先生と僕

真白 悟

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愛の意味

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「僕は君を愛している」

 ふと街頭のテレビからそんなセリフが聞こえてくる。
 テレビには、昔流行った恋愛ドラマが流れていた。
 初めてその番組を見た時は、馬鹿らしいと思った。愛なんて不確定で不確実だと……それこそ、時間の無駄だとすら思っていた。

「ごめんなさい……」

 ヒロインがそう呟いて去っていく場面を見て、『ほら見たことか』なんてことも思った。
 この世には、愛も恋もない。
 あるのは、それが叶うことがないという絶望だけだ。
 そんな風に思っていたのは、もちろんそれは昔のことだ。いまは違う。僕は先生を愛している……はずだ。だけど、愛が不確実なことに変わりはない。
 街頭を流れるドラマのように、愛が成就しないこともあれば、その反対もまたあり得る。だからこそ、愛にはそれほど大きな意味はないと思う。
 でも、先生は愛に意味を求めた。気持ちには意味があり、愛と恋は違うとさえ言った。わからない。僕にはその違いがよくわからなかった。
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