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私の人生地味じゃない!
貴方の幸せを
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話も終わったので、城内の長い廊下を歩きながらそんなことを考えている。
あと一週間――
リオネル様が王太子になると同時に、私はこの国を出発する。王太子と言えば政務で忙しいから、これまでのように気軽には会えない。
私の自慢の幼なじみは、みんなの希望になる。聡明なリオネル様なら、すぐにこの国を繁栄に導くだろう。そして将来国王として、国民みんなから愛され尊敬されるはずだ。
かつては私も、隣に立つ自分の姿を想像したものだった。リオネル様はいつだって素敵で優しかったから。
「好きだ」と言われて嬉しかった。
「僕と一緒に、これからこの国を支えていって欲しい」
その言葉を光栄に思った。
けれど私は、彼の想いに応えることができない。実の父が原因なのかもしれない【黒い陰】。私はトーマスを探し出し、真相を突き止めなくてはいけない。もし災いが父の暴走のせいだとしたら、何としてでも阻止しなければならないのだ。
私は最近、自分がこの世界に来た意味を考えている。向こうの世界で亡くなったはずの私が、ここに呼ばれた理由を。
多分それは、この世界のため。強大な魔法で狂わされた時空を、元通りにするためなんだと思う。私を何度も助けた明るい光はきっと妹で、平和を願う海梨は私をずっと見守ってくれている。私が旅に出るのは、彼女の期待に応えるためでもある。
ねえ、リオネル様。
私の大事な王子様。
貴方の気持ちに応えることはできなかったけれど、私は貴方の役に立ちたい。この国の脅威を除く手助けを、私はしたいと思う。
ちょうど彼の事を考えていたからだろうか。立太子前の忙しい時期だというのに、目の前の部屋から出てきたその人が、秘書官とリオネル王子そっくりに見える。
今日はレオンの服を仕立て直したものを着ているし、髪も短いから私だとはわからないだろう。邪魔にならないように端に寄り、彼らが通り過ぎるまでお辞儀をしてやり過ごそう。
目の前を通り過ぎるリオネル様。
これで最後かと思うと、自然と身体が震えてしまう。しばらく経って顔を上げると、戻って来た彼に突然腕を掴まれた。
「君、何で泣いているの?」
泣いている?
私は思わず自分の頬に手を当てた。
手に温かい滴が触れている。
それよりもリオネル様、どうして戻って来たの?
私は何でもないというように首を横に振った。男の子だと思われているなら、何とかやり過ごせるかもしれない。別れの挨拶は考えていなかったし、優しいこの人を最後まで煩わせるのも悪いから。
どうかこのまま放っておいて。
貴方の気持ちに応えられない自分勝手な私を、どうかそっとしておいて。
「君、ちょっとこっちへ。オットー、執務室にお茶を用意するよう頼んでおいて」
彼は秘書官に用を言い付けると、私の腕を持ったまま自分の執務室へ戻った。背後でパタンと扉の閉まる音がする。涙と顔が隠れるように下を向いた私。見られていることに気づいているから、顔を上げることができない。
「もういいよ、アレク。僕に君がわからないとでも思っていたの? 何年幼なじみをやってきたと思っているんだ」
やっぱり気付かれていたのね。私は顔を上げると、苦笑するリオネル様の碧の瞳を見つめた。溢れる涙はそのままにして。
すると突然、リオネル様が私を胸に引き寄せた。彼の手が私の髪と背中に回され、切ない声が耳朶をくすぐる。
「ああ、アレク。僕たちはどうしてこうなってしまったんだろう? 何も知らなかったあの頃に戻れたらいいのに」
私も、彼の広い背中に手を添える。
もしも前世を思い出さず、そのままの私でいられたら。そうすればきっと、貴方は今でも私の一番だった。幼い頃の私は、貴方の隣に居られればそれだけで十分だったから。ずっと変わらずいられたら、私は何の疑問も持たずに、喜んで貴方の側にいたはずだ。
けれど――
私は知ってしまった。
自分に前世があることを。
この世界の父と日本人の母の間に生まれた娘が私であるということを。
今のアレキサンドラは、いじめられた前世を受け入れて、未来を自分の力で拓くと決めている。何ができるかわからないけれど。でも、私にしかできないことがあるならば、力を尽くそうと思っている。
それが、私を受け入れてくれたこの世界に対する恩返し。この国を愛しているからこそ、ここで安穏と暮らすわけにはいかない。
決意を込めて顔を上げる。
リオネル様は私の両肩に手を置くと、少し離れてじっと見つめてきた。長い指で私の涙をすくった彼は、寂しそうに笑うとこう言った。
「泣かないでアレク。いいんだ、なんとなくわかっていたから。君が自分の父親を知って平気でいられるとは思っていなかった。困っている人を見捨てられないことくらい、予測できていたから。君に残って欲しいと思うのは、僕個人の我が儘だ。無理を言ってすまない」
そんなことはない。
我が儘なのは私の方だ。
首を横に振り、彼の言葉を否定する。
「そんな優しい君だから。僕は好きになったし、誰よりも大切に思っていた。君を困らせるくらいなら、気持ちを押し付けるのはもう止める。僕のことは気にしないで。気をつけて行っておいで」
私の大切な幼なじみは、最後まで優しかった。切り出しにくいことを自分から言い出してくれたのだ。そんな彼に何を言えばいいのだろう。どんな言葉がこんな時は相応しいの?
「リオ……ネル、様。わ……たし、は……」
泣きながら想いを言葉にしようとする。
彼を大事に思っていたこと。
かつて隣にいたいと願っていたこと。
彼の姿を一生懸命探しては、見つけた時に嬉しかったことを。
初めてのお茶会も初めてのダンスも、私の隣にはいつも彼がいた。王子様は小さな私の憧れの全て。初めての告白も初めてのキスも、全部彼からもらったものだった。リオネル様は私にとって、たった一人の大切な幼なじみだ。
言葉に出来ない分、想いを込めて彼を見つめた。
「ねぇアレク、これだけは約束して? 君のお父さんの調査が終わったら、必ずこの国に戻って来ると。その時は僕の所にも、顔を出してくれるよね」
彼の言葉に、私は頷いた。
いつかきっと。
私はこの国に戻ってきたい。
だけど、このままではいけない。最後だし、きちんとお別れの挨拶をしなければ。
「リオネル様……リオン。私も貴方が、大好きでした」
精一杯、声を絞り出す。
最後の最後で、やっと彼の愛称が呼べたような気がする。リオンは私の言葉に驚くと、少しだけ泣きそうな困った顔で言葉を続けた。
「いいなぁ、それ。いつも言っていたのに、ようやく僕を愛称で呼んでくれたんだね。これからも、僕のことはリオンでいいから。僕も……僕だけは君を、アレクと呼び続けるよ」
私は首を縦に振った。
当分近くで名前を呼べないことは、互いにわかっている。
「大好きな君に、大好きだと言ってもらえて僕は幸運だね。出発前に会えて良かった。道中気をつけて。狼達にも気をつけるんだよ?」
私は頷いた。
最後の最後まで、彼はいたわりの言葉をかけてくれる。
「僕も頑張るから。アレク、君も頑張って」
「ありがとうございます……リオン」
こんなに素晴らしい人に好きになってもらえて、私は幸せだった。リオンには絶対に、この国で幸せになって欲しい。
お茶が運ばれて来たけれど、断ることにした。このまま彼のそばにいたら、旅に出るという決心が鈍ってしまいそうだから。最後は涙ではなく、笑顔でお別れしたい。
私はリオンに向き合うと、精一杯の笑顔で淑女の礼を取った。彼もすぐにわかってくれたようで、笑って私に応じてくれた。
さよなら、私の王子様。
さよなら、幼い頃の初恋の人。
後ろ手に扉を閉めた途端、涙が後から後から溢れ出す。出てきたばかりの扉にもたれた私は、口に手を当て声を殺して泣いた。
私の方から離れるくせに、優しい彼に「さよなら」を切り出させたくせに、泣くなんて情けない。覚悟をしていたはずなのに、溢れる涙を止められない。
通り過ぎる人達が不思議そうに私を見ている。これ以上この場にいたら、邪魔になるしリオンに迷惑がかかってしまう。私は手の甲で涙を拭うと、必死に歩いて馬車に向かった。途中、廊下ですれ違う人に見られていた気もするけれど、涙で視界がぼやける私には、気にする余裕がなかった。
後悔はしていない。彼と離れ国を出ると決めたのは、私だもの。
リオン――私の大切な幼なじみの王子様。
次に会う時も、貴方は笑ってくれるだろうか? 貴方のために私が願う事は一つだけ。
ただ、貴方の幸せを――
あと一週間――
リオネル様が王太子になると同時に、私はこの国を出発する。王太子と言えば政務で忙しいから、これまでのように気軽には会えない。
私の自慢の幼なじみは、みんなの希望になる。聡明なリオネル様なら、すぐにこの国を繁栄に導くだろう。そして将来国王として、国民みんなから愛され尊敬されるはずだ。
かつては私も、隣に立つ自分の姿を想像したものだった。リオネル様はいつだって素敵で優しかったから。
「好きだ」と言われて嬉しかった。
「僕と一緒に、これからこの国を支えていって欲しい」
その言葉を光栄に思った。
けれど私は、彼の想いに応えることができない。実の父が原因なのかもしれない【黒い陰】。私はトーマスを探し出し、真相を突き止めなくてはいけない。もし災いが父の暴走のせいだとしたら、何としてでも阻止しなければならないのだ。
私は最近、自分がこの世界に来た意味を考えている。向こうの世界で亡くなったはずの私が、ここに呼ばれた理由を。
多分それは、この世界のため。強大な魔法で狂わされた時空を、元通りにするためなんだと思う。私を何度も助けた明るい光はきっと妹で、平和を願う海梨は私をずっと見守ってくれている。私が旅に出るのは、彼女の期待に応えるためでもある。
ねえ、リオネル様。
私の大事な王子様。
貴方の気持ちに応えることはできなかったけれど、私は貴方の役に立ちたい。この国の脅威を除く手助けを、私はしたいと思う。
ちょうど彼の事を考えていたからだろうか。立太子前の忙しい時期だというのに、目の前の部屋から出てきたその人が、秘書官とリオネル王子そっくりに見える。
今日はレオンの服を仕立て直したものを着ているし、髪も短いから私だとはわからないだろう。邪魔にならないように端に寄り、彼らが通り過ぎるまでお辞儀をしてやり過ごそう。
目の前を通り過ぎるリオネル様。
これで最後かと思うと、自然と身体が震えてしまう。しばらく経って顔を上げると、戻って来た彼に突然腕を掴まれた。
「君、何で泣いているの?」
泣いている?
私は思わず自分の頬に手を当てた。
手に温かい滴が触れている。
それよりもリオネル様、どうして戻って来たの?
私は何でもないというように首を横に振った。男の子だと思われているなら、何とかやり過ごせるかもしれない。別れの挨拶は考えていなかったし、優しいこの人を最後まで煩わせるのも悪いから。
どうかこのまま放っておいて。
貴方の気持ちに応えられない自分勝手な私を、どうかそっとしておいて。
「君、ちょっとこっちへ。オットー、執務室にお茶を用意するよう頼んでおいて」
彼は秘書官に用を言い付けると、私の腕を持ったまま自分の執務室へ戻った。背後でパタンと扉の閉まる音がする。涙と顔が隠れるように下を向いた私。見られていることに気づいているから、顔を上げることができない。
「もういいよ、アレク。僕に君がわからないとでも思っていたの? 何年幼なじみをやってきたと思っているんだ」
やっぱり気付かれていたのね。私は顔を上げると、苦笑するリオネル様の碧の瞳を見つめた。溢れる涙はそのままにして。
すると突然、リオネル様が私を胸に引き寄せた。彼の手が私の髪と背中に回され、切ない声が耳朶をくすぐる。
「ああ、アレク。僕たちはどうしてこうなってしまったんだろう? 何も知らなかったあの頃に戻れたらいいのに」
私も、彼の広い背中に手を添える。
もしも前世を思い出さず、そのままの私でいられたら。そうすればきっと、貴方は今でも私の一番だった。幼い頃の私は、貴方の隣に居られればそれだけで十分だったから。ずっと変わらずいられたら、私は何の疑問も持たずに、喜んで貴方の側にいたはずだ。
けれど――
私は知ってしまった。
自分に前世があることを。
この世界の父と日本人の母の間に生まれた娘が私であるということを。
今のアレキサンドラは、いじめられた前世を受け入れて、未来を自分の力で拓くと決めている。何ができるかわからないけれど。でも、私にしかできないことがあるならば、力を尽くそうと思っている。
それが、私を受け入れてくれたこの世界に対する恩返し。この国を愛しているからこそ、ここで安穏と暮らすわけにはいかない。
決意を込めて顔を上げる。
リオネル様は私の両肩に手を置くと、少し離れてじっと見つめてきた。長い指で私の涙をすくった彼は、寂しそうに笑うとこう言った。
「泣かないでアレク。いいんだ、なんとなくわかっていたから。君が自分の父親を知って平気でいられるとは思っていなかった。困っている人を見捨てられないことくらい、予測できていたから。君に残って欲しいと思うのは、僕個人の我が儘だ。無理を言ってすまない」
そんなことはない。
我が儘なのは私の方だ。
首を横に振り、彼の言葉を否定する。
「そんな優しい君だから。僕は好きになったし、誰よりも大切に思っていた。君を困らせるくらいなら、気持ちを押し付けるのはもう止める。僕のことは気にしないで。気をつけて行っておいで」
私の大切な幼なじみは、最後まで優しかった。切り出しにくいことを自分から言い出してくれたのだ。そんな彼に何を言えばいいのだろう。どんな言葉がこんな時は相応しいの?
「リオ……ネル、様。わ……たし、は……」
泣きながら想いを言葉にしようとする。
彼を大事に思っていたこと。
かつて隣にいたいと願っていたこと。
彼の姿を一生懸命探しては、見つけた時に嬉しかったことを。
初めてのお茶会も初めてのダンスも、私の隣にはいつも彼がいた。王子様は小さな私の憧れの全て。初めての告白も初めてのキスも、全部彼からもらったものだった。リオネル様は私にとって、たった一人の大切な幼なじみだ。
言葉に出来ない分、想いを込めて彼を見つめた。
「ねぇアレク、これだけは約束して? 君のお父さんの調査が終わったら、必ずこの国に戻って来ると。その時は僕の所にも、顔を出してくれるよね」
彼の言葉に、私は頷いた。
いつかきっと。
私はこの国に戻ってきたい。
だけど、このままではいけない。最後だし、きちんとお別れの挨拶をしなければ。
「リオネル様……リオン。私も貴方が、大好きでした」
精一杯、声を絞り出す。
最後の最後で、やっと彼の愛称が呼べたような気がする。リオンは私の言葉に驚くと、少しだけ泣きそうな困った顔で言葉を続けた。
「いいなぁ、それ。いつも言っていたのに、ようやく僕を愛称で呼んでくれたんだね。これからも、僕のことはリオンでいいから。僕も……僕だけは君を、アレクと呼び続けるよ」
私は首を縦に振った。
当分近くで名前を呼べないことは、互いにわかっている。
「大好きな君に、大好きだと言ってもらえて僕は幸運だね。出発前に会えて良かった。道中気をつけて。狼達にも気をつけるんだよ?」
私は頷いた。
最後の最後まで、彼はいたわりの言葉をかけてくれる。
「僕も頑張るから。アレク、君も頑張って」
「ありがとうございます……リオン」
こんなに素晴らしい人に好きになってもらえて、私は幸せだった。リオンには絶対に、この国で幸せになって欲しい。
お茶が運ばれて来たけれど、断ることにした。このまま彼のそばにいたら、旅に出るという決心が鈍ってしまいそうだから。最後は涙ではなく、笑顔でお別れしたい。
私はリオンに向き合うと、精一杯の笑顔で淑女の礼を取った。彼もすぐにわかってくれたようで、笑って私に応じてくれた。
さよなら、私の王子様。
さよなら、幼い頃の初恋の人。
後ろ手に扉を閉めた途端、涙が後から後から溢れ出す。出てきたばかりの扉にもたれた私は、口に手を当て声を殺して泣いた。
私の方から離れるくせに、優しい彼に「さよなら」を切り出させたくせに、泣くなんて情けない。覚悟をしていたはずなのに、溢れる涙を止められない。
通り過ぎる人達が不思議そうに私を見ている。これ以上この場にいたら、邪魔になるしリオンに迷惑がかかってしまう。私は手の甲で涙を拭うと、必死に歩いて馬車に向かった。途中、廊下ですれ違う人に見られていた気もするけれど、涙で視界がぼやける私には、気にする余裕がなかった。
後悔はしていない。彼と離れ国を出ると決めたのは、私だもの。
リオン――私の大切な幼なじみの王子様。
次に会う時も、貴方は笑ってくれるだろうか? 貴方のために私が願う事は一つだけ。
ただ、貴方の幸せを――
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『お妃選びは正直しんどい』発売中です♪(*´꒳`*)アルファポリス発行レジーナブックスより。
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