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4 勇者が生まれる
26 勇者の存在
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すっきりした……それは厳密に言えば違うと思う。
私自身が思い込んでいたことを1つ解消できたというだけで、別段、今までと何ら変わりはないし、これからも私の考えが大きく変わることはない。
戦場に戻る。それ自体はそれほど嫌でもないし、毎晩寝る前には戦場のことばかり考えていたほどだ。――日常には刺激が少なすぎると。
だがそんなことは、冒険者だった過去とは何ら関係のないことだ。つまらない日常を嫌うものは、冒険者以外にだってたくさんいる。私だけがそんなことを考えているわけじゃない。
だから今回のことは、一つの区切りに過ぎない。何もすっきりするような出来事ではないし、むしろもやもやが収まらないぐらいだ。
「私は何を求めているのだろう……」
刺激を求めている。だがそれは危険を求めることとは同義ではない。
非日常に垣間見る何らかの刺激……その何らかを求めている。
そんな私を慰めるかのようにベティは自嘲気味に言う。
「イザベラ様はすっきりしておられますよ。私なんかに比べれば随分と」
「お前はまだ引きずってるのか?」
どうやら彼女はあの事件のことを引きずっているらしい。あの忌々しいロットワイラー事件のことを。
私の問いに彼女は自身の右腕に移して、もう一度私の方を見たかと思うと、血走った目を見開いて淡々とした口調で、「一生終わりませんよ」とつぶやいた。
それにつられるように、私は自身の右足を見た。傷はずいぶんと癒えたが、それでも昔見たいに全力で走ることは出来ないだろう。それはベティにとってもそうだ。彼女が受けた傷では、軽いペンのようなものは持てたとしても、重たい物は持つことは出来ないだろう。
故に、私とベティは以前のような冒険者そして活動することは一生無理だ。
私にとってはくだらないことに成り下がった事件だが、私よりも若い彼女にとってはまだ心の傷をえぐり続ける事件らしい。
「そうか……まあそうだよな」
「イザベラ様が気にするようなことではありせんよ。あなたがいなければ私の腕はなくなっていたでしょうし、むしろイザベラ様には感謝しています。だから今回だって、イザベラ様たってのお願いだということで、全ての予定をキャンセルしたんですから」
あの事件以来ずっと彼女はずっとそうだ。すべて私のために尽くそうとする。私はただその場所に居合わせただけだというのに。
今はそれよりも、『私のお願い』というやつの方が気になる。私は彼女にお願いなんてした記憶がない。
だったら、そのお願いとやらはなんだというのだろう。
「どんなことかちゃんと覚えているか?」
私に記憶がないのだ。むしろ、私ではない誰かにその記憶が残っている方が不自然なぐらいだが、今回は他人の記憶に頼るほかない。
自分で言っていてもおかしな問いだとはわかるが、彼女は私の質問にはすぐさま答えてくれることだろう。
「えっと、誰かの適職検査をしてほしいと手紙を送ってくださいましたよね?」
もちろん、そんな手紙を出した記憶は私にはない。適職検査を斡旋する業者でもなければ、そんな手紙を書く必要もないし、私はただの喫茶店経営者だ。斡旋する理由がない。
「なるほど、それで私はメリーをここに連れてきたということか……」
しかし今の言葉で、概ねなぜこのような事態に陥ったのかは理解した。私がここまでメリーを連れて来ることを予見できたのはたった一人しかいない。いや事実としては正しい表現ではないだろう。――予見できた者は山の数ほどいるのかもしれない。言い直すとすれば、それを予見する必要があったのはただ一人だけだ。
それはメリーの体に憑依した自称天使、ここに私たちを送り出した存在だ。
私が納得するのと同時に、ベティも同じように納得した。
「なるほど、ケン様のお連れの方……メリー様の適職検査ですか」
今の状況を見るに、彼女にとって考えれ得ることはそれしかない。現に私はメリーをここまで連れてきてしまったのだから。
だけど、それでも私はメリーを冒険者にするつもりはない。ケンがそう望んでいないからということもあるが、犬種のそれも幼い娘に苦労多き道を歩ませることなど好ましくないからだ。
私は慌てて否定する。
「悪いがそれは違う。それはまた今度になった」
「そうなんですか?」
ベティは納得いかなそうな顔はしているものの、別段怒るようなそぶりも見せない。
「今日は役所に登録されている勇者が彼女の他にいるのかを確認したくてな」
彼女とは、言わずもがなアルタ・ロットワイラーのことだ。ベティは彼女のことあまり好きではない。だからこそ名前は口に出さないが、ベティもそれを察してくれる。
「そうなんですね……わかりました。個人情報なので、基本的にはそういったことは出来ないんですが、イザベラ様たってのお願いです。お調べしましょう」
実に無理なお願いだ。役所には役所のルールがあるのだから、それでもベティは了承してくれたみたいだ。
ベティをいいように利用することに対して、ほんの少しの罪悪感はあった。
たがしかし、私はそれを悟られないように一言だけ告げた。
「悪いな」
そんな私に対して彼女は声を一オクターブほど上げて、元気付けるように言う。
「いえいえ、もっと頼ってくださっていいんですよ。私とあなたの仲なんですから」
――結局のところ、ベティが確認できる資料の中には、アルタ以外の勇者に関する情報は存在しなかった。
役所以外で冒険者を募集しているところには、私は顔が効かない。勇者を探すには難しいだろう。
ベティは申し訳なさそうにしているが、別に彼女のせいでもない。
いないなら別にそれでもいいしな。私にとっては重要なことでもないし、ケンの仲間なんてケン自身が見つけるだろう。
「それより、メリーさんの職業調べてみませんか?」
落ち着きを取り戻したベティが突然そんな提案をする。
いや、さっきまでそんな話をしていたのだから突然というわけでもないか。しかし、話を戻した理由が気になる。――理由次第では、彼女に対する不信にもなるしな。
「どうしてだ?」
そう聞き返すと、ベティは深刻そうに尋ね返した。
「ケン様の職業についてはご存知ですか?」
どうして、それを今効くのだろうか?
「魔法使いだと聞いているが?」
「なるほど……わかりました」
ベティはそう呟くと何度か頷いた。
「なんで止めなかったんだ?」
「ケン様が魔法使いになったことですか?」
「それ以外なにがある?」
「そうですね……魔力量が尋常じゃないからです。あとは、本人の希望っていうのもありますが、やはり魔力量が多いからこそ、承認することが出来ました」
若い奴らは、みんな頭の中がお花畑なのだろうか。最初に魔法使いを選ぶなんて死も同じだ。それほどに愚かな行為だというのに……
私自身が思い込んでいたことを1つ解消できたというだけで、別段、今までと何ら変わりはないし、これからも私の考えが大きく変わることはない。
戦場に戻る。それ自体はそれほど嫌でもないし、毎晩寝る前には戦場のことばかり考えていたほどだ。――日常には刺激が少なすぎると。
だがそんなことは、冒険者だった過去とは何ら関係のないことだ。つまらない日常を嫌うものは、冒険者以外にだってたくさんいる。私だけがそんなことを考えているわけじゃない。
だから今回のことは、一つの区切りに過ぎない。何もすっきりするような出来事ではないし、むしろもやもやが収まらないぐらいだ。
「私は何を求めているのだろう……」
刺激を求めている。だがそれは危険を求めることとは同義ではない。
非日常に垣間見る何らかの刺激……その何らかを求めている。
そんな私を慰めるかのようにベティは自嘲気味に言う。
「イザベラ様はすっきりしておられますよ。私なんかに比べれば随分と」
「お前はまだ引きずってるのか?」
どうやら彼女はあの事件のことを引きずっているらしい。あの忌々しいロットワイラー事件のことを。
私の問いに彼女は自身の右腕に移して、もう一度私の方を見たかと思うと、血走った目を見開いて淡々とした口調で、「一生終わりませんよ」とつぶやいた。
それにつられるように、私は自身の右足を見た。傷はずいぶんと癒えたが、それでも昔見たいに全力で走ることは出来ないだろう。それはベティにとってもそうだ。彼女が受けた傷では、軽いペンのようなものは持てたとしても、重たい物は持つことは出来ないだろう。
故に、私とベティは以前のような冒険者そして活動することは一生無理だ。
私にとってはくだらないことに成り下がった事件だが、私よりも若い彼女にとってはまだ心の傷をえぐり続ける事件らしい。
「そうか……まあそうだよな」
「イザベラ様が気にするようなことではありせんよ。あなたがいなければ私の腕はなくなっていたでしょうし、むしろイザベラ様には感謝しています。だから今回だって、イザベラ様たってのお願いだということで、全ての予定をキャンセルしたんですから」
あの事件以来ずっと彼女はずっとそうだ。すべて私のために尽くそうとする。私はただその場所に居合わせただけだというのに。
今はそれよりも、『私のお願い』というやつの方が気になる。私は彼女にお願いなんてした記憶がない。
だったら、そのお願いとやらはなんだというのだろう。
「どんなことかちゃんと覚えているか?」
私に記憶がないのだ。むしろ、私ではない誰かにその記憶が残っている方が不自然なぐらいだが、今回は他人の記憶に頼るほかない。
自分で言っていてもおかしな問いだとはわかるが、彼女は私の質問にはすぐさま答えてくれることだろう。
「えっと、誰かの適職検査をしてほしいと手紙を送ってくださいましたよね?」
もちろん、そんな手紙を出した記憶は私にはない。適職検査を斡旋する業者でもなければ、そんな手紙を書く必要もないし、私はただの喫茶店経営者だ。斡旋する理由がない。
「なるほど、それで私はメリーをここに連れてきたということか……」
しかし今の言葉で、概ねなぜこのような事態に陥ったのかは理解した。私がここまでメリーを連れて来ることを予見できたのはたった一人しかいない。いや事実としては正しい表現ではないだろう。――予見できた者は山の数ほどいるのかもしれない。言い直すとすれば、それを予見する必要があったのはただ一人だけだ。
それはメリーの体に憑依した自称天使、ここに私たちを送り出した存在だ。
私が納得するのと同時に、ベティも同じように納得した。
「なるほど、ケン様のお連れの方……メリー様の適職検査ですか」
今の状況を見るに、彼女にとって考えれ得ることはそれしかない。現に私はメリーをここまで連れてきてしまったのだから。
だけど、それでも私はメリーを冒険者にするつもりはない。ケンがそう望んでいないからということもあるが、犬種のそれも幼い娘に苦労多き道を歩ませることなど好ましくないからだ。
私は慌てて否定する。
「悪いがそれは違う。それはまた今度になった」
「そうなんですか?」
ベティは納得いかなそうな顔はしているものの、別段怒るようなそぶりも見せない。
「今日は役所に登録されている勇者が彼女の他にいるのかを確認したくてな」
彼女とは、言わずもがなアルタ・ロットワイラーのことだ。ベティは彼女のことあまり好きではない。だからこそ名前は口に出さないが、ベティもそれを察してくれる。
「そうなんですね……わかりました。個人情報なので、基本的にはそういったことは出来ないんですが、イザベラ様たってのお願いです。お調べしましょう」
実に無理なお願いだ。役所には役所のルールがあるのだから、それでもベティは了承してくれたみたいだ。
ベティをいいように利用することに対して、ほんの少しの罪悪感はあった。
たがしかし、私はそれを悟られないように一言だけ告げた。
「悪いな」
そんな私に対して彼女は声を一オクターブほど上げて、元気付けるように言う。
「いえいえ、もっと頼ってくださっていいんですよ。私とあなたの仲なんですから」
――結局のところ、ベティが確認できる資料の中には、アルタ以外の勇者に関する情報は存在しなかった。
役所以外で冒険者を募集しているところには、私は顔が効かない。勇者を探すには難しいだろう。
ベティは申し訳なさそうにしているが、別に彼女のせいでもない。
いないなら別にそれでもいいしな。私にとっては重要なことでもないし、ケンの仲間なんてケン自身が見つけるだろう。
「それより、メリーさんの職業調べてみませんか?」
落ち着きを取り戻したベティが突然そんな提案をする。
いや、さっきまでそんな話をしていたのだから突然というわけでもないか。しかし、話を戻した理由が気になる。――理由次第では、彼女に対する不信にもなるしな。
「どうしてだ?」
そう聞き返すと、ベティは深刻そうに尋ね返した。
「ケン様の職業についてはご存知ですか?」
どうして、それを今効くのだろうか?
「魔法使いだと聞いているが?」
「なるほど……わかりました」
ベティはそう呟くと何度か頷いた。
「なんで止めなかったんだ?」
「ケン様が魔法使いになったことですか?」
「それ以外なにがある?」
「そうですね……魔力量が尋常じゃないからです。あとは、本人の希望っていうのもありますが、やはり魔力量が多いからこそ、承認することが出来ました」
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