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第二章 ムーンライト暗殺
推しに刺さった薔薇のトゲ
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こんな時こそ、気を取り直してクロム様。
推しの近くにいるだけで、元気をもらえる。
けれど淡い紫色のシフォン生地のドレスを着た私は、翌日の勉強時間中ずっと、クロム様の態度に違和感を覚えていた。
――いつもより低い声だし、全く隙がない。もしかして、機嫌が悪いの?
「カトリーナ様、本日は以上です」
「え? もう終わり?」
「足りないなら、課題を増やしておきましょう」
「いいえ、課題は結構です! それより、クロム先生の悩みを教えてください」
「悩み? どうしてそう思われたのですか?」
「なんとなく、沈んだように見えましたので」
素直に告げると、クロム様が眉根を寄せた。
「そこまで理解しているなら、なぜ?」
「え?」
「私の幸せを尋ねたあなたが、なぜ……いえ、なんでもありません」
言葉を切って、眼鏡の位置を直すクロム様。
それだと余計気になるわ。
「クロム先生。お願い、教えてください」
手を組んで、可愛く上目遣い。
攻略対象には効果がある仕草でも、暗殺者にはどうだろう?
「はあ。カトリーナ様は、鋭いのか鈍いのか……」
――え? 結局どっちなの?
「悩み、というほどではありません。カトリーナ様は先日の歓迎会で、セイボリーのルシウス殿下と懇意にされましたね。さらに、未婚の男性ばかりを集めたお茶会を主催されたとか」
「ええ。それが何か?」
あれは、クロム様に殺されないため攻略対象の好感度を上げようとしただけだし、あの場にはクラリスもいた。推しが悩む要素は、何もないはずだ。
「カトリーナ様、人の噂は免れません。複数の男性を相手にする時は、慎重になさってください」
――もしかして私、推しに『はしたない』って思われてる?
「あの、私は別に、彼らとどうこうなるつもりはなくて……」
「責めているわけではありませんよ。カトリーナ様もお年頃ですし」
「違います! 私の気持ちは……」
クロム様だけのもの。
だけど突然こんなことを言ったら、再び距離が遠ざかるかもしれない。
思えば、『バラミラ』のヒロインであるカトリーナは、攻略対象達を追いかけ回したり、一ヶ所に集めて和気あいあいと過ごしたり。
ゲームの中では自然でも、現実では不自然だ。
「すみません。そこまで考えが至りませんでした」
「いいえ。私の方こそ、教育係として出過ぎた意見でしたね」
「いいえ、いいえ!」
推しが発する言葉なら、いつでも大歓迎!
欲を言えば、教師としてではなくクロム様個人として、私を案じてほしかった。
でもまあ、一歩前進?
クロム様もちょっとは私のことを?
にっこり笑って顔を上げると、推しはすでに退室していた。
大量の課題を残して――。
「書き取りに加えて詩の暗唱って、ちっとも楽しくないじゃない」
自分の部屋に戻った私は、泣く泣く課題に取りかかる。
文句を言いつつ夢中になって覚えたせいで、気づけば身体が強張っていた。
「うう~ん」
大きく伸びをして、何気なく窓の外を見る。
すると薔薇の花壇の前に、こちらに背中を向けて立つ黒髪の男性がいた。
「あのお姿はクロム様! 大変、急がなきゃ」
転がるように外に出た。
小走りで進む私の後を、第三国家騎士団長兼護衛のタールがついてくる。
推しが薔薇の近くにいる日は、要注意。
『バラミラ』では、ゲームのスタートからそれほど経たないうちに、教師のクロムが薔薇のトゲに刺されてしまうのだ。ヒロインがその場に偶然居合わせ、彼の手からトゲを抜く。
『クロム先生って、案外ドジだよね』
そう言って笑っていた『バラミラ』初心者のほとんどが、ものの見事に騙された。後から出てくる暗殺者の正体に、度肝を抜かれたのだ。
『クロムが暗殺者? でも、彼はカトリーナの教師でしょ? 教師が王女の命を狙う!?』
シナリオをすっ飛ばせば、好感度を上げてもカトリーナの命が危なくなるかもしれない。一見平凡でも大事なエピソードかもしれないし、推しに拘わることなら外せないし、外したくなかった。
そんなわけで、ここは非常に重要な場面だ。
だからこれは、サボりじゃなくって命懸け。
命を懸けて、薔薇のトゲを抜きに行こう!
クロム様まであとわずか。
ところが気配を察した本人が、身体を捻った。
「カトリーナ様?」
「……ク、クロム、先生。ぐ、偶、然、ですね」
脇目も振らずに駆け寄ったため、息が切れている。
「偶然とは思えませんね。いったいなんのご用……っ」
一瞬しかめた表情を、私は見逃さない。
慌てて彼に走り寄り、有無を言わさず手を掴む。
「カトリーナ様!」
護衛のタールが慌てるけれど、彼に構う暇はない。
「やっぱり。薔薇のトゲが刺さっているわ」
赤い色を帯びたトゲが、人差し指の根元に見えている。
クロム様には悪いけど、間に合って良かった。
「カトリーナ様、手をお離しください。痛みには慣れているので平気です」
「平気なわけ、ないじゃない!」
トゲの刺さった指を引っ込めさせまいと、握った手に力を入れる。次いで傷口がよく見えるように持ち直し、携帯していたピンセットを取り出した。
ゲームのヒロインは庭師に借りに行くが、現実でのチャンスは一度きり。薔薇のトゲ抜き用のピンセットを、私がつねに持ち歩いていたのはそのためだ。
「ずいぶん用意がいいんですね。ですが、この程度なら放っておいてもいい……」
「ダメよ!」
強い口調で遮った。
トゲを放置したままでいると痛むし、化膿することだってある。
何より大好きな推しには、心も身体もこれ以上傷ついてほしくない!
「カトリーナ様、それくらい自分でできます」
「動かさないで」
反論を許さず、慎重にトゲを抜く。
「……よし、終わったわ」
無事に取り除けたことに満足し、満面の笑みを浮かべた。
クロム様は指を見ながら、口元を歪めている。
「ありがとうございました。ただ、こんな痛みなど痛みのうちには入りません」
「いいえ、痛みになんて慣れないで。あなたが痛いと私がつらいわ。あなたはもっと、自分を大事にするべきよ」
「カトリーナ……様……」
推しの近くにいるだけで、元気をもらえる。
けれど淡い紫色のシフォン生地のドレスを着た私は、翌日の勉強時間中ずっと、クロム様の態度に違和感を覚えていた。
――いつもより低い声だし、全く隙がない。もしかして、機嫌が悪いの?
「カトリーナ様、本日は以上です」
「え? もう終わり?」
「足りないなら、課題を増やしておきましょう」
「いいえ、課題は結構です! それより、クロム先生の悩みを教えてください」
「悩み? どうしてそう思われたのですか?」
「なんとなく、沈んだように見えましたので」
素直に告げると、クロム様が眉根を寄せた。
「そこまで理解しているなら、なぜ?」
「え?」
「私の幸せを尋ねたあなたが、なぜ……いえ、なんでもありません」
言葉を切って、眼鏡の位置を直すクロム様。
それだと余計気になるわ。
「クロム先生。お願い、教えてください」
手を組んで、可愛く上目遣い。
攻略対象には効果がある仕草でも、暗殺者にはどうだろう?
「はあ。カトリーナ様は、鋭いのか鈍いのか……」
――え? 結局どっちなの?
「悩み、というほどではありません。カトリーナ様は先日の歓迎会で、セイボリーのルシウス殿下と懇意にされましたね。さらに、未婚の男性ばかりを集めたお茶会を主催されたとか」
「ええ。それが何か?」
あれは、クロム様に殺されないため攻略対象の好感度を上げようとしただけだし、あの場にはクラリスもいた。推しが悩む要素は、何もないはずだ。
「カトリーナ様、人の噂は免れません。複数の男性を相手にする時は、慎重になさってください」
――もしかして私、推しに『はしたない』って思われてる?
「あの、私は別に、彼らとどうこうなるつもりはなくて……」
「責めているわけではありませんよ。カトリーナ様もお年頃ですし」
「違います! 私の気持ちは……」
クロム様だけのもの。
だけど突然こんなことを言ったら、再び距離が遠ざかるかもしれない。
思えば、『バラミラ』のヒロインであるカトリーナは、攻略対象達を追いかけ回したり、一ヶ所に集めて和気あいあいと過ごしたり。
ゲームの中では自然でも、現実では不自然だ。
「すみません。そこまで考えが至りませんでした」
「いいえ。私の方こそ、教育係として出過ぎた意見でしたね」
「いいえ、いいえ!」
推しが発する言葉なら、いつでも大歓迎!
欲を言えば、教師としてではなくクロム様個人として、私を案じてほしかった。
でもまあ、一歩前進?
クロム様もちょっとは私のことを?
にっこり笑って顔を上げると、推しはすでに退室していた。
大量の課題を残して――。
「書き取りに加えて詩の暗唱って、ちっとも楽しくないじゃない」
自分の部屋に戻った私は、泣く泣く課題に取りかかる。
文句を言いつつ夢中になって覚えたせいで、気づけば身体が強張っていた。
「うう~ん」
大きく伸びをして、何気なく窓の外を見る。
すると薔薇の花壇の前に、こちらに背中を向けて立つ黒髪の男性がいた。
「あのお姿はクロム様! 大変、急がなきゃ」
転がるように外に出た。
小走りで進む私の後を、第三国家騎士団長兼護衛のタールがついてくる。
推しが薔薇の近くにいる日は、要注意。
『バラミラ』では、ゲームのスタートからそれほど経たないうちに、教師のクロムが薔薇のトゲに刺されてしまうのだ。ヒロインがその場に偶然居合わせ、彼の手からトゲを抜く。
『クロム先生って、案外ドジだよね』
そう言って笑っていた『バラミラ』初心者のほとんどが、ものの見事に騙された。後から出てくる暗殺者の正体に、度肝を抜かれたのだ。
『クロムが暗殺者? でも、彼はカトリーナの教師でしょ? 教師が王女の命を狙う!?』
シナリオをすっ飛ばせば、好感度を上げてもカトリーナの命が危なくなるかもしれない。一見平凡でも大事なエピソードかもしれないし、推しに拘わることなら外せないし、外したくなかった。
そんなわけで、ここは非常に重要な場面だ。
だからこれは、サボりじゃなくって命懸け。
命を懸けて、薔薇のトゲを抜きに行こう!
クロム様まであとわずか。
ところが気配を察した本人が、身体を捻った。
「カトリーナ様?」
「……ク、クロム、先生。ぐ、偶、然、ですね」
脇目も振らずに駆け寄ったため、息が切れている。
「偶然とは思えませんね。いったいなんのご用……っ」
一瞬しかめた表情を、私は見逃さない。
慌てて彼に走り寄り、有無を言わさず手を掴む。
「カトリーナ様!」
護衛のタールが慌てるけれど、彼に構う暇はない。
「やっぱり。薔薇のトゲが刺さっているわ」
赤い色を帯びたトゲが、人差し指の根元に見えている。
クロム様には悪いけど、間に合って良かった。
「カトリーナ様、手をお離しください。痛みには慣れているので平気です」
「平気なわけ、ないじゃない!」
トゲの刺さった指を引っ込めさせまいと、握った手に力を入れる。次いで傷口がよく見えるように持ち直し、携帯していたピンセットを取り出した。
ゲームのヒロインは庭師に借りに行くが、現実でのチャンスは一度きり。薔薇のトゲ抜き用のピンセットを、私がつねに持ち歩いていたのはそのためだ。
「ずいぶん用意がいいんですね。ですが、この程度なら放っておいてもいい……」
「ダメよ!」
強い口調で遮った。
トゲを放置したままでいると痛むし、化膿することだってある。
何より大好きな推しには、心も身体もこれ以上傷ついてほしくない!
「カトリーナ様、それくらい自分でできます」
「動かさないで」
反論を許さず、慎重にトゲを抜く。
「……よし、終わったわ」
無事に取り除けたことに満足し、満面の笑みを浮かべた。
クロム様は指を見ながら、口元を歪めている。
「ありがとうございました。ただ、こんな痛みなど痛みのうちには入りません」
「いいえ、痛みになんて慣れないで。あなたが痛いと私がつらいわ。あなたはもっと、自分を大事にするべきよ」
「カトリーナ……様……」
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