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ギリシャ神話編
石化魔法
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はなから親衛隊を南の森に送るつもりなどクラディウスにはなかった。
あれは、フランコの失言を誘うためのクラディウスの戦略だったのだ。
南の森へはクラディウスとその部下、バルハヌ一向、およびペルセウスが救援隊として出向く事になった。
北の森ではまだ確認されていないが、例の大猿がこの森の中にも多数生息している可能性もある。
あの大猿はその行動から知能がかなり高いと予想していた。
しかも、第2次調査隊が北の森で遭遇した大猿が臆病で脆弱な猿だと自らを装っていた可能性が浮上してきた。
そうでなければ一般乗客が到来した時の豹変ぶりが説明できないのである。
そして、不気味なのは、もしその予想が当たっていた場合、臆病を装った大猿は自分が人間に斬り殺される事を知っていながら演技を続けたと言う事になる。
はたして、敵を騙すために自らの命を投げ出すようなことがあるだろうか?
とにかくあの大猿には謎が多い。
しかし、アディスの活躍でその弱点も見えてきている。
顎の下が比較的強度がなくバルハヌ達の剣が貫通する可能性が高いことである。
救援隊は獣道から外れて森の中に入って行った痕跡がないかを丁寧に調べながら進んだ。
「ここに茂みを切り裂いた跡があります。」
救援隊の一人が言う。
「よし、三名体制で調べてこい。無理はするな。」
クラディウスが三名を選んで指示を出す。
救援隊の本体は三名が調査終了するまで更にユックリと前進する。
他の隊員が反対側に更に森の奥へ入って行った痕跡を見つけた時、最初の隊員が大声で隊長を呼んだ。
「クラディウス隊長! 大変です。こちらへ!」
尋常でないその叫び方に一同は緊張がはしるのを自覚した。
「全員待機、バルハヌ、ペルセウス、一緒に来てくれ。」
クラディウスは最も信頼できる戦士に同行を依頼した。
「ムルカン、アディス、後を頼む。」
三人は茂みの中に入る。
10メートルほど進んだ所で三人の隊員の姿を見つけた。
「何があった?」
クラディウスが三人に問いかける。
「これをご覧ください。」
クラディウス達は三人の視線を追ってその場所を見た。
「これは、なんだ?」
クラディウスが最初それほど驚かなかったのはそれが彫像だと思ったからだ。
森の奥深くにそんな物があるのは確かに異様だが、宮廷の庭園にはこのような彫像があちこちに置かれている。
それを考えればさして異常なことだとは考えなかったのだ。
「確かに、こんな所に彫像があるのは異様だが。」
クラディウスがそう続けたとき、ペルセウスが乾いた声で三人に代わってその理由を口にした。
「これは彫像ではない。人だ、人が石にされている。」
「そっ、そうです。この顔には見覚えがあったので気がついたのです。これはモンテネグロのティムです。」
ペルセウスはそこに佇む彫像もどきのエーテルマトリクスを見ていた。
『マトリクス自体は正常だ。だが、エーテルパラメータが人間のそれではない。これは石灰岩のパラメータだ。マトリクスが正常だと言うことは魂は健在だ。多分、動けなくなっているだけだろう』
「石にされているが、まだ生きている。」とペルセウス。
「なぜ、そんなことが分かる?」とクラディウス。
「俺には、見えるんだ。この彫像の真の姿が。魂がまだ生きているのが見える。」
ペルセウスはエーテルマトリクスのことは伏せたまま、このように説明した。
「直せるのか?」
「無理だ」
ペルセウスは即答した。
人間の体は各臓器で複雑なエーテル・パラメータを持っている。
その全てを石灰岩のパラメータに変えることはできても、各臓器ごとにそのパラメータを復元することは神技に等しい。
『ヘラ様でさえ出来るかどうか』
ペルセウスはエーテルがどう言う物なのか、ヘラの講義を受けながら、徐々に分かるようになって来ていた。
エーテルマトリクスの各エレメントのパラメータこそ万物の存在形態を決定づけるものなのだ。
いかなエーテルマスターであっても、個人個人のエーテルマトリクスを復元することは不可能だろう。
それこそ、エーテルマトリクスの情報を保存しておかなければ不可能だ。
ペルセウスはこの様に考えた。
驚くべきことだが、この思惟は『賢者の石』の基本原理そのものなのだ。
したがって、ヘラであっても不可能ということも正しい。
あらかじめ、その人間のエーテルマトリクスを賢者の石に封じ込めておけば、復元は可能なのであるが。
ヘラは以前バルハヌを死の淵から救った。
だが、その時とは状況がまったく異なる。
バルハヌは肺臓を潰されていたが他の臓器は無事だった、その他の臓器が残っていればその細胞に含まれている生命情報を使って肺臓も復元できるのだ。
「他の乗客も石になってしまっているのだろうか?」
バルハヌが不安そうに聞く。
「昨日から一人も帰って来ていないところを見ると、そう考えた方が自然だな。」
とクラディウスが受ける。
「で、これからどうする? 原因を突き止めて破壊するか? 俺たちも石になってしまう可能性もあるが。」
とバルハヌ。
「とにかく、本体と合流し撤退しよう。原因がわからない以上森の中は危険だ。」
一同は獣道に戻って隊員全員を招集し撤退した。
「さすが、慎重だわね。あれは最初の調査隊のリーダーね。」
メデューサはケヤキの大木の影から一同を観察していた。
あの男がいる限りテイムは不用意に使えない。
メデューサは迷っていた。
今、一気にあいつらを石に変えてしまうか、もう少し様子を見て万全を期すか。
「やっぱり、帰ってステンノー姉さんに相談しよっと。」
メデューサのこの決断は実はペルセウスにとって幸運なことだった。
彼は、人が石に変えられていることは分かったが、どうやってそれが行われたのか皆目見当がつかなかったのである。
方法がわからなければ、対応策も出来ない。
自分ならどうやって相手のエーテルマトリクスのパラメータを石のそれに変換するだろうか?
要領は多分ケラウノスを強化する時と同じだ、ほとんどの人工物の構造は人体に比べれば石のそれと変わらない。
あの現象はおそらく人体の構造など御構い無しにマトリクスのパラメータを一気に変更したのだ。
『何という冷酷なことを』
ペルセウスにはそんな事が人間に向かって平気で出来る神経が理解できなかった。
自分が剣の質量を変える時はその剣に触っている時が一番簡単だった。
そしてヘラ様から講義を受け離れていても質量を変えることが出来る様になった。
その時の事を頭の中で反芻する。
そうだ、パラメータを変更する時には俺の体から光の様なものが剣に向かって伸びていたな、ただし、エーテルマトリクスを視覚化している時だけしか見えない。
あれは結局エーテルリンクと同じものか?
ペルセウスはヘラの講義を思い出した。
『人間は自我を持ったエーテルの一つの存在形態でしかないの。前にも言ったけど、エーテルは個であり全であるというのは単なる抽象論ではなく事実を言っているのよ。まだ理解できないかもしれないけど、貴方はエーテルの一部であり全エーテルでもある、だから、貴方が知覚出来るものは全て貴方の一部でもあるの。そして、貴方の一部である万物は貴方の意思でパラメータを変更することが出来る。そう、重さを変えるのと同じ様にね。』
ペルセウスは最後の『重さを変えるのと同じ様にね』の一言を聞いた時、ヘラの言っている事を理解できた様な気がした。
『魔人は人の魂がないと魔法を使えないと言われているのは、意思の力でパラメータを変更できるのが人の自我のみだからよ』
ヘラの講義の中のこの話から、人を石に変える魔法も俺のエーテルの遠隔制御と同じくエーテルリンクが見えるはずだ。
だから、それを遮断または反射することができれば、この魔法は防げる。
あとは、この石化魔法が何かを触った時に発動するとした場合だが、あの犠牲者の様子を見る限り、何かを触った結果ではない様に思える。
ペルセウスは何か、または誰かが石化魔法をかけてくるという事を前提として、対応策を考えていった。
エーテルリンクの遮断。
これが当面の彼の課題となった。
あれは、フランコの失言を誘うためのクラディウスの戦略だったのだ。
南の森へはクラディウスとその部下、バルハヌ一向、およびペルセウスが救援隊として出向く事になった。
北の森ではまだ確認されていないが、例の大猿がこの森の中にも多数生息している可能性もある。
あの大猿はその行動から知能がかなり高いと予想していた。
しかも、第2次調査隊が北の森で遭遇した大猿が臆病で脆弱な猿だと自らを装っていた可能性が浮上してきた。
そうでなければ一般乗客が到来した時の豹変ぶりが説明できないのである。
そして、不気味なのは、もしその予想が当たっていた場合、臆病を装った大猿は自分が人間に斬り殺される事を知っていながら演技を続けたと言う事になる。
はたして、敵を騙すために自らの命を投げ出すようなことがあるだろうか?
とにかくあの大猿には謎が多い。
しかし、アディスの活躍でその弱点も見えてきている。
顎の下が比較的強度がなくバルハヌ達の剣が貫通する可能性が高いことである。
救援隊は獣道から外れて森の中に入って行った痕跡がないかを丁寧に調べながら進んだ。
「ここに茂みを切り裂いた跡があります。」
救援隊の一人が言う。
「よし、三名体制で調べてこい。無理はするな。」
クラディウスが三名を選んで指示を出す。
救援隊の本体は三名が調査終了するまで更にユックリと前進する。
他の隊員が反対側に更に森の奥へ入って行った痕跡を見つけた時、最初の隊員が大声で隊長を呼んだ。
「クラディウス隊長! 大変です。こちらへ!」
尋常でないその叫び方に一同は緊張がはしるのを自覚した。
「全員待機、バルハヌ、ペルセウス、一緒に来てくれ。」
クラディウスは最も信頼できる戦士に同行を依頼した。
「ムルカン、アディス、後を頼む。」
三人は茂みの中に入る。
10メートルほど進んだ所で三人の隊員の姿を見つけた。
「何があった?」
クラディウスが三人に問いかける。
「これをご覧ください。」
クラディウス達は三人の視線を追ってその場所を見た。
「これは、なんだ?」
クラディウスが最初それほど驚かなかったのはそれが彫像だと思ったからだ。
森の奥深くにそんな物があるのは確かに異様だが、宮廷の庭園にはこのような彫像があちこちに置かれている。
それを考えればさして異常なことだとは考えなかったのだ。
「確かに、こんな所に彫像があるのは異様だが。」
クラディウスがそう続けたとき、ペルセウスが乾いた声で三人に代わってその理由を口にした。
「これは彫像ではない。人だ、人が石にされている。」
「そっ、そうです。この顔には見覚えがあったので気がついたのです。これはモンテネグロのティムです。」
ペルセウスはそこに佇む彫像もどきのエーテルマトリクスを見ていた。
『マトリクス自体は正常だ。だが、エーテルパラメータが人間のそれではない。これは石灰岩のパラメータだ。マトリクスが正常だと言うことは魂は健在だ。多分、動けなくなっているだけだろう』
「石にされているが、まだ生きている。」とペルセウス。
「なぜ、そんなことが分かる?」とクラディウス。
「俺には、見えるんだ。この彫像の真の姿が。魂がまだ生きているのが見える。」
ペルセウスはエーテルマトリクスのことは伏せたまま、このように説明した。
「直せるのか?」
「無理だ」
ペルセウスは即答した。
人間の体は各臓器で複雑なエーテル・パラメータを持っている。
その全てを石灰岩のパラメータに変えることはできても、各臓器ごとにそのパラメータを復元することは神技に等しい。
『ヘラ様でさえ出来るかどうか』
ペルセウスはエーテルがどう言う物なのか、ヘラの講義を受けながら、徐々に分かるようになって来ていた。
エーテルマトリクスの各エレメントのパラメータこそ万物の存在形態を決定づけるものなのだ。
いかなエーテルマスターであっても、個人個人のエーテルマトリクスを復元することは不可能だろう。
それこそ、エーテルマトリクスの情報を保存しておかなければ不可能だ。
ペルセウスはこの様に考えた。
驚くべきことだが、この思惟は『賢者の石』の基本原理そのものなのだ。
したがって、ヘラであっても不可能ということも正しい。
あらかじめ、その人間のエーテルマトリクスを賢者の石に封じ込めておけば、復元は可能なのであるが。
ヘラは以前バルハヌを死の淵から救った。
だが、その時とは状況がまったく異なる。
バルハヌは肺臓を潰されていたが他の臓器は無事だった、その他の臓器が残っていればその細胞に含まれている生命情報を使って肺臓も復元できるのだ。
「他の乗客も石になってしまっているのだろうか?」
バルハヌが不安そうに聞く。
「昨日から一人も帰って来ていないところを見ると、そう考えた方が自然だな。」
とクラディウスが受ける。
「で、これからどうする? 原因を突き止めて破壊するか? 俺たちも石になってしまう可能性もあるが。」
とバルハヌ。
「とにかく、本体と合流し撤退しよう。原因がわからない以上森の中は危険だ。」
一同は獣道に戻って隊員全員を招集し撤退した。
「さすが、慎重だわね。あれは最初の調査隊のリーダーね。」
メデューサはケヤキの大木の影から一同を観察していた。
あの男がいる限りテイムは不用意に使えない。
メデューサは迷っていた。
今、一気にあいつらを石に変えてしまうか、もう少し様子を見て万全を期すか。
「やっぱり、帰ってステンノー姉さんに相談しよっと。」
メデューサのこの決断は実はペルセウスにとって幸運なことだった。
彼は、人が石に変えられていることは分かったが、どうやってそれが行われたのか皆目見当がつかなかったのである。
方法がわからなければ、対応策も出来ない。
自分ならどうやって相手のエーテルマトリクスのパラメータを石のそれに変換するだろうか?
要領は多分ケラウノスを強化する時と同じだ、ほとんどの人工物の構造は人体に比べれば石のそれと変わらない。
あの現象はおそらく人体の構造など御構い無しにマトリクスのパラメータを一気に変更したのだ。
『何という冷酷なことを』
ペルセウスにはそんな事が人間に向かって平気で出来る神経が理解できなかった。
自分が剣の質量を変える時はその剣に触っている時が一番簡単だった。
そしてヘラ様から講義を受け離れていても質量を変えることが出来る様になった。
その時の事を頭の中で反芻する。
そうだ、パラメータを変更する時には俺の体から光の様なものが剣に向かって伸びていたな、ただし、エーテルマトリクスを視覚化している時だけしか見えない。
あれは結局エーテルリンクと同じものか?
ペルセウスはヘラの講義を思い出した。
『人間は自我を持ったエーテルの一つの存在形態でしかないの。前にも言ったけど、エーテルは個であり全であるというのは単なる抽象論ではなく事実を言っているのよ。まだ理解できないかもしれないけど、貴方はエーテルの一部であり全エーテルでもある、だから、貴方が知覚出来るものは全て貴方の一部でもあるの。そして、貴方の一部である万物は貴方の意思でパラメータを変更することが出来る。そう、重さを変えるのと同じ様にね。』
ペルセウスは最後の『重さを変えるのと同じ様にね』の一言を聞いた時、ヘラの言っている事を理解できた様な気がした。
『魔人は人の魂がないと魔法を使えないと言われているのは、意思の力でパラメータを変更できるのが人の自我のみだからよ』
ヘラの講義の中のこの話から、人を石に変える魔法も俺のエーテルの遠隔制御と同じくエーテルリンクが見えるはずだ。
だから、それを遮断または反射することができれば、この魔法は防げる。
あとは、この石化魔法が何かを触った時に発動するとした場合だが、あの犠牲者の様子を見る限り、何かを触った結果ではない様に思える。
ペルセウスは何か、または誰かが石化魔法をかけてくるという事を前提として、対応策を考えていった。
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