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発現した能力1個目
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レオはそのまま、地元での生活と仕事を請け負って主に東側「魔物と人間の生存域の境界線」に踏み込んだ仕事を中心に行う
生態が知りたいのもあるし、どの程度危険かも知りたい、週に二回ほど、砦から東へ出て、高地やら森やらに入る
いわば警戒の仕事をする、そこで野良獣の類が西、街に近い所に居れば追い払う、というしょぼい仕事だ。
これもまあ、王国から援助が出るのでくだらん仕事の割り金は美味い。斥候任務を民間がやってるだけの話しで、そこそこ危険だから冒険者の類へ委託しようという話しだ
ただレオが体感したものは「魔物と人の境界」という話しとか噂とは違っていた。領土外の森とか高地の丘とかに入って見回りするが人的被害はまず出ない。
こっちが数人のパーティーで動いていれば偶に獣に出会っても、向こうの方が逃げる、これは現代でも同じだろう、山で動物だの熊だの居ても別に無差別に襲ってくる訳じゃないし
レオの故郷での事件も「統率者」が居るから事態が反転しただけの話でソイツはもう居ない、というか「俺」な訳で、この大陸に他に指揮官が居るのかどうか分らないが
レオと同化したアイツが現地責任者なら魔物は指揮官は失った事になり、当分は大規模な集団戦は無いか少なくなるという事になる、或いは、別の指揮官が現地に充てられるまで、という事だ
レオはそのまま二ヶ月「ディスターヴ砦街」で過ごした、そこそこ小銭を稼ぎつつ、見回りやら斥候やらやったが期待した部分「戦い」は無かった
それが反転したのが三ヶ月。ギルドから「砦から援軍の要請が出された」という告知がされた
「援軍??」
「東高地を半日程行った所に湖に併設した森があるんだがそこに子鬼が集団で入って生活しているらしい、これは砦側に近いし追い出すそうだ、まあ、それの支援だな」
「支援て何をするんだ」
「軍にくっ付いて行ってもしもの時の加勢だな魔物は小物でも油断出来ない。反撃されて戦力が足りない時後退とか撤退とかの援護だ」
「子鬼、て事はゴブリンか何かか?」
「らしいな、俺は知らんが上からの要請だ、だからまあ、金はいいぞ?」
「わかってる」
勿論これを断る理由もない。子鬼が集団、砦の軍も動く、となれば人対魔の集団戦を間近で見れる、即、レオも受けて、翌朝、出立する軍の後方に帯同する
「金はいいぞ?」とロウが言った通りで、ギルドから自主参加したメンツも十人居る、しかも、もしもの時であって基本何もしなくていいから、金、手間の面で美味い仕事だ
早朝暗い深夜に出て、現地に着いたのが午後四時くらい、距離は四十キロくらいで、南東の丘と湖、その周囲に森が展開した場所だ、確かに人側の生活圏に近くはある
軍は三百人で二中隊、其々武装を整え陣を敷いて、午後、五時には森の北側に横に広く展開して鈍足で侵入する
「いよいよ本格的な集団戦が見れるな」と期待もしていたのだがこの戦いはレオの期待したモノとは違っていたのだ
夕方近くの薄暗い森の中で、軍が前進、事前情報にあった通り、ゴブリンの集落がありこれに有無を言わさず、奇襲を掛けた
まず、ゴブリンの集落を包囲しつつ逃がさないように半包囲し、いきなり火矢を放って集落の粗末な家に撃ち込んで燃やす。
奇襲を食らった子鬼も手に武器を拾って個別に反撃、これを軍隊は槍と弓で迎撃して撃ち殺す
子鬼と言う様に、ゴブリンは強くは無い体格も人間の三分の二くらいだし装備もどこから拾ってきたんだよ、というボロイ鉄剣とか石槍
数も軍は三百だが、子鬼は目視で精精五十、しかも軍とか統率された集団じゃない
「マジカ‥これじゃどっちが悪党か分ったもんじゃない‥」
そうレオも思った、勿論口には出さなかったが、思った通り、一方的な襲撃、虐殺だ。一応「戦い」ではあるのだが、ハッキリ言って攻められて反撃したのは魔物側、なのは明白な事態である
「おい討伐とか追い出しとは、こんななのか?」とギルドの同僚にも問うたが、返って来た言葉は「ああ、大体そうだぜ?」だった
こうしてレオが直接眼にした「対魔集団戦」はあっさり、三十分で終了した。人間側にも五人負傷者が出たが、子鬼側は全滅、まだ出来上がっていないだろう集落も軒並焼き払って後退した
一同は一旦に陣に戻って収集
軍もギルドの傭兵もそのまま撤退したが、レオは「後で戻るよ」としてその場に残った
ショックだったのもある、とても同じ側として帰る気にも成らなかったのもある灰と化した、子鬼の集落を呆然と立ち尽くして見るだけだった
「個人の心理、心境」としてはレオの感情は分るのだが実際、社会の常識ではそんなもんだ。
現代でも山に住む野生動物も目だって出てくれば捕まって去勢されたり、戻されるか、駆除される、それは「こちら側」のルールと常識であってレオはそれに安易に迎合しなかっただけだ
無論、実際に魔物に寄る人間の人的被害はある、亜人、人型の様な原始時代程度の文化生活がある、知恵を持つ層でも人を浚ったり、食い物を盗んだりするし
大型の虫や獣の様な、思考してない奴が街に現れ人を殺したり、食ったりもする。だが今回の戦いに限っては戦いではない、一方的な排除、駆除だ
偽善という訳でもない
人間が本来持つ「慈悲」が彼には潜在的に備わっていただけ、ただの魔物だの獣だろ?とも思わなかった。だから「酷いな」と思った、勿論そう思った原因はそれだけじゃない
あまりの惨状に一人残って集落を回った後、どこからか「声」が聞こえたのだ
「なんだ‥?声?‥鳴き声の様な‥」
そうしてその声のする方を探し集落の一番奥の一番デカイ、燃やされた住居みたいな所に入り探し回った。そう「下」からだ
レオは燃えて倒壊した家みたいな場所から崩れた木材とゴミを払って、床で無事な板を引っぺがす。
避難用に家の下に元々用意してあっただろう、掘った穴、防空壕みたいなもんだ
そこに居たのが狭い4メートルの空間に押し込まれた子鬼の子供だろう小さい連中十匹だった
そいつらはレオを見て驚いて、狼狽して「〇#☆!!」とか泣いて叫んでたが何を言ってるのかさっぱりワカランが兎に角泣いてた
ただ、そいつらが喚いている事を聞いている内に
なんとなく、言ってる意味が分る
「එය මිනිසෙක්.!!එය මිනිසෙක්.!」
「මාව මරන්න එපා.!」
「は?人間だ、殺さないで?」と自然と理解出来た
だから武器を納めて、離して置き、両手を上げて見せて敵意の無い事を示した。
どうやらそれで向こうも安心したのか、大人しくなった通じるとは思わなかったのだがレオも
「敵じゃない奴は殺さない子供なんか殺さない」と言ってみたが驚いた事にこれが通じたらしい
「එය සත්යයක්ද?(本当?」と返して来た
「本当だ、安心してくれ、さ、出よう」
と手を伸ばして子鬼を引き上げた
全員表に出した所でレオは、自分がやった事でもないのだが申し訳なさ、みたいのもあり、手持ちの道具から保存食などあるだけ渡して一応、コチラ側の常識というかルールも説明した
「人間の生活圏の近い所に入って見つかると問答無用で狩られる、なるべく離れて生きるんだ」
そう「自分の言語」で話した「つもり」だったのだがどうやらレオも向こうの言語で喋ってたらしい
「どうして‥?僕達悪い事してない‥」
「ああ、それは分ってる、でも人間は魔物は全部同じだと思ってる、だからなるべく「こっち側」に出てきちゃダメだ」
「‥わかった、ありがとう」
そう納得させて、子鬼達の子供を逃がした後見送ってから間抜けな事に自分も気が付いた
「あれ?!俺あいつらの言葉で喋ってたよな!?」と
そう、レオが悪魔と同化して得た能力、発揮した最初の一個が、これ言葉での交流が可能である、事だ
別にまあ、特殊能力じゃない、悪魔と俺、両方が一つになったからどっちの知識も共有されただけだ
習って覚えた訳じゃなく元々知ってるモノが合わさっただけで大した事じゃないし、あまりにも自然に使って気づくのが遅れたのはそのせいだ
人間と魔物の争い、の原因の一つはコレで、人間側にも複数の言語があるが、魔物側のは全く解析されていない
まあ、当然だが「お互いの言葉を教え合おう」なんて出来る訳もないし、お互い、見たら逃げるか攻撃する、つまり「外交」「交渉」が不能だから殺しあうことになる
「これは凄い能力だ!」とレオ自身も驚いた
確かに向こう側、野良魔物の類は大抵理解し合えないが、文化レベルに著しい差があっても「言葉、交流」はある、今の子鬼の子供との遣り取りでもそうだ
少なくとも「一定の知能」「人型」であれば言葉は操るので、無駄な争いを回避する事も可能だろう
無論、魔物の社会、生態、なんてのは学術的に調査されていない、というか言葉と同じで無理だし、ある意味、レオは世界初簡単に聞く事が可能な立場の人間という事
早速レオは遅れて砦街に戻り、公的施設から本等を借りて、その面の知識を洗いなおした
基礎教育として大まかな世界情勢は知ってるが、あくまで一応知ってる程度でよく分ってない、魔物の知識もそう、ただ残念ながら、これも学術として確立されている程ではない
そもそも調査が難しいから
例えば、学者が魔物の生態、文化を調べようとしても自然の中に入って、調べる、て訳にはいかない、危険だし、交流不能だから、まず生きて帰れないし調べようが無い
「うーん、東の隅には「一応」魔物の拠点があるのか」
と一応この大陸の知識として分っただけだ、それも資料古いので何とも言えない
ただ、人間側の国と領土が密接している場所もあるので行くのは可能らしい
丁度大陸のC型に人間の国の領土があり、北から回って東へ行けば、相手側の本営近くには行ける、と、言っても実際行った奴が居る訳でもなくイマイチ不明ではあるが
界地図での予想の類ではそう思われているのも妥当で魔の本国が海を越えて東にあり自分が居るのが西大陸、であれば東から西に人員を送るとか、渡ってくるのなら、当然こっちの大陸で活動する、繋ぐ場所、港とか拠点は要るハズで中央大陸から一番近いからだ
レオは心境に変化があった、一つに、同化して影響のあった部分が分った事、人間側に同化に寄ってどうなるか、資料に一切無く諦めて居た、そして発現した「両方の勢力と会話可能」であるなら
「いっそのこと直接向こうの首脳部とかに聞くか、調べるかしたほうがいいのではないか?」と考えた
二つに、このディスターヴ砦での子鬼との戦いと子供を逃がした事。「魔物との戦い」では少なくとも無く相手に寄っては戦わずに済む可能性も大いにあるし人生を諦めるには早い、と前向きな思考にもなった
今までは「どうせ魔物には勝てない、駆逐されるだけだ」と考えていたが、本格的に全体が侵攻してくる様な事態にはまだ発展して居らず、有象無象の元々居る魔物は少なくとも話は通じる
「俺ら人間側の社会とあんまり変わらないのだろうか?」という興味
「向こうも政府と軍、そこいらに生息しているのは一般人みたいなモノ明確に意思を持って戦っている訳じゃないなら、まだ何とかなるかも?」
という希望があるにはあった、実際、話が通じる奴もそこそこ居るなら「魔物と全面戦争だ!」とも成らない、で、あれば人間は全部駆逐される、という心配も薄らいだ
三つに、二に関連した事だが、人間側も子鬼との戦いでも分った通り、あまりに一方的、且つ条件反射的に「魔物だ!殺せ!」と成り過ぎている
戦っても負ける可能性のが遥かに高い相手と積極的に戦争しても無駄だし、より憎悪の連鎖にしかならない
これらの考え、判断から、レオは即、ギルドを抜けて、北に向かった
目的地は勿論「この大陸で魔物の拠点があるとされている東」である、それには人間の領土とか国を通っていた方が良い、真っ直ぐ、荒野を東なんてまあ、無謀でしかないし
とは言っても実際大陸の一番東を北周りに目指すのだから、大変は大変だろう、相当距離があるだろうし、まあ、自身の心境の変化、これまでの行程だから
「急ぐ訳でもないし、ついでにアチコチ回りながら他国の事を見るのも悪くないな」と考え方も前向きだった
生態が知りたいのもあるし、どの程度危険かも知りたい、週に二回ほど、砦から東へ出て、高地やら森やらに入る
いわば警戒の仕事をする、そこで野良獣の類が西、街に近い所に居れば追い払う、というしょぼい仕事だ。
これもまあ、王国から援助が出るのでくだらん仕事の割り金は美味い。斥候任務を民間がやってるだけの話しで、そこそこ危険だから冒険者の類へ委託しようという話しだ
ただレオが体感したものは「魔物と人の境界」という話しとか噂とは違っていた。領土外の森とか高地の丘とかに入って見回りするが人的被害はまず出ない。
こっちが数人のパーティーで動いていれば偶に獣に出会っても、向こうの方が逃げる、これは現代でも同じだろう、山で動物だの熊だの居ても別に無差別に襲ってくる訳じゃないし
レオの故郷での事件も「統率者」が居るから事態が反転しただけの話でソイツはもう居ない、というか「俺」な訳で、この大陸に他に指揮官が居るのかどうか分らないが
レオと同化したアイツが現地責任者なら魔物は指揮官は失った事になり、当分は大規模な集団戦は無いか少なくなるという事になる、或いは、別の指揮官が現地に充てられるまで、という事だ
レオはそのまま二ヶ月「ディスターヴ砦街」で過ごした、そこそこ小銭を稼ぎつつ、見回りやら斥候やらやったが期待した部分「戦い」は無かった
それが反転したのが三ヶ月。ギルドから「砦から援軍の要請が出された」という告知がされた
「援軍??」
「東高地を半日程行った所に湖に併設した森があるんだがそこに子鬼が集団で入って生活しているらしい、これは砦側に近いし追い出すそうだ、まあ、それの支援だな」
「支援て何をするんだ」
「軍にくっ付いて行ってもしもの時の加勢だな魔物は小物でも油断出来ない。反撃されて戦力が足りない時後退とか撤退とかの援護だ」
「子鬼、て事はゴブリンか何かか?」
「らしいな、俺は知らんが上からの要請だ、だからまあ、金はいいぞ?」
「わかってる」
勿論これを断る理由もない。子鬼が集団、砦の軍も動く、となれば人対魔の集団戦を間近で見れる、即、レオも受けて、翌朝、出立する軍の後方に帯同する
「金はいいぞ?」とロウが言った通りで、ギルドから自主参加したメンツも十人居る、しかも、もしもの時であって基本何もしなくていいから、金、手間の面で美味い仕事だ
早朝暗い深夜に出て、現地に着いたのが午後四時くらい、距離は四十キロくらいで、南東の丘と湖、その周囲に森が展開した場所だ、確かに人側の生活圏に近くはある
軍は三百人で二中隊、其々武装を整え陣を敷いて、午後、五時には森の北側に横に広く展開して鈍足で侵入する
「いよいよ本格的な集団戦が見れるな」と期待もしていたのだがこの戦いはレオの期待したモノとは違っていたのだ
夕方近くの薄暗い森の中で、軍が前進、事前情報にあった通り、ゴブリンの集落がありこれに有無を言わさず、奇襲を掛けた
まず、ゴブリンの集落を包囲しつつ逃がさないように半包囲し、いきなり火矢を放って集落の粗末な家に撃ち込んで燃やす。
奇襲を食らった子鬼も手に武器を拾って個別に反撃、これを軍隊は槍と弓で迎撃して撃ち殺す
子鬼と言う様に、ゴブリンは強くは無い体格も人間の三分の二くらいだし装備もどこから拾ってきたんだよ、というボロイ鉄剣とか石槍
数も軍は三百だが、子鬼は目視で精精五十、しかも軍とか統率された集団じゃない
「マジカ‥これじゃどっちが悪党か分ったもんじゃない‥」
そうレオも思った、勿論口には出さなかったが、思った通り、一方的な襲撃、虐殺だ。一応「戦い」ではあるのだが、ハッキリ言って攻められて反撃したのは魔物側、なのは明白な事態である
「おい討伐とか追い出しとは、こんななのか?」とギルドの同僚にも問うたが、返って来た言葉は「ああ、大体そうだぜ?」だった
こうしてレオが直接眼にした「対魔集団戦」はあっさり、三十分で終了した。人間側にも五人負傷者が出たが、子鬼側は全滅、まだ出来上がっていないだろう集落も軒並焼き払って後退した
一同は一旦に陣に戻って収集
軍もギルドの傭兵もそのまま撤退したが、レオは「後で戻るよ」としてその場に残った
ショックだったのもある、とても同じ側として帰る気にも成らなかったのもある灰と化した、子鬼の集落を呆然と立ち尽くして見るだけだった
「個人の心理、心境」としてはレオの感情は分るのだが実際、社会の常識ではそんなもんだ。
現代でも山に住む野生動物も目だって出てくれば捕まって去勢されたり、戻されるか、駆除される、それは「こちら側」のルールと常識であってレオはそれに安易に迎合しなかっただけだ
無論、実際に魔物に寄る人間の人的被害はある、亜人、人型の様な原始時代程度の文化生活がある、知恵を持つ層でも人を浚ったり、食い物を盗んだりするし
大型の虫や獣の様な、思考してない奴が街に現れ人を殺したり、食ったりもする。だが今回の戦いに限っては戦いではない、一方的な排除、駆除だ
偽善という訳でもない
人間が本来持つ「慈悲」が彼には潜在的に備わっていただけ、ただの魔物だの獣だろ?とも思わなかった。だから「酷いな」と思った、勿論そう思った原因はそれだけじゃない
あまりの惨状に一人残って集落を回った後、どこからか「声」が聞こえたのだ
「なんだ‥?声?‥鳴き声の様な‥」
そうしてその声のする方を探し集落の一番奥の一番デカイ、燃やされた住居みたいな所に入り探し回った。そう「下」からだ
レオは燃えて倒壊した家みたいな場所から崩れた木材とゴミを払って、床で無事な板を引っぺがす。
避難用に家の下に元々用意してあっただろう、掘った穴、防空壕みたいなもんだ
そこに居たのが狭い4メートルの空間に押し込まれた子鬼の子供だろう小さい連中十匹だった
そいつらはレオを見て驚いて、狼狽して「〇#☆!!」とか泣いて叫んでたが何を言ってるのかさっぱりワカランが兎に角泣いてた
ただ、そいつらが喚いている事を聞いている内に
なんとなく、言ってる意味が分る
「එය මිනිසෙක්.!!එය මිනිසෙක්.!」
「මාව මරන්න එපා.!」
「は?人間だ、殺さないで?」と自然と理解出来た
だから武器を納めて、離して置き、両手を上げて見せて敵意の無い事を示した。
どうやらそれで向こうも安心したのか、大人しくなった通じるとは思わなかったのだがレオも
「敵じゃない奴は殺さない子供なんか殺さない」と言ってみたが驚いた事にこれが通じたらしい
「එය සත්යයක්ද?(本当?」と返して来た
「本当だ、安心してくれ、さ、出よう」
と手を伸ばして子鬼を引き上げた
全員表に出した所でレオは、自分がやった事でもないのだが申し訳なさ、みたいのもあり、手持ちの道具から保存食などあるだけ渡して一応、コチラ側の常識というかルールも説明した
「人間の生活圏の近い所に入って見つかると問答無用で狩られる、なるべく離れて生きるんだ」
そう「自分の言語」で話した「つもり」だったのだがどうやらレオも向こうの言語で喋ってたらしい
「どうして‥?僕達悪い事してない‥」
「ああ、それは分ってる、でも人間は魔物は全部同じだと思ってる、だからなるべく「こっち側」に出てきちゃダメだ」
「‥わかった、ありがとう」
そう納得させて、子鬼達の子供を逃がした後見送ってから間抜けな事に自分も気が付いた
「あれ?!俺あいつらの言葉で喋ってたよな!?」と
そう、レオが悪魔と同化して得た能力、発揮した最初の一個が、これ言葉での交流が可能である、事だ
別にまあ、特殊能力じゃない、悪魔と俺、両方が一つになったからどっちの知識も共有されただけだ
習って覚えた訳じゃなく元々知ってるモノが合わさっただけで大した事じゃないし、あまりにも自然に使って気づくのが遅れたのはそのせいだ
人間と魔物の争い、の原因の一つはコレで、人間側にも複数の言語があるが、魔物側のは全く解析されていない
まあ、当然だが「お互いの言葉を教え合おう」なんて出来る訳もないし、お互い、見たら逃げるか攻撃する、つまり「外交」「交渉」が不能だから殺しあうことになる
「これは凄い能力だ!」とレオ自身も驚いた
確かに向こう側、野良魔物の類は大抵理解し合えないが、文化レベルに著しい差があっても「言葉、交流」はある、今の子鬼の子供との遣り取りでもそうだ
少なくとも「一定の知能」「人型」であれば言葉は操るので、無駄な争いを回避する事も可能だろう
無論、魔物の社会、生態、なんてのは学術的に調査されていない、というか言葉と同じで無理だし、ある意味、レオは世界初簡単に聞く事が可能な立場の人間という事
早速レオは遅れて砦街に戻り、公的施設から本等を借りて、その面の知識を洗いなおした
基礎教育として大まかな世界情勢は知ってるが、あくまで一応知ってる程度でよく分ってない、魔物の知識もそう、ただ残念ながら、これも学術として確立されている程ではない
そもそも調査が難しいから
例えば、学者が魔物の生態、文化を調べようとしても自然の中に入って、調べる、て訳にはいかない、危険だし、交流不能だから、まず生きて帰れないし調べようが無い
「うーん、東の隅には「一応」魔物の拠点があるのか」
と一応この大陸の知識として分っただけだ、それも資料古いので何とも言えない
ただ、人間側の国と領土が密接している場所もあるので行くのは可能らしい
丁度大陸のC型に人間の国の領土があり、北から回って東へ行けば、相手側の本営近くには行ける、と、言っても実際行った奴が居る訳でもなくイマイチ不明ではあるが
界地図での予想の類ではそう思われているのも妥当で魔の本国が海を越えて東にあり自分が居るのが西大陸、であれば東から西に人員を送るとか、渡ってくるのなら、当然こっちの大陸で活動する、繋ぐ場所、港とか拠点は要るハズで中央大陸から一番近いからだ
レオは心境に変化があった、一つに、同化して影響のあった部分が分った事、人間側に同化に寄ってどうなるか、資料に一切無く諦めて居た、そして発現した「両方の勢力と会話可能」であるなら
「いっそのこと直接向こうの首脳部とかに聞くか、調べるかしたほうがいいのではないか?」と考えた
二つに、このディスターヴ砦での子鬼との戦いと子供を逃がした事。「魔物との戦い」では少なくとも無く相手に寄っては戦わずに済む可能性も大いにあるし人生を諦めるには早い、と前向きな思考にもなった
今までは「どうせ魔物には勝てない、駆逐されるだけだ」と考えていたが、本格的に全体が侵攻してくる様な事態にはまだ発展して居らず、有象無象の元々居る魔物は少なくとも話は通じる
「俺ら人間側の社会とあんまり変わらないのだろうか?」という興味
「向こうも政府と軍、そこいらに生息しているのは一般人みたいなモノ明確に意思を持って戦っている訳じゃないなら、まだ何とかなるかも?」
という希望があるにはあった、実際、話が通じる奴もそこそこ居るなら「魔物と全面戦争だ!」とも成らない、で、あれば人間は全部駆逐される、という心配も薄らいだ
三つに、二に関連した事だが、人間側も子鬼との戦いでも分った通り、あまりに一方的、且つ条件反射的に「魔物だ!殺せ!」と成り過ぎている
戦っても負ける可能性のが遥かに高い相手と積極的に戦争しても無駄だし、より憎悪の連鎖にしかならない
これらの考え、判断から、レオは即、ギルドを抜けて、北に向かった
目的地は勿論「この大陸で魔物の拠点があるとされている東」である、それには人間の領土とか国を通っていた方が良い、真っ直ぐ、荒野を東なんてまあ、無謀でしかないし
とは言っても実際大陸の一番東を北周りに目指すのだから、大変は大変だろう、相当距離があるだろうし、まあ、自身の心境の変化、これまでの行程だから
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桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
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