59 / 83
ギリシャ神話 サタン一族編
魔人たちの会談
しおりを挟む
西アクスム知事執務室に二人の人影があった。
「結局、それで逃げ帰ってきたのね。」
「あのミノタウロスを手こずったとは言え最後には倒してしまったんだぞ。私が太刀打ちできるわけ無いだろ。」
インキュバスは『文句があるなら、お前がやってみろよ』と言う顔で答えた。
「ミノタウロスは俺でも倒せるかどうか分からん。インキュバスが逃げ帰るのも仕方がないぜ。」
ベルゼブブが同情するように言った。
「それで、人間の魂はどのくらい残っているの?」
「大体、2万個ぐらいかな。」
「2万ですって? それじゃあ、その戦いで1万の魂を使ってしまったと言う事なの?私が集めた魂を惜しげも無く使ってくれたわね。まったく、この穀潰しが。」
「なら、お前があの男をどうにかしてくれよ。」
インキュバスは不満げに言い返した。
「まあ、まあ、夫婦喧嘩は俺の居ない所ででやってくれ。それより、本当にその男をどうする?」
ベルゼブブがインキュバスに問う。
「あの男を放置しておくと我々の計画を潰されてしまう可能性もある。勿論、計画を変更する気はない。あの男専属の特殊部隊を作って当たらせるのがいいだろう。」
「人間では対抗できないだろ。」
ベルゼブブが続ける。
「我々はこれだけしか居ない、特殊部隊などと聞こえはいいが使い物にならんだろ。」
「そうでもないぞ、あの時にキュクロプスを眷属に仕立てる事が出来た。目が一つしかない点を除いて人間と姿がそっくりだ、頭も良い。奴は鍛治師でもあり色々な魔具を作れる。奴をリーダーにして特殊部隊を作ろうと思っている。」
「なるほど、人間には魔具を持たせるのか?」
「そうだ、使い捨ての魔具になるがな。」
「それにしても、あの男は何者なんだろうな?」
「さあな。ひょっとしたら、私達と同じようにあの世界から転移してきたエーテルマスターかも知れん。」
「エーテルマスターか、厄介だな。」
「まぁ、しかし、大賢者ほどじゃないだろ。私達の魂ストックを持ってすれば、エーテルマスターが相手でも、そう遅れは取らんよ。」
「その魂を1万も使っちまったんだろ? こないだの戦争でも獲れた魂は2千なんだよ。その5倍をいっきに使ってしまったんだ。
早く、次の戦争を起こしておくれよ。
私がせっせと集めても1年に350個程度なんだからね。」
「何事も、投資を惜しんでは成就しない。少しは我慢する事を覚えろよ。」
インキュバスは怒気を孕んで言い返した。
「わかったよ。私は今から獲物を探しに行ってくるよ。あとは任せたよ。」
インキュバスはやっと行ったかと言う顔をしてベルゼブブに視線を戻した。
「結局、それで逃げ帰ってきたのね。」
「あのミノタウロスを手こずったとは言え最後には倒してしまったんだぞ。私が太刀打ちできるわけ無いだろ。」
インキュバスは『文句があるなら、お前がやってみろよ』と言う顔で答えた。
「ミノタウロスは俺でも倒せるかどうか分からん。インキュバスが逃げ帰るのも仕方がないぜ。」
ベルゼブブが同情するように言った。
「それで、人間の魂はどのくらい残っているの?」
「大体、2万個ぐらいかな。」
「2万ですって? それじゃあ、その戦いで1万の魂を使ってしまったと言う事なの?私が集めた魂を惜しげも無く使ってくれたわね。まったく、この穀潰しが。」
「なら、お前があの男をどうにかしてくれよ。」
インキュバスは不満げに言い返した。
「まあ、まあ、夫婦喧嘩は俺の居ない所ででやってくれ。それより、本当にその男をどうする?」
ベルゼブブがインキュバスに問う。
「あの男を放置しておくと我々の計画を潰されてしまう可能性もある。勿論、計画を変更する気はない。あの男専属の特殊部隊を作って当たらせるのがいいだろう。」
「人間では対抗できないだろ。」
ベルゼブブが続ける。
「我々はこれだけしか居ない、特殊部隊などと聞こえはいいが使い物にならんだろ。」
「そうでもないぞ、あの時にキュクロプスを眷属に仕立てる事が出来た。目が一つしかない点を除いて人間と姿がそっくりだ、頭も良い。奴は鍛治師でもあり色々な魔具を作れる。奴をリーダーにして特殊部隊を作ろうと思っている。」
「なるほど、人間には魔具を持たせるのか?」
「そうだ、使い捨ての魔具になるがな。」
「それにしても、あの男は何者なんだろうな?」
「さあな。ひょっとしたら、私達と同じようにあの世界から転移してきたエーテルマスターかも知れん。」
「エーテルマスターか、厄介だな。」
「まぁ、しかし、大賢者ほどじゃないだろ。私達の魂ストックを持ってすれば、エーテルマスターが相手でも、そう遅れは取らんよ。」
「その魂を1万も使っちまったんだろ? こないだの戦争でも獲れた魂は2千なんだよ。その5倍をいっきに使ってしまったんだ。
早く、次の戦争を起こしておくれよ。
私がせっせと集めても1年に350個程度なんだからね。」
「何事も、投資を惜しんでは成就しない。少しは我慢する事を覚えろよ。」
インキュバスは怒気を孕んで言い返した。
「わかったよ。私は今から獲物を探しに行ってくるよ。あとは任せたよ。」
インキュバスはやっと行ったかと言う顔をしてベルゼブブに視線を戻した。
0
お気に入りに追加
13
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい
白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。
私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。
「あの人、私が
婚約者の浮気相手が子を授かったので
澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
ファンヌはリヴァス王国王太子クラウスの婚約者である。
ある日、クラウスが想いを寄せている女性――アデラが子を授かったと言う。
アデラと一緒になりたいクラウスは、ファンヌに婚約解消を迫る。
ファンヌはそれを受け入れ、さっさと手続きを済ませてしまった。
自由になった彼女は学校へと戻り、大好きな薬草や茶葉の『研究』に没頭する予定だった。
しかし、師であるエルランドが学校を辞めて自国へ戻ると言い出す。
彼は自然豊かな国ベロテニア王国の出身であった。
ベロテニア王国は、薬草や茶葉の生育に力を入れているし、何よりも獣人の血を引く者も数多くいるという魅力的な国である。
まだまだエルランドと共に茶葉や薬草の『研究』を続けたいファンヌは、エルランドと共にベロテニア王国へと向かうのだが――。
※表紙イラストはタイトルから「お絵描きばりぐっどくん」に作成してもらいました。
※完結しました
【完結】20年後の真実
ゴールデンフィッシュメダル
恋愛
公爵令息のマリウスがが婚約者タチアナに婚約破棄を言い渡した。
マリウスは子爵令嬢のゾフィーとの恋に溺れ、婚約者を蔑ろにしていた。
それから20年。
マリウスはゾフィーと結婚し、タチアナは伯爵夫人となっていた。
そして、娘の恋愛を機にマリウスは婚約破棄騒動の真実を知る。
おじさんが昔を思い出しながらもだもだするだけのお話です。
全4話書き上げ済み。
父が死んだのでようやく邪魔な女とその息子を処分できる
兎屋亀吉
恋愛
伯爵家の当主だった父が亡くなりました。これでようやく、父の愛妾として我が物顔で屋敷内をうろつくばい菌のような女とその息子を処分することができます。父が死ねば息子が当主になれるとでも思ったのかもしれませんが、父がいなくなった今となっては思う通りになることなど何一つありませんよ。今まで父の威を借りてさんざんいびってくれた仕返しといきましょうか。根に持つタイプの陰険女主人公。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる