34 / 58
第三章 偽の恋人
29
しおりを挟む
アウロス王子の言葉に、私は目を見開いた。周りを排除するエルゼ。その父親であるデリウス公爵がアウロス派で、クラウス王子を邪魔だと判断したなら……彼が危ない!
「でしたら、アウロス殿下ご自身が権利を放棄されれば良いのでは?」
「継承順位が重んじられるから、そう簡単にはいかないんだ。公爵の権力は絶大だ。僕がダメなら消されて、従弟に回るだろうな」
「そんな!」
「クラウスがいる限り、対抗馬として必ず誰かが担ぎ出されてしまう」
「それなら公爵は、どうしてエルゼ様をクラウス様に勧めようとしないのかしら?」
言っててつらくなるけれど、それだとみんなが安全だ。
「父親は娘ほどバカじゃない。クラウスがエルゼを毛嫌いしていることを知っている。また、公爵自身もクラウスには敵わない。だから僕に、狙いを定めたんだろうね?」
「でも、アウロス殿下も同じくらい頭がよろしいのに、ど……ええっ!?」
気付けば抱き締められていた。
ちょっと待って、大切な話の途中では?
「僕を認めてくれる、ディアが好きだよ」
あーはいはい、感激したのね?
双子はどちらも切れ者で、甲乙つけがたい。クラウス王子が政治的に優れているなら、アウロス王子は社交性に富み、国外からの受けもいいと聞く。内政と外交、どちらが欠けてもこの国は成り立たないはずだもの。
私が固まっていると、アウロス王子が笑いながら抱擁を解く。
「ごめん、男性が苦手だったんだよね? だけど、そんな君にお願いがあるんだ」
何だろう、すごく嫌な予感がする。
「ここまで内情を話したから、断られても困るし、賢い君にしか頼めない。エルゼに対抗してくれないか?」
「……はい?」
「といっても、本気じゃなくていいんだ。僕の相手だと思わせることができれば」
「おっしゃる意味がよく……」
「僕が君に溺れていると、周りに見えるように。権利を放棄せず、女性にだらしないと思わせることができれば、王太子に相応しくないと判断される」
それはかなり危険では? いえ、貴方ではなく私が。そのまま本当に溺れたらどうしてくれるの! もしくは、城にいる男性が私に目をつけたら?
「すみません。私ではお力になれないかと」
断言。クラウス王子が心配だけど、私も自分の命は惜しい。男性に好きになられて告白されたら、その日に人生が終了してしまうのだ。
「そうかな? ディアほど綺麗な人を僕は知らない。君なら信用できるし。ああ、もちろんタダとは言わないよ? 君の喜ぶものをあげよう」
この話、なかったことにしていただければ、一番喜びますが。
「ディア、しかめた顔も可愛いね。ええっと、お茶の苗木はどうだろう? もしくは僕の分の茶畑では?」
なんと!
門外不出、特別栽培のあのお茶を?
茶畑に入ることができれば、緑茶が自分で作れるのでは!? 緑色の葉を摘み、発酵する前に炒って色留めをしたら、美味しい緑茶が飲める。自分用だしそんなに量は要らないから、まさに夢のよう!
――いやいや、ダメダメ。心はかなり動くけど、お茶より自分の命が大事でしょう? 死んでしまったら、縁側でお茶も飲めやしない。
「クラウスは一番好きだと言うけれど、僕はそれほどでもないからね。人も付けるし、今後も好きにして構わない」
何、その殺し文句。今後もって……これからずっと、緑茶が飲めるの? だけどもちろん、命に勝るものはない。
「せっかくのお申し出ですが、私には荷が重過ぎます」
「顔を隠していいし、変装してもいい。ああ、思いっきり嫌な女を演じてくれた方が、僕が王太子に不適格だと印象付けられるな」
アウロス王子、人の話聞いてます?
「君に断られたら、僕はどうすればいい? エルゼを押し付けられ、公爵が義父だなんて悪夢だ! クラウスが負けて僕が彼らの傀儡となれば、この国も終わるだろう。だけど拒めば、クラウスにも僕にも危険が及ぶ……」
貴方がエルゼを拒否し続ければ良いのでは?
けれど、クラウスと聞いて心が動く。彼はどう思っているのかしら。
「クラウス様は、このことを?」
「へえ? そこは気になるんだ。もちろん知らないよ。言えば、君を巻き込むなと激怒するだろうね?」
やっぱり。
彼は私に好意を抱いている。
そして私も――
認めたくはないけれど、さっきはっきりわかってしまった。ここにいても思い出すのは、彼と話したことばかり。だけど本気で好きだと告白されたら、私はこの世にいられない。これ以上好きになっても、なられてもいけないのに。
「前にも言ったと思うけど、別に本気で口説こうなんて思ってないよ? 心配しているのがそこならね。まあ、ディアが望むなら応える用意はあるけれど……」
いや、望んでない。
お願いだから、それだけはやめて。
危ない橋は渡りたくない。でも、あの人にはもう一度会える――
「つまり、貴方の恋人のフリをしろということですか?」
「そう。さすがだね、話が早くて助かるよ」
「他に頼める方は?」
「ん? いないよ。だってみんな、僕を好きになってしまうだろう? その先を期待されても困るし。その点ディアなら……」
呆れた。多くの女性と遊んでいるのに? まあ、自意識過剰という点で私と大差はないけれど。
アウロス王子なら、私に本気になることはないだろう。好きだと言われても、今まで全く何ともないのだ。そこだけは安心できるし、近くにいても害はない。
「貴方に相手にされないと知れば、エルゼ様が怒るのでは?」
「ある意味それが狙いかな? 時間を稼ぎたい」
「見切りをつけて、クラウス王子の元に行くかもしれません」
「そうだとしても、兄が寄せ付けないだろう」
「思いっきり嫌な女を演じますが、それでも?」
「いいね、楽しみだ」
「危険な目に遭うのは嫌です。配慮をして下さいますか?」
「当たり前だろう? 君に何かあれば、みんなが危ない」
私が拒絶した場合、アウロス王子とエルゼがくっつく。邪魔なクラウス王子は排除され、国政はデリウス公爵の思い通りに。アウロス王子が頑張ってくれるかもしれないけれど、妃がエルゼなら……快適な老後はどうなるの?
「家業に響くと困るので、取りなして下さいますか?」
「もちろん。何なら念書を書こうか?」
「ええ、是非お願いします」
「わかった。外交は得意だから、次回国賓を招く時は君の所のワインを使おう」
それは嬉しいわ。
悪女と噂されても、隠居すればこっちのもの。出来の悪い妹を持って大変だと、ヨルクに同情が集まるかもしれない。その頃私は縁側でひなたぼっこをしながら、美味しいお茶を飲んでいる。
「一つだけお願いがあります。どうしても守っていただきたいことが」
「いいよ、何?」
「絶対に、私を好きにならないで下さい」
命がかかっているのだ。こちらも遠慮なくいかせてもらう。驚くかと思えば、アウロス王子は片眉を上げて面白そうな顔をする。
「わかった。そのことも含めて念書を書こう。紙とペンは?」
すぐに用意した。そこまでするということは、彼の言葉は嘘じゃない。
あと少しだけ。
顔を見て、声が聞きたい。
嫌われても構わないから。
それでも私はあの人の、クラウス様の近くにいたい――
「でしたら、アウロス殿下ご自身が権利を放棄されれば良いのでは?」
「継承順位が重んじられるから、そう簡単にはいかないんだ。公爵の権力は絶大だ。僕がダメなら消されて、従弟に回るだろうな」
「そんな!」
「クラウスがいる限り、対抗馬として必ず誰かが担ぎ出されてしまう」
「それなら公爵は、どうしてエルゼ様をクラウス様に勧めようとしないのかしら?」
言っててつらくなるけれど、それだとみんなが安全だ。
「父親は娘ほどバカじゃない。クラウスがエルゼを毛嫌いしていることを知っている。また、公爵自身もクラウスには敵わない。だから僕に、狙いを定めたんだろうね?」
「でも、アウロス殿下も同じくらい頭がよろしいのに、ど……ええっ!?」
気付けば抱き締められていた。
ちょっと待って、大切な話の途中では?
「僕を認めてくれる、ディアが好きだよ」
あーはいはい、感激したのね?
双子はどちらも切れ者で、甲乙つけがたい。クラウス王子が政治的に優れているなら、アウロス王子は社交性に富み、国外からの受けもいいと聞く。内政と外交、どちらが欠けてもこの国は成り立たないはずだもの。
私が固まっていると、アウロス王子が笑いながら抱擁を解く。
「ごめん、男性が苦手だったんだよね? だけど、そんな君にお願いがあるんだ」
何だろう、すごく嫌な予感がする。
「ここまで内情を話したから、断られても困るし、賢い君にしか頼めない。エルゼに対抗してくれないか?」
「……はい?」
「といっても、本気じゃなくていいんだ。僕の相手だと思わせることができれば」
「おっしゃる意味がよく……」
「僕が君に溺れていると、周りに見えるように。権利を放棄せず、女性にだらしないと思わせることができれば、王太子に相応しくないと判断される」
それはかなり危険では? いえ、貴方ではなく私が。そのまま本当に溺れたらどうしてくれるの! もしくは、城にいる男性が私に目をつけたら?
「すみません。私ではお力になれないかと」
断言。クラウス王子が心配だけど、私も自分の命は惜しい。男性に好きになられて告白されたら、その日に人生が終了してしまうのだ。
「そうかな? ディアほど綺麗な人を僕は知らない。君なら信用できるし。ああ、もちろんタダとは言わないよ? 君の喜ぶものをあげよう」
この話、なかったことにしていただければ、一番喜びますが。
「ディア、しかめた顔も可愛いね。ええっと、お茶の苗木はどうだろう? もしくは僕の分の茶畑では?」
なんと!
門外不出、特別栽培のあのお茶を?
茶畑に入ることができれば、緑茶が自分で作れるのでは!? 緑色の葉を摘み、発酵する前に炒って色留めをしたら、美味しい緑茶が飲める。自分用だしそんなに量は要らないから、まさに夢のよう!
――いやいや、ダメダメ。心はかなり動くけど、お茶より自分の命が大事でしょう? 死んでしまったら、縁側でお茶も飲めやしない。
「クラウスは一番好きだと言うけれど、僕はそれほどでもないからね。人も付けるし、今後も好きにして構わない」
何、その殺し文句。今後もって……これからずっと、緑茶が飲めるの? だけどもちろん、命に勝るものはない。
「せっかくのお申し出ですが、私には荷が重過ぎます」
「顔を隠していいし、変装してもいい。ああ、思いっきり嫌な女を演じてくれた方が、僕が王太子に不適格だと印象付けられるな」
アウロス王子、人の話聞いてます?
「君に断られたら、僕はどうすればいい? エルゼを押し付けられ、公爵が義父だなんて悪夢だ! クラウスが負けて僕が彼らの傀儡となれば、この国も終わるだろう。だけど拒めば、クラウスにも僕にも危険が及ぶ……」
貴方がエルゼを拒否し続ければ良いのでは?
けれど、クラウスと聞いて心が動く。彼はどう思っているのかしら。
「クラウス様は、このことを?」
「へえ? そこは気になるんだ。もちろん知らないよ。言えば、君を巻き込むなと激怒するだろうね?」
やっぱり。
彼は私に好意を抱いている。
そして私も――
認めたくはないけれど、さっきはっきりわかってしまった。ここにいても思い出すのは、彼と話したことばかり。だけど本気で好きだと告白されたら、私はこの世にいられない。これ以上好きになっても、なられてもいけないのに。
「前にも言ったと思うけど、別に本気で口説こうなんて思ってないよ? 心配しているのがそこならね。まあ、ディアが望むなら応える用意はあるけれど……」
いや、望んでない。
お願いだから、それだけはやめて。
危ない橋は渡りたくない。でも、あの人にはもう一度会える――
「つまり、貴方の恋人のフリをしろということですか?」
「そう。さすがだね、話が早くて助かるよ」
「他に頼める方は?」
「ん? いないよ。だってみんな、僕を好きになってしまうだろう? その先を期待されても困るし。その点ディアなら……」
呆れた。多くの女性と遊んでいるのに? まあ、自意識過剰という点で私と大差はないけれど。
アウロス王子なら、私に本気になることはないだろう。好きだと言われても、今まで全く何ともないのだ。そこだけは安心できるし、近くにいても害はない。
「貴方に相手にされないと知れば、エルゼ様が怒るのでは?」
「ある意味それが狙いかな? 時間を稼ぎたい」
「見切りをつけて、クラウス王子の元に行くかもしれません」
「そうだとしても、兄が寄せ付けないだろう」
「思いっきり嫌な女を演じますが、それでも?」
「いいね、楽しみだ」
「危険な目に遭うのは嫌です。配慮をして下さいますか?」
「当たり前だろう? 君に何かあれば、みんなが危ない」
私が拒絶した場合、アウロス王子とエルゼがくっつく。邪魔なクラウス王子は排除され、国政はデリウス公爵の思い通りに。アウロス王子が頑張ってくれるかもしれないけれど、妃がエルゼなら……快適な老後はどうなるの?
「家業に響くと困るので、取りなして下さいますか?」
「もちろん。何なら念書を書こうか?」
「ええ、是非お願いします」
「わかった。外交は得意だから、次回国賓を招く時は君の所のワインを使おう」
それは嬉しいわ。
悪女と噂されても、隠居すればこっちのもの。出来の悪い妹を持って大変だと、ヨルクに同情が集まるかもしれない。その頃私は縁側でひなたぼっこをしながら、美味しいお茶を飲んでいる。
「一つだけお願いがあります。どうしても守っていただきたいことが」
「いいよ、何?」
「絶対に、私を好きにならないで下さい」
命がかかっているのだ。こちらも遠慮なくいかせてもらう。驚くかと思えば、アウロス王子は片眉を上げて面白そうな顔をする。
「わかった。そのことも含めて念書を書こう。紙とペンは?」
すぐに用意した。そこまでするということは、彼の言葉は嘘じゃない。
あと少しだけ。
顔を見て、声が聞きたい。
嫌われても構わないから。
それでも私はあの人の、クラウス様の近くにいたい――
5
『お妃選びは正直しんどい』(*´꒳`*)アルファポリス発行レジーナブックス。5月末刊行予定です。
お気に入りに追加
2,785
あなたにおすすめの小説
身代わり婚~暴君と呼ばれる辺境伯に拒絶された仮初の花嫁
結城芙由奈@コミカライズ発売中
恋愛
【決してご迷惑はお掛けしません。どうか私をここに置いて頂けませんか?】
妾腹の娘として厄介者扱いを受けていたアリアドネは姉の身代わりとして暴君として名高い辺境伯に嫁がされる。結婚すれば幸せになれるかもしれないと淡い期待を抱いていたのも束の間。望まぬ花嫁を押し付けられたとして夫となるべく辺境伯に初対面で冷たい言葉を投げつけらた。さらに城から追い出されそうになるものの、ある人物に救われて下働きとして置いてもらえる事になるのだった―。
踏み台令嬢はへこたれない
IchikoMiyagi
恋愛
「婚約破棄してくれ!」
公爵令嬢のメルティアーラは婚約者からの何度目かの申し出を受けていたーー。
春、学院に入学しいつしかついたあだ名は踏み台令嬢。……幸せを運んでいますのに、その名付けはあんまりでは……。
そう思いつつも学院生活を満喫していたら、噂を聞きつけた第三王子がチラチラこっちを見ている。しかもうっかり婚約者になってしまったわ……?!?
これは無自覚に他人の踏み台になって引っ張り上げる主人公が、たまにしょげては踏ん張りながらやっぱり周りを幸せにしたりやっと自分も幸せになったりするかもしれない物語。
「わたくし、甘い砂を吐くのには慣れておりますの」
ーー踏み台令嬢は今日も誰かを幸せにする。
なろうでも投稿しています。
とまどいの花嫁は、夫から逃げられない
椎名さえら
恋愛
エラは、親が決めた婚約者からずっと冷淡に扱われ
初夜、夫は愛人の家へと行った。
戦争が起こり、夫は戦地へと赴いた。
「無事に戻ってきたら、お前とは離婚する」
と言い置いて。
やっと戦争が終わった後、エラのもとへ戻ってきた夫に
彼女は強い違和感を感じる。
夫はすっかり改心し、エラとは離婚しないと言い張り
突然彼女を溺愛し始めたからだ
______________________
✴︎舞台のイメージはイギリス近代(ゆるゆる設定)
✴︎誤字脱字は優しくスルーしていただけると幸いです
✴︎なろうさんにも投稿しています
私の勝手なBGMは、懐かしすぎるけど鬼束ちひろ『月光』←名曲すぎ

【完結】魔女令嬢はただ静かに生きていたいだけ
こな
恋愛
公爵家の令嬢として傲慢に育った十歳の少女、エマ・ルソーネは、ちょっとした事故により前世の記憶を思い出し、今世が乙女ゲームの世界であることに気付く。しかも自分は、魔女の血を引く最低最悪の悪役令嬢だった。
待っているのはオールデスエンド。回避すべく動くも、何故だが攻略対象たちとの接点は増えるばかりで、あれよあれよという間に物語の筋書き通り、魔法研究機関に入所することになってしまう。
ひたすら静かに過ごすことに努めるエマを、研究所に集った癖のある者たちの脅威が襲う。日々の苦悩に、エマの胃痛はとどまる所を知らない……

純白の牢獄
ゆる
恋愛
「私は王妃を愛さない。彼女とは白い結婚を誓う」
華やかな王宮の大聖堂で交わされたのは、愛の誓いではなく、冷たい拒絶の言葉だった。
王子アルフォンスの婚姻相手として選ばれたレイチェル・ウィンザー。しかし彼女は、王妃としての立場を与えられながらも、夫からも宮廷からも冷遇され、孤独な日々を強いられる。王の寵愛はすべて聖女ミレイユに注がれ、王宮の権力は彼女の手に落ちていった。侮蔑と屈辱に耐える中、レイチェルは誇りを失わず、密かに反撃の機会をうかがう。
そんな折、隣国の公爵アレクサンダーが彼女の前に現れる。「君の目はまだ死んでいないな」――その言葉に、彼女の中で何かが目覚める。彼はレイチェルに自由と新たな未来を提示し、密かに王宮からの脱出を計画する。
レイチェルが去ったことで、王宮は急速に崩壊していく。聖女ミレイユの策略が暴かれ、アルフォンスは自らの過ちに気づくも、時すでに遅し。彼が頼るべき王妃は、もはや遠く、隣国で新たな人生を歩んでいた。
「お願いだ……戻ってきてくれ……」
王国を失い、誇りを失い、全てを失った王子の懇願に、レイチェルはただ冷たく微笑む。
「もう遅いわ」
愛のない結婚を捨て、誇り高き未来へと進む王妃のざまぁ劇。
裏切りと策略が渦巻く宮廷で、彼女は己の運命を切り開く。
これは、偽りの婚姻から真の誓いへと至る、誇り高き王妃の物語。

婚約破棄を望む伯爵令嬢と逃がしたくない宰相閣下との攻防戦~最短で破棄したいので、悪役令嬢乗っ取ります~
甘寧
恋愛
この世界が前世で読んだ事のある小説『恋の花紡』だと気付いたリリー・エーヴェルト。
その瞬間から婚約破棄を望んでいるが、宰相を務める美麗秀麗な婚約者ルーファス・クライナートはそれを受け入れてくれない。
そんな折、気がついた。
「悪役令嬢になればいいじゃない?」
悪役令嬢になれば断罪は必然だが、幸運な事に原作では処刑されない事になってる。
貴族社会に思い残すことも無いし、断罪後は僻地でのんびり暮らすのもよかろう。
よしっ、悪役令嬢乗っ取ろう。
これで万事解決。
……て思ってたのに、あれ?何で貴方が断罪されてるの?
※全12話で完結です。

《完》義弟と継母をいじめ倒したら溺愛ルートに入りました。何故に?
桐生桜月姫
恋愛
公爵令嬢たるクラウディア・ローズバードは自分の前に現れた天敵たる天才な義弟と継母を追い出すために、たくさんのクラウディアの思う最高のいじめを仕掛ける。
だが、義弟は地味にずれているクラウディアの意地悪を糧にしてどんどん賢くなり、継母は陰ながら?クラウディアをものすっごく微笑ましく眺めて溺愛してしまう。
「もう!どうしてなのよ!!」
クラウディアが気がつく頃には外堀が全て埋め尽くされ、大変なことに!?
天然混じりの大人びている?少女と、冷たい天才義弟、そして変わり者な継母の家族の行方はいかに!?
捨てた騎士と拾った魔術師
吉野屋
恋愛
貴族の庶子であるミリアムは、前世持ちである。冷遇されていたが政略でおっさん貴族の後妻落ちになる事を懸念して逃げ出した。実家では隠していたが、魔力にギフトと生活能力はあるので、王都に行き暮らす。優しくて美しい夫も出来て幸せな生活をしていたが、夫の兄の死で伯爵家を継いだ夫に捨てられてしまう。その後、王都に来る前に出会った男(その時は鳥だった)に再会して国を左右する陰謀に巻き込まれていく。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる