先生と僕

真白 悟

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解決と問題

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「早く解けるようにすればいいんじゃない?」
 先生は簡単に言ってのけるが、それが出来れば、この合宿を開いた意味なんてまるでない。
 特にテストを解く時間を早めるなんて、相当練習するか、もしくは問題が簡単でなければかなり難しいことだろう。

「それは無理で――」
「――なるほど、確かにそうですね!」
 僕の言葉を無視して、あずさが嬉しそうに言った。
 って、できるのかよ! と僕は心の中で突っ込みを入れる。
「じゃあ、この合宿は一体なんだったんですか……」
 僕は疲れて、そのまま後ろに倒れて寝ころんだ。
 ただ単に無意味に合宿を開いただけで、思えば自分の勉強がおろそかになっているし、やりたかった最新のゲームもできていない。――なにより、折角先生とお泊まり会だというのに、あずさのことばかり話していて、いつものような日常会話すら出来ていない。

「なにって、恋愛部の合宿でしょ? 恋愛について何か勉強しなきゃ、経費が下りないわよ」
 先生は何を当たり前のことを聞いてるんだって顔を僕に向けた。
 確かに、恋愛部の合宿だと先生は言ったし、僕もそう聞いた。
 だけど、この合宿は名目上は宿だとしても、実情はあずさのドジを治す会だ。
 しかし、先生にそういわれると、途端に恋愛部の合宿だということが僕の頭に刷り込まれていく。
 そして僕はひとつの真実にたどり着く……合宿ってことはってことなんじゃ?
 部屋を見渡したして、ほかのメンバーの顔を見る。
 先生にあずさ、そして彩錦あかね……全員女性だ。男は僕一人、それが一体どういうことを表すというのだろう。――決まっている。僕は今日緊張で眠れない!
 
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