第三勢力のレオ

篠崎流

文字の大きさ
上 下
16 / 35

要求を通したかったら実力を示せというルール

しおりを挟む
建物は結構デカイまあ、元公共施設なら当然だが外観は兎も角、内部は割りと綺麗になっている

そこで奥部屋に「ハイレ」と言われ案内した雌はその場で直立不動で待った「凄い無愛想よな」とか思いながら扉を開けて入った

部屋はそれなりに広いが殺風景ではある
椅子しかないし。そんで相手はその椅子に一人だった

「キサマが一人で乗り込んで来たアホか」

そう言った相手がおそらく責任者だろう、一目でメスと分る女性体、つまり人間感覚での女性にかなり近い

他の鬼雌とまた見た目の差異が大きい、やはり人型、女性体、筋肉質ではあるがバキバキという訳でなく筋肉と贅肉のバランスがよくスタイルは良い

バスト、ウエスト、ヒップのバランスに優れた超グラマーで赤褐色の肌、褐色なんだけど日焼けの初期みたいな感じ、海に行って焼くとまず赤くなってから黒くなる、この赤褐色

顔も略人だろう。長い黒髪を後ろに流して纏めた髪型、所謂デコ出し、に耳の上に巨大な後ろに巻いた様な角が左右にある、かなり迫力のある顔で、切れ長の狐目に三白眼、多分普通にしてるのだろうが睨まれてる感じ、人間側の感覚で言っても怖い美人の部類だろう

右手に持った槍の様なスコップの様な武器を杖の様に使い立ち上がってレオの前に来て見下ろした、身長は目算で百八十六~くらい、レオより頭一つデカイ、ラバーベルトみたいのを多数巻きつけたスーツ水着て感じに足と腕に重そうな防具、彼女は舐める様にレオを下から上に見て笑っていた

再び椅子に戻って座って偉そうにしたまま問うた

「成程、情報通りだな」
「情報?オーガとの戦争のか?」
「それもあるが、キサマは西でも戦ったな?ゾルて小悪党を知らんか?」
「ゾル?下級悪魔とか言ってた奴かな」
「そうだ」
「ああ‥確かに倒したな(相打ちだけど」
「やはりキサマが勇者という奴か」
「自覚は無いがそう呼ばれる事もある、実際勇者かどうかは知らん」
「フ、そうか、で?外交とは何だ?聞いてやろう」
「ああ‥」

そうしてレオの方から自身の簡易経緯考え、つまり人と魔物が全面戦争しても勝てないと考えて居る事、勝とうが負けようが双方にメリットが無い事、人だろうが魔物だろうが、戦って死ぬのが好きな奴などいないと正直に話した

「面白い‥理屈上はそうだな、だが、オレはもっと上からの方針で従ってるに過ぎないし方針という程、決定されているものではない」
「お前は人間の政府とか国家で言えば将官みたいなもんだろ?」
「人間側の体制は詳しく知らんが、こちらには公人なんて概念はない。力と血に寄って立場を与えられるだけだ、そしてオレは此処に送られた、大まかに方針はあるが、それは大昔からの物で今のトップから示されたものでもない」
「大昔からの方針?」
「それほど強制力がある事じゃない、魔物の領土を広げろ、だ」
「凄いアバウトだな‥」
「オレもそう思う、それに今の時代にあった方針とも思ってない」

「理由は?」
「魔物の領土を広げろ、は五百年も前からある方針だ。皆、それを守って、トップ界隈もそれを引き継いでいる、がそれは魔物の繁殖が盛んだった時期の話、今はそうでもない、だからオレはこの地に送られたがそれ程方針に従ってない」
「イマイチワカランが、今の魔物てのはそんなに増えないのか?」
「そう、こっちが増えれば土地も要るが、今はそうでもないから無理矢理増やす事もない、これはオレの考えだ」
「もしかしてアレか?男女比のバランスを欠いているからか?」
「ほう‥よく知ってるな。だがそれだけでもない。一番問題なのは魔物や魔族は雌が強く少ない、力こそ全ての我々は自然オスの立場が低くなる例が多くそう子供も出来ない、メスが選ぶし、認めなければカップリングも起きない、自然的に全体の数は伸び悩む」
「成程な、そっちはそっちで社会問題みたいのがあるのか」

「もっとも種族にも寄るがな、オーガはオスメスのバランスはそれ程欠いていないから、これもどうでもいいが」
「ふーん」
「まあ、マクロな話はどうでもいい、ミクロの話をしよう。キサマは外交と言ったがオレに何を求めて来た?雑談しに来た訳じゃないんだろ?」
「そうだったな‥、俺は先に説明したとおり魔物と人間の戦いは無駄だと思ってる。んで、俺は雇われている訳じゃないが、シュバイクと多く関わりがある割といい国だし好きだ。で、単刀直入に言うがソッチには嫌がらせの攻撃を止めて貰いたい」
「ふむ‥まあ、オレも本国とかの方針はどうでもいいからそれは構わんがな。ただ、オレが引いてやっても一事的な事だぞ、どうせ違う奴が代理とかに収まる、その間、数年戦いが収まるだけだ。オレが認めても魔物社会全体で言えば「魔物の領土を広げる」は常識みたいなもんだ、違う奴が来てその方針に従うだろう」
「それでもいいがな、新しい指揮官が来たらまた交渉するさ」
「まあ、いいだろう、ただ条件無しでお前の要望を聞く訳にもいかんな」
「そうだろうな‥示しが付かんし、お前の立場が悪くなる」
「それもあるがそういう事じゃない」
「?」
「力こそ全て、だ」
「何だそりゃ‥」

「キサマがオレに要求を飲ませたかったらオレを納得させる力を見せろ、それを皆の前で示せばキサマは認められる。同時に、オレがお前の要求に従ってもそれは妥当な事だと成る」
「すげー社会だな‥つまり、お前に変わって俺が此処で一番と認めさせろそれがお前のアリバイにも成る、か?」
「そうだ。口で言う事など誰も聞かん、示せ」

そう言われれば仕方無いだろう、それが向こうのルールである、ただ、それはそれで無駄の無いシステムではある。大勢が政府とか王様とかに従って殺し合いをするなんて無駄だ

誰も望んで無い事を、後ろで安全圏で偉そうに控えた無能に命令されて全員がやるなんて馬鹿らしい、少なくとも魔物のルールや常識では、偉そうに安全な所に隠れて命令する無能為政者、という部分はない

オレが一番強く、優れて居ると示してから皆納得して従うからだ、シュバイクの旧代理政府の王子や、近代の国家元首の様に口だけペテン師で実際何も出来ない無能は、まず弾かれる。偏ってはいるが完全実力主義には違い無い

「わかった、やろう」
「いいだろう、表へ出ろ」

ただ、示せばいいのだからレオはルールを示した、ボスもそれで納得して準備の時間を作る事になった

レオはアルを呼び一連の説明をした後ルールの為の用意、ボスの方は、街と近隣に居る手下やオーガを集めて街の広場に集める。これが整ったのが、翌日正午

街の真ん中にある広場に大勢の鬼が円になって集まり、ボスは大声で説明した、これは魔物の世界では偶にある事らしい

当然だ、優れて居ると自信のある者はトップに挑んでいい、勝てば王様、負ければその場で八つ裂きにされても文句無して事だ、それ以外でも、要求を飲ませたいとかにも行われる

一応元からある、式を行う、違うのはレオが要求したルール「どっちが強いか分ればいいのだから」と模擬武器での決闘のルールを申し込んだ

代表決闘だとしても、双方が殺し合いなんぞ無駄だしどっちが勝とうと怨みが残る、お互い持ってる武器に差があるので公正にしようとした事

「確かにそうだな」と、これも納得して決まった

何しろ相手ボスは巨大な槍、レオは精霊武器のミドルサイズの片手剣だ、公平とは言い難い

両者、其々木剣を持って群集が作った円の中に入って対峙した、アルも「大丈夫かなぁ‥」と呟いたが、まあこのルールなら勝っても負けてもミンチには成らんし死にはしないだろう‥たぶん

特に合図も無く試合開始と成ったが単に見た目で言えばレオが勝てる気はしない、ボスはデカイし横幅もあるレオの1,2倍くらいはある

とりあえず様子見でレオは防御主体で、相手の動きを待ったが向こうは余裕の笑みのまま、肩に剣を担いだまま言った

「ふむ、どうした?勇者とやらの剣技見せてみろ」と
「別に勇者じゃねーし…」とは思ったが

勿論、そんなのには応じない、まず、どの程度の力量なのか測らないと攻めるにしろ守るにしろ組み立てが出来ない

ボスはその体勢から「フッ」と消える様な速度で前進、ダッシュと言った方がいいだろう

そのままレオの射程圏内に一瞬で入り上からの一撃を振り下ろした、所謂、脳天唐竹割りてヤツだ

「おわ!?」とレオも咄嗟に横に飛んでかわしたがボスの空振りで衝撃波か発生するかの様な風が巻き起こった

「おおお!」と歓声が挙がって一気に静寂から盛り上がって騒ぎになった

「滅茶苦茶早えー」とも思ったがレオなら見える事は見える、動体視力と反射神経を総動員してどうにか避けたが、結構ギリギリだ

問題なのは「見える」のだが「体がおっ付かない」事だ、ギリギリ避けれるが何時もの様に、隙にカウンターて訳にはいかない、切り返す余裕がない

そうしてこの戦いはレオが防いで
ボスが攻める展開になった

明らかにボスは攻撃に優れて上回り、レオが避けるしか出来ない展開になって膠着した、というより防戦一方しかないし、滅茶苦茶怖い、木剣でも当たったら頭吹っ飛びそうだし「こりゃアカン甘かったか!?」と思ったが打つ手がない

十二分もこの展開が続き勝敗は明らかだった。が、その十二分過ぎ、僅かに活路が見えた

回避するしか出来なかったのだがその時間からレオの余裕が生まれる、というのも、レオから見てだがボスの動きが鈍った様に見えた

こっちも条件は変わらないのだが、相手の方が呼吸が荒く、肩で息し始めていた

「くう、何時まで逃げてるつもりだ!?」とイライラしながら口にしたくらいだ
「コイツは体力はそれ程優れてないのか?」とも思った

勿論そんな訳ない、ボスがイライラして怒ったのは自身でも本調子では無い事を察したからだ、つまり「この程度で疲れだと!?馬鹿な!?」が自分にあった

この「差」を使わない手は無い、レオは駆け引き要素も差し挟む、防戦一方から自ら接近し、飛び込んで攻撃に反転

勿論、ボスは引かない、前進して突っ込んで来る、レオを全力で迎撃、つまり打ち返した、このボスの飛んできた相手を打ち返す横切りを移動を強制ストップさせて空振りさせ

残りありったけの力を振り絞って斜め右横に飛びながら、すれ違い様に小手を相手の手首に打ち込んだ

「ぬ」と声を挙げてボスも驚いたが別に打撃されても痛くはない、肉体の頑丈さが人間のモノではないし、ただ、察したのである

両者が距離が出来て離れて構えたがボスは構えなかった。右手に持った木の剣を震えながら掲げ「クッソ!!」と石畳の地面に投げつけた

そんなに思いっきり投げた訳じゃないんだが叩き付けられた剣はそれで粉々になった、周囲の観客、鬼共も慄いたがボスはそのまま胡坐に座って宣言したのである

「オレの負けだ!」と

そう「真剣だったら」である、レオは被弾してない、ボスは手首を斬られた、実戦、互いが同じ武器、ならそういう結果である

「オレの負け」に意を唱える者はいない、そう当事者が認めたからだ

そうしてこの勝負はレオの勝ちと認定され静まり返った。空気読まずにアルが「やったーにーちゃん!」とか飛びついて押し倒したが

だが、きちんとした公正なルールでの決闘だし当事者が認めたし全員が見た、それ以上はない

「オレはこの男の要求を受け入れる、いいな!」と怒鳴られ、鬼も全員従った

その後、街のボスの滞在する施設の一室に案内されてもてなされた、誰の眼にも明らかに「魅せた」だからもう、自分らはレオに従うという明確な基準である

レオはそのもてなしを受けた後、皆の心情を考慮してボス交代とはしなかった、ルールはそうでも、レオは人間である

それに従えってのも無理だろうし、今まで通りにして、今までのボスに従えとした。つまり、ボス事、鬼のシュウがこれまで通りボスでいい、シュウはタイマンで俺に負けたからシュウはレオに従う、という事にした

まあ、正直「じゃあ次のボスは俺ね」つってもあの雰囲気じゃ暗殺とかリンチに合いそうだし鬼を従えるてのもそれはそれで嫌だし

「アル、此処はそういう訳で大丈夫そうだ。テレパシー、だと一方通行過ぎてアレだから報告してくれ、直接外交で和睦、あるいは嫌がらせの攻撃も止めるて事で。勝ったから多分そうなる」
「そうだね」
「俺はもう少し、向こうの知識とか常識を聞いておきたいし、ある程度自分でも回ってみる、可能なら集落の方も。なんで先に戻っていいぞ」
「オッケー」

と先にアルが国に戻った、その後、ボスと彼女の側近らと会談し攻撃は停止、レオには従うという事で纏まった、そしてお互いの個人的な興味での会談である

ボス事、彼女はシュウ、正式には「秋の鬼姫」というらしい、姫とは付いているが、二つある鬼一族の片方を束ねる頭領の一人で、強さと血統両方に優れて魔族としてはトップ十前後には置かれているそうだ。まあ、実際対峙したレオにはその強さは分る、以前のレオなら多分、最初の一撃すら避けれてない

特に、彼女が持って居る槍とスコップ足した様な変な武器は
「土竜の槌」とか言うやつらしく、魔法も物理も防ぎ、一振り十倒す、と評される、振れば地面を砕き、衝撃波と石つぶてで相手をミドルレンジから吹き飛ばすらしい

格闘ゲームのパワーゲイザーみたいのが発生する、これを使われてたら百%どうにも成ってない

これら一連の事情を見ても鬼姫は所謂、勝てばなんでもいいてタイプではない。正統な武人気質、だから公平な条件を受けた、まあ、ただ、あの勝負自体は当人はやっぱり悔しいらしい

「偶々あの時は調子が悪かっただけだ!」
「あんなんで疲労なんぞせんぞ!」とグチったし
「分ってる、俺もそう感じた、調子が戻ったら再戦してもいいぞ」と返した

逆にそう返されると、それで納得したようだ
「そうだろう、そうだろう」とか言って機嫌が戻ったし

わりと居心地がいいのもあって、その後数日は滞在する事になった、シュウも何かと酒もって話しにくるし、周囲の側近の鬼雌もレオ様レオ様、と言って敬愛を見せるし

一般の鬼と街で会えば皆、ズラッと並んで平伏する、古代の人間もそうだが「強き者」「優れた者」こそ全てなのである

ただ、今後も問題はあると思って鬼姫と話したが実は彼女に限っては、そうでもないらしい

魔族の本国政府みたいのが鬼姫の職務怠慢があれば交代させるか、罰するか、とかが人間側ではあるが、魔物側てのはあんまり関係ない

例えば鬼姫がこの大陸地域の人間の国を取れと指令されて配属されて、やらなかった、あるいは進まないとしても

「オレはこの男に負けた、レオが止めろと言ったので従った文句あんのか?」と返しても本国の上司とか指揮官とかも
「それじゃあ仕方無いな」と高確率で成るらしい

理由の一つは「鬼姫に命令していいのはコイツより強い奴」だから正式に戦って負け、皆が認めたのなら勝った相手の方に従うべしと成っている

全員が全員そう思う訳じゃないが基本的常識ではだ、それは魔族の王国だろうと本国だろうと関係ない

二つに、そもそも鬼姫に強制できる相手など滅多に居ない、魔族の血統でもトップ十だし、このクラスになると「御願いするしかない」

つまり強要して反発されると、それこそ当事者同士の決闘か、一族同士の争いになる「こうしろ」なんて誰も言えないし大変な事になる

レオもそろそろ戻るか、とも思ったのだがめっちゃ引き止められ、滞在する事になる、周囲の鬼姫の手下もそうだし、鬼姫もそうだった、決闘で勝ったくらいでこんなに変わるというも凄いが実際は違う理由もある

「何故鬼姫は無理にやる必要も無い、人間の国への攻撃をし、負けた報告の後、ワザと勇者とやらを引き出せと指示したか」

これは当人は自覚してなかった、単純に西に配された少尉みたいな雑魚悪魔これを撃退された話を聞いた、そして「勇者」の話、人間側に数十か百年に一度出る極めてイレギュラーで優れた個体、これに興味を持った

そして実際誘導作戦で誘い、本拠に乗り込んできてタイマンやって、その強さも自身で確かめた、そこで決闘中に体調不良に陥って負けた

意図しての事ではない、体が反応したのである、生まれて始めての事だ「この男を逃がすものか」と

鬼姫は、側近で知学者でもある
ホウロンを呼び聞いた

「おい、お前人間の生態に詳しいよな?」
「は?まあ」
「人間のオスを落すにはどうしたらいい?」
「‥」
「なんだ!その間は!?」
「いえ、惚れたのですか?あの悪名高い秋の鬼姫様が?」
「お、おかしいか?‥」
「いえ、めでたい事ですね。百年で初ですから」
「ぐっ‥死にたいのかキサマ」
「いえ。馬鹿にしてる訳じゃないですよ。メスがより強いオスを求めるのは普通です、鬼姫様より強い男など、どこにもおりませんから、一生に二度無い幸運だと申しておりますそれがまして人間のオスとなれば、です」
「そ、そうだろう!」
「とりえずお気持ちを伝えてはどうでしょう?」
「言えるか馬鹿!」
「ハァ‥まあ、私も凄い詳しい訳ではありませんが‥大丈夫でしょう」

と。部屋の本棚から探し、薄い本(エロ同人ではない)魔書を出して渡した

「ハッキリしてませんが、人間と鬼メスが結ばれた話はわりとあります。同じ人型ですから問題ありません、最終的にやる事は同じですから前例に学ぶのが良いでしょう」
「ふむふむ」
「言うのが恥ずかしいなら行動で示しましょう人間種のオスは魔物と違い、直情的ではありませんので難しいですが外にリアクションが出るそうです、これを試してみましょう」
「行動で察すると言う事か」
「はい、読んでみて下さい、参考になるかと‥」

とズレた知識本「人間の彼をモノにする、まにゅある(はぁと」を渡され鬼姫は読み耽った

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

改造空母機動艦隊

蒼 飛雲
歴史・時代
 兵棋演習の結果、洋上航空戦における空母の大量損耗は避け得ないと悟った帝国海軍は高価な正規空母の新造をあきらめ、旧式戦艦や特務艦を改造することで数を揃える方向に舵を切る。  そして、昭和一六年一二月。  日本の前途に暗雲が立ち込める中、祖国防衛のために改造空母艦隊は出撃する。  「瑞鳳」「祥鳳」「龍鳳」が、さらに「千歳」「千代田」「瑞穂」がその数を頼みに太平洋艦隊を迎え撃つ。

日本列島、時震により転移す!

黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

うちの冷蔵庫がダンジョンになった

空志戸レミ
ファンタジー
一二三大賞3:コミカライズ賞受賞 ある日の事、突然世界中にモンスターの跋扈するダンジョンが現れたことで人々は戦慄。 そんななかしがないサラリーマンの住むアパートに置かれた古びた2ドア冷蔵庫もまた、なぜかダンジョンと繋がってしまう。部屋の借主である男は酷く困惑しつつもその魔性に惹かれ、このひとりしか知らないダンジョンの攻略に乗り出すのだった…。

クラスメイトの美少女と無人島に流された件

桜井正宗
青春
 修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。  高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。  どうやら、漂流して流されていたようだった。  帰ろうにも島は『無人島』。  しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。  男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

アイテムボックス無双 ~何でも収納! 奥義・首狩りアイテムボックス!~

明治サブ🍆スニーカー大賞【金賞】受賞作家
ファンタジー
※大・大・大どんでん返し回まで投稿済です!! 『第1回 次世代ファンタジーカップ ~最強「進化系ざまぁ」決定戦!』投稿作品。  無限収納機能を持つ『マジックバッグ』が巷にあふれる街で、収納魔法【アイテムボックス】しか使えない主人公・クリスは冒険者たちから無能扱いされ続け、ついに100パーティー目から追放されてしまう。  破れかぶれになって単騎で魔物討伐に向かい、あわや死にかけたところに謎の美しき旅の魔女が現れ、クリスに告げる。 「【アイテムボックス】は最強の魔法なんだよ。儂が使い方を教えてやろう」 【アイテムボックス】で魔物の首を、家屋を、オークの集落を丸ごと収納!? 【アイテムボックス】で道を作り、川を作り、街を作る!? ただの収納魔法と侮るなかれ。知覚できるものなら疫病だろうが敵の軍勢だろうが何だって除去する超能力! 主人公・クリスの成り上がりと「進化系ざまぁ」展開、そして最後に待ち受ける極上のどんでん返しを、とくとご覧あれ! 随所に散りばめられた大小さまざまな伏線を、あなたは見抜けるか!?

高身長お姉さん達に囲まれてると思ったらここは貞操逆転世界でした。〜どうやら元の世界には帰れないので、今を謳歌しようと思います〜

水国 水
恋愛
ある日、阿宮 海(あみや かい)はバイト先から自転車で家へ帰っていた。 その時、快晴で雲一つ無い空が急変し、突如、周囲に濃い霧に包まれる。 危険を感じた阿宮は自転車を押して帰ることにした。そして徒歩で歩き、喉も乾いてきた時、運良く喫茶店の看板を発見する。 彼は霧が晴れるまでそこで休憩しようと思い、扉を開く。そこには女性の店員が一人居るだけだった。 初めは男装だと考えていた女性の店員、阿宮と会話していくうちに彼が男性だということに気がついた。そして同時に阿宮も世界の常識がおかしいことに気がつく。 そして話していくうちに貞操逆転世界へ転移してしまったことを知る。 警察へ連れて行かれ、戸籍がないことも発覚し、家もない状況。先が不安ではあるが、戻れないだろうと考え新たな世界で生きていくことを決意した。 これはひょんなことから貞操逆転世界に転移してしまった阿宮が高身長女子と関わり、関係を深めながら貞操逆転世界を謳歌する話。

処理中です...