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【14】つながる。【R18】

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※生々しい性的表現があります。苦手な方はご注意ください。

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互いが発する音以外存在しない静かな空間に、二人きり・・ぴたりと寄り添う。
座った状態で自分を抱え、密着しながら言い辛そうに恋人は話し始めた。

「エトラさん・・その。俺、あなたが初めての恋人なので・・何分経験が、ですね・・初心者なので色々察することが出来ないと思うんです」
「なに?そうなのか?・・その割には・・あ~。手慣れてないか・・」

まさか恋人は初めてだが、肉体関係にあった者が居たとかではないだろうな?
居たとしても、理性的に考えれば仕方が無い事だと判ってはいる・・
だがそれはそれとして、胸の内にどろりとした嫉妬が渦巻くのも仕様がない事と理解して欲しいところだ。
視線に剣呑な光が混じったのに気づき「初心者なのは本当ですよ?!」と首を振る恋人。

「友人に淫魔が居まして。そいつと飲んだりした時に色々話を聞かされるんです・・その。女性の扱い方だとか、性技のコツだとか・・」
「・・・・つまり実践したのは私だけだと?」
「勿論ですっ!!」
「ふむ・・成程、納得した。まぁ・・・私も君が初めてだから、玄人かそうでないかなど見分けることは出来んがな」

―そうか。何となくそうではないかと思っていたが・・私が初めてか・・―

思っていたより、自分は〈初めて〉というものを気にしていたらしい。
確証を得て、思わず頬が緩む。

「え、エトラさんも初めて、なんですか?!」
「ん?今そうだと—」
「俺っ!俺嬉しいですっ!!大切に・・大切にしますね!!」
「ふふっ。そうか・・喜んでくれて何より。私も、君が初めてで嬉しく思うよ」

微笑み合い、顔が近づいて額をこつりと合わせる。

「俺、今幸せです・・」
「・・私もだ。ジル」

見つめ合い、自然と腕を背中に回して抱きしめ合った。
深く、深く溶けて混ざり合うように、胸に満ちる幸福を伝え合う。

「エトラさん・・あの。話がズレてしまいましたが・・つまり、何が言いたいかというと、ですね。俺は察しが悪いので・・」
「・・?」
「沢山訊いてもいいですか?その・・気持ちいいところ、とか。痛いところが無いか?とか・・」

恋人に「教えてください」と真摯に請われれば頷かないはずが無かった。

「分かった。出来るだけ答えるようにするよ」
「ありがとうございます・・その・・早く上達出来るように俺、頑張ります」

頬を掻きながら、少し恥ずかしそうにする恋人・・
そんな仕草がいじらしくて、胸がきゅうっと締め付けられていると「あ、そうだ」と何かに気付いて箱に手を伸ばした。

「耳の火傷、今の内に治しておきましょう。遅くなってすみません」と謝られながら、回復薬を耳の傷へ垂らされる。
そこだけ痛み止めでも塗られていたのか、感覚が鈍くなっていて火傷していたのをすっかり忘れていた。

「ありがとう」と答えながら、ジルの手元を何となく目線で追う。
すると、回復薬が戻された箱の中に赤紫色の液体で満たされた、親指程の小瓶が見えた。

―そうだ。今のうちに飲んでおかなければ―

体を起こし、ひょいとその小瓶を手に取る。
貼られたメモに〈避妊薬〉とあったのを確認して、蓋を取ると躊躇わず一気に呷った。

「エトラさん?!!」

突然の行動に驚き、声を上げる恋人に小首を傾げて「必要だろう?」と聞き返す。
と、顔を赤らめ、何かを堪えるように片手で口元を覆う婚約者。

「エトラさん・・念の為に確認します」
「何だ?」
「今から。あなたを抱いても?」

『何を当たりまえな事を』と不思議に思ったが、問いかけには答える約束だったなと思い直し微笑んで答えを口にした。

「あぁ。抱いてくれジル。私に、君という熱を刻んでくれ」

前髪の隙間から覗く紅い瞳は潤み、耳まで真っ赤に火照らせた恋人は回した腕に痛い程力を込め、強く、強く抱きしめて来た。
震える声が、耳元で囁く。

「大好きです」
「あぁ。私もだジル」

少し体を離し、視線を合わせてから唇を重ねる。
熱く、長い舌が唇を割って入ると、蹂躙が始まった。
自分の舌では届かないような箇所まで暴かれ、擦られると鼻からくぐもった声が漏れる。
以前は恥ずかしさに見悶えたが、今は興奮が勝り自身の声にすら煽られる。

背中から首筋に掛けてゾクゾクとした快感が駆け上がり、襲い来る強い感覚を誤魔化そうと両腿を擦り合わせた。
と、下腹部に熱い手が触れる。
スルリと侵入してきた指は、今度も優しく突起を撫でた。
じゅくじゅくに濡れそぼったそこは今、一番敏感なところで・・

「んふっ!んっ!んっ!ふあっ、あっ!」
「ん。可愛いです・・エトラさんの声、もっと聴かせてください」

口づけを終え、耳元で囁かれる声はいつもよりずっと低く、熱が籠っていて聞いているだけでゾクゾクする。
敏感な芽を撫でていた指が離れたかと思うと、割れ目が左右に押し広げられ、つぷりと指が入って来た。

「ひあっ!」

悲鳴にも似た高い嬌声が口から飛び出し、その大きさに自分でも驚いて思わず口元を押さえる。

「少しずつ、指で慣らしますね・・痛かったら言ってください」

震える手で胸元に縋りつき、こくこくと頷いて同意を伝えた。
入り口の浅い所を、指がぷちゅぷちゅ音を立てながら出入りする。
体内なかを擦られる違和感に、身体が震えた。

首筋に唇が触れ、べろりと熱い舌が這う。
時折強く吸われながら、徐々に下へと移動していった。
鎖骨を通り、胸元にも幾つか痕を残すと薄布の上から尖った頂を柔く食まれる。

「んひっ!!」

ビリビリとした衝撃に、刺激を逃がそうと顎を逸らした。
食まれ、吸われ。舌で転がされる。
身体を駆け回るゾクゾクとした感覚を少しでも軽減しようと、片方の腕で恋人の戦闘服を強く握りしめた。
しかし、更に刺激は追加される。

背中に回された腕が脇の下を通り、もう片方の胸へと辿り着くと、薄布の上から頂きの縁をなぞる様に撫でられる。

「んーっ!!や、あっ!あっ!」

両胸への刺激に、背中を仰け反らせて喘ぐ。

「胸。触られるの嫌、ですか?」
「んっは!・・いや、なぃぃ・・」

頂きを摘み上げられ、布の上から爪先で刺激され声を震わせる。
「良かった。じゃあ・・もう少し続けますね?」そう言って、ぐいと薄布が押し退けられると直接唇が触れ、更に強い刺激をもたらした。

「あぁあっ!!」

ビクンと身体が跳ねるのを、胸を掴む腕で押さえられる。
頂きを、じゅっと強く吸われざらりと舌でねぶられた。
片方の胸は優しく淡い刺激なのに、もう片方は嬌声が上がるほど強い刺激を与えられ、その落差に翻弄されて喉を逸らし、はくはくと口を動かして衝撃を逃そうと試みる。

唇が肌から離れても、ぺろりぺろりと舌が這い、頂きとその周辺を絶え間なく刺激する。
ジンジンと両胸から与えられる快感が強すぎて、唇からは抑えようとして失敗した声が零れ続けた。

「んひっ!んっ、ん゛――っ!!」
「かわい・・可愛いです、エトラさん・・」

胸から顔を起こし、耳元で囁かれるとそのまま耳朶を食まれた。
自分の身体はどうなってしまったのか。
耳すらも敏感になっていて、音の通り道に舌が触れヌルヌルと動く度に未体験の刺激と粘着的な音が直接頭に響き、天地が分からなくなるような感覚に僅かに恐怖する。

耳から舌が離れると同時に、下の方でゆるゆると動いていた指もずるりと引き抜かれた。
その両方の刺激に、腰が跳ね上がる。

「どうです?あちこち触ってますけど・・痛かったり、嫌だったりするところはありますか?」

頭がくらくらする・・まともに思考するのが難しい。
それでも、問いかけの意味は朧気に伝わり首を振って応えた。
はぁはぁと口を開けての荒い呼吸に、気道が渇き張り付いて声が出ないのもある。

「良かった・・たぶん、俺の魔力の影響で触覚が全部快感に変換されてる・・そんな感じだと思います」

そうなのか・・では自分のこの状態は、別におかしくなった訳ではないのだなとぼんやり思う。

「じゃあ・・そろそろ一度、イっちゃいましょうか」

―ん?今何か不穏なことを・・―

一瞬我に返りかけるも、唇を塞がれ舌が侵入し、また快感の波で意識を押し流されてしまった。
やわやわと揉まれていた胸は頂きを摘み上げられ、痛みにも似た強い刺激に背中が反り返り・・
割れ目は芽を剥き出すように押し広げられ、指がヌルヌルと刺激を開始する。

「んっ!んーっ!んふっ!」

深い、深い口づけ。口内で暴れまわる舌に翻弄されて、まともに呼吸が出来ない。
溢れる唾液が口の端から垂れ伝う。
唾液ごと舌を啜られたかと思うと今度は逆に流し込まれ、こくりと嚥下すれば、乾ききっていた気管が潤い呼吸も幾らか楽になった。

そのタイミングで下への刺激が強まる。
剥かれた芽はゆるゆると優しく指の腹で撫でられていたが、今度は芽の根本を押しつぶすように指が沈むと、弾くように左右に刺激された。
撫でられていた時はじんじんと下腹部に熱が溜まるような感覚だったが、弾くような刺激はびりびりと背中を駆け上がり脳髄を揺らし胎を引き絞らせる。

身体が熱い。
自分の肌に添うように、暑い空気の層があるかのようだ。
二人きりの空間に、くちゅくちゅと水音が響く。

深い口づけによる舌での刺激。
すりすりと優しく触れ、撫でられる胸の頂への愛撫。
そして敏感な芽への、押しつぶし、捏ねるような感覚。
三つからなる刺激が波となり、快感がどんどん高まっていく。
折り重なり、溢れそうな熱が身体の奥でグツグツと煮えているようだ。

柔らかい床に爪を立て、もう片方の手は握り込んだ戦闘服を引き絞る。
限界まで高められた熱に、下腹部がきゅうっと収縮し、快感が弾けた。
腰が跳ね上がり背中は反る。
脚の指はぎゅっと曲がり、全身を快感の波が包んだ。
びくりびくりと跳ねる身体を、優しい腕が抱え込む。
全能感にも似た快感が、ゆったりと全身に行き渡り、解放感に微睡みそうだ。

舌を離し、ちゅっと唇に触れてから恋人は嬉しそうに言う。

「ん。上手にイけましたね・・今なら大丈夫・・かな?」

とろんと熟れた頭では言葉の意味を理解出来ず、思考はただ快楽の波に飲まれた。


△    ▽    △    ▽


薄目を開けて放心する恋人の様子に、満足の溜息をこっそり吐いた。
魔力による快感増幅に助けられた形だが、魅了を使う事無く達せさせることが出来て良かったと思う。

―後は唾液の効果もあるかな?―

強すぎる刺激は痛みを伴う事もあるから、痛覚を快感に変換する効果のある唾液も使った。
一定以上の痛みには効きが鈍いのと、噛み傷などの痛みも快感に変わるから注意が必要だ。
まぁ、十分気を付ければ大丈夫だろう。
だがそれでも、自身の理性なぞちっとも信用できないので、念の為に回復薬を飲ませておいた方が良いだろう。
少しの傷ならば、ゆっくりとだが直ぐに回復が始まるから。

内心で頷くと耳の火傷に使った残りの初級回復薬を呷り、口移しでゆっくりと飲ませた。
ぴくりと肩を跳ねさせた恋人は、こくりこくりと嚥下しほぅと息を吐く。

これで大丈夫。

では続きだ。
さっき体内なかに入れた指は中指一本だった。
まだ本物は無理だろう・・もう少し慣らす必要がある。

―焦るな。エトラさんの負担を減らすのが大事だ―

自分に言い聞かせるように思考するが、正直分身は服を押し上げ痛い程で、見れば先走りが下着とズボンを貫通して染みを作っていた。
ちょっとびっくりしたが、まぁ、仕方ないだろう。正しい反応なのだから。
しかし、このままでは少々辛いので、片手でベルトを抜きズボンを緩め分身の位置を調整した。

ほっと息を吐いて、解放されたがっている分身を無視。多粘性スライムジェルを手に取った。
瓶の蓋を行儀悪くも口で開け、持った手に傾ける。
片手の平にドロリと透明なジェルが零れた。
指で瓶の口を挟み持ち、床に置く。蓋は両手とも使えないので後回しだ。

恋人の秘所はこんなもの必要ないくらいにとろとろだが、念には念を入れるくらいがよいだろう。
掌を返し、指を折り曲げジェルを指に纏わせると、人差し指と中指の二本をそっと入り口に宛がった。

ゆっくり、ゆっくりと意識しながら指を進める。
恋人の表情を観察しながら、無理のないように気を配った。

―爪。整えていて良かった・・―

ふと取り留めのない思考が過ぎる。
恋人との関係が始まってからというもの、淫魔である友人との会話を思い出し実践する事が増えた。
爪もその一つだ。恋人の身体を傷つける事の無いよう、常に深爪にして爪先にヤスリをかけていた。
いつ何時、触れる機会があってもいいように・・

友人には礼として時間が取れたら飲みに誘う事にして、目の前の情事に集中する。

入った指はやっと第二関節まで。
熱く、狭いそこは一度達したお蔭か、思っていたより抵抗感が無い。
異物感に慣れさせる為、ゆっくりと抜き差しする。
ジェルと愛液が混ざりあい、指を動かす度にぐちゅ、ぐちゅと音がした。

「んっ・・」

ピクリと恋人が反応して声を漏らす。
指を止めて顔色を窺うが、大丈夫なようだ。
様子を見つつ慣らしを再開する。

時折眉根を寄せてピクピクと反応するその表情と、僅かに汗ばみ胸をはだけさせた寝屋着姿がこれでもかと興奮を誘う。
さらに耳に入るのは淫靡な喘ぎと、自らが奏でる水音だ。
もう少し我慢しなくてはならないというのに、理性がガリガリと削られていく感覚にくらくらしてきた。

―焦るなっ!もう少し、もう少しだからっ!!―

無意識に唇を噛みながら興奮に鼻息を荒くしつつ、少しずつ指を進める。
やがて指が根本まで埋まり、指が三本に増えたところで恋人が顔をしかめたので慣らしを終えた。
後は本物で慣らすしかない。

いよいよだと思うと、心臓が壊れそうなくらいに跳ねる。

全身にしっとりと汗を浮かべ、力が入らない様子の恋人の口元の涎を拭い、髪を体の下直にしてしまわないように気を配りながら、そっとその身を横たえた。

興奮から、無言で急ぎ準備を進める。

素肌の上に着ていた戦闘服の上着を脱ぎ棄て、邪魔なズボンと下着も取り払う。
裸になると彼女の下着に手を伸ばし、左右の腰の位置で結ばれた紐の端を引っ張る。
現れたのはぐっしょりと濡れ、てらてらと明りを反射する秘所。
思わずゴクリと喉が鳴る。

この下着を考案した人は天才だ。なんて他愛もないことを考えながら、視線を無理やり引き剥がし、ジェルを手に取った。

本当はじっくり、嘗め回すように見たい、観察したい。
いや、やっぱり嘗め回したい・・
でもまだお許しが出ていない。
なら我慢だと、引き寄せられそうな意識を押し留め視線を分身に固定する。

手にしたジェルを手の平に落とし、蓋を閉めて分身に塗りたくる。
我ながら、凶悪な程に反り返ったそれに若干の不安を覚えた。
興奮し過ぎて、一人でする時より大きい気がする。

―ちゃんと入る・・よね?・・―

ぴくりと震える分身に、やはり不安は拭えない。
しかしもう後戻りは出来ないし、したくはない。
こちとら我慢が過ぎて、とっくに限界を迎えているのだ。

「エトラさん?・・入れていいですか?」
「ん・・」

声を掛け、零れた小さな声を返事と受け取り触れるだけのキスをした。
クッションを一つ手に取り、彼女の腰の下に入れる。
見せつける様に下腹部が持ち上がった。
移動して脚の間に収まり、ぐいと彼女の腰を持ち上げる。
位置を調整したら片手で腰を支えつつ、分身を持つと先の方で入り口をくちくちと撫でた。

現実とは思えない光景に、心臓が早鐘を打って頭痛がする。
余りの興奮に呼吸は荒れ、腰に添えた手が震えた。
くちゅっと濡れた音がして、僅かに先が沈む。
それだけで全身がぶるりと震えた。

息を止め、腰を押し出すようにゆっくり進める。
ジェルの助けで、ぬるりと進み先端が埋まりなんとか傘の部分まで入った。
そこで一旦止まって、大きく息を吐く。

ヤバい。気持ちいい・・
熱く狭くうねるそこは、理性を溶かすに十分な蠱惑的魅力を放っている。
駄目だコレ。一度引いて、抜かないと無茶をしそうだ。
ふぅふぅと荒れる呼吸を一度止め、深く息を吸って吐く。
腰を引いて抜こうとしたところで、ふらりと恋人の手が持ち上がりこちらに伸ばされた。

「エトラさん?」
「ん・・ぬいたら、だめ・・」

ぐらり。
舌っ足らずで、聞き取り辛い声だが、その内容が腰の奥にキた。

―そんなお願い・・却下するなんて無理っ!!―

ではどうするか?
このまま出すしかないだろう。

一瞬で自己完結して、直ぐに実行に移す。
またジェルの瓶を取り、股間に落とすと横に置く。
足したジェルを指の間に纏わせ、先の埋まった分身を握った。
腰はまだ動かせない。一度動かせば本当に抑えが利かなくなる。
ぐちゅぐちゅと泡立つような音を立てながら、血管の浮き出る分身を掻いた。

「ん・・じる。ぎゅっ・・」

ふっふっと短く荒い呼吸の合間に、声が届く。
見れば、ゆらゆらと両手が伸ばされていた。
腰を進めないように気を付けながら、誘われるまま上体を倒す。
恋人の腰に当てていた手を、脇の横に移動させ支えにした。

頭を抱きかかえるようにして、ぎゅっと胸元に抱きしめられる。
目の前に胸があったので、寝屋着のリボンを解く。
はらりと薄布が脇へ滑り落ち、現れた薄桃色の頂に誘われ舌を這わせた。

「んふっ」と可愛い声が漏れ聞こえる。
胸への刺激が気持ちいいらしい。
ならば、とそのままぺろりぺろりと舌を使い、愛撫を続けた。
そうして胸先へと刺激を与えつつ分身に手を伸ばし、可愛い喘ぎ声を聴きながら擦るのを再開する。

啄ばみ、吸い。時折位置をずらして痕をつける。
胸元に所有の証が散りばめられた頃には、分身が限界を迎えた。割と直ぐだった。
舐めるのを止め、ただ胸元に額を乗せて腰から駆け上がって来る快感に耐える。
潰してしまわないようにと肘で体重を支え、段階的に襲い来るゾクゾクとした感覚に身構えた。

――あっ出るっ!!―

ぶるっと背中が震え、下腹部が地に引かれるような感覚の後、凄まじい解放感と共に子種が分身の中を通って恋人の体内なかへ吐き出された。
強い絶頂感に、意識が飛びそうになる。
チカチカと目の前で光が瞬き、息をする余裕も無い。
びくっびくっと跳ねる分身を握り込み、達したことで敏感になった、擦れる先への刺激に耐えた。


△    ▽    △    ▽


恋人の指で達した後、くたりと力の入らない身体を優しく開かれて行く。
瞼を透過して感じる魔道具の薄明るい視界の中、抜けた力をそのままに指を受け入れた。
抜き差しされる度くち、ぐちゅ、くちくちと粘着的な音が響くが、羞恥は訪れない。
お蔭で、与えられる刺激に集中する事が出来た。

身体の中心。
誰にも、自分ですら触れられる事の無かった秘めたる所を暴き開かれて行く感覚。
不思議と痛くは無い。強い違和感があるだけだ。
にゅるぬると指が内壁を擦る。
反射的に、途切れ途切れに声が漏れた。

暫く続けられた指での刺激に慣れ始めた頃。
急に入り口の皮膚が引き伸ばされ、押し広げられる感覚がして眉を顰めた。
今の感覚はちょっと辛い・・かも?
思考を読んだかのように、ずるりと指が出て行く。

もうずいぶん長い事、中にあった気がして何となく寂しくなる。
ふるりと腰を震わせたところで、抱きかかえられていた身体をゆっくりと横たえられた。
目を閉じていても、とても大事に扱われているのが感じられる。
真綿のような幸福感が身を包み、薄く笑みが零れた。

衣擦れの音の後、濡れて僅かに重さを増した下着を解かれた。
流石に少し恥ずかしく、ぎゅっと瞼に力を入れる・・けれど、ジルがどんな顔をしているのかも気になって、薄目を開けた。

ぼやける視界に影が映る。
小さく、二度の瞬きの後見えたのは・・
瞳を紅く、煌々と瞬かせ眉根を寄せた随分と辛そうな顔。

あぁ。私の為に頑張ってくれているのだと理解して、またふわりと幸福が満ちる。

「エトラさん?・・入れていいですか?」と許可を求められ、一瞬どきりと心臓が跳ねた。
とうとう一つになれるのだと嬉しくなる。
どこか、ふわふわとした意識のまま小さく返事をした。

触れるだけのキスの後、クッションを腰の下に差し込まれる。
下腹部が持ち上がり、自然と膝が曲がって開かれたその間に、恋人が納まった。
いよいよ訪れるその瞬間は、少しだけ怖い。
直視出来そうになくてまた瞼を閉じる。

腰に、燃える様に熱い手が添えられ、入り口辺りを柔らかいモノで撫でられた。
にゅるにゅるとした感触に緊張が高まる。
ぐっと強く腰を摑まれ、粘着的な音と共に熱いものが入って来た。

ゆっくり、ゆっくりと進む熱。
つぷんと何かを乗り越えたような感触がして、彼を受け入れられたのだと嬉しさが込み上げる。

―あまり痛く、ない?―

人種の初体験は痛みを伴うのが普通と聞いていたが、自分にそれは当てはまらないようだとホッとして、いつの間にか力んでいた肩の力を抜いた。
受け入れた後は律動が始まるのだろうと思ったが、くんっと中が引っ掛かり彼が外に出て行こうとするのを察して、咄嗟に手を伸ばした。

「エトラさん?」と疑問を投げられる。

―なんで?まだ、離れたら嫌―

熱を分かち合うには、とても足りないから。

「ん・・ぬいたら、だめ・・」

懇願に沈黙で返され、あれ?と戸惑う。
でも直ぐにごそごそと動く気配がして、離れる訳ではないと分かり嬉しくなった。

少しして、繋がった辺りからぐちゅぐちゅと粘着的な音がし始めた。
疑問符が浮かぶも、どうやら自らの手で刺激を行っているのだと理解する。
必死に高みへ登ろうとするその様子が何だか可愛らしく思えて、抱きしめてあげたくなった。
緩慢に腕を持ち上げ、手を伸ばす。

「・・じる。ぎゅっ・・」

薄目を開け、おいでと誘えば胸元に顔が近づいた。
そのまま、胸に押し付ける様に後頭部に腕を回す。

しゅるり・・
滑るような音がして、胸を飾っていたリボンが解かれた。
さらりと寝屋着がはだけ、熱い舌が触れてくる。

―あ、きもちいい・・―

熱い吐息が掛った後、ぬるりと舌が胸の先を舐めた。
与えられた刺激に反応して小さく声が漏れ、腰の両端から背中を通り腕にかけてぞくぞくと気持ちの良い快感が走る。

ぺろりぺろりと舌が這い、通り過ぎたところが肌の熱で気化して冷える。
その感覚すら気持ち良くて、甘い声が零れた。
ちゅっ、ちゅっ、と胸先や柔い肌、鎖骨の下辺りが啄ばまれ、舐められ、吸われる。
そのどれもが快感で、触れられる度に上ずった声が出てしまう。
ふっふっと熱の籠った息が肌に触れ、汗で湿った額が胸元に押し当てられた。

不意に、伝わる振動が早くなる。
と、中に熱と弾けるような感覚。

あぁ。何て素敵な充足感・・

断続的に注がれる熱に、うっとりと幸せを噛みしめ、荒く肩で息をしている恋人を労わるように後頭部の髪を梳く。
息が整う間大人しく撫でられてくれた愛しい人は、両脇に手を付いて体を起こした。

「エトラさん・・俺、一回じゃ満足出来そうにないので・・続き、いいですか?」

言われた言葉の意味が、少し難しくて理解が遅れた。
この触れ合いは、一度出したら終わる物・・ではない?
続き、とは?

ぽたりと汗がお腹に落ちて、その刺激にぴくっと反応してしまう。
つられて、中のモノもびくりと跳ねた。
片手で前髪を掻き上げ、紅い瞳でじっと見つめられる。

「ね?・・なるべく優しくしますから・・もっと深くまで繋がりたいです・・」

久方ぶりの素顔と、熱を孕んだ懇願に胸がきゅうんと鳴いた気がした。

―そんな風にお願いされたら、断る事など出来る筈が・・―

最初から拒否するつもりも無かったが、何だか負けたような気がする。
心臓がどきどきと早鐘を打って、顔が火照った。

ぽつり「いい、よ?」と返事をする。

恋人は嬉しそうに微笑んで、優しくぎゅっと抱きしめてくれた。
そのまま、耳元で囁かれる。

「ゆっくり、深呼吸してください。エトラさんに合わせて進めますから・・」

言葉の意味をよく理解出来ないまま、言われたとおり肺に空気を取り込む。
長く息を吐き出し、同じだけまた吸う。
何度か繰り返し、胸が膨らんだタイミングで「そのまま力を抜いててください」と言われた。
何だろう?と思いつつ、ゆっくり息を吐く。

肺から空気が抜けていくのに合わせ、ずるりと熱が押し込まれた。

「んぎっ!!」

身体の中心を、熱した鉄塊が無理やり押し広げ入り込んでくるような衝撃。
余りの異物感に、事前に伝えられた事を失念して反射的に腹筋に力が入る。
両脇に置かれた腕に爪を立てて息を止め、自身の勘違いを思い知った。
これからが本番なんだと。

「力んじゃ駄目です。ゆっくり、息してください」

食いしばる口の中に指が差し込まれ、半ば無理やり開かされた。
「息をして」と繰り返され、なんとかその通りにする。

「痛いですよね・・今、入ったの半分くらいですけど・・」

「ここで、やめておきますか?」と労わしげに、頬に手を添えられ問われた。

なん、と。
こんなに痛いのに、まだ全部ではない?

驚きに目を瞬かせる。

でも中断すると、また最初からやり直しなのでは?
それに・・痛みなんか我慢できる、今は離れてほしくない。

「や・・る。がんばれる、から。はなさない、で?」

頬を撫でる手を取り・・指に口付け、願う。
と、少し上擦った声で、何かを堪えるように眉間に皺を寄せる恋人。

「また・・そういう事、を!」
「ふえ?」

声が漏れ、意識の隙間を突くようにまた熱い塊がずるりと奥へ進められた。

「あ゛ぁあああああ!!」
「ふっ・・きっつい・・エトラさん、力、抜いて・・」

入り口がギチギチと引き攣り、強い圧迫感に悲鳴が上がる。
痛みに、生理的な涙が溢れ視界が滲んだ。
ズクンズクンと心臓の鼓動に合わせ、体の奥から激痛が押し寄せる。
それでも、止めないで欲しかった。

ひっひっと短い呼吸を繰り返し、痛みを逃がすよう意識する。
下半身に余計な力が入らないように、なんとかしようと試みた。
ピンと伸ばしていた膝を曲げ、股関節を開くようにして震える脚を開く。

「上手です・・そのまま、で」

腰を摑まれ、ズンと最後の一押しが打ち込まれた。

「づあ゛ぁっ!!」

入り口が限界以上に引き伸ばされ、ギチギチと悲鳴を上げている。
体内からミチっミチと繊維が切れる音がした錯覚に襲われ、激痛に冷や汗と涙が流れた。
こんなに辛いのに、止めたいとか終わりたいと思わないのが自分でも少し不思議だ。
身体はキツイが、心は歓喜に震えている。

「ん、全部。入りましたよ・・頑張ってくれて、ありがとうございます」

礼を言われて抱きしめられ、優しく頭を撫でられた。
自分も腕を持ち上げ、背中に回してぎゅうと抱き付く。

―もう暫く、こうしていたい・・―

二人の逢瀬はまだ終わらない。





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最後まで読んでくださり、ありがとうございます!

えちちはまだ続きます・・
これが書きたくて頑張って来たので、もう少しお付き合い頂けたら嬉しいです!
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百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
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 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

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