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魔王は友との約束を果たしたい
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「まあ、とにかく……晴れて中途半端な存在から解放されて、ようやく魔王になれたことのお祝いは言っておくわ……どれだけ悪い状況だと言っても、死ぬ意外に他の方法がない状況よりははるかにマシでしょうからね」
ヘカテーが皮肉めいたこと口走った。
彼女は僕の自殺願望を一番近くで聞かされ続けた人間だからこそ、どのような形であったとしても、僕が死ぬことを望まなくなったというのがうれしいのだろう。
「僕が魔王になったってどうして知っている?」
「そりゃあ……ねえ?」
僕の疑問に対して、ヘカテーは顔をそらしながらニケに同意を求める。
彼女の言動から考えるに、何か言いにくいことがあるようだ。それは一体なんだろうか……まるで見当がつかない。
「クラトスの体から出てる黒い魔力を見れば何となくわかるわ」
ヘカテーとは違い、ニケは表情を変えることもなく淡々と言ってのけた。
もちろん、それはニケが冷徹だから、そう言った行動に出たというわけではない。魔王だった頃の時分、ほとんどの時間を1人で過ごしたという過去から、人と暮らすようになった今ですら空気が読めないところがアルというだけの話だ。
しかしそれは逆に、隠し事をしない純粋無垢な存在とも言いかえることが出来る。
彼女のおかげで、国王の残虐性を知ることが出来たし、彼女のおかげで悪魔族たちと仲良くすることは出来なくなってしまった。まあ、エピソードを挙げればきりがないが、良いところもあれば悪いところもあるという事だ。
それに、今回に関しては彼女の良いところが出たと言ってもいい。僕は今自分が置かれている状況に関して、客観的に見ることが出来ていなかった。もちろん、自分の姿を見ることが出来ないという事もあるのだが、それ以上に大きな問題として、友を殺してしまったという自責の念に押しつぶされそうだった。
それをニケはいつもの調子で救ってくれた。
「なるほど……確かに、このまま彼らに事実を伝えに行っても、脅しに行くのと何も変わらない」
「どこに行くつもりなの? そんな体で……」
ひとり言のつもりだったのだが、僕の言葉にヘカテーが過剰に反応する。
無理もない。魔王とは言っても、昔の友達を殺めた後なのだから、僕の精神状態がまともだと思う方が無理だろう。また、あてのない旅を続けて死に場所を探すと思われても不思議ではない。
彼女はそんな無気力な僕をずっと近くで見守り続けてくれた人なのだ。だからこそ、彼女を心配させるわけにはいかない。
「ちょっと、罪を償いに行くんだよ」
この言い方では普通の人なら勘違いするかもしれないが、ヘカテーなら大丈夫だ。彼女は僕のことをよく理解してくれている。何より、僕が彼女のことを絶対的に信頼いしている。
それを知ってだろうか、ヘカテーはそれ以上、そのことについては何も言わなかった。しかし、その代わりにヴラスカが僕に聞いた。
「罪ですか……あの人を殺した罪という事でしょうか?」
もちろん、彼女の言うことも当たらずとも遠からずだ。
だがしかし、それは僕が犯した罪の1つに過ぎない。
「僕が言いたいのは……もっと大きな罪のことだ。ヴラスカ……僕はお前の仲間だった存在を2人も殺した。いや、もしかしたら、お前の仲間だった存在を皆殺しにしているかもしれない。殺したことに対して言い訳するつもりもないし、仕方なかったという事も出来ない。もしかしたら助ける方法はあったのかもしれない。でも、僕は殺した。だったら、それは罪だろう? 僕はそんな罪を数えきれないほど犯した。自分が信じた正義のために……死にも値する罰かもしれない。犠牲になった人の家族が……友人が……僕を殺したいと思うかもしれない。でも、それでも、僕にはまだやることがある――いいや違う。僕は死にたくないんだ。だから、生きている間に、僕が犯した罪を少しでも償わなければならない」
僕はそれだけのことをした。殺された方にとってみれば、たまったものじゃないだろう。もし、ヘカテーが、ニケが、街の友人たちが殺されたら、僕は殺したやつを地平の果てまで追い立てて殺すかもしれない。殺された側にはそれを行う権利があるのかもしれない。それでも、僕は生きたいと思う。それが僕のエゴだとしてもだ。
誰にも僕の生き方を認めてもらう必要はない。
僕はこれからも自分のエゴのために……自分のためだけに生きていくと決めた。誰が僕を恨もうと、僕はこのどうしようもない世界で生きていく。
「そうですか、だから罪滅ぼしに……じゃあ、私に対しても罪滅ぼしをしていただけるという事でよろしいですか?」
ヴラスカの口からあまりにも予想外な言葉が出てきて、僕は少し戸惑ってしまった。
「お前に対しての罪滅ぼし?」
確かに、彼女に対しても罪滅ぼしはするつもりだった。
だがまさか本人の口からそんな言葉が出るとは思ってもみなかった。彼女なら、『あなたの謝罪などいりません』と言ってのけるほどに僕のことが嫌いだとばかり思っていた。それなのに、彼女はいつにもまして落ち着いている。彼女の知るもう1人の仲間が殺されたというのに、僕に襲いかかってくることもなかった。
それどころか、今ではもう少し微笑んでいるぐらいだ。
「ええ。私は、昔の仲間を殺された。でも、だからと言ってあなたを殺すつもりはもうない。だから、今度は私の今の仲間たちに対して罪滅ぼしをしてほしい」
彼女の微笑みが僕に向けられたのは初めてだろう。
この世で最も許しがたい相手だろうに、彼女はそんな相手の……僕のために笑って見せた。その行為からも読み取れるように、彼女は、ヴラスカはとても優しい人物だ。
いつも、僕の首を狙っているようで、どこか手加減をしていた。彼女が本気で気配を消せば、きっと僕は彼女の剣が首筋に届くまで感じることすらなかっただろう。と言っても、その剣が僕の命を奪うことはなかっただろうが……それでも彼女は、もっとも恨めしい僕に対して気を使って手加減していた。
だからこそ、僕は彼女の手で殺されてもいいと本気で思っていた。それだけに、彼女の意図は嫌という程に理解できた。
「それはいいが……お前、何とも思わないのか? 僕が言うのもなんだが、僕はあまりにも自分本位なことを言っているつもりだ。普通怒るだろう?」
どうして僕はそんな質問をしたのだろう。
答えは簡単だ。僕は彼女に怒りをぶつけてほしかった。『よくも殺してくれたな!』と恨みごとをぶつけてほしかった。誰でもいいから、僕を憎んでほしいと思った。そうすることで、たぶん僕は救われる。僕は救いを求めていたのだろう。
しかし、彼女は困り顔で僕に問い返す。
「あなたを? 私が? なぜです?」
本当に意味が分からないと言った風に首をかしげながら、最高に恨みを抱いているであろう相手に怒りを向けるわけでもなく、ただ純粋な質問をぶつけた。
「なぜって……? お前の仲間を殺したのは僕なんだぞ!?」
「あなたに対して怒りをぶつければ2人が返ってくるんですか? 来ないですよね? 私も今回のことで気がつきましたが、あなたを殺しても誰も帰って来ないんですよ……許すとか許さないとかではなく、誰も帰っては来ない。それになんて言ったって、あなたに対して1番怒りを抱いている相手に怒っても仕方ないじゃないですか……」
彼女はさぞ面倒くさそうに答えた。
それでようやく理解できた。彼女は最初から僕を殺す気なんてなかったのだと、ただ純粋に、僕に人を殺めるという事について理解してほしかったのだと。彼女は怒りを復讐で終わらせるような、僕のような愚か者ではなかった。
「ヴラスカ……」
すべては僕の1人よがりで、結局のところ、僕は自分を恨む者にさえ自分のエゴを押し付けていた。そして、たぶんこれからも同じことをする。それが僕の罪滅ぼしなのだろう。
「辛気臭い顔ですね……山にやってきて平然と敵を殺した時のあなたはどこに行ったんですか? 勇者ならいざ知らず、あなたは魔王なんです。もっと魔王らしい振る舞いをしてもらわないと……命を懸けてあなたを救ったあの人も浮かばれません」
ヴラスカは涙をこらえ、必死に笑顔を保ちながら僕を鼓舞した。
きっと、それこそが僕に対する神からの罰だったのだろう。げんに、僕の胸はさっきまでより数段痛みを増した。
ヘカテーが皮肉めいたこと口走った。
彼女は僕の自殺願望を一番近くで聞かされ続けた人間だからこそ、どのような形であったとしても、僕が死ぬことを望まなくなったというのがうれしいのだろう。
「僕が魔王になったってどうして知っている?」
「そりゃあ……ねえ?」
僕の疑問に対して、ヘカテーは顔をそらしながらニケに同意を求める。
彼女の言動から考えるに、何か言いにくいことがあるようだ。それは一体なんだろうか……まるで見当がつかない。
「クラトスの体から出てる黒い魔力を見れば何となくわかるわ」
ヘカテーとは違い、ニケは表情を変えることもなく淡々と言ってのけた。
もちろん、それはニケが冷徹だから、そう言った行動に出たというわけではない。魔王だった頃の時分、ほとんどの時間を1人で過ごしたという過去から、人と暮らすようになった今ですら空気が読めないところがアルというだけの話だ。
しかしそれは逆に、隠し事をしない純粋無垢な存在とも言いかえることが出来る。
彼女のおかげで、国王の残虐性を知ることが出来たし、彼女のおかげで悪魔族たちと仲良くすることは出来なくなってしまった。まあ、エピソードを挙げればきりがないが、良いところもあれば悪いところもあるという事だ。
それに、今回に関しては彼女の良いところが出たと言ってもいい。僕は今自分が置かれている状況に関して、客観的に見ることが出来ていなかった。もちろん、自分の姿を見ることが出来ないという事もあるのだが、それ以上に大きな問題として、友を殺してしまったという自責の念に押しつぶされそうだった。
それをニケはいつもの調子で救ってくれた。
「なるほど……確かに、このまま彼らに事実を伝えに行っても、脅しに行くのと何も変わらない」
「どこに行くつもりなの? そんな体で……」
ひとり言のつもりだったのだが、僕の言葉にヘカテーが過剰に反応する。
無理もない。魔王とは言っても、昔の友達を殺めた後なのだから、僕の精神状態がまともだと思う方が無理だろう。また、あてのない旅を続けて死に場所を探すと思われても不思議ではない。
彼女はそんな無気力な僕をずっと近くで見守り続けてくれた人なのだ。だからこそ、彼女を心配させるわけにはいかない。
「ちょっと、罪を償いに行くんだよ」
この言い方では普通の人なら勘違いするかもしれないが、ヘカテーなら大丈夫だ。彼女は僕のことをよく理解してくれている。何より、僕が彼女のことを絶対的に信頼いしている。
それを知ってだろうか、ヘカテーはそれ以上、そのことについては何も言わなかった。しかし、その代わりにヴラスカが僕に聞いた。
「罪ですか……あの人を殺した罪という事でしょうか?」
もちろん、彼女の言うことも当たらずとも遠からずだ。
だがしかし、それは僕が犯した罪の1つに過ぎない。
「僕が言いたいのは……もっと大きな罪のことだ。ヴラスカ……僕はお前の仲間だった存在を2人も殺した。いや、もしかしたら、お前の仲間だった存在を皆殺しにしているかもしれない。殺したことに対して言い訳するつもりもないし、仕方なかったという事も出来ない。もしかしたら助ける方法はあったのかもしれない。でも、僕は殺した。だったら、それは罪だろう? 僕はそんな罪を数えきれないほど犯した。自分が信じた正義のために……死にも値する罰かもしれない。犠牲になった人の家族が……友人が……僕を殺したいと思うかもしれない。でも、それでも、僕にはまだやることがある――いいや違う。僕は死にたくないんだ。だから、生きている間に、僕が犯した罪を少しでも償わなければならない」
僕はそれだけのことをした。殺された方にとってみれば、たまったものじゃないだろう。もし、ヘカテーが、ニケが、街の友人たちが殺されたら、僕は殺したやつを地平の果てまで追い立てて殺すかもしれない。殺された側にはそれを行う権利があるのかもしれない。それでも、僕は生きたいと思う。それが僕のエゴだとしてもだ。
誰にも僕の生き方を認めてもらう必要はない。
僕はこれからも自分のエゴのために……自分のためだけに生きていくと決めた。誰が僕を恨もうと、僕はこのどうしようもない世界で生きていく。
「そうですか、だから罪滅ぼしに……じゃあ、私に対しても罪滅ぼしをしていただけるという事でよろしいですか?」
ヴラスカの口からあまりにも予想外な言葉が出てきて、僕は少し戸惑ってしまった。
「お前に対しての罪滅ぼし?」
確かに、彼女に対しても罪滅ぼしはするつもりだった。
だがまさか本人の口からそんな言葉が出るとは思ってもみなかった。彼女なら、『あなたの謝罪などいりません』と言ってのけるほどに僕のことが嫌いだとばかり思っていた。それなのに、彼女はいつにもまして落ち着いている。彼女の知るもう1人の仲間が殺されたというのに、僕に襲いかかってくることもなかった。
それどころか、今ではもう少し微笑んでいるぐらいだ。
「ええ。私は、昔の仲間を殺された。でも、だからと言ってあなたを殺すつもりはもうない。だから、今度は私の今の仲間たちに対して罪滅ぼしをしてほしい」
彼女の微笑みが僕に向けられたのは初めてだろう。
この世で最も許しがたい相手だろうに、彼女はそんな相手の……僕のために笑って見せた。その行為からも読み取れるように、彼女は、ヴラスカはとても優しい人物だ。
いつも、僕の首を狙っているようで、どこか手加減をしていた。彼女が本気で気配を消せば、きっと僕は彼女の剣が首筋に届くまで感じることすらなかっただろう。と言っても、その剣が僕の命を奪うことはなかっただろうが……それでも彼女は、もっとも恨めしい僕に対して気を使って手加減していた。
だからこそ、僕は彼女の手で殺されてもいいと本気で思っていた。それだけに、彼女の意図は嫌という程に理解できた。
「それはいいが……お前、何とも思わないのか? 僕が言うのもなんだが、僕はあまりにも自分本位なことを言っているつもりだ。普通怒るだろう?」
どうして僕はそんな質問をしたのだろう。
答えは簡単だ。僕は彼女に怒りをぶつけてほしかった。『よくも殺してくれたな!』と恨みごとをぶつけてほしかった。誰でもいいから、僕を憎んでほしいと思った。そうすることで、たぶん僕は救われる。僕は救いを求めていたのだろう。
しかし、彼女は困り顔で僕に問い返す。
「あなたを? 私が? なぜです?」
本当に意味が分からないと言った風に首をかしげながら、最高に恨みを抱いているであろう相手に怒りを向けるわけでもなく、ただ純粋な質問をぶつけた。
「なぜって……? お前の仲間を殺したのは僕なんだぞ!?」
「あなたに対して怒りをぶつければ2人が返ってくるんですか? 来ないですよね? 私も今回のことで気がつきましたが、あなたを殺しても誰も帰って来ないんですよ……許すとか許さないとかではなく、誰も帰っては来ない。それになんて言ったって、あなたに対して1番怒りを抱いている相手に怒っても仕方ないじゃないですか……」
彼女はさぞ面倒くさそうに答えた。
それでようやく理解できた。彼女は最初から僕を殺す気なんてなかったのだと、ただ純粋に、僕に人を殺めるという事について理解してほしかったのだと。彼女は怒りを復讐で終わらせるような、僕のような愚か者ではなかった。
「ヴラスカ……」
すべては僕の1人よがりで、結局のところ、僕は自分を恨む者にさえ自分のエゴを押し付けていた。そして、たぶんこれからも同じことをする。それが僕の罪滅ぼしなのだろう。
「辛気臭い顔ですね……山にやってきて平然と敵を殺した時のあなたはどこに行ったんですか? 勇者ならいざ知らず、あなたは魔王なんです。もっと魔王らしい振る舞いをしてもらわないと……命を懸けてあなたを救ったあの人も浮かばれません」
ヴラスカは涙をこらえ、必死に笑顔を保ちながら僕を鼓舞した。
きっと、それこそが僕に対する神からの罰だったのだろう。げんに、僕の胸はさっきまでより数段痛みを増した。
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