先生と僕

６

夕食

「あれよ、とにかく一度落ち着いて考えた方がいいわ。夕食が準備出来たし、休憩がてら食べましょ？」
　先生がどこからか、料理を運んでくる。
　出前でとったであろう、寿司とか、ピザとか、あまり体によくなさそうなものだが、とてもおいしそうなものばかりだ。それとともに、高そうなジュースを嬉しそうに運んでくる。

「ありがとうございます」

　僕たち３人は先生にお礼を言う。
　先生は何だか照れくさそうに顔をそらした。
「臨時ボーナスだからいいのよ」なんて先生は笑って見せるが、実のところ、先生の手料理が食べたいと思っていた僕もいる。
　でもまあ、先生たちと一緒に料理が食べれるだけでもいいとしよう。
「それにしても、手料理じゃないんですね？」
　僕ですら聞かなかったことを、彩錦あかねは遠慮せずにずけずけと聞いた。
「それも考えたんだけど、せっかく臨時ボーナスが入ったから、豪勢にいこうと思ってね……」
　しみじみとして、先生は何度かうなづいた。
　それで、僕はピンとくる。
「なるほど……一人じゃさみしいから、今回の合宿を思いついたんですね」
「ち、違うわよ！　あくまで梓を助けるためよ。食事はおまけ！」
　僕の言葉に焦る先生を見て確信した。どうやら、図星だったようだ。