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私の人生地味じゃない!
明かされた真実
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私はヴォルフ。
公爵家の長男で、アレキサンドラとレオンの兄だ。心安らぐ休暇は終わった。たまった仕事をすぐに片付けないといけない。
「1週間不在にしただけで、この書類の山は何ですか? 先日の視察の報告書も、まだできていないようですが」
城を空けていた自分が一番悪いのだが、これだけの人数がいればもう少し捌けるかと思っていた。
「この書類は財務局、ここにある分は全て却下。情報局から回ってきたものを優先し、高位貴族からのくだらない誓願書は後回しにするように。報告書と未決書類で急ぎのものは今日中に片付けます!」
秘書室に悲鳴が上がるが、かまわず次々指示を出す。決裁書類も忘れず王子の執務室に持って行くよう、言付ける。
朝一番にリオネル王子に不在を詫び、休暇の礼を述べた。我が家にお越しいただいたので既にお会いしているが、仕事とプライベートとは別物だ。
突然休んで迷惑をかけた分を取り返そうと焦る。無理な要求はしていないが、部下を甘やかすつもりもない。
無表情なせいで自分が『氷の貴公子』と呼ばれ、怖がられているのは知っている。だが、誰にでも愛想良くヘラヘラする暇があるのなら、片っ端から仕事を片付ける方が効率的だ。好きでもない者にわざわざ笑いかける趣味も無い。
午後も半ばを過ぎた頃、ようやくひと息つけそうだと顔を上げた。
ちょうどリオネル様がお呼びだと言うので、控えの間を通り王子の執務室へ向かった。けれど、執務室にいたのは王子ではなく、王弟のレイモンド様だった。
「リオンには席を外してもらってるよ。君と二人だけで話したい事があるんだ」
この人はどうも苦手だ。情報局で直属の上司だった時もヘラヘラしていたが、その割に仕事は早く正確だ。表情は穏やかだが決して内面を読ませないし、普段から何を考えているのかわからない。良く言えば有能な切れ者で、悪く言えば相当な腹黒だ。
「何か。休みにしていた分の仕事が溜まっているので、サボっている暇は無いのですが」
「ふーん、そんな事を言っていいの? 君の大事なアレキサンドラちゃんに関する事なんだけど……」
一瞬ピクリと肩が揺れる。碧の瞳がじっとこちらを見ている。
「手短かにお願いします」
仕方がない。
諦めて話を聞くことにする。
レイモンド様は窓を背にした執務室の椅子に腰を下ろし、正面の椅子をすすめてきた。
デスクに肘をついて顎をのせ、真剣な表情でこちらを伺っている。
この表情の時のこの人は本気だ。納得するまで帰してもらえないだろう。何の話であろうと真実を話し、早く帰してもらうに限る。
「先ずは、妹のアレキサンドラちゃんの快癒おめでとう。元気そうで安心したよ」
「ありがとうございます」
「でね、その時の話し方がとっても気になったから内密に調べていたら、色々と興味深い事実が出てきたよ」
「!」
「君と大事な妹のアレキサンドラちゃんって、実は血が繋がっていないんだってね?」
使用人に固く口止めし、外部にも決して漏らしたことのない事実を、この人はなぜ知っているのだろうか? 両親が自分から言うとは思えないし、唯一秘密を打ち明けた国王が、意図もなく話すとは思えない。
「なぜ、そうお考えに?」
否定も肯定もせず、問いかける。
「私にかかれば素性を調べる事くらい、朝飯前だと思わないかい?」
そうだった。
この人はこう見えて情報局のトップ。決して王弟という立場に胡座をかいたりしない。疑問に思ったことはとことんまで調べ上げる。そうして、何度も我が国の危機を回避してきたのだ。
「忙しい身でそのような些末な事柄に拘う程、情報局は暇なのですか?」
「ん~~、暇っていうより純粋な興味? 唯一の生還者であり公爵令嬢である君の妹さん、随分綺麗になって大人びていたからびっくりしたよ。まあ、以前から変わってるし歳の割には頭の良い子だと思っていたよ? でも、12歳からずっと眠ってたって割にはしっかりしてるし元気じゃない」
「何がおっしゃりたいんですか?」
「だからね、君と全然似てない理由は何かな~って。歳の割に大人びているのはどうしてなのか気になって」
「何がお聞きになりたいんですか?」
観念する。
こうなったこの人は、誰にも止められない。
「さすがヴォルフ。私のことをよく理解しているね」
ニコニコ続ける。
「調べ上げてはいるから、あとは確認だけかな? 事件につながることは、全て洗っておきたいし。それに、さっきも言ったように賢い子は私も嫌いじゃないよ?」
昔、妹に『氷温ブリザード』と言ってからかわれていた視線を、レイモンド様にぶつけて睨みつける。どこまで本気でどこまで冗談かはわからないけれど、アリィに手を出したらただではおかない。
「そんなに怖い顔をしなくても、今すぐどうこうしようとは思わない。君の言うようにそんな暇はないし。協力してくれたら、確認作業も早く終わるしね?」
両親の許可は取っていないが、レイモンド様が「調べ上げている」と言うのなら、文字通りの意味だ。隠せるものでもない。
国王にはとっく報告していた事だし、時が来れば明かすはずのことだった。ただ、妹のためにはもう少し秘密にしておきたかった。
レイモンド様がすぐに事実を漏らすとは思えない。しかし彼は、目的のためには手段を選ばない。彼が『必要』と判断すれば、それは秘密でも何でもなくなってしまう。
結論から言えば、確かに私と妹のアレキサンドラとは血が繋がっていない。
私はグリエール公爵夫妻の正式な嫡男で、唯一の血縁者だ。
そう言うと、目の前の彼は首肯した。
「君とマリーはそっくりだけど、アレキサンドラちゃんは君達家族の誰にも似ていないからね。むしろ、レオン君の方が君に似ているよ。まあ、あのアドルフが浮気をするとは思えないけれど」
「まったく同感です。父はああ見えて母を溺愛していますから。疑われることすら厭うでしょう」
「そうだね。義弟のレオン君が養子というのは誰もが知っていて正式に認められた事だけど。では、アレキサンドラちゃんが公爵家の実子として育てられていたのはなぜ?」
「調べ上げているなら、とっくにご存知でしょう。母のマリアンヌは私を出産する際、無理が祟って生死の境を彷徨いました。幸い母子ともに命の危険は無くなりましたが、それ以来二度と子どもの産めない身体になりました」
「関係者からその話は聞いてるよ」
「そうですか。でしたら話は早い。そんなわけで母は出産後も体調が思わしくなく、『自分は二度と子どもが産めない。愛人を持ってはどうか』と父に勧めました。」
「……無理だろうね」
「ええ。父は息子の私から見ても恥ずかしいくらいに母を愛していますから。当然、母もです。だからこそ、もう子どもを残せない自分を責めた」
「伝統ある公爵家に嫡子1人だけでは心許ないというんだね?」
「ええ。二人は相当悩み苦しんだようです」
「だろうね」
「そんな時でした。産まれたばかりの赤子を預かって欲しいと、父の昔の親友から連絡があったのは」
「でも、私が調べた限りではこの国の出生記録にアレキサンドラ嬢やその両親に該当する記載が見当たらないんだよね」
「当然です。父の親友というのは、別の国の者でしたから」
「……それは知らなかった。で、その国は? お父さんの親友というのは?」
「魔導の国、リンデルの者とだけ。詳しくは知りませんので父に聞いて下さい。国外に頻繁に訪れていた父は、赤子を預かり我が国に連れ帰り、自分達の子として育てる決意をしました。それが、親友のたっての望みでもあったからだそうです」
「君の他には誰が知っているの?」
「国王陛下と両親、あとは一部の古参の使用人です」
「そう。妹さん自身も知らないんだね? 君やご両親の事を本当の家族だと思って慕っている」
「そうですね。きっと気づいていないでしょう。ですが、16歳で成人したら正式に話をしようと考えていました」
「ふ~ん。みんなよっぽど彼女のことを大事にして可愛がっていたんだねぇ」
「はい。今回の事もですが、2歳くらいの時にも高熱を出して死にかけた事がありましたから」
「そうだってね? 何ごとも無くて良かったけど。前にも死にかけたからなのかな? 黒い陰から戻って来られたのは」
「さあ、どうでしょう。……ところで、もうよろしいでしょうか。 残して来た仕事が気になりますので」
「こちらの仕事も手伝って欲しいけれどね。君がいなくなって寂しいよ」
「ご冗談を。貴方ならお一人ですぐに処理できるでしょう」
「ふふ、相変わらずヴォルフは手厳しいね」
「ええ。以前の上司にそう教えられましたから」
扉に手をかけ退室しようとしたところを引き止められる。
「最後に一つだけ。君は成長したアレキサンドラちゃんのことを、ちゃんと妹として見ているの?」
「それは、調査には関係のないことでしょう?」
私は振り返り、元上司を一瞥した後立ち去った。
公爵家の長男で、アレキサンドラとレオンの兄だ。心安らぐ休暇は終わった。たまった仕事をすぐに片付けないといけない。
「1週間不在にしただけで、この書類の山は何ですか? 先日の視察の報告書も、まだできていないようですが」
城を空けていた自分が一番悪いのだが、これだけの人数がいればもう少し捌けるかと思っていた。
「この書類は財務局、ここにある分は全て却下。情報局から回ってきたものを優先し、高位貴族からのくだらない誓願書は後回しにするように。報告書と未決書類で急ぎのものは今日中に片付けます!」
秘書室に悲鳴が上がるが、かまわず次々指示を出す。決裁書類も忘れず王子の執務室に持って行くよう、言付ける。
朝一番にリオネル王子に不在を詫び、休暇の礼を述べた。我が家にお越しいただいたので既にお会いしているが、仕事とプライベートとは別物だ。
突然休んで迷惑をかけた分を取り返そうと焦る。無理な要求はしていないが、部下を甘やかすつもりもない。
無表情なせいで自分が『氷の貴公子』と呼ばれ、怖がられているのは知っている。だが、誰にでも愛想良くヘラヘラする暇があるのなら、片っ端から仕事を片付ける方が効率的だ。好きでもない者にわざわざ笑いかける趣味も無い。
午後も半ばを過ぎた頃、ようやくひと息つけそうだと顔を上げた。
ちょうどリオネル様がお呼びだと言うので、控えの間を通り王子の執務室へ向かった。けれど、執務室にいたのは王子ではなく、王弟のレイモンド様だった。
「リオンには席を外してもらってるよ。君と二人だけで話したい事があるんだ」
この人はどうも苦手だ。情報局で直属の上司だった時もヘラヘラしていたが、その割に仕事は早く正確だ。表情は穏やかだが決して内面を読ませないし、普段から何を考えているのかわからない。良く言えば有能な切れ者で、悪く言えば相当な腹黒だ。
「何か。休みにしていた分の仕事が溜まっているので、サボっている暇は無いのですが」
「ふーん、そんな事を言っていいの? 君の大事なアレキサンドラちゃんに関する事なんだけど……」
一瞬ピクリと肩が揺れる。碧の瞳がじっとこちらを見ている。
「手短かにお願いします」
仕方がない。
諦めて話を聞くことにする。
レイモンド様は窓を背にした執務室の椅子に腰を下ろし、正面の椅子をすすめてきた。
デスクに肘をついて顎をのせ、真剣な表情でこちらを伺っている。
この表情の時のこの人は本気だ。納得するまで帰してもらえないだろう。何の話であろうと真実を話し、早く帰してもらうに限る。
「先ずは、妹のアレキサンドラちゃんの快癒おめでとう。元気そうで安心したよ」
「ありがとうございます」
「でね、その時の話し方がとっても気になったから内密に調べていたら、色々と興味深い事実が出てきたよ」
「!」
「君と大事な妹のアレキサンドラちゃんって、実は血が繋がっていないんだってね?」
使用人に固く口止めし、外部にも決して漏らしたことのない事実を、この人はなぜ知っているのだろうか? 両親が自分から言うとは思えないし、唯一秘密を打ち明けた国王が、意図もなく話すとは思えない。
「なぜ、そうお考えに?」
否定も肯定もせず、問いかける。
「私にかかれば素性を調べる事くらい、朝飯前だと思わないかい?」
そうだった。
この人はこう見えて情報局のトップ。決して王弟という立場に胡座をかいたりしない。疑問に思ったことはとことんまで調べ上げる。そうして、何度も我が国の危機を回避してきたのだ。
「忙しい身でそのような些末な事柄に拘う程、情報局は暇なのですか?」
「ん~~、暇っていうより純粋な興味? 唯一の生還者であり公爵令嬢である君の妹さん、随分綺麗になって大人びていたからびっくりしたよ。まあ、以前から変わってるし歳の割には頭の良い子だと思っていたよ? でも、12歳からずっと眠ってたって割にはしっかりしてるし元気じゃない」
「何がおっしゃりたいんですか?」
「だからね、君と全然似てない理由は何かな~って。歳の割に大人びているのはどうしてなのか気になって」
「何がお聞きになりたいんですか?」
観念する。
こうなったこの人は、誰にも止められない。
「さすがヴォルフ。私のことをよく理解しているね」
ニコニコ続ける。
「調べ上げてはいるから、あとは確認だけかな? 事件につながることは、全て洗っておきたいし。それに、さっきも言ったように賢い子は私も嫌いじゃないよ?」
昔、妹に『氷温ブリザード』と言ってからかわれていた視線を、レイモンド様にぶつけて睨みつける。どこまで本気でどこまで冗談かはわからないけれど、アリィに手を出したらただではおかない。
「そんなに怖い顔をしなくても、今すぐどうこうしようとは思わない。君の言うようにそんな暇はないし。協力してくれたら、確認作業も早く終わるしね?」
両親の許可は取っていないが、レイモンド様が「調べ上げている」と言うのなら、文字通りの意味だ。隠せるものでもない。
国王にはとっく報告していた事だし、時が来れば明かすはずのことだった。ただ、妹のためにはもう少し秘密にしておきたかった。
レイモンド様がすぐに事実を漏らすとは思えない。しかし彼は、目的のためには手段を選ばない。彼が『必要』と判断すれば、それは秘密でも何でもなくなってしまう。
結論から言えば、確かに私と妹のアレキサンドラとは血が繋がっていない。
私はグリエール公爵夫妻の正式な嫡男で、唯一の血縁者だ。
そう言うと、目の前の彼は首肯した。
「君とマリーはそっくりだけど、アレキサンドラちゃんは君達家族の誰にも似ていないからね。むしろ、レオン君の方が君に似ているよ。まあ、あのアドルフが浮気をするとは思えないけれど」
「まったく同感です。父はああ見えて母を溺愛していますから。疑われることすら厭うでしょう」
「そうだね。義弟のレオン君が養子というのは誰もが知っていて正式に認められた事だけど。では、アレキサンドラちゃんが公爵家の実子として育てられていたのはなぜ?」
「調べ上げているなら、とっくにご存知でしょう。母のマリアンヌは私を出産する際、無理が祟って生死の境を彷徨いました。幸い母子ともに命の危険は無くなりましたが、それ以来二度と子どもの産めない身体になりました」
「関係者からその話は聞いてるよ」
「そうですか。でしたら話は早い。そんなわけで母は出産後も体調が思わしくなく、『自分は二度と子どもが産めない。愛人を持ってはどうか』と父に勧めました。」
「……無理だろうね」
「ええ。父は息子の私から見ても恥ずかしいくらいに母を愛していますから。当然、母もです。だからこそ、もう子どもを残せない自分を責めた」
「伝統ある公爵家に嫡子1人だけでは心許ないというんだね?」
「ええ。二人は相当悩み苦しんだようです」
「だろうね」
「そんな時でした。産まれたばかりの赤子を預かって欲しいと、父の昔の親友から連絡があったのは」
「でも、私が調べた限りではこの国の出生記録にアレキサンドラ嬢やその両親に該当する記載が見当たらないんだよね」
「当然です。父の親友というのは、別の国の者でしたから」
「……それは知らなかった。で、その国は? お父さんの親友というのは?」
「魔導の国、リンデルの者とだけ。詳しくは知りませんので父に聞いて下さい。国外に頻繁に訪れていた父は、赤子を預かり我が国に連れ帰り、自分達の子として育てる決意をしました。それが、親友のたっての望みでもあったからだそうです」
「君の他には誰が知っているの?」
「国王陛下と両親、あとは一部の古参の使用人です」
「そう。妹さん自身も知らないんだね? 君やご両親の事を本当の家族だと思って慕っている」
「そうですね。きっと気づいていないでしょう。ですが、16歳で成人したら正式に話をしようと考えていました」
「ふ~ん。みんなよっぽど彼女のことを大事にして可愛がっていたんだねぇ」
「はい。今回の事もですが、2歳くらいの時にも高熱を出して死にかけた事がありましたから」
「そうだってね? 何ごとも無くて良かったけど。前にも死にかけたからなのかな? 黒い陰から戻って来られたのは」
「さあ、どうでしょう。……ところで、もうよろしいでしょうか。 残して来た仕事が気になりますので」
「こちらの仕事も手伝って欲しいけれどね。君がいなくなって寂しいよ」
「ご冗談を。貴方ならお一人ですぐに処理できるでしょう」
「ふふ、相変わらずヴォルフは手厳しいね」
「ええ。以前の上司にそう教えられましたから」
扉に手をかけ退室しようとしたところを引き止められる。
「最後に一つだけ。君は成長したアレキサンドラちゃんのことを、ちゃんと妹として見ているの?」
「それは、調査には関係のないことでしょう?」
私は振り返り、元上司を一瞥した後立ち去った。
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『お妃選びは正直しんどい』発売中です♪(*´꒳`*)アルファポリス発行レジーナブックスより。
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