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ギリシャ神話 サタン一族編
終わりのない旅
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ジタン商会に戻ったペルセウスはインキュバスを逃したことをアンドロメダ達に伝えた。
インキュバスはまだベネチアにいるだろうか?
あるいは、アクスムに戻っただろうか?
「あの、雷のような音はお主とインキュバスとの戦いの音だったのか?」
スライマンがペルセウスに聞いた。
「正確には、俺とインキュバスの眷属の戦いです。インキュバスはミノタウロスと言う怪物を眷属に従えていました。インキュバス本人はその戦いの最中に何処かへ逃げてしまいました。」
「その、ミノタウロスと言う怪物はどうなったんじゃ?」
「俺が倒しました。インキュバスが第2、第3の眷属を持っていなければいいですが。」
「明日、もう一度インキュバスの探索を行いますが、おそらくもうベネチアには居ないでしょう。」
翌日、ペルセウスは再度エーテルリンクの探索を行った。
『やはり、もうヴェネチアには居ないか。』
ペルセウスは探索を早々に終え再びジタン商会に赴く。
「アンドロメダ、当面の脅威は去ったが、インキュバスは恐らくアクスムであなたを待ち受けている。
アクスムに到着するまで、およそ3ヶ月を予定しているそうだが、その頃にはオリーブとワインの行商も一息つく。
俺もそっちへ行くよ。
もちろん旅行中でも異常があったらいつでも呼んでくれ。」
「ありがとう」
アンドロメダは何か言い足そうとしたがその言葉で終え、ペルセウスが帰って行くのを見送った。
その頃、ヘラ邸ではヘラがペルセウスの訪問を待っていた。
ペルセウスがヘラの部屋に実体化する。
「ごきげんよう、ペルセウス」
「ヘラ」
「アギー、ペルセウスと私にお茶を用意してちょうだい。」
「かしこまりました。」
アグライアが答えて、退出する。
やがて、アグライアがお茶の準備を終え、二人はテーブルを挟んでサタン一族の事について話し始めた。
「インキュバスは逃してしまったようね。」
「はい、一筋縄ではいかない相手でした。」
三人の侍女の手前、以前のペルセウスとして話す。
「インキュバスはミノタウロスを眷属として引き入れていました。
他の魔獣も眷属にしているとしたらかなり危険な存在になります。」
「それとミノタウロスは無尽蔵と言っていいほどの魂をストックしていました。
これも放って置けません。」
「どう、動くつもりなの?」
「アンドロメダがアクスムで正統政府を樹立する事はご存知ですね。
彼女がアクスムに着くのが今から3ヶ月後です。
その頃にはワインの行商も一息ついているはずなので、その頃にアクスムに赴くつもりです。」
「その他のサタン一族は見つかりましたか?」
今度はペルセウスがヘラに聴く。
「インキュバスとベルゼブブ以外は見つかっていないの。
ゼウス一族も過激なサタン一族の行いは無視できないと思っているので、多くの同胞が世界中を調査してくれたんだけど。」
「それに同じ過激派のオーガス一族も無視できないわ、彼らがこの地に来ていなければいいのだけど。」
インキュバスとベルゼブブの陰謀により、アクスム、ムスリム、サラセン、アッシリアの4国を巻き込んだ大戦争が起ろうとしていた。
ヘラとペルセウスの二人はその事をまだ知らなかった。
インキュバスはまだベネチアにいるだろうか?
あるいは、アクスムに戻っただろうか?
「あの、雷のような音はお主とインキュバスとの戦いの音だったのか?」
スライマンがペルセウスに聞いた。
「正確には、俺とインキュバスの眷属の戦いです。インキュバスはミノタウロスと言う怪物を眷属に従えていました。インキュバス本人はその戦いの最中に何処かへ逃げてしまいました。」
「その、ミノタウロスと言う怪物はどうなったんじゃ?」
「俺が倒しました。インキュバスが第2、第3の眷属を持っていなければいいですが。」
「明日、もう一度インキュバスの探索を行いますが、おそらくもうベネチアには居ないでしょう。」
翌日、ペルセウスは再度エーテルリンクの探索を行った。
『やはり、もうヴェネチアには居ないか。』
ペルセウスは探索を早々に終え再びジタン商会に赴く。
「アンドロメダ、当面の脅威は去ったが、インキュバスは恐らくアクスムであなたを待ち受けている。
アクスムに到着するまで、およそ3ヶ月を予定しているそうだが、その頃にはオリーブとワインの行商も一息つく。
俺もそっちへ行くよ。
もちろん旅行中でも異常があったらいつでも呼んでくれ。」
「ありがとう」
アンドロメダは何か言い足そうとしたがその言葉で終え、ペルセウスが帰って行くのを見送った。
その頃、ヘラ邸ではヘラがペルセウスの訪問を待っていた。
ペルセウスがヘラの部屋に実体化する。
「ごきげんよう、ペルセウス」
「ヘラ」
「アギー、ペルセウスと私にお茶を用意してちょうだい。」
「かしこまりました。」
アグライアが答えて、退出する。
やがて、アグライアがお茶の準備を終え、二人はテーブルを挟んでサタン一族の事について話し始めた。
「インキュバスは逃してしまったようね。」
「はい、一筋縄ではいかない相手でした。」
三人の侍女の手前、以前のペルセウスとして話す。
「インキュバスはミノタウロスを眷属として引き入れていました。
他の魔獣も眷属にしているとしたらかなり危険な存在になります。」
「それとミノタウロスは無尽蔵と言っていいほどの魂をストックしていました。
これも放って置けません。」
「どう、動くつもりなの?」
「アンドロメダがアクスムで正統政府を樹立する事はご存知ですね。
彼女がアクスムに着くのが今から3ヶ月後です。
その頃にはワインの行商も一息ついているはずなので、その頃にアクスムに赴くつもりです。」
「その他のサタン一族は見つかりましたか?」
今度はペルセウスがヘラに聴く。
「インキュバスとベルゼブブ以外は見つかっていないの。
ゼウス一族も過激なサタン一族の行いは無視できないと思っているので、多くの同胞が世界中を調査してくれたんだけど。」
「それに同じ過激派のオーガス一族も無視できないわ、彼らがこの地に来ていなければいいのだけど。」
インキュバスとベルゼブブの陰謀により、アクスム、ムスリム、サラセン、アッシリアの4国を巻き込んだ大戦争が起ろうとしていた。
ヘラとペルセウスの二人はその事をまだ知らなかった。
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