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第二章 悪女復活!?
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しばらくは穏やかな日が続いた。メイドに変装して、こっそり街に出かけることも楽しくて。そうやって王都での暮らしにも慣れて来た頃、再び王城からの呼び出しがあった。
私は散々迷った末、今度はどちらの王子にも肩入れしていないリーゼを連れて行くことにした。前回同伴したハンナに苦情を言われ、疲れてしまったからだ。
幸いにもリーゼの言葉遣いは、だいぶまともになってきた。口を開かなければいいと思うし、失礼な言動をしないときっちり約束させてもいる。破ったら、夕食のデザート抜き――意外にもこれが、彼女には一番堪えるらしい。
今日も地味な服装で。私が着ているのは、紺色で首にレースの襟がついたおとなしいデザインのドレスだ。リーゼも紺色だけど金色の髪が服に映え、目にも鮮やか。みんなはきっと私ではなく、彼女に注目するだろう。
出掛ける直前、玄関ホールでヨルクに呼び止められた。
「ミレディア~、今回も私を置いて行くのかい?」
「ええ。余計なことを話さずに、一日でも早く契約したいもの」
「ミレディアは可愛いから、王子達に隙を見せてはダメだよ?」
「大丈夫よ。お二人には公爵令嬢がいらっしゃるでしょう? 確かエルゼ様」
「あ……う……」
兄よ、知っていたなら事前に教えてほしかった。そして、時間もないので邪魔はしないでほしい。今回はクラウス王子が会って下さるそうだ。王子をお待たせしてはならない。私とリーゼは急いで馬車に乗り込んだ。
おかげで城には余裕を持って到着した。王子を待っていたところ、リーゼが部屋を見回しながら、感慨深げに口を開く。
「まさか、オレ……私が城に来るなんてね? この前までは想像もしていなかったのに」
「ふふ。ねえリーゼ、賢い貴女にもう一度言っておくわ。私の侍女として紹介するのだから、ここではおとなしくしていてね」
「わかってるってば! いえ、かしこまりました。お嬢様」
澄ましたリーゼがおかしくて、私はクスクス笑う。今の口調はハンナにそっくりだ。口喧嘩しつつも最近二人は仲がいい。姉妹のようなハンナとリーゼを見守る私は、さしずめ保護者といったところかしら?
生活の術を身に着けてもらうため、私は普段リーゼを使用人として扱っている。けれど時々部屋に呼んでは、お菓子を一緒に食べたり話をしたりして、仲良くしていた。そんな私をハンナは甘いと言うけれど、可愛いは正義だ。リーゼの成長が楽しみな私としては、彼女の母親代わりを自認している。
今日のリーゼは少し緊張していた。十三歳になったばかりだし、本来なら城に来るのはまだ早い。けれど彼女には、早くからいろんな世界を見せてあげたかった。多くの知識を身につけて、自分を大事によりよく生きてほしいと願う。
親バカだと言われても、こればっかりは仕方がない。
「そうは言っても王子は気さくな方だから、構えなくてもいいわよ? ここだけの話、お好きな方もいらっしゃるんですって」
顔を寄せ声を潜めるついでに、自分自身にも言い聞かせた。想う相手がいるのなら、警戒しなくても大丈夫よね?
「なんだ残念」
リーゼの言葉にギョッとする。
「まさかリーゼ、玉の輿を狙っていたの?」
「違うよ。お嬢に……お嬢様の相手としてどうかと思っただけ。ミレディアが妃になれば、この国も変わるのに」
「バカね」
声を落としておいて良かった。城の誰かに聞かれでもしたら、不快感を与えてしまう。
それに私は妃どころか、誰かと想い合うことさえできない。ずっと一人でいなければならないというのが、私に与えられた罰だから。
「まあいいや。それより、お嬢……お嬢様が熱く語っていたお茶を見るのが楽しみだ」
「なんてことのない、普通の紅茶よ?」
顔を上げて答えた時、すぐ近くで声がする。
「残念だ。前回あんなに褒めてくれたのに」
「クラウス殿下!」
私は慌てて礼をした。
リーゼは教えた通り一歩下がり、前で手を組み頭を下げる。
クラウス王子は長い足で、音もなく歩くのが得意だ。以前に続き、またもや気配を感じなかった。
「では、違うお茶を出そうか?」
「いえ、その……お気を悪くされたのなら謝罪致します。見た目の話をしておりました」
「冗談だ。別に構わない。侍女と親しくしているようだが……随分若いな?」
リーゼを見たクラウス王子が、眉根を寄せる。精悍な顔立ちは、しかめていても絵になるわ……って、関係ないことを考えている場合じゃなかった。リーゼを紹介しなければ。
「ええ、我が家に新しく入りました。とてもいい子ですよ」
「そうか。ではよろしく」
クラウス王子がリーゼに向かって頷いた。リーゼが私に怯えたような視線を向ける。
「固くなっているのか? 主と一緒だな」
そう言って目を細めるクラウス王子は、笑うと優しい印象だ。
「恐れ入ります」
私が答えると、リーゼが首を小さく横に振る。エルゼ様のような可愛らしいタイプがお好みなので、リーゼは気に入られたのかもしれないわね? だからといって、置いて帰るつもりはないけれど。
「それで、あの……先日持参したワインのことですが……」
アウロス王子の時と同じ轍は踏まないよう、席に着くなり仕事の話を持ち出した。商談なので前髪をきちんと上げて。順調に合意に至れば、それだけ早く領地に戻れる。
「ああ、あれか。すまない、私はどうも……辛口は扱っていないのか?」
「いえ、念のため持参致しました」
「もう?」
アウロス王子にクラウス王子の感想を聞いた時、言葉を濁され、双子で意見が違うと言われた。美味しかったと称賛したなら、その場で伝えてくれるはず。違うということは……
また、お茶を飲んで感じたというのもある。すっきりした味わいが好みなら、辛口の方が合うかもしれない、と。契約を焦るわけではないけれど、来る回数は少ない方がいい。そう思って予め、辛口と極甘口の二つのワインを用意した。極甘口の貴腐ワインも、お土産に置いて帰ることにしよう。
二つのワインを並べて説明する。兄の知識には遠く及ばないけれど、必死に勉強してきたのだ。ここには遊びに来たわけでなく、商売の話をしに来ている。仕事には誠意を尽くす……それがこれまでの生を通して、私が学んできたことだ。
「エチケット(ラベル)のデザインにもご注目下さい。中央の絵は、領内の子供達が描いた中から選んだものです。お酒がまだ飲めなくても、既に関わり世の中の役に立っているのだと感じてほしくて」
「その発想はどこから?」
「私が提案したところ、父も兄もすぐに賛成しました」
警戒する必要がないのなら、本当のことを話しても大丈夫そうね。王子達を夢中にさせている公爵令嬢の存在がありがたい。私にとってはエルゼ様様だ。
「以前にも聞いたと思うが、多様な知識をどこで手に入れた?」
「どこでって……」
途端に私は身構える。王子には好きな人がいるからと、すっかり油断をしてしまった。
彼にとって好意と興味はそれぞれ別なのかもしれない。私の過去を――繰り返す転生を話すわけにもいかないし、どうしよう?
私は散々迷った末、今度はどちらの王子にも肩入れしていないリーゼを連れて行くことにした。前回同伴したハンナに苦情を言われ、疲れてしまったからだ。
幸いにもリーゼの言葉遣いは、だいぶまともになってきた。口を開かなければいいと思うし、失礼な言動をしないときっちり約束させてもいる。破ったら、夕食のデザート抜き――意外にもこれが、彼女には一番堪えるらしい。
今日も地味な服装で。私が着ているのは、紺色で首にレースの襟がついたおとなしいデザインのドレスだ。リーゼも紺色だけど金色の髪が服に映え、目にも鮮やか。みんなはきっと私ではなく、彼女に注目するだろう。
出掛ける直前、玄関ホールでヨルクに呼び止められた。
「ミレディア~、今回も私を置いて行くのかい?」
「ええ。余計なことを話さずに、一日でも早く契約したいもの」
「ミレディアは可愛いから、王子達に隙を見せてはダメだよ?」
「大丈夫よ。お二人には公爵令嬢がいらっしゃるでしょう? 確かエルゼ様」
「あ……う……」
兄よ、知っていたなら事前に教えてほしかった。そして、時間もないので邪魔はしないでほしい。今回はクラウス王子が会って下さるそうだ。王子をお待たせしてはならない。私とリーゼは急いで馬車に乗り込んだ。
おかげで城には余裕を持って到着した。王子を待っていたところ、リーゼが部屋を見回しながら、感慨深げに口を開く。
「まさか、オレ……私が城に来るなんてね? この前までは想像もしていなかったのに」
「ふふ。ねえリーゼ、賢い貴女にもう一度言っておくわ。私の侍女として紹介するのだから、ここではおとなしくしていてね」
「わかってるってば! いえ、かしこまりました。お嬢様」
澄ましたリーゼがおかしくて、私はクスクス笑う。今の口調はハンナにそっくりだ。口喧嘩しつつも最近二人は仲がいい。姉妹のようなハンナとリーゼを見守る私は、さしずめ保護者といったところかしら?
生活の術を身に着けてもらうため、私は普段リーゼを使用人として扱っている。けれど時々部屋に呼んでは、お菓子を一緒に食べたり話をしたりして、仲良くしていた。そんな私をハンナは甘いと言うけれど、可愛いは正義だ。リーゼの成長が楽しみな私としては、彼女の母親代わりを自認している。
今日のリーゼは少し緊張していた。十三歳になったばかりだし、本来なら城に来るのはまだ早い。けれど彼女には、早くからいろんな世界を見せてあげたかった。多くの知識を身につけて、自分を大事によりよく生きてほしいと願う。
親バカだと言われても、こればっかりは仕方がない。
「そうは言っても王子は気さくな方だから、構えなくてもいいわよ? ここだけの話、お好きな方もいらっしゃるんですって」
顔を寄せ声を潜めるついでに、自分自身にも言い聞かせた。想う相手がいるのなら、警戒しなくても大丈夫よね?
「なんだ残念」
リーゼの言葉にギョッとする。
「まさかリーゼ、玉の輿を狙っていたの?」
「違うよ。お嬢に……お嬢様の相手としてどうかと思っただけ。ミレディアが妃になれば、この国も変わるのに」
「バカね」
声を落としておいて良かった。城の誰かに聞かれでもしたら、不快感を与えてしまう。
それに私は妃どころか、誰かと想い合うことさえできない。ずっと一人でいなければならないというのが、私に与えられた罰だから。
「まあいいや。それより、お嬢……お嬢様が熱く語っていたお茶を見るのが楽しみだ」
「なんてことのない、普通の紅茶よ?」
顔を上げて答えた時、すぐ近くで声がする。
「残念だ。前回あんなに褒めてくれたのに」
「クラウス殿下!」
私は慌てて礼をした。
リーゼは教えた通り一歩下がり、前で手を組み頭を下げる。
クラウス王子は長い足で、音もなく歩くのが得意だ。以前に続き、またもや気配を感じなかった。
「では、違うお茶を出そうか?」
「いえ、その……お気を悪くされたのなら謝罪致します。見た目の話をしておりました」
「冗談だ。別に構わない。侍女と親しくしているようだが……随分若いな?」
リーゼを見たクラウス王子が、眉根を寄せる。精悍な顔立ちは、しかめていても絵になるわ……って、関係ないことを考えている場合じゃなかった。リーゼを紹介しなければ。
「ええ、我が家に新しく入りました。とてもいい子ですよ」
「そうか。ではよろしく」
クラウス王子がリーゼに向かって頷いた。リーゼが私に怯えたような視線を向ける。
「固くなっているのか? 主と一緒だな」
そう言って目を細めるクラウス王子は、笑うと優しい印象だ。
「恐れ入ります」
私が答えると、リーゼが首を小さく横に振る。エルゼ様のような可愛らしいタイプがお好みなので、リーゼは気に入られたのかもしれないわね? だからといって、置いて帰るつもりはないけれど。
「それで、あの……先日持参したワインのことですが……」
アウロス王子の時と同じ轍は踏まないよう、席に着くなり仕事の話を持ち出した。商談なので前髪をきちんと上げて。順調に合意に至れば、それだけ早く領地に戻れる。
「ああ、あれか。すまない、私はどうも……辛口は扱っていないのか?」
「いえ、念のため持参致しました」
「もう?」
アウロス王子にクラウス王子の感想を聞いた時、言葉を濁され、双子で意見が違うと言われた。美味しかったと称賛したなら、その場で伝えてくれるはず。違うということは……
また、お茶を飲んで感じたというのもある。すっきりした味わいが好みなら、辛口の方が合うかもしれない、と。契約を焦るわけではないけれど、来る回数は少ない方がいい。そう思って予め、辛口と極甘口の二つのワインを用意した。極甘口の貴腐ワインも、お土産に置いて帰ることにしよう。
二つのワインを並べて説明する。兄の知識には遠く及ばないけれど、必死に勉強してきたのだ。ここには遊びに来たわけでなく、商売の話をしに来ている。仕事には誠意を尽くす……それがこれまでの生を通して、私が学んできたことだ。
「エチケット(ラベル)のデザインにもご注目下さい。中央の絵は、領内の子供達が描いた中から選んだものです。お酒がまだ飲めなくても、既に関わり世の中の役に立っているのだと感じてほしくて」
「その発想はどこから?」
「私が提案したところ、父も兄もすぐに賛成しました」
警戒する必要がないのなら、本当のことを話しても大丈夫そうね。王子達を夢中にさせている公爵令嬢の存在がありがたい。私にとってはエルゼ様様だ。
「以前にも聞いたと思うが、多様な知識をどこで手に入れた?」
「どこでって……」
途端に私は身構える。王子には好きな人がいるからと、すっかり油断をしてしまった。
彼にとって好意と興味はそれぞれ別なのかもしれない。私の過去を――繰り返す転生を話すわけにもいかないし、どうしよう?
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『お妃選びは正直しんどい』(*´꒳`*)アルファポリス発行レジーナブックス。5月末刊行予定です。
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