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黄昏

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ギリシャ神話 サタン一族編

バラシオンの帰還

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女神ヘラがバラシオン船上に降臨してから二週間後バラシオンはベネチア沖まで来ていた。
ペルセウスの船室ではペルセウス、ヘシオドス、アンドロメダ、マスカラム、ガネット、バルハヌの6名が会していた。

「それでは、ヘラ様をお呼びします。」
ペルセウスの中のキルケゴールが覚醒した事はヘシオドスにも打ち明けていない。
なので、これまで通りヘラの肖像画でヘラを呼び出す事にした。
「ヘラ様、ペルセウスです。こちらにはヘシオドス、アンドロメダ、マスカラム、ガネット、そしてバルハヌが控えております。私とアンドロメダの胸像を掘ったペンダントが完成致しましたのでご報告いたします。」

肖像画が青白く輝き、ヘラの肖像に生気が宿る。
「出来たのね。すぐそちらに行くから、待っていてちょうだい。」
ヘラの肖像画での会話を初めて目撃したバルハヌはすでに敬意のポーズで待ち受けていた。
ヘラの降臨を目にしていたので、肖像画によるヘラとの会話にはアンドロメダほど驚きはしなかったが、やはり、驚異的な事だと感じていた。

やがて、肖像画の横にヘラが実体化する。

『神の降臨とは、神がその気であれば、かくも簡単な事なのか?』
バルハヌはその50年の人生でこのような神秘的な出来事に出会った事は一度もなかった。
超常現象も魔法も異能も必ず何かカラクリがある、そう信じて疑わなかった。
ところが、ペルセウスと会って以降、次から次へと出会う摩訶不思議な出来事にバルハヌの人生観は180度変わってしまった。
これまで神を信仰した事は一度もなかったが、今はオリュンポス12神への信仰が彼の中で絶対的なものになっていた。

ヘラは実体化するなり、バルハヌに向かってかしこまるなといつものように告げた。
「今日は新顔があるのね。バルハヌそんな風にかしこまらないでちょうだい。みんなにもそうしてもらってる。その方が話しやすいのよ。」
「ヘラ様、浅慮ご容赦下さい。瀕死の私を死の淵から引き上げて下さったお礼をする機会がありませんでしたので、是非ともこの場に参加させてくれとペルセウス殿に懇願した次第です。」
「たいした事じゃ無いわ、あなたは死ぬにはまだ早すぎる。アンドロメダをサポートして王権を復活させるのが悲願なのでしょ?」
「ペルセウスはそれに手を貸すと誓ったわ。だから、あなたもまだ死んではダメなの。」
なんと、全て見通されている。
「恐悦至極にございます。重ねてお礼申し上げます。」
バルハヌは恐縮してしまい、再び、慇懃いんぎんに礼を述べた。

バルハヌの要件が終わったので、次はペルセウスとアンドロメダの通信ポータルの件に移った。
「ペルセウス、出来たペンダントを見せてちょうだい。」
ペルセウスはペンダントを渡した。
「よく出来てる。」
そう行って、ヘラは二つのペンダントに両手をかざした。
二つのペンダントの周辺が白いかすみに包まれるように光ったかと思うと、そのかすみからインクが垂れるような光のしずくが流れ出しお互いが接触し一つになった。
両ペンダントが繋がった事が人間にも視認出来た。
「さあ、これでいいわ。」
「アンドロメダ、ペルセウスのペンダントを持って。」
「ペルセウス、アンドロメダのペンダントを持ちなさい。」
「今回は声に出して呼び出す必要はないわ。そのペンダントを首に掛けて相手の名前を頭の中で呼ぶだけでお互いが通話できるようになるわ。」
「ただし、首に掛けていない時は、声を出さないとダメよ。」
「さ、試してみて。」

二人はそれぞれのペンダントを首に掛けお互いがうなづきあった。
「それでは、まず俺から」
ペルセウスが声に出さずアンドロメダを呼んだ。
「聞こえるわ、ペルセウスの声が、口に出さなくても聞こえるのね?」
「次は、私よ」
と言ったアンドロメダはしばし考え込んだ。
「・・・・通話を終える時はどうするんですか?」
試そうとした時に通信が繋がったままだったのだ。
「あら、ごめんなさい。頭の中で通話を終わる意思を示せば切れるわ。例えば、通信終了、とか。」
ヘラは当たり前の事なので教えておくのをつい失念しまっていた。
「通信終了」
アンドロメダが一旦通信を終わらせ、頭の中でペルセウスを呼んだ。
「ペルセウス」
「よく聞こえる、これで、念話ができるようになったな。」
「終了」

「ありがとうございます、ヘラ様、これでアンドロメダに手を貸しやすくなりました。」
「ヘシオドスと行商を続けながら、アンドロメダをサポートできると思います。」
ペルセウスはヘラにお礼を言った。

「ペルセウスはケラウノスの力で、アンドロメダのペンダントのある場所へ自由に転移できるのよ。試してみる?」
「そっ、そんな事が可能なのですか?」
バルハヌが側で説明を聞いており、驚いて聞き返した。
「私がここに現れるのと同じ原理よ。神器があればアンドロメダにも可能性はあるのだけど適当なものが見つからないのよ。ごめんなさいね。」
とヘラ。
「と、とんでもありません。通信だけでも過ぎたものですのに。本当にお礼の申し上げようがありません。」
とアンドロメダ。

バラシオンはやがてペネチアの港に入港した。
ローレンスはこれから始まる喧騒けんそう憂鬱ゆううつな気分だったが、それをどうにか顔に出さずに、乗客毎にお礼の挨拶をして港に送り出していた。

港には、乗客の到着を待つ家族や知り合い、バラシオンの到着が二週間も遅れ何かあるといぶかんだ情報屋の群れ、二週間の遅れによる損失を取り戻そうと躍起になっている運送会社、など対応しなければならない集団が手ぐすね引いて待っていた。

ローレンスはまずバラシオンを係留しているドッグの側に簡単な会見用ステージを作らせ、順番に事情説明する会見を開く事にした。
最初は政府関係者と情報屋、二番目に乗客の家族、三番目にローレンスの経営している船会社の利益共有団体の順番とした。

政府関係者と情報屋には何があったのか包み隠さず説明した。
特に情報屋にはあらぬ噂を流されないよう慎重に経緯を説明した。

「サンマリノとザダルの中間地点を通過する頃の事です。
航行中にバラシオンが突然座礁したのです。
その海域に浅瀬などあるはずもなかったため大変驚いたのですが監視員が行く手に島を発見しました。
しかし、誓って言いますが、その海域には島はあるはずがないのです、少なくとも海図には載っておりません。
我々は海図には無い島の浅瀬に座礁したのです。」

「座礁の際に船体に穴が開き私たちはその場に止まることを余儀なくされました。
その間にその島の調査隊が組織され島に上陸したのですが、調査隊は2班とも危険の徴候を察知したとの報告を上げてきました。
私は即座に島には近づかないとの判断を下したのですがドージェ執政官が島の領有権を早急に確立する必要があるとの考えを示しそれに従わざるを得なくなりました。
ドージェ執政官が島の領有権の早期の確立を唱えたのは、その島から大量の宝石が採取されたからです。
しかし、その宝石は島に住む怪物が私たち人間を誘き寄せるための餌だったのです。
島に上陸した乗客の実に四十人近くがその犠牲になりました。
幸いな事に、船に同乗していた戦士ペルセウス殿がその怪物を退治し、私たちは全滅を免れたのです。
以上が大まかな経緯です。」
ローレンスが魔法のことは伏せて大まかな経緯を説明した。

「それでは質問を受け付けます。質問のある方は挙手をお願いします。」
進行役が質問を受け付ける旨聴衆に告げた。

ベネチア議会代表が手を挙げた。
「ドージェ執政官が逮捕されたと聞いています。罪状は何なのですか?」
「ドージェ執政官はあの島で宝石を採取することが出来ると知った時にあの島をベネチアの領土にすべきだと主張しました。そこまでは合法だったのですが、その後独自の判断で自身に有利になるように税制度を宣言し議会および元老院の決定を待たずに施行しました。その時点で職権乱用が適用されますが、さらに、重要なことは、船の最高責任者である船長が危険であると宣言しているにも拘らず、宝石が取れると言う理由だけでそれを覆し結果として四十人にも及ぶ犠牲者を出してしまったことです。現在これについても立件を検討しています。」

「次の質問をどうぞ」
情報屋のルイジ・ピエトロが質問した。
「その島で採取された宝石は、怪物が人間を誘き寄せる餌だったと仰いましたが、その怪物には知性があったと言うことですか? それにその宝石はどうやって作られたのでしょうか?」

ルイジの質問はローレンスの話の弱点を直撃した。
「その事については謎が多く、私たちにも分かりません。
怪物は討伐され海の底に消えてしまいましたし、その島も忽然と消えてしまいました。
私達にとっても多くの謎を残したまま消えてしまったのです。」

ローレンスは三人組の存在、女神ヘラの存在を公にする事なく済ませたいと考えていた。
その存在はあまりにも突拍子もなく、彼自身どう説明すればいいか分からなかったのである。

政府関係者や情報屋よりも難儀な相手は、今回の事件で犠牲になった方々の家族や知人たちである。
なぜ死んだのか、どんな最後だったのか、泣きながら質問されたらローレンスとしても真実を答えることが誠意だとは思うのだが、やはり信じがたい出来事であったため答えに窮した。

「そのドージェと言う執政官とフランコと言う親衛隊員さえ居なかったら、うちの子は助かってたって事だよね?
ふたりはどんな風に裁かれるんだい?」

「まだ、決まっていません。議会が二人の罪状を精査し最終的に罪を決めるでしょう。」


このようなやり取りが延々と続きその日ローレンスが自宅に帰ったのは夜の9時を過ぎてからであった。

玄関の前に人影があった。
ローレンスは警戒することもなく玄関に向かった、誰かは分かっている。
ドアの前で二人は静かに話をする。

「今回ばかりはちょっと心配したわ。」
バネッサ・テスタロッサはそう言ってローレンスと抱擁を重ねる。
二人は口づけを交わした後、家の中に入っていった。

バラシオンで軽い夕食を取っていたので、二人はリビングで琥珀色の液体をグラスに注いで寛いでいた。
「何があったの?」
アルコールを堪能した後、バネッサが聞いた。
「聞いたら、私の正気を疑うかも知れないな。」
ローレンスは彼女に秘密を持った事が無い。
今回も気が触れたかと思われる事を顧みず最初から話し始めた。

「その宝石、いくつか持って帰ってくれてるよね?」
『興味はそこかよ。』
「悪い、すべて証拠として当局に預けている。」
「その三人組が宝石をばらまいていたのね。彼らは何処からその宝石を手に入れたのかしら?」
「彼らじゃ無い、ペルセウスが言うには彼女らだ。」
「そんなことはどうでも良いわ、その宝石をどうやって入手したのかと言うことよ。」
「話を聞いていて分からなかったか? 情報を整理すれば真実を推測できるはずだ。」
ローレンスは部下と諭す時のように言った。
「つまり、こう言うことでしょ。 
その三人組は人間を石に変えてしまう力を持っていた。
その島の宝石は川の下流に集積しており形状が川底の石に似ていた。
三人組の石に変える力は、実は物質の元素を変換する力なのかも知れない。
三人組は川底の石を宝石に変えて人間をおびき寄せる餌にした。」

「お見事、おそらく事実に最も近い。」
「ありがと、でもこの推測には大きな二つの疑問が残るわ。」
「なんだ?」
「一つは、人間をおびき寄せる理由が不明よ。人間を集めて何をしたかったの?」
「二つ目は、物質の元素を変換する力などこの世に存在するかしら。所謂、錬金術じゃない。
そんなものは劇作家や吟遊詩人が作り出すお話の中にしか存在しないわ。」

「私は少なくとも、一つの疑問には答える事ができる。」
「どっち?」
「魔法は存在する。神の力、超能力、異能、なんと呼ぶかはどうでも良いが間違いなくそう言う力は存在する。」
「現実主義者のあなたの言葉とは思えないわね。」

「私はこの目で見たんだ。
あの方は突然バラシオンに現れた。
しばらくは甲板であの忌わしい島の方向を眺めていた。
そして突然、風で舞い上がったレースのハンカチように空に浮き上がった。
かと思うとものすごい速度で島に向かって飛び出したのだ。」
ローレンスはヘラを初めて見た時の様子を淡々と語った。

「あの方というのは誰のことよ。」
バネッサは少し不機嫌になって誰何すいかした。

「オリュンポスに12神が降臨したという噂は知っていると思うが?
あの方とはその12神の一人、女神ヘラ様だ。
私はあれほど神々しいオーラを放つ人物を見た事がない。」
ローレンスの答えはバネッサをますます不安にさせた。

「あなたの話からは、そのヘラ様は空を飛んで見せただけで、今回の事件の解決になんら貢献していないように思うのだけど。
実際に事件を解決したのは、ペルセウスと言う戦士じゃないの?」

「ペルセウスはヘラ様の加護を受けている。本人がそう言っていた。
実際ペルセウスが魔法を使うところも見た。彼の持つ剣は鋼鉄をまるでバターのように切り裂く。
それだけじゃ無い、彼も空に駆け上がったのだ。ヒュドラと言う怪物と戦っている様子も遠くからだが見たよ。」

「女神ヘラとペルセウスと三人組、この五人が鍵ね。聞いた範囲では人間とは思えないわ。」
「その三人組なんだが、ヘラ様が何処かへ連れていってしまった。私は会う機会もなく受け入れるしかなかった。」
「犯罪の張本人を見ず知らずの人に預けてしまったのね。」
「身も蓋もないがそう言う事だ、議会での責任追及が長引きそうだよ。」
ローレンスは議会に証人として招致されるだろう。
先行きを想像してため息が出た。

「で、その三人組が人間をおびき寄せて石に変えていたのはなぜだと思う?」
「おそらく、彼ら・・・彼女らの魔法に関係していると思う。生贄とか。」
「それじゃ、ヘラ様やペルセウスも人間を生贄にしないとその魔法が使えないのかしら?」
「手前味噌だが、それはないと思うんだ。邪悪なところが一切ない。」
「私も、そのヘラ様とペルセウスに会ってみたいわ。」
バネッサはとにかく関係する人物を自分の目で見たかった。
遠回しに会わせろとローレンスに詰め寄った。

「会いたいなら早くしないとな。ペルセウスたちが同行するのはベネチアまでだ。いつ旅立つかは聞いていないが、早めに会っておいたほうが良いだろう。だが、女神ヘラには会えないと思う。」

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