもある
こうして、連動でも大陸連合は各々で「渡り」を付け、準備が整う、より一層、ベルフにとっては不利な状況が拡大すると言える事態である
大陸戦争7年目を過ぎた
今にも雪が降り出しそうな寒い日の事であった
一連の北伐戦争での情報をマリアに通達する
「とにかく人材の豊富さとそれを見出し使う若い王の鋭敏さが素晴らしくあります」
「知と武の両軍優れた接戦の強国同士の戦争の結果もそれが土台にあっての事と考えます」
「うむ、聞いただけでよだれの出る人材国じゃの」
「は、それに、聞く所によると、代替わりしてからまだ二年とか、その間に倍以上の人材、有事に対する準備を整え、最終的には装備も人もベルフ北伐軍を上回り、終始優位に展開しました」
「狙ってやっている訳でもないのでしょうが、無償の援護、他国住民への保護等からも人と物の集まりが向こうから勝手にやってきて集うという結果になったようです」
「今後の戦略はどう考えていたか?」
「更に人を増やすつもりらしく、推薦等も進めるようです、そう指示を出していました」
「それと、東地域との連携も視野に入れているようです」
「なるほど、よく見ておる、東は北からしか繋がらんからな」
「はい、それと、マリア様、西地域らの現状も理解しており豊富な人材を更に増やし、「人」の面からのこちらへの援護も考えているようです」
「なんとも頼りになる連中じゃな」
「ご尤もです」
「一連の戦争から見ても、知者も多くアリオスも封じたと言っていいでしょう。特にアルベルト、ロベールらの手持ち武芸者と戦える者が多く、数でも楽に上回ります」
「単身で任せても防備できる国というのは貴重じゃな」
「ハイ、が、新王はそれに奢らず、常に味方や部下の意見を聞き、決定を行います。実際軍議の類が異常に多くあります。」
「それに野心も多くない、庶民派です、王単身でも「知勇」に優れ、自ら軍を率いて戦い前線でも他の者に劣らず、全体を疎かにしません、それほどの単身の実力、国家軍力がありながら、他国への強引な介入もありません」
「よく分かった、ほんとにご苦労じゃった。二人はそのまま、落としたトレバー砦に戻るといい、そのほうが力を活かせる」
「ハハ!」
同日、東メルト国へ、アレクシアが訪問、とりあえずの一連報告と挨拶前王は引退して大御所として、代替わり、息子の新王に謁見した
その場で同席したメルト側の政治担当官で大御所直属軍師として顔を出していた、マルガレーテを紹介されて、主に二人での話しをとなるが
アレクシアもマリーもお互いの顔を見て固まった。30秒程見つめあって居た、というより双方刺すような視線だった
その空気を呼んで王は「どうかしたのか?二人共?」と言ったが
「いえ、美しい方ですわね、と思いまして」とマリーは誤魔化し「同じ事を思いました」とアレクシアもそれに乗って誤魔化した
「ふむ?、ああ、たしかにそうだね」と納得したようだ
そこで二人は
「では細かい事はアレクシア様と協議致します」として密室会談を行う。部屋に入って、席に付いた後お互い顔を上げて見て、同時に
「貴女何者なの?」と二人共言った
あまりのタイミングの良さにそこでまた固まるが、まずアレクシアはフッと笑って表情を崩した
「まあいいわ、別に敵じゃないんだし」
「そうね、今はお互い国の「人」だしね」と返した
二人が、お互いに驚いて固まったのは双方魔術士であるからだ、しかも「人間ではありえない許容量の魔力」がお互いあったからである
「成程、10代で魔術を極めた北の天才魔術士、アレクシアが貴女なら納得だわ」
「それにしても似た者が居るとは驚きだわ」
お互いどうしようかとも思ったが
「まあ、私はハイブリットだから「人」でもあるけど」とアレクシアが先に言ったのでマリーも「私は純粋種よ」とお互いの正体を明かすことをそう返して同意した
それが、お互い秘密を洩らさない、事への同意でもある、と分かり話したのだ
「人魔の生き残りよ」
「魔竜の生き残りよ」とそこでもお互い明かして驚いた
「人魔って暴虐じゃないの?‥」
「そうで無い者も居る、それに私は「魔」と言っても神格の方だから」
「驚いたわね‥」
「それはこちらのセリフよ、魔竜と言えば基礎元素への親和性が生まれつき高い激レア種じゃないの、しかも、竜の純粋種とは」
そこでまたお互い同時に「何で人間社会に‥」と言って吹き出しそうになった「そりゃ、もう世界は人間の物だし」とまた同じ見解を示して笑った
「だったら、無意味な話は止めましょうか‥」
「そうね、お互い「立場」があるのだし‥」
そこでようやく今回の本題の大陸戦略について話し合う
「うーん、どちらも魔術士なら「渡り」を付ける意味も無いかしら」
「一応道具を用意したから渡すわ、貴女は兎も角、他の人や国にも使えるし」と、マリーは「伝心のエンチャンターのイヤリング」を渡す
「‥貴女エンチャンターなの?」
「一応」
アレクシアがそう聞くもの当然である、そもそも伝心のイヤリング等聞いた事がないどう見ても「自作品」である
「それ、後で教えてくれる?」
「え?いいのかなぁ‥うーん」
「悪用はしないわよ」
アレクシアもマリーが一瞬渋った理由も瞬時に理解した故にそう言った
「分かった、時間が出来たら声を掛けるわ」
「時間が無い?」
「結婚して子供出来たから長期間、空けられないし」
「え?!人間と?!」
「あ、うん」とマリーは自分の旦那、ジェイドとの経緯を簡単に説明した
「幸せな事ね、正体を知って尚、愛してくれる人なんて‥」
「あ、エヘー」そう言われてマリーがデレる
「しかも、今時ドラゴンスレイヤーとはね‥メルトには凄い人間が居たものね」
「引き分けだったからスレイヤーでもバスターでもないけどね‥」
「並ぶ者、かしらね強いて言えば」
「例に無いからなんともねぇ」
「竜と人の伝承はいっぱいあるけど、単身で戦って引き分けて、しかも夫婦になるなんてあんまり無いからね」
「そうなんよ~」
「所で‥アレクシアの方は?」
「何で北の獅子の重臣なのか?って事?」
「うん」
「そうねぇ‥今の陛下、が王子の頃、まだ9歳だったかしら、彼に拾われたのよ」
「そうだったの」
「ええ、彼とは王都外の森で出会った、まだ私は姿を隠して生きていたけど、彼はそこに妹と遊びに来てた、そこで「身隠し」を使って眺めていた私をあっさり見つけて話しかけてきたわ、まるで昔からの友達の様に」
「魔術の親和性が高いのかしら?」
「だと思う、実際妹のモニカ様はかなりの魔術士になったし」
「話がそれたわね、それで」
「子供なら、と思ったものあるし、どうせ夢でも見たのだろうと誰も信じないと思った。それと私自身が誰かに話したかったのかもしれない、そこで、私は自分の正体を明かしたわ」
「でも、彼も妹も「別に魔の血が混ざってるからって隠れて生きる必要もないよ?」て言った。そこからはトントン拍子ね、王に紹介し、魔術も知識も一番自分の側に置いて、教育官にも任命、様々な所で結果を出して出世もさせてもらったわ」
「良い王様ね」
「ええ、私の事情を察して「普通の人間」として活かしてくれたし秘密も知っているのは二人だけと、ここに居る貴女だけよもう、何百年も生きてるけど、きっと今が一番幸せ‥」
「そっか‥」
「ま、そういう事情ね、だからロラン様の為に尽くしたいそう思ってるわ」
「裏表が無いのね、良い関係だわ」
「ところで」
「ん?」
「貴女の、子も見てみたいわね、後学の為に」
「そっか、じゃそれもまた、時間のある時に、ちょっと遠い所に預けてあるし」
「分かったわ」と言ってアレクシアは立ってから握手を求めた
「とりあえず本題は終わったから戻るわ、また、会いましょう」
「ええ、宜しく」とマリーもその手を握り返して会談を終えた
「意外な友達」が公人会談で出来てしまった事も驚きだが同じ考えと境遇の人物が居たのも驚きだ
「もしかしたら知らないだけでいっぱいるのかも?」と両者思った。無論「種」的な意味合いでもある
こうして、連動でも大陸連合は各々で「渡り」を付け、準備が整う、より一層、ベルフにとっては不利な状況が拡大すると言える事態である
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