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心配ない
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「あれよ。梓のことは心配しなくて大丈夫だから」
先生はそう言ったが、それは無理な話だ。
なんやかんやで、一番付き合いの長い学友である梓が危機だというのに、それを心配しないなんて、出来るはずがない。
「梓は、心配性だからな……きっと僕のことを気にかけてテストも集中出来ませんよ?」
ただでさえ、集中力が高すぎて周りが見えない彼女だ。余計な問題に頭を悩ませている場合じゃない。
僕のことを気にかけて、集中を乱すことなんてあっていいはずがない。
「落ち着きなさい。今自分が言ったことをよーく考えてみるといいわ」
先生がそんなことを言うものだから、僕は少しだけ考えを張り巡らせてみる。
――心配性、集中出来ない……なるほど、そういうことか!
「つまり、集中力を乱された状態でテストに挑めるって事ですね!? だけど……」
梓にとって最高の状況というわけだ。
だけど、それで上手くいくものなのだろうか……今までずっと集中しすぎていた彼女が、突如集中を乱された場合、実力を発揮できなければ意味がない。
猛烈に心配になる。
「言いたいことは分かるわ。だけど大丈夫。梓を信じてあげて。絶対に大丈夫だから」
先生は熱く語った。
先生がそこまで言うのなら、おそらく心配はないだろう。
先生はそう言ったが、それは無理な話だ。
なんやかんやで、一番付き合いの長い学友である梓が危機だというのに、それを心配しないなんて、出来るはずがない。
「梓は、心配性だからな……きっと僕のことを気にかけてテストも集中出来ませんよ?」
ただでさえ、集中力が高すぎて周りが見えない彼女だ。余計な問題に頭を悩ませている場合じゃない。
僕のことを気にかけて、集中を乱すことなんてあっていいはずがない。
「落ち着きなさい。今自分が言ったことをよーく考えてみるといいわ」
先生がそんなことを言うものだから、僕は少しだけ考えを張り巡らせてみる。
――心配性、集中出来ない……なるほど、そういうことか!
「つまり、集中力を乱された状態でテストに挑めるって事ですね!? だけど……」
梓にとって最高の状況というわけだ。
だけど、それで上手くいくものなのだろうか……今までずっと集中しすぎていた彼女が、突如集中を乱された場合、実力を発揮できなければ意味がない。
猛烈に心配になる。
「言いたいことは分かるわ。だけど大丈夫。梓を信じてあげて。絶対に大丈夫だから」
先生は熱く語った。
先生がそこまで言うのなら、おそらく心配はないだろう。
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