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勝手にやらせてもらう
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そこである程度計画を練り城に向かい、姫様で無く敢て大佐に面会し先に通達した
「レオ殿、今日は?」
「あー、専属契約解除してもらいたいんだけど?」
「はっ?!」
「一応こっちから切れるよね?」
「まあ、そうですが、どうされました?急に」
「うむ、そのつもりも無かったんだが俺の知名度上がったし魔物との争いに発展しそうだろう?勝手にやってみたくなってな」
「勝手に、ですか?」
「この状況を逆用してあの王子を候補から下ろせないかな、と、で「俺」の範囲でやってみたいなと」
「もしやレオ殿‥」
「そう、いいかな?」
「で、では姫様に」
「いや、それはダメだ、彼女は鋭い「俺が」勝手にやる。一方的に俺が契約切ったということにしてくれ因縁付けられたらそう返してくれ」
「なるほど‥」
「そういう訳だから頼む」
「は、はっ」
「それからこれは希望でしかないが規模の大小は何とも言えんが鬼種が動くのも間違い無い、ブランドン大佐の範囲でいいんで、南の対応に少数でもいいから事前援護を出してくれ」
「構いませんが小官の範囲ですと直属の部下二十名程しか動かせませんが‥鬼種に対しては意味がないのでは」
「いんや、姫様がこの事態に対して事前に動いたと言う事が重要だ、実際の対応は俺がやる」
「なるほど‥代理政府は何もしなかったが姫様はやった、というアリバイみたいなモノですな」
「そう、前線と南側にある村とかに数人単位でもいいんで送ってくれ、実際戦闘しなくていい、避難誘導とか後退支援だ、鬼と少数で戦ってもどうせあんま意味ないしそこは俺がやる」
「はっ」
「それと王様の事も臭い、俺の範囲でとりあえず対応する」
そう伝えて、早々に退出し用意されて滞在していた駐在所も出て再び宿生活に戻した、勿論、アルとプリムにも、大まかな筋書きを説明する
インプ斥候が情報を捉えたのが二日後、首都から真っ直ぐ南百五十キロメートルの森林地帯に村、の様なモノがあるのをインプを介して目視した、人間が人力でこれを確認するのは無理だろう
原資的な建物に、地下にも洞穴掘って鬼種が結構生息している、数は把握出来ないが地上側だけで二十は居る
そして、集落の外からも人員が集まっている100%ではないが、ヴェルチ中佐の現場判断は正しかった。戻った、インプをそのまま別に命令して動かし。
これらの情報を政府に直接レオが伝える。ただ、王様は「病気療養」として面会謝絶されたので会えず、ここでインプに王様の護衛させた。
そこで王子の方と腰巾着の代理政府の方へ行って直に伝え対応を求めたが、案の定怒られた
「馬鹿な、この国は二十年魔物と戦ってない集落の場所が分ったからって再び戦争になる訳ではないだろう」
「こちらから仕掛けろとでも言うのか!?相手を刺激するだけだろう!」
と王子も側近の閣僚もそんな感じで大反発だった
「はぁ‥しかし現場では危険視してますが?」
「だからどうしろと言うのだ!」
「現場の判断を尊重し増員か、首都と鬼の間に居る真南の移動陣の監視部隊は下げては?それから規模は小さいですが、村なんかもあります、これも治安維持の兵を増やしたらどうかと」
「貴様は公人では無かろう!ちょっと有名に成ったからと言って門外漢の剣士如きが、しゃしゃり出るな!」
と追い返された。まあ、それも当然だが予想通りである。そしてレオは他の連中とか、姫様程優しくない
街に戻って、この情報を「撒いた」のである、適当にデカイ飲食店にワザと入る勿論、客も住民も集まってきて「レオ様だ!」と騒ぎになった
大勢集まった、そこでテキトーに飲み物を注文してさもガッカリそうにグチったふりして南の情報と、城に行って伝えた遣り取りを全部話した
「ええ!?鬼種の集落!?」
「また、戦争になるのかなぁ‥」と皆慄いた
「いやーまだ分んないけど、俺前線の監視部隊に求められて行ったんだよ。そしたら聞いた所によると、政府は現場の増援要請とかずっと無視してるらしんだ今回だけじゃなくて、その前もらしい」
「ええ!?マジで!!」
「んで、しょうがないから俺が城に行って伝えたんだけどね、そんな感じでね~追い返されちゃって」
「何を考えてるんだ‥」
「んで、現場は姫様に頼って、間接的に俺が代理で行って見てきて城に伝えたんだけどね、この有様だよ」
「姫様が対応したのか‥」
「ああ、今までも前線の要望に応えて金とか人を出してたらしい、何しろ政府は動かないらしいから」
「嘘でしょ‥」
「事態が事態だから王様にも面会を求めたんだがこれも断られた、なんかおかしいんだよなぁ‥耳に入れるくらい、いいかな?と思ったんだけど、もしかして王子とかに軟禁されてるんじゃね??」
「ま、まさか‥ハハ」
そしてまた別の店行って同じ様にする。所謂情報戦の類であるが、この場合、通常の物とは異なる、デマや嘘の類でなく「全て事実」でしかないから
当然、この情報は直ぐ拡散する、何しろ「レオ様が現場で見てきた事」な訳で人気と知名度が、今、首都で一番ある人物だ誰が疑うだろう
この様な噂が出ては王子としても無視は不味い、直ぐ対応するが、その対応の仕方がレオの予想通りだった
つまり「首都で蔓延する政府が前線の要望を黙殺した話は無いちゃんと対応している、鬼種に不穏の気配等ない、陛下は療養中であり細事を一々伝えない体調に宜しくないだけだ、これらの噂はデマである」 そう態々通知まで出した
完全に誤りの対応である、何しろ「事実を曲げた」のだから。この場合正解は「対応の誤りを認め、修正する事」である、だがそういう火消しをしてくるもの予想通り、何しろ、レオが直接城に乗り込んで王子と閣僚連中が言い放った事
「相手を刺激するだけだろうが」
「鬼種と二十年争ってない、そんな事になるか」
つまり、代理政府の見解は鬼が動くと思ってないし思いたくない訳、トラブル自体ありませんて事にしたい
自分で仕掛けておいて何だが。レオも「あ~あ」と思った、そりゃそうだ、レオは次に起こる事も読みではなく斥候の情報で掴んでいるから
そして案の定。レオの話と王子の火消しはレオに優位に動いた、最初に来て調べた通り、元々王子を積極的支持してる国民は多い訳じゃない
周囲に権力者とか閣僚とかワイロと甘言で味方に付けた、と言ってもあくまで袖の下の結果でしかないし、本心で従ってる訳じゃないし、仮にそうでもイエスマンばかりの能無しばかり、こういう連中は恐ろしく脆い
街での市民の反応も
「レオ様が直接行って見たって言ってるぞ?」
「首都に現れた魔物を討伐したあの人がデマを撒くか??」
「仮にレオ様の言ってる事が間違いとか早とちりだとしても調査とか増援とかは出しとくべきじゃね?」
「姫様は自分の権限の範囲で援護出してるんだよな?」
「王様は療養中たって、話くらい聞けるんじゃね?」
そういう風に王子側に懐疑的だった。そして今度はその噂とか疑念を火消しする手段がない、何しろ「危機なんか無い、ちゃんと対応してる、デマを信じるな」と告知してしまった
ここで改めてそんなのは嘘だ、と言っても碌な事にならないし、今更事実でした、対魔の準備を行いますとも出来ない「無い」て言ってしまったから
そして案の定、これもレオの準備通り、王子は怒り狂って怒鳴り込んできた「姫」の所に、これも想定済み、ブランドン大佐は
「レオ殿は自ら契約破棄を願い出て、三日前には受理されていますが?」と返して
「どういう事だクラルス!?」と妹にまで八つ当たりした
「どういう事も何も、大佐の言った通りですよ?」
「お前の指示ではないのか!?」
「指示?わたくしからレオ様に何か命令した事は一度もありませんが?」
「はい、姫様も小官もレオ殿を雇いましたが、具体的指示を出した事は一度もありません」
「アイツが勝手にやってるのか!‥」
「だと思いますが‥契約破棄を願い出ました時も「勝手にやらせてもらう」と自ら仰いましたから」
「クッソ!」と王子はそのまま退出した
「根拠も無く疑義を掛けてすまない‥くらい言えないのでしょうか」
「全くですな‥」
「しかし、急にレオ様から契約破棄だとした理由は分りました」
「はっ‥姫様は姫様、レオ殿はレオ殿で勝手にやる、という事でしょう」
「ええ‥中々恐ろしい方ですね」
そう言いながらもクラルスは口元で笑ってみせた
「レオ様が「勝手にやる」とこういう行動を取られたのなら、わたくしも「勝手に」やるとしましょうか、彼にだけ負担は掛けられません」
「は、はっ?!姫様?」
「ブランドン、貴方の直属の兵は?」
「既に送って御座います!」
「結構です、では、渡しの鏡の間に行きますラディウス元大将に御願いしましょう」
「はっ」
「それとお父様の事の噂も気掛かりです。まさか強引に首班指名や式は出来ないでしょうが無いとも言えません、監視出来ますか?」
「はっ、それに関してもレオ殿からとりあえずの対応はすると‥」
「‥どこまで先を見通しているのやら‥」
「同感ですな」
レオ自身はやる事が多い、次に起こる事は大よそ分っているし。その準備で大変である、この情報戦を撒いて直ぐにも四方に渡りをつけていた
まず、姫様を介してレオに要望、嘆願のあった「ギルドの名誉隊員になりませんか」の相手の所に向かい協力を取り付けた
政府のアホな対応と一連の噂で既に支持層も離れかけており、これを利用して「代理政府は頼りにならない俺らで纏まらないと国その物が危ない」と宣伝し、善意の協力を求めた
それからレオはプリムを首都に残しアルと共に南に向う、勿論真南で陣で警戒を常時行っている前線の部隊へだ、これを次々周りこう指示した
「オーガが纏まって行動してるのは事実だ、もし、こちらに来るなら無理に防衛せんでいい首都南の各地に伝令を飛ばし、最悪後方にある集落まで下がれ」とだ
勿論「し、しかし、勝手に行動する訳には‥」と前線の責任者も言ったが
「どうせ小隊くらいじゃ防げん、無駄に被害が出る、俺がそうしろと言った、と云えばいい」
「レオ殿が責任を取ると?」
「それでいいよ」
「わ、わかりました」
と同意も取り付けた。彼らも政府に対して、これまで散々要請を無視された側だ、だが軍人が大っぴらに政府批判も出来ないし命令無視も出来ない、だから「俺のせいにしとけ」
と云えば大抵協力は得られる、現場で不遇を体験した者であればあるほどだ
流石に「大丈夫なのにーちゃん‥」とアルも言ったがこの際しょうがないだろう、それにこの後も大よそ計画は出来てる、尤も、ここからは結構運要素にはなるが
「運要素」ではあったのがここから先も略期待通り、予想通りに事態は動いた、レオが前線の監視部隊、施設を回った所でブランドンに要請した通り、彼の直属の部下が後方の集落、兼滞在施設に到着する、レオと軽く握手しながらも現場指揮官は耳打ちした
「前線の要請で姫様が送った、という事になっています指示はレオ殿に、と」
「各地前線の監視部隊にも伝えた、鬼が実際纏まって来たら無意味に防衛せず此処まで後退しろと言ってある、全部集まったら首都に逃がす」
「了解しました、後退支援の準備と待機を」
「頼む」
そこから更に三日。
実際に鬼の集団が前線に現れる、それ以上居るのかどうかまだ分らないが数は集団で二百。
事前通知の通り、前線の監視部隊も相手と戦わず、首都前南南西三十キロにある集落まで後退した
ここで各地前線の監視部隊も三箇所結集し首都に緊急伝令も走らせた、略同時、次の手
「アル、プリムにテレパシーを」
「あいよー」
現地から首都で待機していたプリムに遠隔伝達と、同時に集落に集まった各地警備隊と非戦闘員をここで最上官でもあるヴェルチ中佐に預けて全員避難、離脱させた
これら起こった事態を伝え事前に用意していた行動を取る、簡単な事だ、これも協力を取り付けた各ギルド等に正確に伝え、人海戦術で街のアチコチに張り紙持って待機
案の定、代理政府、王子は「そんな馬鹿な!」と前線からの緊急伝令を受けたが、これも情報公開せず無視したが前線からの伝令が城に入ったのを確認し二時間後にギルドの所属員が一斉に、各所に文章として以下を張り出した
「オーガ種が前線に現れ、北伐を始めたのは事実、レオさんが確認した、前線から政府にその伝令が届いているハズだ政府はこの緊急事態を隠匿するだろう、誰が真実を伝えているかよく見ておくのだ」と
流石に「今、現実で」これを同時に見せられると相手が誰だろうと民衆も反転した、城に市民が押し寄せ、情報公開を迫った
「なんだレオ様の言う事は全部事実だったじゃないか」
「嘘つき!」
「情報公開しろ!」
「オーガが集団で、そこまで来てるんだぞ!」
「王様を軟禁してるのも事実なんだろ!解放しろ!!」と
流石に王子も、もうどうしょうもない。今更「今までの告知は嘘でした」も出来ないし情報公開も出来ない
「鬼の危険なんか無いよ」
「前線の要望も対応してるよ」
「レオの撒いた噂はデマ」と通知したんだから
「軍を用意する」とも言えない、自分で嘘を認める様なもんだし、今からやってもとても間に合わない、もう南二日の付近まで来てる
「なんてこった‥」としか出なかった
「アルバート様、鬼が来てるのは事実です何れにしろ防衛準備をしませんと‥」
「出来るか馬鹿!そんな事は無いと通知してしまったんだぞ!」
「し、しかし、このまま無かった事には出来ません首都まで侵攻されます‥」
「ぐ‥」
「幸い相手はまだ二百との事、これを撃退出来ればまだ‥」
「クッソ!直ぐ首都軍の用意だ!それから城周りに集まってる愚民共を黙らせろ!」
「だ、黙らせろとは?!‥」
「戒厳令を敷くか外出禁止令を出せ!!ゴミ共が居ては何にも出来ん!」
「は、はい‥では禁止令を‥」
「ルーグ少将に対応は任せる!いいな!」
「はっ!」
そうして慌しく首都軍の用意も始まるがもう滅茶苦茶である。「鬼の侵攻なんかねーよ」ていうスタンスだったし、用意なんかしてない
特に間抜けだったのが「外出禁止令」を実際出して首都の一般国民を閉じ込めた事、城前に殺到した市民も強制退去させて多数の怪我人を出した事
軍を統制した少将も頑張りはしたが市民の協力を得られずだった、国という範囲では、生産してるのも売ってるのも運んでるのも一般国民だから当たり前である、市民、国民を敵に回して何の対応が出来るかと
物資と装備の用意すら手間取る状況だった、兵員も数は一応揃えて、三百用意したがメッチャクチャ士気が低い上に、離反する者も多数出た
何しろ首都軍の一般兵の八割命令無視して従わなかったし「あの」政府の対応と情報隠匿、情報公開を求めて、城前に集まった市民の排除を見て誰がマトモに動くかって話である
「政府の排除命令で親父が怪我した‥」
「ウチはかーちゃんが近衛に殴られた‥」
「無い、つったのに今度が鬼が来るから防衛しろ、てアホかよ」
「やりたきゃ王子がやれよ」
「馬鹿くせー、接敵したら逃げようぜ」とか
聞こえる様に、口憚らずに兵も言うくらいだった
「貴様ら!二日後には首都を直撃されるかも知れないんだぞ!国を守るんだぞ!」と統制した少将も発破掛けたが
「そんなら少将がどうぞ」
「守らなかったのは王子だろ」
とか思いっきり皮肉られた、相手が王子だろうと将官だろうと最早関係ない、かと言って王子も将も罰とか出来ない、だって僅かに集まった兵だし
それまで排除したら防衛もへったくれもないしホントに王子と将と周りの金魚の糞の政府高官、近衛だけで戦う事になる
まあ、何れにしろこの国は終りだな
という状況だった
翌日正午には一応、形だけの首都軍が出撃、やる前から結果が見えている、だけに今度は首都一般人も首都軍が出た所で離反した
外出禁止令を無視して市民が其々、荷物やら台車やら用意して勝手に引越し始めた、アホ過ぎて防衛もクソもねーよ、て事
誰も防げるとは思ってない、最低限、自分と家族の命くらい守らなければならないから皆そうしただけだ
勿論、首都軍も出撃して空っぽ、王子の近衛と金魚の糞しかいないので市民の離脱を掣肘出来ない、十万人と八十名だからね、ただ、結果的にはそうは成らなかったが
そう成らなかった理由は単純で、此処で姫が動いたからである、自ら市民の前に出て希望を伝え協力を要請した。これを断る事は出来ない、逃げるより防げるのがまだマシだし
案の定、出撃した首都軍は翌日、オーガ集団と接敵、当然敗退、しかも五分で負けたらしい
ギャグみたいな話だが、首都軍とオーガ集団がぶつかった一手目で兵は全員逃げたのである
残ったのは将と専属護衛だけ、あっさりというか、何も無かったかのようにひき潰されて終了である
「レオ殿、今日は?」
「あー、専属契約解除してもらいたいんだけど?」
「はっ?!」
「一応こっちから切れるよね?」
「まあ、そうですが、どうされました?急に」
「うむ、そのつもりも無かったんだが俺の知名度上がったし魔物との争いに発展しそうだろう?勝手にやってみたくなってな」
「勝手に、ですか?」
「この状況を逆用してあの王子を候補から下ろせないかな、と、で「俺」の範囲でやってみたいなと」
「もしやレオ殿‥」
「そう、いいかな?」
「で、では姫様に」
「いや、それはダメだ、彼女は鋭い「俺が」勝手にやる。一方的に俺が契約切ったということにしてくれ因縁付けられたらそう返してくれ」
「なるほど‥」
「そういう訳だから頼む」
「は、はっ」
「それからこれは希望でしかないが規模の大小は何とも言えんが鬼種が動くのも間違い無い、ブランドン大佐の範囲でいいんで、南の対応に少数でもいいから事前援護を出してくれ」
「構いませんが小官の範囲ですと直属の部下二十名程しか動かせませんが‥鬼種に対しては意味がないのでは」
「いんや、姫様がこの事態に対して事前に動いたと言う事が重要だ、実際の対応は俺がやる」
「なるほど‥代理政府は何もしなかったが姫様はやった、というアリバイみたいなモノですな」
「そう、前線と南側にある村とかに数人単位でもいいんで送ってくれ、実際戦闘しなくていい、避難誘導とか後退支援だ、鬼と少数で戦ってもどうせあんま意味ないしそこは俺がやる」
「はっ」
「それと王様の事も臭い、俺の範囲でとりあえず対応する」
そう伝えて、早々に退出し用意されて滞在していた駐在所も出て再び宿生活に戻した、勿論、アルとプリムにも、大まかな筋書きを説明する
インプ斥候が情報を捉えたのが二日後、首都から真っ直ぐ南百五十キロメートルの森林地帯に村、の様なモノがあるのをインプを介して目視した、人間が人力でこれを確認するのは無理だろう
原資的な建物に、地下にも洞穴掘って鬼種が結構生息している、数は把握出来ないが地上側だけで二十は居る
そして、集落の外からも人員が集まっている100%ではないが、ヴェルチ中佐の現場判断は正しかった。戻った、インプをそのまま別に命令して動かし。
これらの情報を政府に直接レオが伝える。ただ、王様は「病気療養」として面会謝絶されたので会えず、ここでインプに王様の護衛させた。
そこで王子の方と腰巾着の代理政府の方へ行って直に伝え対応を求めたが、案の定怒られた
「馬鹿な、この国は二十年魔物と戦ってない集落の場所が分ったからって再び戦争になる訳ではないだろう」
「こちらから仕掛けろとでも言うのか!?相手を刺激するだけだろう!」
と王子も側近の閣僚もそんな感じで大反発だった
「はぁ‥しかし現場では危険視してますが?」
「だからどうしろと言うのだ!」
「現場の判断を尊重し増員か、首都と鬼の間に居る真南の移動陣の監視部隊は下げては?それから規模は小さいですが、村なんかもあります、これも治安維持の兵を増やしたらどうかと」
「貴様は公人では無かろう!ちょっと有名に成ったからと言って門外漢の剣士如きが、しゃしゃり出るな!」
と追い返された。まあ、それも当然だが予想通りである。そしてレオは他の連中とか、姫様程優しくない
街に戻って、この情報を「撒いた」のである、適当にデカイ飲食店にワザと入る勿論、客も住民も集まってきて「レオ様だ!」と騒ぎになった
大勢集まった、そこでテキトーに飲み物を注文してさもガッカリそうにグチったふりして南の情報と、城に行って伝えた遣り取りを全部話した
「ええ!?鬼種の集落!?」
「また、戦争になるのかなぁ‥」と皆慄いた
「いやーまだ分んないけど、俺前線の監視部隊に求められて行ったんだよ。そしたら聞いた所によると、政府は現場の増援要請とかずっと無視してるらしんだ今回だけじゃなくて、その前もらしい」
「ええ!?マジで!!」
「んで、しょうがないから俺が城に行って伝えたんだけどね、そんな感じでね~追い返されちゃって」
「何を考えてるんだ‥」
「んで、現場は姫様に頼って、間接的に俺が代理で行って見てきて城に伝えたんだけどね、この有様だよ」
「姫様が対応したのか‥」
「ああ、今までも前線の要望に応えて金とか人を出してたらしい、何しろ政府は動かないらしいから」
「嘘でしょ‥」
「事態が事態だから王様にも面会を求めたんだがこれも断られた、なんかおかしいんだよなぁ‥耳に入れるくらい、いいかな?と思ったんだけど、もしかして王子とかに軟禁されてるんじゃね??」
「ま、まさか‥ハハ」
そしてまた別の店行って同じ様にする。所謂情報戦の類であるが、この場合、通常の物とは異なる、デマや嘘の類でなく「全て事実」でしかないから
当然、この情報は直ぐ拡散する、何しろ「レオ様が現場で見てきた事」な訳で人気と知名度が、今、首都で一番ある人物だ誰が疑うだろう
この様な噂が出ては王子としても無視は不味い、直ぐ対応するが、その対応の仕方がレオの予想通りだった
つまり「首都で蔓延する政府が前線の要望を黙殺した話は無いちゃんと対応している、鬼種に不穏の気配等ない、陛下は療養中であり細事を一々伝えない体調に宜しくないだけだ、これらの噂はデマである」 そう態々通知まで出した
完全に誤りの対応である、何しろ「事実を曲げた」のだから。この場合正解は「対応の誤りを認め、修正する事」である、だがそういう火消しをしてくるもの予想通り、何しろ、レオが直接城に乗り込んで王子と閣僚連中が言い放った事
「相手を刺激するだけだろうが」
「鬼種と二十年争ってない、そんな事になるか」
つまり、代理政府の見解は鬼が動くと思ってないし思いたくない訳、トラブル自体ありませんて事にしたい
自分で仕掛けておいて何だが。レオも「あ~あ」と思った、そりゃそうだ、レオは次に起こる事も読みではなく斥候の情報で掴んでいるから
そして案の定。レオの話と王子の火消しはレオに優位に動いた、最初に来て調べた通り、元々王子を積極的支持してる国民は多い訳じゃない
周囲に権力者とか閣僚とかワイロと甘言で味方に付けた、と言ってもあくまで袖の下の結果でしかないし、本心で従ってる訳じゃないし、仮にそうでもイエスマンばかりの能無しばかり、こういう連中は恐ろしく脆い
街での市民の反応も
「レオ様が直接行って見たって言ってるぞ?」
「首都に現れた魔物を討伐したあの人がデマを撒くか??」
「仮にレオ様の言ってる事が間違いとか早とちりだとしても調査とか増援とかは出しとくべきじゃね?」
「姫様は自分の権限の範囲で援護出してるんだよな?」
「王様は療養中たって、話くらい聞けるんじゃね?」
そういう風に王子側に懐疑的だった。そして今度はその噂とか疑念を火消しする手段がない、何しろ「危機なんか無い、ちゃんと対応してる、デマを信じるな」と告知してしまった
ここで改めてそんなのは嘘だ、と言っても碌な事にならないし、今更事実でした、対魔の準備を行いますとも出来ない「無い」て言ってしまったから
そして案の定、これもレオの準備通り、王子は怒り狂って怒鳴り込んできた「姫」の所に、これも想定済み、ブランドン大佐は
「レオ殿は自ら契約破棄を願い出て、三日前には受理されていますが?」と返して
「どういう事だクラルス!?」と妹にまで八つ当たりした
「どういう事も何も、大佐の言った通りですよ?」
「お前の指示ではないのか!?」
「指示?わたくしからレオ様に何か命令した事は一度もありませんが?」
「はい、姫様も小官もレオ殿を雇いましたが、具体的指示を出した事は一度もありません」
「アイツが勝手にやってるのか!‥」
「だと思いますが‥契約破棄を願い出ました時も「勝手にやらせてもらう」と自ら仰いましたから」
「クッソ!」と王子はそのまま退出した
「根拠も無く疑義を掛けてすまない‥くらい言えないのでしょうか」
「全くですな‥」
「しかし、急にレオ様から契約破棄だとした理由は分りました」
「はっ‥姫様は姫様、レオ殿はレオ殿で勝手にやる、という事でしょう」
「ええ‥中々恐ろしい方ですね」
そう言いながらもクラルスは口元で笑ってみせた
「レオ様が「勝手にやる」とこういう行動を取られたのなら、わたくしも「勝手に」やるとしましょうか、彼にだけ負担は掛けられません」
「は、はっ?!姫様?」
「ブランドン、貴方の直属の兵は?」
「既に送って御座います!」
「結構です、では、渡しの鏡の間に行きますラディウス元大将に御願いしましょう」
「はっ」
「それとお父様の事の噂も気掛かりです。まさか強引に首班指名や式は出来ないでしょうが無いとも言えません、監視出来ますか?」
「はっ、それに関してもレオ殿からとりあえずの対応はすると‥」
「‥どこまで先を見通しているのやら‥」
「同感ですな」
レオ自身はやる事が多い、次に起こる事は大よそ分っているし。その準備で大変である、この情報戦を撒いて直ぐにも四方に渡りをつけていた
まず、姫様を介してレオに要望、嘆願のあった「ギルドの名誉隊員になりませんか」の相手の所に向かい協力を取り付けた
政府のアホな対応と一連の噂で既に支持層も離れかけており、これを利用して「代理政府は頼りにならない俺らで纏まらないと国その物が危ない」と宣伝し、善意の協力を求めた
それからレオはプリムを首都に残しアルと共に南に向う、勿論真南で陣で警戒を常時行っている前線の部隊へだ、これを次々周りこう指示した
「オーガが纏まって行動してるのは事実だ、もし、こちらに来るなら無理に防衛せんでいい首都南の各地に伝令を飛ばし、最悪後方にある集落まで下がれ」とだ
勿論「し、しかし、勝手に行動する訳には‥」と前線の責任者も言ったが
「どうせ小隊くらいじゃ防げん、無駄に被害が出る、俺がそうしろと言った、と云えばいい」
「レオ殿が責任を取ると?」
「それでいいよ」
「わ、わかりました」
と同意も取り付けた。彼らも政府に対して、これまで散々要請を無視された側だ、だが軍人が大っぴらに政府批判も出来ないし命令無視も出来ない、だから「俺のせいにしとけ」
と云えば大抵協力は得られる、現場で不遇を体験した者であればあるほどだ
流石に「大丈夫なのにーちゃん‥」とアルも言ったがこの際しょうがないだろう、それにこの後も大よそ計画は出来てる、尤も、ここからは結構運要素にはなるが
「運要素」ではあったのがここから先も略期待通り、予想通りに事態は動いた、レオが前線の監視部隊、施設を回った所でブランドンに要請した通り、彼の直属の部下が後方の集落、兼滞在施設に到着する、レオと軽く握手しながらも現場指揮官は耳打ちした
「前線の要請で姫様が送った、という事になっています指示はレオ殿に、と」
「各地前線の監視部隊にも伝えた、鬼が実際纏まって来たら無意味に防衛せず此処まで後退しろと言ってある、全部集まったら首都に逃がす」
「了解しました、後退支援の準備と待機を」
「頼む」
そこから更に三日。
実際に鬼の集団が前線に現れる、それ以上居るのかどうかまだ分らないが数は集団で二百。
事前通知の通り、前線の監視部隊も相手と戦わず、首都前南南西三十キロにある集落まで後退した
ここで各地前線の監視部隊も三箇所結集し首都に緊急伝令も走らせた、略同時、次の手
「アル、プリムにテレパシーを」
「あいよー」
現地から首都で待機していたプリムに遠隔伝達と、同時に集落に集まった各地警備隊と非戦闘員をここで最上官でもあるヴェルチ中佐に預けて全員避難、離脱させた
これら起こった事態を伝え事前に用意していた行動を取る、簡単な事だ、これも協力を取り付けた各ギルド等に正確に伝え、人海戦術で街のアチコチに張り紙持って待機
案の定、代理政府、王子は「そんな馬鹿な!」と前線からの緊急伝令を受けたが、これも情報公開せず無視したが前線からの伝令が城に入ったのを確認し二時間後にギルドの所属員が一斉に、各所に文章として以下を張り出した
「オーガ種が前線に現れ、北伐を始めたのは事実、レオさんが確認した、前線から政府にその伝令が届いているハズだ政府はこの緊急事態を隠匿するだろう、誰が真実を伝えているかよく見ておくのだ」と
流石に「今、現実で」これを同時に見せられると相手が誰だろうと民衆も反転した、城に市民が押し寄せ、情報公開を迫った
「なんだレオ様の言う事は全部事実だったじゃないか」
「嘘つき!」
「情報公開しろ!」
「オーガが集団で、そこまで来てるんだぞ!」
「王様を軟禁してるのも事実なんだろ!解放しろ!!」と
流石に王子も、もうどうしょうもない。今更「今までの告知は嘘でした」も出来ないし情報公開も出来ない
「鬼の危険なんか無いよ」
「前線の要望も対応してるよ」
「レオの撒いた噂はデマ」と通知したんだから
「軍を用意する」とも言えない、自分で嘘を認める様なもんだし、今からやってもとても間に合わない、もう南二日の付近まで来てる
「なんてこった‥」としか出なかった
「アルバート様、鬼が来てるのは事実です何れにしろ防衛準備をしませんと‥」
「出来るか馬鹿!そんな事は無いと通知してしまったんだぞ!」
「し、しかし、このまま無かった事には出来ません首都まで侵攻されます‥」
「ぐ‥」
「幸い相手はまだ二百との事、これを撃退出来ればまだ‥」
「クッソ!直ぐ首都軍の用意だ!それから城周りに集まってる愚民共を黙らせろ!」
「だ、黙らせろとは?!‥」
「戒厳令を敷くか外出禁止令を出せ!!ゴミ共が居ては何にも出来ん!」
「は、はい‥では禁止令を‥」
「ルーグ少将に対応は任せる!いいな!」
「はっ!」
そうして慌しく首都軍の用意も始まるがもう滅茶苦茶である。「鬼の侵攻なんかねーよ」ていうスタンスだったし、用意なんかしてない
特に間抜けだったのが「外出禁止令」を実際出して首都の一般国民を閉じ込めた事、城前に殺到した市民も強制退去させて多数の怪我人を出した事
軍を統制した少将も頑張りはしたが市民の協力を得られずだった、国という範囲では、生産してるのも売ってるのも運んでるのも一般国民だから当たり前である、市民、国民を敵に回して何の対応が出来るかと
物資と装備の用意すら手間取る状況だった、兵員も数は一応揃えて、三百用意したがメッチャクチャ士気が低い上に、離反する者も多数出た
何しろ首都軍の一般兵の八割命令無視して従わなかったし「あの」政府の対応と情報隠匿、情報公開を求めて、城前に集まった市民の排除を見て誰がマトモに動くかって話である
「政府の排除命令で親父が怪我した‥」
「ウチはかーちゃんが近衛に殴られた‥」
「無い、つったのに今度が鬼が来るから防衛しろ、てアホかよ」
「やりたきゃ王子がやれよ」
「馬鹿くせー、接敵したら逃げようぜ」とか
聞こえる様に、口憚らずに兵も言うくらいだった
「貴様ら!二日後には首都を直撃されるかも知れないんだぞ!国を守るんだぞ!」と統制した少将も発破掛けたが
「そんなら少将がどうぞ」
「守らなかったのは王子だろ」
とか思いっきり皮肉られた、相手が王子だろうと将官だろうと最早関係ない、かと言って王子も将も罰とか出来ない、だって僅かに集まった兵だし
それまで排除したら防衛もへったくれもないしホントに王子と将と周りの金魚の糞の政府高官、近衛だけで戦う事になる
まあ、何れにしろこの国は終りだな
という状況だった
翌日正午には一応、形だけの首都軍が出撃、やる前から結果が見えている、だけに今度は首都一般人も首都軍が出た所で離反した
外出禁止令を無視して市民が其々、荷物やら台車やら用意して勝手に引越し始めた、アホ過ぎて防衛もクソもねーよ、て事
誰も防げるとは思ってない、最低限、自分と家族の命くらい守らなければならないから皆そうしただけだ
勿論、首都軍も出撃して空っぽ、王子の近衛と金魚の糞しかいないので市民の離脱を掣肘出来ない、十万人と八十名だからね、ただ、結果的にはそうは成らなかったが
そう成らなかった理由は単純で、此処で姫が動いたからである、自ら市民の前に出て希望を伝え協力を要請した。これを断る事は出来ない、逃げるより防げるのがまだマシだし
案の定、出撃した首都軍は翌日、オーガ集団と接敵、当然敗退、しかも五分で負けたらしい
ギャグみたいな話だが、首都軍とオーガ集団がぶつかった一手目で兵は全員逃げたのである
残ったのは将と専属護衛だけ、あっさりというか、何も無かったかのようにひき潰されて終了である
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