78 / 85
虹の世界
後夜祭6
しおりを挟む
「次は僕だよ。早く変わってよぉ」
曲が終わると同時に近づいて来た黄が、可愛く拗ねている。三曲連続だったから、そろそろ休もうと思っていたんだけど……
昔から私は、黄のおねだりに弱い。それに、アイドルより可愛い黄と踊れるなんて、こんな機会は二度とないかもしれない。橙也に膝を折って挨拶した私は、黄の腕を取った。
黄はえんじ色のタキシードにチェックのジレを合わせている。天使のような顔立ちに合うせいか、派手に見えず上品に感じる。
「もう、紫ちゃんたら。人気でなかなか順番が回ってこないんだもん。嫌になっちゃう」
「黄こそ、お誘いが途切れなかったみたいなのに。こっちに来て平気なの?」
「もちろん。僕は紫ちゃんが好きだからね」
「ありがとう、私も黄が大好きだよ」
踊りながらでも、余裕で話せるようになってきた。黄は甘えん坊で寂しがり屋さんだから、一つ上の私を姉と慕っているのだろう。小さかった黄も、今の私とは目線がほぼ一緒だ。ヒールを履いている分、私の方が少し背が高いかな? でもそのうちきっと、ヒールを履いていても見下ろされてしまうんだろうな。
「すごく綺麗なドレスだね。髪飾りも可愛いし。ねえ知ってる? 男が服をプレゼントするのは、脱がせたいからなんだって」
「なっ……」
思わず足がもつれてしまう。
可愛い顔して何てことを言い出すの、この子は!
「そ、それは一般的な意見でしょう? もしくは恋人同士とか」
「そうだね。でも、そのドレスって紅からでしょう? 兄さんとはまだ恋人同士じゃないの? だったらチャンスはあるのかな」
「こ……恋人って。さっき告白したばかり……ゴホンゴホン」
咳ばらいをしてごまかした。
それにチャンスって……まさか!
「黄、さすがはオシャレさんだね。そんなにこのドレスが気になるなら、いつでも貸してあげるよ? まあ、黄なら私より断然可愛く着こなせるだろうけど……って、言ってて悲しくなってきた」
「何だよ、それ。聞いてる僕が悲しいよ。もう、紫ちゃんたら。全然わかってないんだから!」
黄がぷうっと頬を膨らませる。
小動物みたいでとっても可愛いけれど、私がわかってないってどういうこと? 今ってドレスの話しかしていなかったよね?
黄までそんなことを言うなんて。
まるで私が本当に鈍いみたいじゃない!
曲が終わった。
ようやく休憩できると軽食の方に向かうと、ラベンダー色の塊が突進してきた。
「紫記様! ……いえ、紫さん……ああ、やっぱり紫記様の方が呼びやすいわ。踊って下さいな」
私は驚いた。
だって誘ってきたのは女の子の桃華だったから。ふんわりしたラベンダー色のプリンセスドレスは、柔らかい雰囲気の彼女にとてもよく似合っている。艶やかな茶色の髪は大きなリボンで後ろに結い上げられ、ドレスとお揃いのラベンダー色の薔薇の髪留めで固定されていた。
「ええっと花澤さん、いいの? 私もこの格好だし一応女性なんだけど」
「もちろんです。だって、ダンスのレッスンでは、結局ご一緒できませんでしたもの」
「そうだけど。変な目で見られることになるかもよ?」
「構いませんわ。さっきも言いましたけど、私、綺麗な人や物が好きなんです。紫記様は紫記様で、他の誰でもないでしょう?」
桃華の言葉に、私は思わず泣きそうになってしまった。さすがはゲーム世界のヒロインだ。こっちの世界でも、彼女はとてもいい子だった。私のことを綺麗だと褒めてくれたし、さっきも庇う発言をしてくれた。彼女のはっきりした考え方には、私の方が圧倒されてしまう。
「ありがとう。そういうことなら喜んで。男性パートなら任せて」
「嬉しい! よろしくお願いします」
「こちらこそよろしくね」
薔薇色に頬を染めて満面の笑みを浮かべる桃華に、私も笑みを返した。
危ない危ない。
私がもし紅を好きじゃなかったら、今ので完全に桃華に落ちていたかもしれない。それぐらい、彼女は優しく可愛らしい。
「いつから気づいていたの?」
踊りながら桃華に聞いてみる。
男性パートの方はレッスンで何度も踊っていたから、考えなくても自然に身体が動く。
「確信したのはついさっきですけれど。でも、普段からむきになる紅輝様を見て、ちょっとあれ? とは思っていました」
彼女は私の質問に素直に答えてくれる。こんなにいい子を騙していたなんて、非常に申し訳ない。けれど、紅がむきになっていたなんて、全然記憶にない。桃華は紫記だった私に告白したこと、後悔したり恨んだりしてないのかな?
そう聞くと、彼女は笑った。
「いいえ。断られたのが私のせいじゃないんだってわかりましたもの。私しつこいんですよ。簡単には諦めませんから」
「ええっと……でもそれ、女の子だとわかる前の話だよね」
「どうしてですか? 男性でも女性でも、好きなものは好きなんです」
うーん、嬉しいような嬉しくないような。ってことは、まさか桃華は男女両方OKってこと? ヒロインとして、それはさすがにまずいんじゃあ。
ああ、そうか。ゲームじゃないからヒロイン関係なかったか。それなら桃華は、プラトニックな友人関係を望む博愛主義者ってことで合っているよね?
曲が終わったので、私は桃華にお辞儀をした。
「ありがとう。おかげで楽しかったよ」
「ふふふ、お楽しみはこれからですわ」
いいんだけど桃華ちゃん、それって悪役のセリフじゃあ……
鈍いと匂わされなかったことに気をよくした私は、今度こそ休憩するため軽食コーナーを目指す。そこにはさっきからずっと、黒に近い藍色の髪の人物が立っていた。
背の高い彼は黒のタキシードを見事に着こなし、後姿もスマートだ。手からお皿を離さず、ずっと食べている割には太らないって羨ましい。
「藍……」
呼びかけようとして止めた。
彼はさっき、みんなの前で一番最初に応援してくれた。でも本心ではもう、私とは関わりたくないかもしれない。
別の所に行こうとしたら、振り向いた藍人と目が合った。すると、私を認めた彼が人のいい笑顔で話しかけてくる。
「紅輝の彼女さんですよね。貴女も食事をしに来たんですか? 俺のお薦めはホーレン草とキノコのキッシュです。美味しかったですよ」
ちょっと待った。
藍人、何で敬語?
すごく他人行儀なんだけど。
やっぱり私とは、話したくないの?
思わず泣けてきてしまう。
「ど、どうしたんですか? そんな潤んだ目で……あ、目が痛いとか。紫の瞳は光に弱いのかな? 困ったな、その色ってもう一人くらいしか知らないんだけど。さっきから探してるんだけど、まだ来てないみたいなんですよね」
――ん?
「そういえば、貴女は彼に似ていますね。ああ、もちろん貴女の方が何倍もお綺麗です。胸も大き……ひょっとして、紫記のお姉さんですか? 苗字も同じだし、今まで三年のクラスにいたとか」
もしかして、だけど。
藍人ってば、私のことがわかってないの?
曲が終わると同時に近づいて来た黄が、可愛く拗ねている。三曲連続だったから、そろそろ休もうと思っていたんだけど……
昔から私は、黄のおねだりに弱い。それに、アイドルより可愛い黄と踊れるなんて、こんな機会は二度とないかもしれない。橙也に膝を折って挨拶した私は、黄の腕を取った。
黄はえんじ色のタキシードにチェックのジレを合わせている。天使のような顔立ちに合うせいか、派手に見えず上品に感じる。
「もう、紫ちゃんたら。人気でなかなか順番が回ってこないんだもん。嫌になっちゃう」
「黄こそ、お誘いが途切れなかったみたいなのに。こっちに来て平気なの?」
「もちろん。僕は紫ちゃんが好きだからね」
「ありがとう、私も黄が大好きだよ」
踊りながらでも、余裕で話せるようになってきた。黄は甘えん坊で寂しがり屋さんだから、一つ上の私を姉と慕っているのだろう。小さかった黄も、今の私とは目線がほぼ一緒だ。ヒールを履いている分、私の方が少し背が高いかな? でもそのうちきっと、ヒールを履いていても見下ろされてしまうんだろうな。
「すごく綺麗なドレスだね。髪飾りも可愛いし。ねえ知ってる? 男が服をプレゼントするのは、脱がせたいからなんだって」
「なっ……」
思わず足がもつれてしまう。
可愛い顔して何てことを言い出すの、この子は!
「そ、それは一般的な意見でしょう? もしくは恋人同士とか」
「そうだね。でも、そのドレスって紅からでしょう? 兄さんとはまだ恋人同士じゃないの? だったらチャンスはあるのかな」
「こ……恋人って。さっき告白したばかり……ゴホンゴホン」
咳ばらいをしてごまかした。
それにチャンスって……まさか!
「黄、さすがはオシャレさんだね。そんなにこのドレスが気になるなら、いつでも貸してあげるよ? まあ、黄なら私より断然可愛く着こなせるだろうけど……って、言ってて悲しくなってきた」
「何だよ、それ。聞いてる僕が悲しいよ。もう、紫ちゃんたら。全然わかってないんだから!」
黄がぷうっと頬を膨らませる。
小動物みたいでとっても可愛いけれど、私がわかってないってどういうこと? 今ってドレスの話しかしていなかったよね?
黄までそんなことを言うなんて。
まるで私が本当に鈍いみたいじゃない!
曲が終わった。
ようやく休憩できると軽食の方に向かうと、ラベンダー色の塊が突進してきた。
「紫記様! ……いえ、紫さん……ああ、やっぱり紫記様の方が呼びやすいわ。踊って下さいな」
私は驚いた。
だって誘ってきたのは女の子の桃華だったから。ふんわりしたラベンダー色のプリンセスドレスは、柔らかい雰囲気の彼女にとてもよく似合っている。艶やかな茶色の髪は大きなリボンで後ろに結い上げられ、ドレスとお揃いのラベンダー色の薔薇の髪留めで固定されていた。
「ええっと花澤さん、いいの? 私もこの格好だし一応女性なんだけど」
「もちろんです。だって、ダンスのレッスンでは、結局ご一緒できませんでしたもの」
「そうだけど。変な目で見られることになるかもよ?」
「構いませんわ。さっきも言いましたけど、私、綺麗な人や物が好きなんです。紫記様は紫記様で、他の誰でもないでしょう?」
桃華の言葉に、私は思わず泣きそうになってしまった。さすがはゲーム世界のヒロインだ。こっちの世界でも、彼女はとてもいい子だった。私のことを綺麗だと褒めてくれたし、さっきも庇う発言をしてくれた。彼女のはっきりした考え方には、私の方が圧倒されてしまう。
「ありがとう。そういうことなら喜んで。男性パートなら任せて」
「嬉しい! よろしくお願いします」
「こちらこそよろしくね」
薔薇色に頬を染めて満面の笑みを浮かべる桃華に、私も笑みを返した。
危ない危ない。
私がもし紅を好きじゃなかったら、今ので完全に桃華に落ちていたかもしれない。それぐらい、彼女は優しく可愛らしい。
「いつから気づいていたの?」
踊りながら桃華に聞いてみる。
男性パートの方はレッスンで何度も踊っていたから、考えなくても自然に身体が動く。
「確信したのはついさっきですけれど。でも、普段からむきになる紅輝様を見て、ちょっとあれ? とは思っていました」
彼女は私の質問に素直に答えてくれる。こんなにいい子を騙していたなんて、非常に申し訳ない。けれど、紅がむきになっていたなんて、全然記憶にない。桃華は紫記だった私に告白したこと、後悔したり恨んだりしてないのかな?
そう聞くと、彼女は笑った。
「いいえ。断られたのが私のせいじゃないんだってわかりましたもの。私しつこいんですよ。簡単には諦めませんから」
「ええっと……でもそれ、女の子だとわかる前の話だよね」
「どうしてですか? 男性でも女性でも、好きなものは好きなんです」
うーん、嬉しいような嬉しくないような。ってことは、まさか桃華は男女両方OKってこと? ヒロインとして、それはさすがにまずいんじゃあ。
ああ、そうか。ゲームじゃないからヒロイン関係なかったか。それなら桃華は、プラトニックな友人関係を望む博愛主義者ってことで合っているよね?
曲が終わったので、私は桃華にお辞儀をした。
「ありがとう。おかげで楽しかったよ」
「ふふふ、お楽しみはこれからですわ」
いいんだけど桃華ちゃん、それって悪役のセリフじゃあ……
鈍いと匂わされなかったことに気をよくした私は、今度こそ休憩するため軽食コーナーを目指す。そこにはさっきからずっと、黒に近い藍色の髪の人物が立っていた。
背の高い彼は黒のタキシードを見事に着こなし、後姿もスマートだ。手からお皿を離さず、ずっと食べている割には太らないって羨ましい。
「藍……」
呼びかけようとして止めた。
彼はさっき、みんなの前で一番最初に応援してくれた。でも本心ではもう、私とは関わりたくないかもしれない。
別の所に行こうとしたら、振り向いた藍人と目が合った。すると、私を認めた彼が人のいい笑顔で話しかけてくる。
「紅輝の彼女さんですよね。貴女も食事をしに来たんですか? 俺のお薦めはホーレン草とキノコのキッシュです。美味しかったですよ」
ちょっと待った。
藍人、何で敬語?
すごく他人行儀なんだけど。
やっぱり私とは、話したくないの?
思わず泣けてきてしまう。
「ど、どうしたんですか? そんな潤んだ目で……あ、目が痛いとか。紫の瞳は光に弱いのかな? 困ったな、その色ってもう一人くらいしか知らないんだけど。さっきから探してるんだけど、まだ来てないみたいなんですよね」
――ん?
「そういえば、貴女は彼に似ていますね。ああ、もちろん貴女の方が何倍もお綺麗です。胸も大き……ひょっとして、紫記のお姉さんですか? 苗字も同じだし、今まで三年のクラスにいたとか」
もしかして、だけど。
藍人ってば、私のことがわかってないの?
0
『綺麗になるから見てなさいっ!』(*´꒳`*)アルファポリス発行レジーナブックス。書店、通販にて好評発売中です。
お気に入りに追加
1,845
あなたにおすすめの小説

〖完結〗では、婚約解消いたしましょう。
藍川みいな
恋愛
三年婚約しているオリバー殿下は、最近別の女性とばかり一緒にいる。
学園で行われる年に一度のダンスパーティーにも、私ではなくセシリー様を誘っていた。まるで二人が婚約者同士のように思える。
そのダンスパーティーで、オリバー殿下は私を責め、婚約を考え直すと言い出した。
それなら、婚約を解消いたしましょう。
そしてすぐに、婚約者に立候補したいという人が現れて……!?
設定ゆるゆるの、架空の世界のお話しです。

[完結]思い出せませんので
シマ
恋愛
「早急にサインして返却する事」
父親から届いた手紙には婚約解消の書類と共に、その一言だけが書かれていた。
同じ学園で学び一年後には卒業早々、入籍し式を挙げるはずだったのに。急になぜ?訳が分からない。
直接会って訳を聞かねば
注)女性が怪我してます。苦手な方は回避でお願いします。
男性視点
四話完結済み。毎日、一話更新

悪役令嬢が美形すぎるせいで話が進まない
陽炎氷柱
恋愛
「傾国の美女になってしまったんだが」
デブス系悪役令嬢に生まれた私は、とにかく美しい悪の華になろうとがんばった。賢くて美しい令嬢なら、だとえ断罪されてもまだ未来がある。
そう思って、前世の知識を活用してダイエットに励んだのだが。
いつの間にかパトロンが大量発生していた。
ところでヒロインさん、そんなにハンカチを強く嚙んだら歯並びが悪くなりますよ?

〖完結〗その子は私の子ではありません。どうぞ、平民の愛人とお幸せに。
藍川みいな
恋愛
愛する人と結婚した…はずだった……
結婚式を終えて帰る途中、見知らぬ男達に襲われた。
ジュラン様を庇い、顔に傷痕が残ってしまった私を、彼は醜いと言い放った。それだけではなく、彼の子を身篭った愛人を連れて来て、彼女が産む子を私達の子として育てると言い出した。
愛していた彼の本性を知った私は、復讐する決意をする。決してあなたの思い通りになんてさせない。
*設定ゆるゆるの、架空の世界のお話です。
*全16話で完結になります。
*番外編、追加しました。
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。

【完結】殿下、自由にさせていただきます。
なか
恋愛
「出て行ってくれリルレット。王宮に君が住む必要はなくなった」
その言葉と同時に私の五年間に及ぶ初恋は終わりを告げた。
アルフレッド殿下の妃候補として選ばれ、心の底から喜んでいた私はもういない。
髪を綺麗だと言ってくれた口からは、私を貶める言葉しか出てこない。
見惚れてしまう程の笑みは、もう見せてもくれない。
私………貴方に嫌われた理由が分からないよ。
初夜を私一人だけにしたあの日から、貴方はどうして変わってしまったの?
恋心は砕かれた私は死さえ考えたが、過去に見知らぬ男性から渡された本をきっかけに騎士を目指す。
しかし、正騎士団は女人禁制。
故に私は男性と性別を偽って生きていく事を決めたのに……。
晴れて騎士となった私を待っていたのは、全てを見抜いて笑う副団長であった。
身分を明かせない私は、全てを知っている彼と秘密の恋をする事になる。
そして、騎士として王宮内で起きた変死事件やアルフレッドの奇行に大きく関わり、やがて王宮に蔓延る謎と対峙する。
これは、私の初恋が終わり。
僕として新たな人生を歩みだした話。

【完結】ずっと、ずっとあなたを愛していました 〜後悔も、懺悔も今更いりません〜
高瀬船
恋愛
リスティアナ・メイブルムには二歳年上の婚約者が居る。
婚約者は、国の王太子で穏やかで優しく、婚約は王命ではあったが仲睦まじく関係を築けていた。
それなのに、突然ある日婚約者である王太子からは土下座をされ、婚約を解消して欲しいと願われる。
何故、そんな事に。
優しく微笑むその笑顔を向ける先は確かに自分に向けられていたのに。
婚約者として確かに大切にされていたのに何故こうなってしまったのか。
リスティアナの思いとは裏腹に、ある時期からリスティアナに悪い噂が立ち始める。
悪い噂が立つ事など何もしていないのにも関わらず、リスティアナは次第に学園で、夜会で、孤立していく。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる