64 / 85
近くて遠い人
キスと告白
しおりを挟む
紅は私の頬に両手を添えると、瞼や頬、鼻の頭に次々キスを落としていった。大切だと言うように、慈しむように。少しくすぐったいけれど、軽く啄むようなキスは心地いい。愛しさで胸の奥がジンと熱くなるような気がした。
優しいあなたが好き。
ほんの少し意地悪なあなたも。
笑顔も困った表情も全てを近くで見ていたい。今だけでなくこれからもずっと。
紅は? 私のことをどう思っている?
目を開けると、彼の目が嬉しそうに細められるのが見えた。その表情に途端に胸が苦しくなる。普段見慣れているはずなのに、胸の鼓動が止まらない。ああもうっ、カッコよすぎるでしょ!
羽のようなキスが再び唇に落とされる。紅はそのまま、更にキスを深めてこようとした。
「ま、ま待って。まだ早いから」
胸に手を当て押しのけると、私は慌てて横を向いた。自分の顔が熱くなっているのがわかる。頬っぺたに両手を当てて深呼吸。恥ずかしくって、まともに顔が見られない。
慣れている紅と違って私は初心者だ。
それに、思わず流されてしまったけれど、まだ好きだって言ってないよね?
「早い? もう十分待ったけど」
待ったって……
寝てる間もキスしてたんなら、全然待っていないんじゃあ? あと私、まだ好きだって言ってないし聞いていない。
それなのに、こんなことって。
ついジトっと紅を見てしまう。
「そんな目で見るな。我慢できなくなるだろう?」
「我慢って何の? 紅って我慢してまで欲しいものなんてなかったよね」
紅は何にも執着しない。
だから私が告白を断った時も、あっさり引いていた。その後冷たくされたけど、私のしたことを考えれば当然の結果だと思う。
「ある。俺はお前の心が欲しい」
そう言って真剣な目で私を見るから、一瞬キュッと心臓を掴まれたような感じがした。でも、今までの諸々を考えたら、素直に信じることはできない。
「嘘! だって以前彼女がいたでしょう? 次々代わっていたのも知ってるよ」
「彼女? 彼女なんて作った覚えはない」
「だって、夜出かけてたし、家で女子大生といちゃついてたし」
昔から三兄弟はモテていた。
特に紅は、小学生の頃からひっきりなしに告白されていた。中学生の時は女生徒が家まで押しかけたり、女子大生と部屋でいちゃついていたり。だから私は早々に、彼らの女性関係を考えないようにしてきたのだ。いずれヒロインに会えば更生されると、そう思って。
紅は当時を思い出すように、額に片手を当てて言葉を発した。
「あれは夜、語学学校に通っていたからだ。家庭教師の女が絡んでくるから、スクールに切り替えた」
「……え?」
「確かに、妬かせたかったのもある。特に断らなかったのはそのためだ。まあお前は、大して動じてくれなかったようだが?」
「私?」
そ、そうだっけ。夜出かけていたのは、チャラチャラ遊んでいたからじゃなかったの?
それなら、えっと最近だ。
先日のことを聞こう。
「じゃあこの前! ドレスをくれた理由を聞いた時、どうして最後だなんて言ったの?」
「最後? そんなことは言っていない」
「言ったよ。一度くらいって……。一生に一度くらいってことでしょう?」
「在学中に一度ってことだけど? それに、一度くらい俺からのプレゼントを受け取って欲しかった」
そういえば、土産だとか謝罪だとか言っていたっけ。彼が謝ってきたのは私に冷たくしたこと。私は私で紅の俺様な様子に傷つきはしたものの、それまで甘えっぱなしだった自分に気づくいい機会にもなった。だけど、謝るだけでオートクチュールのドレスってやっぱり高過ぎると思う。
しかもまだ、聞きたいことならたっぷりある。
「教室で花澤さんとキスシーンの練習をしたのは? 紅は好きじゃなくてもキスできるんでしょう?」
浮かれてはいけない。紅を好きだと気づいたばかりの私が他人から聞かされたのは、桃華と紅のすごいシーンがあったということ。劇に必要なこととはいえ、思い出すたび胸が痛む。
「あのなー。それ、本気で言ってるんだったら怒るぞ。ところで、花澤とキスシーンって何のことだ?」
「とぼけちゃって……この前練習してたでしょう? 花澤さんが積極的で紅の方がタジタジだったって聞いてるよ」
キスぐらい平気だなんて言わないで。
劇のためとはいえ、大勢の前で桃華にキスなんてしてほしくない。誰でもいいなら、期待させるようなことは言わないで欲しい。
腕を組んで考え込む紅。
何かに思い至ったようだ。
私を見ながら話を続ける。
「キスの練習をしたことはないな。もしかして、アクションシーンのことか? それなら、彼女の回し蹴りはすごかった。張り切っていたせいで、ヒールが脱げて俺に直撃しそうになって焦った」
「え? タジタジになったのって……」
「だからアクションのことだろう? ヒールだけでなくドレスも思いきりまくり上げるから、気が気じゃなかった」
すごいシーンってキスじゃなくってアクションシーンのこと? だったら紅はあの時、何で私がいない方がいいって言ったの?
「じゃあどうして、私がいると気が散るだなんて言ったの?」
「そりゃそうだろ。お前の姿を目で追ってたら、劇に集中できない」
途端に頬が熱くなる。
紅、それって――
ドキドキするけど、その先が聞きたい。
私の肩に手を置いた紅が、私の顔を穴のあくほど見つめてきた。
「フラれようが何度だって言ってやる。俺が好きなのは紫……」
『お知らせです。ミスコン出場者及び審査員の方々は、至急会場にお集まりください。繰り返します。ミスコン出場者……』
言いかけた紅の声を、学内放送が遮る。
「くそっ」
紅、まさかミスコン出場者?
そんなわけはないから、審査員なのかな? 彼の言葉と視線に顔が火照った私は、冷静になるため関係ないことを考える。
「続きは後だ。時間のある時に話そう。紫、俺の言いたいことはわかっただろう? ゆっくり考えて返事をくれ」
「わかった」
私は頷き、紅を見上げた。
今度こそ間違えない。
素直な気持ちを言葉にして、きちんと伝えるから。
そんな紅は去り際、私の頬にさっとキスを落とした。
「じゃあ後で」
「こ、ここここ日本だよ。その挨拶おかしいから~~!」
私が叫ぶと、愉快そうに笑った彼は部屋を出て行った。
「ふう、ビックリした~」
キスまでしといて何だと思うかもしれないけれど、それはそれ、これはこれ。付き合うにしたってバカップルだと思われるのだけは心外だ。焦らなくても両想いだとわかったんだもの。私も自分の想いを言葉にしなくっちゃ。
生まれて初めてのことだから、緊張してしまう。言いたいことをまとめるためには、紅の言うように時間が必要だ。
私はソファに腰かけると、側にあったクッションを抱き締めて顔を押し当てた。
さっき、私は紅とここで……
うきゃ~~やっぱり恥ずかしい!
思い出すだけで顔から火が出そうだ。
手でパタパタ顔を仰ぎながら、辺りを見回す。誰もいなくて良かった。傍から見れば今の私、確実に変な人だ。あ、でも――
ふと気づいて悲しくなった。
私は今、男子の制服を着ている。このまま紅と恋人同士になったとしても、この姿ではデートもできない。彼の想いに応えるとしても、卒業するまで手も繋げない。
だって、傍から見れば男同士だもの。万一目撃されたら、紅に変な噂が立ってしまう。それに他の子に比べたら、私には女らしさの欠片も無い。
本当に、こんな私でいいのかな? 彼はモテるし御曹司だし、可愛い女の子を選び放題なのに……
「やめた! 考えたって仕方がないもん」
紅は私でいいと言ってくれた。
さっきのって、ちゃんと告白だったよね?
『俺が好きなのは紫……の友達の桃華!』とかだったらへこむけど。
こんな所でうじうじしてもしょうがない。
せっかくだから、学園祭を楽しむことにしようかな。
優しいあなたが好き。
ほんの少し意地悪なあなたも。
笑顔も困った表情も全てを近くで見ていたい。今だけでなくこれからもずっと。
紅は? 私のことをどう思っている?
目を開けると、彼の目が嬉しそうに細められるのが見えた。その表情に途端に胸が苦しくなる。普段見慣れているはずなのに、胸の鼓動が止まらない。ああもうっ、カッコよすぎるでしょ!
羽のようなキスが再び唇に落とされる。紅はそのまま、更にキスを深めてこようとした。
「ま、ま待って。まだ早いから」
胸に手を当て押しのけると、私は慌てて横を向いた。自分の顔が熱くなっているのがわかる。頬っぺたに両手を当てて深呼吸。恥ずかしくって、まともに顔が見られない。
慣れている紅と違って私は初心者だ。
それに、思わず流されてしまったけれど、まだ好きだって言ってないよね?
「早い? もう十分待ったけど」
待ったって……
寝てる間もキスしてたんなら、全然待っていないんじゃあ? あと私、まだ好きだって言ってないし聞いていない。
それなのに、こんなことって。
ついジトっと紅を見てしまう。
「そんな目で見るな。我慢できなくなるだろう?」
「我慢って何の? 紅って我慢してまで欲しいものなんてなかったよね」
紅は何にも執着しない。
だから私が告白を断った時も、あっさり引いていた。その後冷たくされたけど、私のしたことを考えれば当然の結果だと思う。
「ある。俺はお前の心が欲しい」
そう言って真剣な目で私を見るから、一瞬キュッと心臓を掴まれたような感じがした。でも、今までの諸々を考えたら、素直に信じることはできない。
「嘘! だって以前彼女がいたでしょう? 次々代わっていたのも知ってるよ」
「彼女? 彼女なんて作った覚えはない」
「だって、夜出かけてたし、家で女子大生といちゃついてたし」
昔から三兄弟はモテていた。
特に紅は、小学生の頃からひっきりなしに告白されていた。中学生の時は女生徒が家まで押しかけたり、女子大生と部屋でいちゃついていたり。だから私は早々に、彼らの女性関係を考えないようにしてきたのだ。いずれヒロインに会えば更生されると、そう思って。
紅は当時を思い出すように、額に片手を当てて言葉を発した。
「あれは夜、語学学校に通っていたからだ。家庭教師の女が絡んでくるから、スクールに切り替えた」
「……え?」
「確かに、妬かせたかったのもある。特に断らなかったのはそのためだ。まあお前は、大して動じてくれなかったようだが?」
「私?」
そ、そうだっけ。夜出かけていたのは、チャラチャラ遊んでいたからじゃなかったの?
それなら、えっと最近だ。
先日のことを聞こう。
「じゃあこの前! ドレスをくれた理由を聞いた時、どうして最後だなんて言ったの?」
「最後? そんなことは言っていない」
「言ったよ。一度くらいって……。一生に一度くらいってことでしょう?」
「在学中に一度ってことだけど? それに、一度くらい俺からのプレゼントを受け取って欲しかった」
そういえば、土産だとか謝罪だとか言っていたっけ。彼が謝ってきたのは私に冷たくしたこと。私は私で紅の俺様な様子に傷つきはしたものの、それまで甘えっぱなしだった自分に気づくいい機会にもなった。だけど、謝るだけでオートクチュールのドレスってやっぱり高過ぎると思う。
しかもまだ、聞きたいことならたっぷりある。
「教室で花澤さんとキスシーンの練習をしたのは? 紅は好きじゃなくてもキスできるんでしょう?」
浮かれてはいけない。紅を好きだと気づいたばかりの私が他人から聞かされたのは、桃華と紅のすごいシーンがあったということ。劇に必要なこととはいえ、思い出すたび胸が痛む。
「あのなー。それ、本気で言ってるんだったら怒るぞ。ところで、花澤とキスシーンって何のことだ?」
「とぼけちゃって……この前練習してたでしょう? 花澤さんが積極的で紅の方がタジタジだったって聞いてるよ」
キスぐらい平気だなんて言わないで。
劇のためとはいえ、大勢の前で桃華にキスなんてしてほしくない。誰でもいいなら、期待させるようなことは言わないで欲しい。
腕を組んで考え込む紅。
何かに思い至ったようだ。
私を見ながら話を続ける。
「キスの練習をしたことはないな。もしかして、アクションシーンのことか? それなら、彼女の回し蹴りはすごかった。張り切っていたせいで、ヒールが脱げて俺に直撃しそうになって焦った」
「え? タジタジになったのって……」
「だからアクションのことだろう? ヒールだけでなくドレスも思いきりまくり上げるから、気が気じゃなかった」
すごいシーンってキスじゃなくってアクションシーンのこと? だったら紅はあの時、何で私がいない方がいいって言ったの?
「じゃあどうして、私がいると気が散るだなんて言ったの?」
「そりゃそうだろ。お前の姿を目で追ってたら、劇に集中できない」
途端に頬が熱くなる。
紅、それって――
ドキドキするけど、その先が聞きたい。
私の肩に手を置いた紅が、私の顔を穴のあくほど見つめてきた。
「フラれようが何度だって言ってやる。俺が好きなのは紫……」
『お知らせです。ミスコン出場者及び審査員の方々は、至急会場にお集まりください。繰り返します。ミスコン出場者……』
言いかけた紅の声を、学内放送が遮る。
「くそっ」
紅、まさかミスコン出場者?
そんなわけはないから、審査員なのかな? 彼の言葉と視線に顔が火照った私は、冷静になるため関係ないことを考える。
「続きは後だ。時間のある時に話そう。紫、俺の言いたいことはわかっただろう? ゆっくり考えて返事をくれ」
「わかった」
私は頷き、紅を見上げた。
今度こそ間違えない。
素直な気持ちを言葉にして、きちんと伝えるから。
そんな紅は去り際、私の頬にさっとキスを落とした。
「じゃあ後で」
「こ、ここここ日本だよ。その挨拶おかしいから~~!」
私が叫ぶと、愉快そうに笑った彼は部屋を出て行った。
「ふう、ビックリした~」
キスまでしといて何だと思うかもしれないけれど、それはそれ、これはこれ。付き合うにしたってバカップルだと思われるのだけは心外だ。焦らなくても両想いだとわかったんだもの。私も自分の想いを言葉にしなくっちゃ。
生まれて初めてのことだから、緊張してしまう。言いたいことをまとめるためには、紅の言うように時間が必要だ。
私はソファに腰かけると、側にあったクッションを抱き締めて顔を押し当てた。
さっき、私は紅とここで……
うきゃ~~やっぱり恥ずかしい!
思い出すだけで顔から火が出そうだ。
手でパタパタ顔を仰ぎながら、辺りを見回す。誰もいなくて良かった。傍から見れば今の私、確実に変な人だ。あ、でも――
ふと気づいて悲しくなった。
私は今、男子の制服を着ている。このまま紅と恋人同士になったとしても、この姿ではデートもできない。彼の想いに応えるとしても、卒業するまで手も繋げない。
だって、傍から見れば男同士だもの。万一目撃されたら、紅に変な噂が立ってしまう。それに他の子に比べたら、私には女らしさの欠片も無い。
本当に、こんな私でいいのかな? 彼はモテるし御曹司だし、可愛い女の子を選び放題なのに……
「やめた! 考えたって仕方がないもん」
紅は私でいいと言ってくれた。
さっきのって、ちゃんと告白だったよね?
『俺が好きなのは紫……の友達の桃華!』とかだったらへこむけど。
こんな所でうじうじしてもしょうがない。
せっかくだから、学園祭を楽しむことにしようかな。
0
『綺麗になるから見てなさいっ!』(*´꒳`*)アルファポリス発行レジーナブックス。書店、通販にて好評発売中です。
お気に入りに追加
1,845
あなたにおすすめの小説


〖完結〗では、婚約解消いたしましょう。
藍川みいな
恋愛
三年婚約しているオリバー殿下は、最近別の女性とばかり一緒にいる。
学園で行われる年に一度のダンスパーティーにも、私ではなくセシリー様を誘っていた。まるで二人が婚約者同士のように思える。
そのダンスパーティーで、オリバー殿下は私を責め、婚約を考え直すと言い出した。
それなら、婚約を解消いたしましょう。
そしてすぐに、婚約者に立候補したいという人が現れて……!?
設定ゆるゆるの、架空の世界のお話しです。
愛することをやめたら、怒る必要もなくなりました。今さら私を愛する振りなんて、していただかなくても大丈夫です。
石河 翠
恋愛
貴族令嬢でありながら、家族に虐げられて育ったアイビー。彼女は社交界でも人気者の恋多き侯爵エリックに望まれて、彼の妻となった。
ひとなみに愛される生活を夢見たものの、彼が欲していたのは、夫に従順で、家の中を取り仕切る女主人のみ。先妻の子どもと仲良くできない彼女をエリックは疎み、なじる。
それでもエリックを愛し、結婚生活にしがみついていたアイビーだが、彼の子どもに言われたたった一言で心が折れてしまう。ところが、愛することを止めてしまえばその生活は以前よりも穏やかで心地いいものになっていて……。
愛することをやめた途端に愛を囁くようになったヒーローと、その愛をやんわりと拒むヒロインのお話。
この作品は他サイトにも投稿しております。
扉絵は、写真ACよりチョコラテさまの作品(写真ID 179331)をお借りしております。

裏切りの先にあるもの
マツユキ
恋愛
侯爵令嬢のセシルには幼い頃に王家が決めた婚約者がいた。
結婚式の日取りも決まり数か月後の挙式を楽しみにしていたセシル。ある日姉の部屋を訪ねると婚約者であるはずの人が姉と口づけをかわしている所に遭遇する。傷つくセシルだったが新たな出会いがセシルを幸せへと導いていく。

悪役令嬢が美形すぎるせいで話が進まない
陽炎氷柱
恋愛
「傾国の美女になってしまったんだが」
デブス系悪役令嬢に生まれた私は、とにかく美しい悪の華になろうとがんばった。賢くて美しい令嬢なら、だとえ断罪されてもまだ未来がある。
そう思って、前世の知識を活用してダイエットに励んだのだが。
いつの間にかパトロンが大量発生していた。
ところでヒロインさん、そんなにハンカチを強く嚙んだら歯並びが悪くなりますよ?
私に告白してきたはずの先輩が、私の友人とキスをしてました。黙って退散して食事をしていたら、ハイスペックなイケメン彼氏ができちゃったのですが。
石河 翠
恋愛
飲み会の最中に席を立った主人公。化粧室に向かった彼女は、自分に告白してきた先輩と自分の友人がキスをしている現場を目撃する。
自分への告白は、何だったのか。あまりの出来事に衝撃を受けた彼女は、そのまま行きつけの喫茶店に退散する。
そこでやけ食いをする予定が、美味しいものに満足してご機嫌に。ちょっとしてネタとして先ほどのできごとを話したところ、ずっと片想いをしていた相手に押し倒されて……。
好きなひとは高嶺の花だからと諦めつつそばにいたい主人公と、アピールし過ぎているせいで冗談だと思われている愛が重たいヒーローの恋物語。
この作品は、小説家になろう及びエブリスタでも投稿しております。
扉絵は、写真ACよりチョコラテさまの作品をお借りしております。
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。

婚約破棄されなかった者たち
ましゅぺちーの
恋愛
とある学園にて、高位貴族の令息五人を虜にした一人の男爵令嬢がいた。
令息たちは全員が男爵令嬢に本気だったが、結局彼女が選んだのはその中で最も地位の高い第一王子だった。
第一王子は許嫁であった公爵令嬢との婚約を破棄し、男爵令嬢と結婚。
公爵令嬢は嫌がらせの罪を追及され修道院送りとなった。
一方、選ばれなかった四人は当然それぞれの婚約者と結婚することとなった。
その中の一人、侯爵令嬢のシェリルは早々に夫であるアーノルドから「愛することは無い」と宣言されてしまい……。
ヒロインがハッピーエンドを迎えたその後の話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる