21 / 58
第二章 悪女復活!?
18
しおりを挟む
答えに迷っていると、クラウス王子がさらに続ける。
「俺の言い方が悪かったか。豊かな発想は様々な経験に基づくことが多い。本の知識というのでは、あまりにも無理がある。それならどこで?」
「そ、それは……」
「是非聞いておきたい」
「ええっと……」
どうしよう? 王子が切れ者だという噂は伊達ではないようだ。後悔したってもう遅い。うろたえて言葉が出ない。すると――
「おい、ちょっとあんた!」
「リーゼ! やめなさいっ」
リーゼが王子に詰め寄ろうとしたので、私は叫んで立ち上がる。あんなに言い聞かせていたのに、クラウス王子に対してあんたとは、どういうこと?
控えていた護衛が動くのを見て、とっさにリーゼを背に庇う。けれど王子自身が片手を上げて、護衛の動きを止めていた。彼は椅子に腰かけたまま、冷めた表情で長い足を組み換える。
「構わない。リーゼといったか。君の言い分を聞こう」
「待って下さい。この子はまだ……」
「なんだい、王子だからってさっきから偉そうに」
「リーゼ!」
「痛っ」
私は振り向きリーゼの腕を捻り上げた。まるで悪夢を見ているよう。返答に窮した私のせいだ。気軽に接してくれたとはいえ、相手は王子。発言に気をつけないとリーゼや私が不敬罪になるだけでなく、使用人の教育が行き届いてないとして、伯爵家全体が処罰の対象となってしまう。
「その動きまでは予測できなかったな……。ミレディア嬢、放してあげなさい。俺がいいと言っている」
「ですが……」
「個人的に話を聞きたいだけだ。何を言われても契約に影響はないと約束する」
「わかりました」
クラウス王子の言葉を受け、私はリーゼの手を渋々放す。お願いだからこれ以上失礼なことは言わないで、と目配せしておく。
痛かったのか、腕をさすりながらクラウス王子に向き直るリーゼ。私もつい力が入ってしまった。誓って言うけど初めて会ったあの日以来、彼女を痛めつけたことなどない。
「さて、君の言いかけたことを最後まで聞こうか」
私はハラハラしながら、リーゼに目を向ける。リーゼも少しは反省したのか、うつむいて拗ねたような声を出した。
「だって、お嬢を……ミレディアを困らせるから」
「困らせる? 疑問に思ったことを尋ねただけだが?」
「だから、それがいけないんだろ! 相手のことも考えろよ。自分より弱い者を追い詰めて何が楽しい?」
「リーゼ!」
止めようとした私に向かって、クラウス王子が鋭い視線を投げかける。黙っていろということなのだろう。
「お嬢はただ、お人好しなんだよ。誰かが喜ぶと思ったら、その人のために動いちまう」
「ほう?」
「発想? 知識? 小難しいことは知らないよ。どこで? それがそんなに重要か? 頭が良くたって、使わなけりゃ意味がない。さっきお嬢が省いたから言うけどな、ワインのラベルはわざと貧しい家の子に描かせてる……彼らを助けるために。レースだってそう、村の女性が差別されないように居場所を与えた。次々提案するのだって、他人のため。話せばきりがないけど、みんなお嬢には感謝しているんだ。もちろんオレだって!」
小さな両手を握り締め、一気に言い終えたリーゼの目には涙が浮かんでいる。彼女は私を買いかぶり過ぎだ。また、私のしてきたことを他の者から聞いていたとは知らなかった。
だけどそれは、我が家の話。王子に盾突いていい理由にはならない。
「大変申し訳……」
「すまなかった」
私が言い終えるより早く、立ち上がったクラウス王子がリーゼに向かって頭を下げた。下げられたリーゼは、当然びっくりしている。
「ええっと……」
「確かに君の言う通り、些細なことにこだわっていたな。ミレディア嬢、君にも謝らなくては。困らせたいわけではなかった。会ったこともないタイプで興味を刺激されたんだ。すまない」
「いえ、そんな!」
動揺して声が裏返る。
王子が臣下やその使用人に頭を下げるなど、あってはならない。
「もったいないお言葉です。どうぞ面を上げて下さい」
私は焦って口にした。詳しいことを語りたくなかっただけで、別に謝らせたいわけではない。むしろ非は、こちら側に多くある。
「私どもの方こそ、大変失礼な真似を致しました。ほら、リーゼ。貴女も謝りなさいっ」
リーゼの後頭部を掴み、一気に下げる。伯爵令嬢にあるまじき振る舞いだけど、この際知ったことではなかった。それよりも、王子にここまでされると後が怖い。気まずくなって話は終了? さらには城への出入り禁止?
床を見つめる私達に、頭上から声がかかる。
「いや、いい。気にしないでくれ。互いに誤解があったようだ。これまでのことを水に流してくれると嬉しい」
「もちろんですわ! こちらこそ、寛容なお心遣いに感謝いたします」
「ごめんなさい」
リーゼと二人で恐縮していると、すぐ目の前に王子の姿が。
「いいんだ。顔を上げてくれ」
白い手袋を嵌めた手が、私の顔に伸ばされた。その瞬間、条件反射で飛びのいてしまう――謝罪が台無しだ!
「も、もも申し訳ありません」
「これはまた……ひどく嫌われたようだな」
「お嬢?」
口元に手を当てたクラウス王子が、複雑な表情をしている。今まで女性の拒絶に遭ったことなどないのだろう――二度目のダンスを断った私を除けば。リーゼも首を傾けて私を見ている。
マズい、非常にマズいわ。何か口から出まかせを……そうだ!
「すみません。男の方が苦手で……」
「ああ、そうだったな。うっかりしていた。アウロスから聞いている」
でかしたわ、アウロス王子。きちんと伝えてくれたおかげで、なんとかこの場を凌げそう。
「ご不快な思いをさせてしまい、謝罪の言葉もありません。ですが、どうにも怖くって……」
嘘ではない。正確に言えば、触れられることより告白される方が怖いけど。まあその点は、エルゼ様がいらっしゃるから安心よね?
だけど念には念を入れて、失礼ついでに言ってしまおう。
「温情には感謝しますが、ご好意は結構です。兄と同じように扱って下さい」
「俺の言い方が悪かったか。豊かな発想は様々な経験に基づくことが多い。本の知識というのでは、あまりにも無理がある。それならどこで?」
「そ、それは……」
「是非聞いておきたい」
「ええっと……」
どうしよう? 王子が切れ者だという噂は伊達ではないようだ。後悔したってもう遅い。うろたえて言葉が出ない。すると――
「おい、ちょっとあんた!」
「リーゼ! やめなさいっ」
リーゼが王子に詰め寄ろうとしたので、私は叫んで立ち上がる。あんなに言い聞かせていたのに、クラウス王子に対してあんたとは、どういうこと?
控えていた護衛が動くのを見て、とっさにリーゼを背に庇う。けれど王子自身が片手を上げて、護衛の動きを止めていた。彼は椅子に腰かけたまま、冷めた表情で長い足を組み換える。
「構わない。リーゼといったか。君の言い分を聞こう」
「待って下さい。この子はまだ……」
「なんだい、王子だからってさっきから偉そうに」
「リーゼ!」
「痛っ」
私は振り向きリーゼの腕を捻り上げた。まるで悪夢を見ているよう。返答に窮した私のせいだ。気軽に接してくれたとはいえ、相手は王子。発言に気をつけないとリーゼや私が不敬罪になるだけでなく、使用人の教育が行き届いてないとして、伯爵家全体が処罰の対象となってしまう。
「その動きまでは予測できなかったな……。ミレディア嬢、放してあげなさい。俺がいいと言っている」
「ですが……」
「個人的に話を聞きたいだけだ。何を言われても契約に影響はないと約束する」
「わかりました」
クラウス王子の言葉を受け、私はリーゼの手を渋々放す。お願いだからこれ以上失礼なことは言わないで、と目配せしておく。
痛かったのか、腕をさすりながらクラウス王子に向き直るリーゼ。私もつい力が入ってしまった。誓って言うけど初めて会ったあの日以来、彼女を痛めつけたことなどない。
「さて、君の言いかけたことを最後まで聞こうか」
私はハラハラしながら、リーゼに目を向ける。リーゼも少しは反省したのか、うつむいて拗ねたような声を出した。
「だって、お嬢を……ミレディアを困らせるから」
「困らせる? 疑問に思ったことを尋ねただけだが?」
「だから、それがいけないんだろ! 相手のことも考えろよ。自分より弱い者を追い詰めて何が楽しい?」
「リーゼ!」
止めようとした私に向かって、クラウス王子が鋭い視線を投げかける。黙っていろということなのだろう。
「お嬢はただ、お人好しなんだよ。誰かが喜ぶと思ったら、その人のために動いちまう」
「ほう?」
「発想? 知識? 小難しいことは知らないよ。どこで? それがそんなに重要か? 頭が良くたって、使わなけりゃ意味がない。さっきお嬢が省いたから言うけどな、ワインのラベルはわざと貧しい家の子に描かせてる……彼らを助けるために。レースだってそう、村の女性が差別されないように居場所を与えた。次々提案するのだって、他人のため。話せばきりがないけど、みんなお嬢には感謝しているんだ。もちろんオレだって!」
小さな両手を握り締め、一気に言い終えたリーゼの目には涙が浮かんでいる。彼女は私を買いかぶり過ぎだ。また、私のしてきたことを他の者から聞いていたとは知らなかった。
だけどそれは、我が家の話。王子に盾突いていい理由にはならない。
「大変申し訳……」
「すまなかった」
私が言い終えるより早く、立ち上がったクラウス王子がリーゼに向かって頭を下げた。下げられたリーゼは、当然びっくりしている。
「ええっと……」
「確かに君の言う通り、些細なことにこだわっていたな。ミレディア嬢、君にも謝らなくては。困らせたいわけではなかった。会ったこともないタイプで興味を刺激されたんだ。すまない」
「いえ、そんな!」
動揺して声が裏返る。
王子が臣下やその使用人に頭を下げるなど、あってはならない。
「もったいないお言葉です。どうぞ面を上げて下さい」
私は焦って口にした。詳しいことを語りたくなかっただけで、別に謝らせたいわけではない。むしろ非は、こちら側に多くある。
「私どもの方こそ、大変失礼な真似を致しました。ほら、リーゼ。貴女も謝りなさいっ」
リーゼの後頭部を掴み、一気に下げる。伯爵令嬢にあるまじき振る舞いだけど、この際知ったことではなかった。それよりも、王子にここまでされると後が怖い。気まずくなって話は終了? さらには城への出入り禁止?
床を見つめる私達に、頭上から声がかかる。
「いや、いい。気にしないでくれ。互いに誤解があったようだ。これまでのことを水に流してくれると嬉しい」
「もちろんですわ! こちらこそ、寛容なお心遣いに感謝いたします」
「ごめんなさい」
リーゼと二人で恐縮していると、すぐ目の前に王子の姿が。
「いいんだ。顔を上げてくれ」
白い手袋を嵌めた手が、私の顔に伸ばされた。その瞬間、条件反射で飛びのいてしまう――謝罪が台無しだ!
「も、もも申し訳ありません」
「これはまた……ひどく嫌われたようだな」
「お嬢?」
口元に手を当てたクラウス王子が、複雑な表情をしている。今まで女性の拒絶に遭ったことなどないのだろう――二度目のダンスを断った私を除けば。リーゼも首を傾けて私を見ている。
マズい、非常にマズいわ。何か口から出まかせを……そうだ!
「すみません。男の方が苦手で……」
「ああ、そうだったな。うっかりしていた。アウロスから聞いている」
でかしたわ、アウロス王子。きちんと伝えてくれたおかげで、なんとかこの場を凌げそう。
「ご不快な思いをさせてしまい、謝罪の言葉もありません。ですが、どうにも怖くって……」
嘘ではない。正確に言えば、触れられることより告白される方が怖いけど。まあその点は、エルゼ様がいらっしゃるから安心よね?
だけど念には念を入れて、失礼ついでに言ってしまおう。
「温情には感謝しますが、ご好意は結構です。兄と同じように扱って下さい」
0
『お妃選びは正直しんどい』(*´꒳`*)アルファポリス発行レジーナブックス。5月末刊行予定です。
お気に入りに追加
2,785
あなたにおすすめの小説
身代わり婚~暴君と呼ばれる辺境伯に拒絶された仮初の花嫁
結城芙由奈@コミカライズ発売中
恋愛
【決してご迷惑はお掛けしません。どうか私をここに置いて頂けませんか?】
妾腹の娘として厄介者扱いを受けていたアリアドネは姉の身代わりとして暴君として名高い辺境伯に嫁がされる。結婚すれば幸せになれるかもしれないと淡い期待を抱いていたのも束の間。望まぬ花嫁を押し付けられたとして夫となるべく辺境伯に初対面で冷たい言葉を投げつけらた。さらに城から追い出されそうになるものの、ある人物に救われて下働きとして置いてもらえる事になるのだった―。
踏み台令嬢はへこたれない
IchikoMiyagi
恋愛
「婚約破棄してくれ!」
公爵令嬢のメルティアーラは婚約者からの何度目かの申し出を受けていたーー。
春、学院に入学しいつしかついたあだ名は踏み台令嬢。……幸せを運んでいますのに、その名付けはあんまりでは……。
そう思いつつも学院生活を満喫していたら、噂を聞きつけた第三王子がチラチラこっちを見ている。しかもうっかり婚約者になってしまったわ……?!?
これは無自覚に他人の踏み台になって引っ張り上げる主人公が、たまにしょげては踏ん張りながらやっぱり周りを幸せにしたりやっと自分も幸せになったりするかもしれない物語。
「わたくし、甘い砂を吐くのには慣れておりますの」
ーー踏み台令嬢は今日も誰かを幸せにする。
なろうでも投稿しています。
とまどいの花嫁は、夫から逃げられない
椎名さえら
恋愛
エラは、親が決めた婚約者からずっと冷淡に扱われ
初夜、夫は愛人の家へと行った。
戦争が起こり、夫は戦地へと赴いた。
「無事に戻ってきたら、お前とは離婚する」
と言い置いて。
やっと戦争が終わった後、エラのもとへ戻ってきた夫に
彼女は強い違和感を感じる。
夫はすっかり改心し、エラとは離婚しないと言い張り
突然彼女を溺愛し始めたからだ
______________________
✴︎舞台のイメージはイギリス近代(ゆるゆる設定)
✴︎誤字脱字は優しくスルーしていただけると幸いです
✴︎なろうさんにも投稿しています
私の勝手なBGMは、懐かしすぎるけど鬼束ちひろ『月光』←名曲すぎ

【完結】魔女令嬢はただ静かに生きていたいだけ
こな
恋愛
公爵家の令嬢として傲慢に育った十歳の少女、エマ・ルソーネは、ちょっとした事故により前世の記憶を思い出し、今世が乙女ゲームの世界であることに気付く。しかも自分は、魔女の血を引く最低最悪の悪役令嬢だった。
待っているのはオールデスエンド。回避すべく動くも、何故だが攻略対象たちとの接点は増えるばかりで、あれよあれよという間に物語の筋書き通り、魔法研究機関に入所することになってしまう。
ひたすら静かに過ごすことに努めるエマを、研究所に集った癖のある者たちの脅威が襲う。日々の苦悩に、エマの胃痛はとどまる所を知らない……

純白の牢獄
ゆる
恋愛
「私は王妃を愛さない。彼女とは白い結婚を誓う」
華やかな王宮の大聖堂で交わされたのは、愛の誓いではなく、冷たい拒絶の言葉だった。
王子アルフォンスの婚姻相手として選ばれたレイチェル・ウィンザー。しかし彼女は、王妃としての立場を与えられながらも、夫からも宮廷からも冷遇され、孤独な日々を強いられる。王の寵愛はすべて聖女ミレイユに注がれ、王宮の権力は彼女の手に落ちていった。侮蔑と屈辱に耐える中、レイチェルは誇りを失わず、密かに反撃の機会をうかがう。
そんな折、隣国の公爵アレクサンダーが彼女の前に現れる。「君の目はまだ死んでいないな」――その言葉に、彼女の中で何かが目覚める。彼はレイチェルに自由と新たな未来を提示し、密かに王宮からの脱出を計画する。
レイチェルが去ったことで、王宮は急速に崩壊していく。聖女ミレイユの策略が暴かれ、アルフォンスは自らの過ちに気づくも、時すでに遅し。彼が頼るべき王妃は、もはや遠く、隣国で新たな人生を歩んでいた。
「お願いだ……戻ってきてくれ……」
王国を失い、誇りを失い、全てを失った王子の懇願に、レイチェルはただ冷たく微笑む。
「もう遅いわ」
愛のない結婚を捨て、誇り高き未来へと進む王妃のざまぁ劇。
裏切りと策略が渦巻く宮廷で、彼女は己の運命を切り開く。
これは、偽りの婚姻から真の誓いへと至る、誇り高き王妃の物語。

《完》義弟と継母をいじめ倒したら溺愛ルートに入りました。何故に?
桐生桜月姫
恋愛
公爵令嬢たるクラウディア・ローズバードは自分の前に現れた天敵たる天才な義弟と継母を追い出すために、たくさんのクラウディアの思う最高のいじめを仕掛ける。
だが、義弟は地味にずれているクラウディアの意地悪を糧にしてどんどん賢くなり、継母は陰ながら?クラウディアをものすっごく微笑ましく眺めて溺愛してしまう。
「もう!どうしてなのよ!!」
クラウディアが気がつく頃には外堀が全て埋め尽くされ、大変なことに!?
天然混じりの大人びている?少女と、冷たい天才義弟、そして変わり者な継母の家族の行方はいかに!?
断る――――前にもそう言ったはずだ
鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」
結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。
周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。
けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。
他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。
(わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)
そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。
ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。
そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?

【完結】消された第二王女は隣国の王妃に熱望される
風子
恋愛
ブルボマーナ国の第二王女アリアンは絶世の美女だった。
しかし側妃の娘だと嫌われて、正妃とその娘の第一王女から虐げられていた。
そんな時、隣国から王太子がやって来た。
王太子ヴィルドルフは、アリアンの美しさに一目惚れをしてしまう。
すぐに婚約を結び、結婚の準備を進める為に帰国したヴィルドルフに、突然の婚約解消の連絡が入る。
アリアンが王宮を追放され、修道院に送られたと知らされた。
そして、新しい婚約者に第一王女のローズが決まったと聞かされるのである。
アリアンを諦めきれないヴィルドルフは、お忍びでアリアンを探しにブルボマーナに乗り込んだ。
そしてある夜、2人は運命の再会を果たすのである。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる