先生と僕

真白 悟

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孤独

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 去って行くリーダーを見送りながら、僕はこれからどうしたものかと少しだけ思い悩む。
 先生は僕を成長したと言うが、現状にどうすればいいかも思いつかない自分が成長したとはまるで思えない。

「はぁ……」

 大きなため息とともに心の奥底にあった不完全燃焼気味な憤りがほんの少しだけ噴出して来る。
 僕の周りにいる人間たちは皆いい人ばかりだ。それに比べて、僕は現状に不満ばかり抱いて実際に行動することも出来ずにいる。

「これからどうするかか……」

『僕にはどうすることも出来ない』
 そんな言葉が脳裏をよぎる。昔からそうだ。重大な問題が発生した時は行動力にブレーキがかかったかのように何もできなくなる。
 先生がそんな僕を変えてくれたような気がしていたが、それは錯覚で、先生から離れれば何も出来ない一生徒に成り下がってしまった。いいや、最初から何も出来ない子供に過ぎなかった。

「でも……だからこそ、僕は1人で全部やらなきゃいけない。そうしなきゃ先生に認めてもらうことは出来ない」

 そうだ。今回のことは僕だけの問題だ。
 誰かの手を煩わせることはない。

「一人でやろう」

 僕は1人でそう決意し、立ち上がった。
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