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変なエルフ娘の依頼
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アルゼンタには実戦の方も闘技場でやらせてみた。まあ、勉強と経験だ、組み手相手がにーちゃんだけだと基準が分らないし色んな相手とも手を合わせた方がいいから
レオの見立てどおり、最初の他人との試合はアルもびびってたが、一戦目をびびりながらも勝つと後は余裕だ、自分が強いんだ、て事が分かったから
それに「にーちゃんと比べたら凄い遅い」事が分ったから、二日間で五回練習剣での闘技に出て難なく勝利し、銀十枚、「やったよ!にーちゃん!」とか言いながら尻尾振って持ってきた
「そらお前の稼ぎだ、取っとけ」と言ったが
結局アルは「護衛として」の給金以外受け取らず全部レオに渡す
「どうせにーちゃんに養ってもらってるのは変わらないし生活費だよ」とか言って
アル、獣人の類が「護衛としても優秀」は此処にある、獣の類、例えば犬とかも野良だと強いし、軍用で訓練した戦闘犬になるとまず勝てない、これは現代でもそう
体力があり、屈強だし、我慢強くて、従順だ、スピードも反射神経も優れて、ちゃんと戦う業、技術を提供すれば人間の無頼漢等相手にならない
だから「人間は魔物には勝てない」のである、元々持ってる潜在能力が遥かに上だし、人間がそれを覆すには道具、技術、戦法、統率を駆使してやっとこなんとかなるレベルだ
「そろそろ移動しようかな?」の部分だが
二つ道があった、一つが、最初に首都に来て安い酒場のおっさんに聞いた通り、南にあるオーク集落に行って交流してみるのもあったが。アルゼンタが居る状況も考慮してこれは止めた
二つに、闘技繋がりで東に行くルートが出来た、この国「アレハンドロ」はいわば闘技では地方大会、規模はデカイが、こっちはどっちかと言えば商売メイン
本戦というか、全国大会みたいのも東にあるらしい、結果的に「行ってみるか」と成ったのがこちらのルート
この国から東はY字に領土が密接しているY字の←がアレハンドロで↑と→がまだ別国で、その中間点辺りに「闘技場」が広まった原因でもある本場の町があるらしい
どこの国にも属してない街、領で本場と言ってもそっちのが古い、てだけだ闘技場自体は規模がもの凄くデカイ訳でもないし綺麗な訳でもない
北側でこの闘技場のシステムが出来たのも、そこが原因で元は傭兵の類が集まっての腕の競い合いの場だった
古い歴史だが、今より各国の人の争いが激しかった頃、どうしても傭兵とか言う連中が必要だったが傭兵の扱いは良くない、そこで娯楽と腕試しのモノが途中から「腕見せ」の場になったらしい
強い奴、結果の良い奴は国に雇われたりする、優秀な武芸者を探す大会でもある訳で、自然とそうなって、国家間の争いがある程度少なくなり、収まった後もそのまま残った
そういう事情があって、街はどこの国の所有でもない、独立、中立、傭兵の街、みたいな扱いだがどこの国でも「優秀な剣士は欲しい」ので傭兵の街と闘技場は残され、今も運営され周辺各国からも不干渉、同時に援助があって維持されている
レオも「どうせ東に行く最終目標だし、ついでに寄るか」という軽い感じで、アルと共に、アレハンドロを出た
距離的には近いだろうアルとイチャイチャしながら歩いて行って数日で着いた、別にホントにイチャイチャしてた訳じゃない、それくらい移動が楽勝でトラブルが無いて意味で
ついでに言えば、安直だが傭兵の国て名前の領らしい、考えるのがめんどくさかった訳じゃない
歴史の事情から傭兵共が集まって自然に街になってどこかの国が支配するのも問題が多いからこうなった、領土を越えて、街に入るのも検問とか審査とかも殆ど無いし、凄い楽
それも当然でこういう事情だから周辺から腕自慢とか武に覚えのある、剣士、冒険者、傭兵、各国から人材を求めて王族、公人も見に来る、だから移動規制が厳しいと廃れる、故に出入国は緩い
だいたい、此処に攻めようてアホもいない、そんな事すれば四方八方から総出でぶっ飛ばされる
勿論、独立自治区なのは他にも理由がある、そういう情勢だし、元々腕の立つ奴が多いし傭兵の国は防衛軍もめちゃ強い、最低限の防衛軍備だが数は少ないが兵が全員武芸者みたいなもんで並みの軍隊じゃ相手にならない
各国の争いには基本干渉しないが強烈無比な自治軍は緊急事態、魔物が襲ってきたとか言う場合のみ、援護を要請出来る、そういう時に頼りになる連中なので中立になってる
首都の街は結構デカイというか境涯、全部石作りの壁と官舎、競技場、家、ディスターヴ砦くらい固いだろう
ただ、前の例と違って、統制は取れていて安全感はある、ま、それも当然で、こんな所来て犯罪する馬鹿もあんまいない、喧嘩したきゃ闘技でやれ、て話しになるしその方が儲かる
住民を襲う、盗むとかでも「コイツは弱そうだ」と女とか年寄りとか襲っても、元闘士とかも多いので反撃される可能性すらある、女やじじい襲って返り討ちにあった、なんてみっともなくて表も歩けないだろう
街の名前は一応「クライブ」
領国に成る当時、統制してた傭兵の王の名前がそのまま残って付いてる
領内では周囲に村と集落も3個ある、こっちは何れも、農業、工業、耕作、牧畜で国内生産がメインで温厚で温暖でもある当然この街は魔物被害はない、ていうか、そういう事情だから亜人、ハーフも結構住んでる
「大きい街だね」とかアルも言ったが、その通りだ人口も多いし、貧乏くさくない、差別は少ない
「アルはこっちに住んだ方が安全だろな」
「そうだね、住まないけど」
「ふーん」
「僕はにーちゃんのモノだもん、ずっと付いていくよ」
とか言って、レオの腕を抱いてクネクネしてる、表でやるのはアカンとは思ったのだが、この街に限って言えばそういう関係もそう珍しくもないらしくアルとイチャイチャしてても、変に注目はされない
獣人は基本どれも人より強いか何らかの優れた部分を持って居るというのは常識で此処にはフツーに混ざり物も居るし寧ろ「ほう、獣人の子は強いのだろうか?」と真っ先に住民は思うし男女の関係に成っても、それはそう不思議でもないらしい
早速街割りを把握するのに首都を一回りし適当な宿を取った、所謂冒険者とか旅人がよく使う、ランクの低い、安宿だ。一階酒場、二階宿という
まあ、何ぼ金あると言っても放浪の旅人あんまり贅沢し無い方がいいだろう
さて、闘技場の本家なんだから早速、夕方に成ったら行って見よう、と思ったのだが結果的には闘技場に行くのは後回しになった
理由は単純で宿取ってとりあえず昼飯でも食うかとアルと二人で一階の酒場、兼飯屋に下りた所で掲示板に貼ってある、ヘンチクリンな依頼書が目に付いた
レオとアルが同時に掲示板前に行って見たがイマイチ読めない
「なんだこれ‥、凄い字だ」
「ミミズがのたくった様な字だね‥」
一応、人間の共通言語で書いてある依頼書なんだろうが凄く読めない。
二人が唸って解読しようと苦心してる所で背後から声を掛けられた
「あの~」と
声を掛けた相手を見たが、女の子二つお下げのグリーンの髪と目で、背がちっちゃい、横に長くて、デカイ耳の多分エルフだろう
「多分」と思った理由も単純でレオのイメージとは間逆だから。身長150㌢ギリギリ、オドオドしてるし子供ぽいし、あくまでイメージだが、プライドが高くて知的で美しい、という一般的なエルフからはめっちゃ遠い、まあ、可愛くはあるんだが‥
「え、何?」と思わず聞き返したが
「その依頼受けてくれます?冒険者さんですよね?」
「依頼も何も‥」
「これ読めない‥」
とレオとアルは同時に言った
「じ、じゃあ‥口頭で‥」
「ていうか張ってたのか」
「ハァ‥急ぎなんです~、だから興味持ってくれた人に声を‥」
「どうする?にーちゃん」
「まあ、話し聞いてからだな‥」
「あ、有難う御座います!!」
「早いて‥」
そんな訳で飯の傍ら、その子の説明を聞いた、彼女の名前は「プリムス」これもどこの言語か知らんが「最初の、一番目の」て意味らしい
当然あの依頼書の依頼者でイメージと凄い離れてるが一応エルフ、年齢は七十歳、人間の四倍くらいの寿命のエルフだから人間基準で言うと十八歳手前らしい、どうみてもアルゼンタより子供に見える。
まあ、エルフも千差万別て事だろう。話しも「知的な」からめっちゃ遠かった
「貼り出したのはいいんですが誰も受けてくれないんですよ酷くないですか~?私こんなに困ってるのに読めない!の後は、そんな依頼無謀だ!で皆帰っちゃうんですよ?!荒事が得意な街に住んでる冒険者でしょ??根性なしですか?男ですか?キンタマ付いてるんですか?!え、金が安い?そんな事ないでしょ?困ってる人が居たら助けてあげようとか思わないですか?こんなちっちゃくて可愛い子が泣いて頼んだら即OKしたっていいでしょ?エルフ集落の危機ですよ~?!救ったら英雄に成れますよ!美人のエルフっ娘に感謝されますよ!?モテモテですよ!!」
説明というかグチだったのでカットして
要約すると、こういう事らしい
南の国境越えた先にエルフの辺境集落がある、しかも魔物の生息域に、そういう場所に住んでるのだが、それ程争いはなく近隣の他の魔物とは不干渉でトラブルは無かったのだが最近現れた魔物の集団に村からエルフの雌を誘拐されたらしい、しかも結構一杯、一杯と言っても八人だが、エルフは元々数が少ないのでエルフ側からすると大事件らしい
夜中に住んでる森林の村を襲撃されて、奪われた、死者は出てないのだが、若い女性中心に誘拐されたが、自分達でどうにかする取り返すのは無謀だ、何故ならエルフはそんなに荒事が得意でもなく、戦力が低いし、相手が悪い
「相手??」
「オークです!一杯です!」
まあ、そりゃ誰も受けないわな、としか云い様が無い、以前も説明した通りだが、人間からしたらオークは強敵だデカイ、固い、強い、凶暴、馬鹿で集団と成れば軍レベルじゃないと先ず無理だろう、命が幾つあっても足りない
無論その事を説明してあげて「そりゃ無理だろ、皆断る」と言ったがプリムスは今度は泣き出した
「酷いです~!エルフなんか滅んでいいと思ってるんですね!?人間は冷たいです!!」とか言い出すが
アルゼンタは無茶苦茶冷静に
「にーちゃん、お昼食べたし部屋戻ろっか」と言い放った。どうみても嘘泣き、泣き落としであろう事をアルにも見抜かれた
「酷い~~!!」
ただ、レオの方は「あれ?」と思った
「まあ、五月蝿いし迷惑だから、落ち着け、それから嘘泣きは止めろ断るとは言ってない」
「ホントですか!?」と泣き止んだ
「オークの集団て何人くらいだ?」
「ハッキリ分かりませんけど、二十くらいかと最近急に出てきて荒らす様になったんですよね。人間の町とか村でも被害が出てるらしいです、だから人間側も動いてくれると思ったんですけど皆、無理とか言って全滅なんですよ」
「うむ、で?西側にもオーク集落あるよな?アレハンドロの国側南に」
「え、ええ、直線距離では近いですね、というか、一杯あるみたいですし、そこから来てるか分りません」
「誘拐やったオーク集団は「最近」と言ったがそれまでは無かったんだな?」
「は、はい」
「誘拐した連中の集団はねぐらとかあるんか調査とか追尾とかは?」
「残念ながら‥オーク集団とか言っても南に周辺に細かく、一杯ありますし、どれかは‥それに言葉も分りませんから「犯人はお前だ!ビシッ!」という訳にも、断定する事も出来ません、大体見た目の区別も付きません」
「ふむ‥」
そう、レオが最初に得た能力で思った事の一つ魔物側の言葉が分かるから、外交、交渉である、アレハンドロでは「あんま関係ないな」と思いスルーしたが、こういう事態ならいっそ、接触してみようか?とも思った。それを試すのも興味の一つだし
どの種でも通じるなら、魔物の本営、大陸東に行く前に交渉の有効性も証明出来るしこのエルフのガキに粘着されなくて済むんじゃね?とも思った、三方一両得という状態、全部纏めて片付く可能性もある
そこで「まあ、いいだろう、案内しろ」と言った
「いいんですか!?」
「にーちゃん‥大丈夫なの?」
「大丈夫じゃないが、試したい事もあるんでなアルは此処で待ってろ」
「だめ!」
「だよな‥」
「でー、報酬は?」
そう言われ、プリムスは下げ鞄から。石ころを出した、アルゼンタは「何これ?」と言ったがレオは知ってる
「ほう、プラチナ銀か」
「そうです!でも成功報酬です!」と見せただけらしい
「まあ、それくらいじゃフツーは受けないわな」
「え?!そうなんですか??」
「加工した武器とかなら分るが原石は昔と違って結構取れるからな、それに、加工したモノでも今は技術が進んでるし、態々希少金属で武器にせんでも合金処理とかでもっと安く、硬度の高い武器も作れるからな、最近じゃ、国の記念硬貨に成ってたりするし、残念ながら命がけの報酬とは成らない、精精金貨数枚と交換出来るかどうかだ」
「だから「安い」て言われたんだ‥」
「残念ながらな、二十年前なら高値なんだが、一応、現在でも芸術品にも使われているから需要はあるけど」
「知らなかった‥」
「まあ、報酬は置いて、成功条件は?誘拐されて結構経ってるんだろ?無事取り返せは、無理だぞ」
「ですよね‥、最悪、生存者が戻って、その犯人のオークが捕まるか、もう出来ない様にお仕置きできれば‥」
とプリムは言ったがそれはそれで難題だろう、彼女が沈んで言ったのも勿論理由がある、誘拐されてそれなりに時間が経ってれば、殺されているか廻されているかのどっちかだろう
「無事」て事は略無い、誘拐から既に五日経ってる訳で、まして相手はオークだ、誘拐して身代金を請求とかじゃない、性欲の捌け口か、食料か、多分どっちかだ、レオもそこまでオーク種の事情に詳しい訳ではないが一般的な人間側の知識で言えばそうなる
まあ、実際の所は分らん、あくまで「人間側の知識で」だ、だから尚更、向こうと直接接触して、出来れば交流したいと思った実際の生態、社会は向こう側に聞くか、見るかしないと分からないし
そもそも、これまでエルフとオークは居て事件に発展してない、オークが周辺に沢山いるのにだ、であれば、実際は犯罪してるのは一部ではないか?ともアテがあった、無論、現状では「推理」でしかないが
そこで早速、軽く準備を整えつつ馬を借りる、これはエルフ集落からプリムが乗ってきたのがあるので、これを使う。ちゃんと三頭率いてきたらしい
で、そのままエルフ集落に寄らず、直接西に向う、誘拐されたエルフの娘達の心配もあるが、今回の一件は時間を掛ける程、状況、人質の安全が失われるし兎に角、急ぎの方が良い事、あんまりこの依頼に時間を掛けたくないのもある
移動しながら細かい状況を聞く、エルフ側の事ではなく、オーク側の生息地の知ってる限りの事だ、エルフ集落に行っても、大した情報は取れないと見切っていた
「アレハンドロの国で聞いた情報と差異はそんな無いな、王国南の魔物の生息地側、南東寄りに、低い山岳、台地みたいな所があって、そっちが大町て感じか」
「ええ、多分‥、昔からあの辺りに沢山住んでて、そこを中心として、周辺十キロ範囲に点在してるかと、今までもお互いを見かける事はありましたが特に、襲うとか戦うという事はありません、不干渉です」
「ふむ、だろうな」
「にーちゃんの見解は「オークでも人間の社会体制とそんなに違わない」という事なんだね」
「多分な、俺の故郷での始まりもそう。別に魔物と人間は集団でそんなに争ってなかった、今回のエルフ誘拐事件も今までは無かった「最近」急にだ、という事は向こうも元から纏まって住んでるのは、俺ら一般住民とそんな変わらんハズだ」
「で「最近」の方の集団は僕らで言えば山賊とか夜盗みたいなもんだ、と、外れた連中」
「でも当ってるかも‥、オークが住んでる山岳周囲から広がってる森と、エルフ集落の森も繋がっては居ますし、直線距離で言えば三十キロくらいしか離れてないです。お互い数十年は存在を確認してますが、これまで事件は無かったですし、オークの集落から外れた、イレギュラーとか、グレたみたいなのが居て、事件を起こしてるというのも別に普通にありえますね‥集団から外れる、落ち毀れる者が出るのは、どこでも一定数は居ますから、それが何の種族でも」
「そう、だから先に向こうの本営オークの大集団の方に向う。だから実際遭遇しても慌てるな代表者とか居れば、俺が話してみる、戦う戦わないはその後だ」
「前に聞いたけど、大丈夫?」
「まあ、単語なら俺も分かる、あくまで試しだ、戦ってどうにかするのは無謀だし、交渉可能か確かめたい」
「わ、わかりました、お任せします」
そうして馬移動のままダイレクトにアレハンドロで聞いた情報とプリムの持って居る情報を刷り合わせ一旦南国境を越えて、南西に向う
なので馬移動でも一日半掛かったが、遠くに指定した台地を見つけるこれは元々の情報通りだ
台地、と言った様に山岳には違い無いが低い山を半分から上を切り取った、切り株の様な場所で遠くからでも形はよくわかる
その足元に雑木林と森が展開して、割合見た目は豊かそうだ情報通りなら、あの台地に集落があるはずだ
一旦森の入り口まで行きそこで馬のままゆっくり移動、遠くに見える台地を目指すが、まず、現地にオーク民が居るなら、個々人でもいいから兎に角探して交流可能であればしてみる、のが一番早い
案の定、二キロ進んだ所で最初の住民の様な三匹と遭遇する、おそらく手に長槍や細かい道具を持っていたので森に狩りに出た者だろう、向こうも
「එය මිනිසෙක්.!!」と声を挙げて驚いたが最初の方針通り、予想通り、子鬼が使ってる言語と同じだ、だからレオは両手を上げて向こうの言語で話し掛けた
「ඔයා ආයාචනය කළා。මට කතාව අහන්න ඕන(戦いは望んでない話がしたい」と
それでちゃんと通じたらしい、ただ、子鬼よりも言葉がカタコト、知能か言語器官、声帯は優れていないらしい
「ハナシ‥?」と返してきた
なのでレオも、なるべく単語で最小限の事だけ伝える
「この子の仲間、エルフが誘拐されたそれを探している、君らのボスとか居るか?話しが聞きたい」と
「ボス、居る、一族の長」
「案内してくれる?君らが居る方が争わずに済む」
「いいぞ、こい」として先導して歩き出した
会話内容を歩きながらアルとプリムに説明し伝えつつ
レオも後に付いて、真っ直ぐ南向う
「にーちゃん、凄い!ちゃんと通じた!」
とまた、アルは羨望の眼差しを向け、プリムも驚いた
「エルフ族でも解読されていない言語ですよ‥」と
「まあ、細かい説明するとちょっとややこしいそれは後だ」
と中身は教えず、そのまま進んだ。実際その通りだし、それはあとでいい
更に二キロ移動し高台の街というか集落に辿り着き、最初に案内を願ったオーク三匹も住民に伝えつつ騒ぐなと周囲の者を抑えた
集落というより街に近いだろう、原資的な街だが。山の壁に横穴を掘って天然の家にしたような形でアチコチ穴があいてる、そこに其々住んでいる様で、人数は結構居る
アレハンドロで聞いた情報と略同じで三百名は居るだろう。
穴と、言っても洞穴でもなく、ちゃんと家の形には成ってる、中々手間が掛かっているし
原始的ではあるが、そこまで原住民ぽくない、狩り、言葉、と交渉が可能だったのだから一定の文化レベルはあるだろう
レオの見立てどおり、最初の他人との試合はアルもびびってたが、一戦目をびびりながらも勝つと後は余裕だ、自分が強いんだ、て事が分かったから
それに「にーちゃんと比べたら凄い遅い」事が分ったから、二日間で五回練習剣での闘技に出て難なく勝利し、銀十枚、「やったよ!にーちゃん!」とか言いながら尻尾振って持ってきた
「そらお前の稼ぎだ、取っとけ」と言ったが
結局アルは「護衛として」の給金以外受け取らず全部レオに渡す
「どうせにーちゃんに養ってもらってるのは変わらないし生活費だよ」とか言って
アル、獣人の類が「護衛としても優秀」は此処にある、獣の類、例えば犬とかも野良だと強いし、軍用で訓練した戦闘犬になるとまず勝てない、これは現代でもそう
体力があり、屈強だし、我慢強くて、従順だ、スピードも反射神経も優れて、ちゃんと戦う業、技術を提供すれば人間の無頼漢等相手にならない
だから「人間は魔物には勝てない」のである、元々持ってる潜在能力が遥かに上だし、人間がそれを覆すには道具、技術、戦法、統率を駆使してやっとこなんとかなるレベルだ
「そろそろ移動しようかな?」の部分だが
二つ道があった、一つが、最初に首都に来て安い酒場のおっさんに聞いた通り、南にあるオーク集落に行って交流してみるのもあったが。アルゼンタが居る状況も考慮してこれは止めた
二つに、闘技繋がりで東に行くルートが出来た、この国「アレハンドロ」はいわば闘技では地方大会、規模はデカイが、こっちはどっちかと言えば商売メイン
本戦というか、全国大会みたいのも東にあるらしい、結果的に「行ってみるか」と成ったのがこちらのルート
この国から東はY字に領土が密接しているY字の←がアレハンドロで↑と→がまだ別国で、その中間点辺りに「闘技場」が広まった原因でもある本場の町があるらしい
どこの国にも属してない街、領で本場と言ってもそっちのが古い、てだけだ闘技場自体は規模がもの凄くデカイ訳でもないし綺麗な訳でもない
北側でこの闘技場のシステムが出来たのも、そこが原因で元は傭兵の類が集まっての腕の競い合いの場だった
古い歴史だが、今より各国の人の争いが激しかった頃、どうしても傭兵とか言う連中が必要だったが傭兵の扱いは良くない、そこで娯楽と腕試しのモノが途中から「腕見せ」の場になったらしい
強い奴、結果の良い奴は国に雇われたりする、優秀な武芸者を探す大会でもある訳で、自然とそうなって、国家間の争いがある程度少なくなり、収まった後もそのまま残った
そういう事情があって、街はどこの国の所有でもない、独立、中立、傭兵の街、みたいな扱いだがどこの国でも「優秀な剣士は欲しい」ので傭兵の街と闘技場は残され、今も運営され周辺各国からも不干渉、同時に援助があって維持されている
レオも「どうせ東に行く最終目標だし、ついでに寄るか」という軽い感じで、アルと共に、アレハンドロを出た
距離的には近いだろうアルとイチャイチャしながら歩いて行って数日で着いた、別にホントにイチャイチャしてた訳じゃない、それくらい移動が楽勝でトラブルが無いて意味で
ついでに言えば、安直だが傭兵の国て名前の領らしい、考えるのがめんどくさかった訳じゃない
歴史の事情から傭兵共が集まって自然に街になってどこかの国が支配するのも問題が多いからこうなった、領土を越えて、街に入るのも検問とか審査とかも殆ど無いし、凄い楽
それも当然でこういう事情だから周辺から腕自慢とか武に覚えのある、剣士、冒険者、傭兵、各国から人材を求めて王族、公人も見に来る、だから移動規制が厳しいと廃れる、故に出入国は緩い
だいたい、此処に攻めようてアホもいない、そんな事すれば四方八方から総出でぶっ飛ばされる
勿論、独立自治区なのは他にも理由がある、そういう情勢だし、元々腕の立つ奴が多いし傭兵の国は防衛軍もめちゃ強い、最低限の防衛軍備だが数は少ないが兵が全員武芸者みたいなもんで並みの軍隊じゃ相手にならない
各国の争いには基本干渉しないが強烈無比な自治軍は緊急事態、魔物が襲ってきたとか言う場合のみ、援護を要請出来る、そういう時に頼りになる連中なので中立になってる
首都の街は結構デカイというか境涯、全部石作りの壁と官舎、競技場、家、ディスターヴ砦くらい固いだろう
ただ、前の例と違って、統制は取れていて安全感はある、ま、それも当然で、こんな所来て犯罪する馬鹿もあんまいない、喧嘩したきゃ闘技でやれ、て話しになるしその方が儲かる
住民を襲う、盗むとかでも「コイツは弱そうだ」と女とか年寄りとか襲っても、元闘士とかも多いので反撃される可能性すらある、女やじじい襲って返り討ちにあった、なんてみっともなくて表も歩けないだろう
街の名前は一応「クライブ」
領国に成る当時、統制してた傭兵の王の名前がそのまま残って付いてる
領内では周囲に村と集落も3個ある、こっちは何れも、農業、工業、耕作、牧畜で国内生産がメインで温厚で温暖でもある当然この街は魔物被害はない、ていうか、そういう事情だから亜人、ハーフも結構住んでる
「大きい街だね」とかアルも言ったが、その通りだ人口も多いし、貧乏くさくない、差別は少ない
「アルはこっちに住んだ方が安全だろな」
「そうだね、住まないけど」
「ふーん」
「僕はにーちゃんのモノだもん、ずっと付いていくよ」
とか言って、レオの腕を抱いてクネクネしてる、表でやるのはアカンとは思ったのだが、この街に限って言えばそういう関係もそう珍しくもないらしくアルとイチャイチャしてても、変に注目はされない
獣人は基本どれも人より強いか何らかの優れた部分を持って居るというのは常識で此処にはフツーに混ざり物も居るし寧ろ「ほう、獣人の子は強いのだろうか?」と真っ先に住民は思うし男女の関係に成っても、それはそう不思議でもないらしい
早速街割りを把握するのに首都を一回りし適当な宿を取った、所謂冒険者とか旅人がよく使う、ランクの低い、安宿だ。一階酒場、二階宿という
まあ、何ぼ金あると言っても放浪の旅人あんまり贅沢し無い方がいいだろう
さて、闘技場の本家なんだから早速、夕方に成ったら行って見よう、と思ったのだが結果的には闘技場に行くのは後回しになった
理由は単純で宿取ってとりあえず昼飯でも食うかとアルと二人で一階の酒場、兼飯屋に下りた所で掲示板に貼ってある、ヘンチクリンな依頼書が目に付いた
レオとアルが同時に掲示板前に行って見たがイマイチ読めない
「なんだこれ‥、凄い字だ」
「ミミズがのたくった様な字だね‥」
一応、人間の共通言語で書いてある依頼書なんだろうが凄く読めない。
二人が唸って解読しようと苦心してる所で背後から声を掛けられた
「あの~」と
声を掛けた相手を見たが、女の子二つお下げのグリーンの髪と目で、背がちっちゃい、横に長くて、デカイ耳の多分エルフだろう
「多分」と思った理由も単純でレオのイメージとは間逆だから。身長150㌢ギリギリ、オドオドしてるし子供ぽいし、あくまでイメージだが、プライドが高くて知的で美しい、という一般的なエルフからはめっちゃ遠い、まあ、可愛くはあるんだが‥
「え、何?」と思わず聞き返したが
「その依頼受けてくれます?冒険者さんですよね?」
「依頼も何も‥」
「これ読めない‥」
とレオとアルは同時に言った
「じ、じゃあ‥口頭で‥」
「ていうか張ってたのか」
「ハァ‥急ぎなんです~、だから興味持ってくれた人に声を‥」
「どうする?にーちゃん」
「まあ、話し聞いてからだな‥」
「あ、有難う御座います!!」
「早いて‥」
そんな訳で飯の傍ら、その子の説明を聞いた、彼女の名前は「プリムス」これもどこの言語か知らんが「最初の、一番目の」て意味らしい
当然あの依頼書の依頼者でイメージと凄い離れてるが一応エルフ、年齢は七十歳、人間の四倍くらいの寿命のエルフだから人間基準で言うと十八歳手前らしい、どうみてもアルゼンタより子供に見える。
まあ、エルフも千差万別て事だろう。話しも「知的な」からめっちゃ遠かった
「貼り出したのはいいんですが誰も受けてくれないんですよ酷くないですか~?私こんなに困ってるのに読めない!の後は、そんな依頼無謀だ!で皆帰っちゃうんですよ?!荒事が得意な街に住んでる冒険者でしょ??根性なしですか?男ですか?キンタマ付いてるんですか?!え、金が安い?そんな事ないでしょ?困ってる人が居たら助けてあげようとか思わないですか?こんなちっちゃくて可愛い子が泣いて頼んだら即OKしたっていいでしょ?エルフ集落の危機ですよ~?!救ったら英雄に成れますよ!美人のエルフっ娘に感謝されますよ!?モテモテですよ!!」
説明というかグチだったのでカットして
要約すると、こういう事らしい
南の国境越えた先にエルフの辺境集落がある、しかも魔物の生息域に、そういう場所に住んでるのだが、それ程争いはなく近隣の他の魔物とは不干渉でトラブルは無かったのだが最近現れた魔物の集団に村からエルフの雌を誘拐されたらしい、しかも結構一杯、一杯と言っても八人だが、エルフは元々数が少ないのでエルフ側からすると大事件らしい
夜中に住んでる森林の村を襲撃されて、奪われた、死者は出てないのだが、若い女性中心に誘拐されたが、自分達でどうにかする取り返すのは無謀だ、何故ならエルフはそんなに荒事が得意でもなく、戦力が低いし、相手が悪い
「相手??」
「オークです!一杯です!」
まあ、そりゃ誰も受けないわな、としか云い様が無い、以前も説明した通りだが、人間からしたらオークは強敵だデカイ、固い、強い、凶暴、馬鹿で集団と成れば軍レベルじゃないと先ず無理だろう、命が幾つあっても足りない
無論その事を説明してあげて「そりゃ無理だろ、皆断る」と言ったがプリムスは今度は泣き出した
「酷いです~!エルフなんか滅んでいいと思ってるんですね!?人間は冷たいです!!」とか言い出すが
アルゼンタは無茶苦茶冷静に
「にーちゃん、お昼食べたし部屋戻ろっか」と言い放った。どうみても嘘泣き、泣き落としであろう事をアルにも見抜かれた
「酷い~~!!」
ただ、レオの方は「あれ?」と思った
「まあ、五月蝿いし迷惑だから、落ち着け、それから嘘泣きは止めろ断るとは言ってない」
「ホントですか!?」と泣き止んだ
「オークの集団て何人くらいだ?」
「ハッキリ分かりませんけど、二十くらいかと最近急に出てきて荒らす様になったんですよね。人間の町とか村でも被害が出てるらしいです、だから人間側も動いてくれると思ったんですけど皆、無理とか言って全滅なんですよ」
「うむ、で?西側にもオーク集落あるよな?アレハンドロの国側南に」
「え、ええ、直線距離では近いですね、というか、一杯あるみたいですし、そこから来てるか分りません」
「誘拐やったオーク集団は「最近」と言ったがそれまでは無かったんだな?」
「は、はい」
「誘拐した連中の集団はねぐらとかあるんか調査とか追尾とかは?」
「残念ながら‥オーク集団とか言っても南に周辺に細かく、一杯ありますし、どれかは‥それに言葉も分りませんから「犯人はお前だ!ビシッ!」という訳にも、断定する事も出来ません、大体見た目の区別も付きません」
「ふむ‥」
そう、レオが最初に得た能力で思った事の一つ魔物側の言葉が分かるから、外交、交渉である、アレハンドロでは「あんま関係ないな」と思いスルーしたが、こういう事態ならいっそ、接触してみようか?とも思った。それを試すのも興味の一つだし
どの種でも通じるなら、魔物の本営、大陸東に行く前に交渉の有効性も証明出来るしこのエルフのガキに粘着されなくて済むんじゃね?とも思った、三方一両得という状態、全部纏めて片付く可能性もある
そこで「まあ、いいだろう、案内しろ」と言った
「いいんですか!?」
「にーちゃん‥大丈夫なの?」
「大丈夫じゃないが、試したい事もあるんでなアルは此処で待ってろ」
「だめ!」
「だよな‥」
「でー、報酬は?」
そう言われ、プリムスは下げ鞄から。石ころを出した、アルゼンタは「何これ?」と言ったがレオは知ってる
「ほう、プラチナ銀か」
「そうです!でも成功報酬です!」と見せただけらしい
「まあ、それくらいじゃフツーは受けないわな」
「え?!そうなんですか??」
「加工した武器とかなら分るが原石は昔と違って結構取れるからな、それに、加工したモノでも今は技術が進んでるし、態々希少金属で武器にせんでも合金処理とかでもっと安く、硬度の高い武器も作れるからな、最近じゃ、国の記念硬貨に成ってたりするし、残念ながら命がけの報酬とは成らない、精精金貨数枚と交換出来るかどうかだ」
「だから「安い」て言われたんだ‥」
「残念ながらな、二十年前なら高値なんだが、一応、現在でも芸術品にも使われているから需要はあるけど」
「知らなかった‥」
「まあ、報酬は置いて、成功条件は?誘拐されて結構経ってるんだろ?無事取り返せは、無理だぞ」
「ですよね‥、最悪、生存者が戻って、その犯人のオークが捕まるか、もう出来ない様にお仕置きできれば‥」
とプリムは言ったがそれはそれで難題だろう、彼女が沈んで言ったのも勿論理由がある、誘拐されてそれなりに時間が経ってれば、殺されているか廻されているかのどっちかだろう
「無事」て事は略無い、誘拐から既に五日経ってる訳で、まして相手はオークだ、誘拐して身代金を請求とかじゃない、性欲の捌け口か、食料か、多分どっちかだ、レオもそこまでオーク種の事情に詳しい訳ではないが一般的な人間側の知識で言えばそうなる
まあ、実際の所は分らん、あくまで「人間側の知識で」だ、だから尚更、向こうと直接接触して、出来れば交流したいと思った実際の生態、社会は向こう側に聞くか、見るかしないと分からないし
そもそも、これまでエルフとオークは居て事件に発展してない、オークが周辺に沢山いるのにだ、であれば、実際は犯罪してるのは一部ではないか?ともアテがあった、無論、現状では「推理」でしかないが
そこで早速、軽く準備を整えつつ馬を借りる、これはエルフ集落からプリムが乗ってきたのがあるので、これを使う。ちゃんと三頭率いてきたらしい
で、そのままエルフ集落に寄らず、直接西に向う、誘拐されたエルフの娘達の心配もあるが、今回の一件は時間を掛ける程、状況、人質の安全が失われるし兎に角、急ぎの方が良い事、あんまりこの依頼に時間を掛けたくないのもある
移動しながら細かい状況を聞く、エルフ側の事ではなく、オーク側の生息地の知ってる限りの事だ、エルフ集落に行っても、大した情報は取れないと見切っていた
「アレハンドロの国で聞いた情報と差異はそんな無いな、王国南の魔物の生息地側、南東寄りに、低い山岳、台地みたいな所があって、そっちが大町て感じか」
「ええ、多分‥、昔からあの辺りに沢山住んでて、そこを中心として、周辺十キロ範囲に点在してるかと、今までもお互いを見かける事はありましたが特に、襲うとか戦うという事はありません、不干渉です」
「ふむ、だろうな」
「にーちゃんの見解は「オークでも人間の社会体制とそんなに違わない」という事なんだね」
「多分な、俺の故郷での始まりもそう。別に魔物と人間は集団でそんなに争ってなかった、今回のエルフ誘拐事件も今までは無かった「最近」急にだ、という事は向こうも元から纏まって住んでるのは、俺ら一般住民とそんな変わらんハズだ」
「で「最近」の方の集団は僕らで言えば山賊とか夜盗みたいなもんだ、と、外れた連中」
「でも当ってるかも‥、オークが住んでる山岳周囲から広がってる森と、エルフ集落の森も繋がっては居ますし、直線距離で言えば三十キロくらいしか離れてないです。お互い数十年は存在を確認してますが、これまで事件は無かったですし、オークの集落から外れた、イレギュラーとか、グレたみたいなのが居て、事件を起こしてるというのも別に普通にありえますね‥集団から外れる、落ち毀れる者が出るのは、どこでも一定数は居ますから、それが何の種族でも」
「そう、だから先に向こうの本営オークの大集団の方に向う。だから実際遭遇しても慌てるな代表者とか居れば、俺が話してみる、戦う戦わないはその後だ」
「前に聞いたけど、大丈夫?」
「まあ、単語なら俺も分かる、あくまで試しだ、戦ってどうにかするのは無謀だし、交渉可能か確かめたい」
「わ、わかりました、お任せします」
そうして馬移動のままダイレクトにアレハンドロで聞いた情報とプリムの持って居る情報を刷り合わせ一旦南国境を越えて、南西に向う
なので馬移動でも一日半掛かったが、遠くに指定した台地を見つけるこれは元々の情報通りだ
台地、と言った様に山岳には違い無いが低い山を半分から上を切り取った、切り株の様な場所で遠くからでも形はよくわかる
その足元に雑木林と森が展開して、割合見た目は豊かそうだ情報通りなら、あの台地に集落があるはずだ
一旦森の入り口まで行きそこで馬のままゆっくり移動、遠くに見える台地を目指すが、まず、現地にオーク民が居るなら、個々人でもいいから兎に角探して交流可能であればしてみる、のが一番早い
案の定、二キロ進んだ所で最初の住民の様な三匹と遭遇する、おそらく手に長槍や細かい道具を持っていたので森に狩りに出た者だろう、向こうも
「එය මිනිසෙක්.!!」と声を挙げて驚いたが最初の方針通り、予想通り、子鬼が使ってる言語と同じだ、だからレオは両手を上げて向こうの言語で話し掛けた
「ඔයා ආයාචනය කළා。මට කතාව අහන්න ඕන(戦いは望んでない話がしたい」と
それでちゃんと通じたらしい、ただ、子鬼よりも言葉がカタコト、知能か言語器官、声帯は優れていないらしい
「ハナシ‥?」と返してきた
なのでレオも、なるべく単語で最小限の事だけ伝える
「この子の仲間、エルフが誘拐されたそれを探している、君らのボスとか居るか?話しが聞きたい」と
「ボス、居る、一族の長」
「案内してくれる?君らが居る方が争わずに済む」
「いいぞ、こい」として先導して歩き出した
会話内容を歩きながらアルとプリムに説明し伝えつつ
レオも後に付いて、真っ直ぐ南向う
「にーちゃん、凄い!ちゃんと通じた!」
とまた、アルは羨望の眼差しを向け、プリムも驚いた
「エルフ族でも解読されていない言語ですよ‥」と
「まあ、細かい説明するとちょっとややこしいそれは後だ」
と中身は教えず、そのまま進んだ。実際その通りだし、それはあとでいい
更に二キロ移動し高台の街というか集落に辿り着き、最初に案内を願ったオーク三匹も住民に伝えつつ騒ぐなと周囲の者を抑えた
集落というより街に近いだろう、原資的な街だが。山の壁に横穴を掘って天然の家にしたような形でアチコチ穴があいてる、そこに其々住んでいる様で、人数は結構居る
アレハンドロで聞いた情報と略同じで三百名は居るだろう。
穴と、言っても洞穴でもなく、ちゃんと家の形には成ってる、中々手間が掛かっているし
原始的ではあるが、そこまで原住民ぽくない、狩り、言葉、と交渉が可能だったのだから一定の文化レベルはあるだろう
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