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カイル編
戸惑いの午後
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「どうしたっていうんだ! この学園の生徒としての規範はどうしたっ!」
カイルが珍しく激怒している。
対して、怒られている女生徒達は涙を浮かべておろおろしている。
言い訳さえも受け付けてはもらえない。だって、彼には現場を目撃されてしまったし、私の頬には赤くくっきりと平手打ちの跡がついているのだろう。
あったあった、こんなシーン。ただし中等部の頃、カイルルートに入る前のマリエッタちゃんが相手だったけど。
彼女達を押しのけて、辛そうな表情で私に近寄るカイル。その緑の瞳が苦しそうに翳っている。
「ブランカ……大丈夫? ごめん、私のせいだ。許してくれる?」
はいぃ? 何で。カイルったら、今来たばっかりでしょう?
それに、私の頬にそっと手を当ててそんなに甘く囁いたら、周りのみんながますます勘違いしてしまう。恥ずかしいし何だか焦ってしまったので、ぶんぶん縦に首を振る。
それを見たカイル、私を囲んでいた女生徒達にくるりと向き直り、打って変わって冷たい声でこう言い渡した。
「君達の顔と学年は覚えた。これ以上彼女に危害を加えるのなら、監督生として私にも考えがある。許してくれたからといって甘えるな。もう二度と彼女に手を出さないと誓えるか?」
三人は涙目のまま、必死に頷いている。
そりゃあそうだろう。好きな人に平手打ちをしているところを目撃された上に、今まで見たことも無いほど怖い顔で叱り飛ばされてしまったのだ。ショックも大きかったのではないかと思う。
カイル、私も煽ってしまったし、もうその辺で。彼の袖を掴んで下から見上げ、瞳を見ながらわかって欲しいと訴える。
カイルは自分の袖を掴む私の手に自分の手を添えながら、少しだけいつもの口調に戻って彼女達にさらに言った。
「わかったならいい。今回の処分は保留とする。もう行きなさい」
それは、早くここから立ち去れという命令だった。三人は慌てて一礼すると、バタバタ走って逃げて行った。
ああ、何だかとっても可哀想。
最初に文句を言われて叩かれたのは私の方なのに、彼女達にすごく同情してしまう。
好きな人に嫌われて苦しくなる気持ちは、痛いほどわかるから――
「あれで良かったの? 私としてはきちんと罰を与えても良かったんだけど……」
「いいえ、カイル様。元々は好意から出た事ですもの。好きな人に振り向いてもらえず焦る気持ちは、私にも覚えがありますから」
「そうだね。好きな人に振り向いてもらえないのは、とても苦しいことだよね」
彼もポツリと呟く。
あれ? カイルったら……
この世界は『プリマリ』通りだから、マリエッタのだろう事が好きなんでしょう?
そんなに好きなら、私なんかを助けている場合じゃないと思うの。私の事なんか放っておいて、魔法の授業もマリエッタと組めば良かったのに。せっかく競技会も三年連続で優勝したんだから、私と踊って時間を無駄にするよりも、最初の時みたいに彼女に正式に申し込めば良かったものを。
まったく、優し過ぎるのも考えものよね?
「ブランカ、手当は? 小さな氷室なら監督室にもあるから寄っていく?」
ほら、考えたそばから。
私に優しくしてどうするの!
悪役令嬢に優しくしても何にも出ませんよ?
「いえ、これくらい冷やさなくても大丈夫です」
「そう。じゃあ、放課後にでも寄って」
勢いに押されて思わず頷いてしまったけれど、教室に戻る道すがら考えた。
何がどうしてそうなった?
というか、人気No. 1攻略者がそんなんで良いんですか?
マリエッタちゃんは?
彼女は良いの?
その日の放課後――
遠慮がちにノックをして、私は高等部の『監督室』を訪れた。
競技会で優勝か準優勝すれば監督生となり、この部屋を自由に使える権利をもらえる。高等部でもあっさり優勝してしまったカイルは、当然その権利を持ってる。
少し前までこの部屋に招かれたい、と願う女生徒達が列を作っていた。今はたまたま誰も見かけなかったんだけど。でも一人で良かったんだよね? マリエッタを連れて来た方が良かった?
「かけて気を楽にして」
カイルは優しい。
きっとさっきの事で私がショックを受けていると思って、気を遣ってくれたのだろう。リュークに無視され弱っていただけに、彼の心遣いにちょっとぐらっとしてしまう。私は彼に勧められるまま、ソファーに腰を下ろした。
「どうぞ。バラの紅茶は君も好きだろう?」
良くご存知で。一緒に美味しそうなアーモンド入りの焼き菓子も勧められた。紅茶の良い香りにつられてお腹も空いたように感じるのは、何も私が最初ではないはずだ。
紅茶のカップを口に当てて香りと味を堪能していたら、なぜか突然カイルが当然のように私の隣に腰を下ろした。
ど、どどーなさいました? 他にもソファは空いてますよね?
でも悪役令嬢たる者、これしきのことぐらいで動揺してはいけない。じわじわと距離をとりつつ、何でもないフリをしてお茶を飲んだ。もちろん味はわからなかった。
「リュークの症状がもし本当に『記憶喪失』だとしたら……」
何を思ったのかカイルは、私の手を取ると自分の両手で包みこみながら静かに語りだした。
「それだけの強い想いが君に対してだけはあったという事だろうね。だからその点に関しては、君は自分に自信を持っていいと思うよ」
ああ、そうか。カイルは私を慰めようとしているんだ。
リュークが私の事だけを忘れていたとわかってから、もう何日も私は落ち込んでいる。だから私は、この方を心配させてしまっていたんだ。リュークの留学中もずっと、私の事を気にかけて下さって冗談で紛らわせて下さった優しいこの方を――
少しでも感謝の気持ちを伝えたくて、綺麗な緑の瞳をじっと見つめる。彼も私を優しい微笑みと共に見つめ返してくれている。
「ああ、ブランカ。そんな風に君に見つめられると、私は想いを口にしてしまいそうだ。泣きたい時は、思いっきり泣けば良い。辛い気持ちを吐き出すための肩なら貸すから、遠慮なくどうぞ」
ああ、さすがは『プリマリ』人気ナンバー1。
彼の声はひどく優しく、そして甘い。言いながら自分の腕で私を包み込み、広い胸に頭を押し当てるようにしてくれる。
カイルの手が優しくそっと私の髪を撫でるから、とうとう今まで我慢してきたものが堪えきれなくなって、思い切り泣いてしまった。
誰にも言えなかった悲しみを、カイルの前では素直に吐き出せた。彼が私を優しく支えてくれるから、苦しみを涙に変えて流すことができた。漏れる嗚咽を掌で塞ぐ……。彼は何も言わずに、ずっと優しく髪を撫でてくれていた。
しばらくして正気に返ると「しまった!」という思いが強くなった。今日の私はカイルに、みっともない所ばかりを見せている。いつの間にか握り締めていた彼の白いシャツも涙でベットリ。あ、でも、鼻水やよだれは出してないからね?
それでも、こんな姿を昼間の三人組に見られたら、今度こそ平手打ちなんかじゃ済まなくて、それこそ刺されてしまうかもしれない。学園の全女生徒の憧れのカイル。
本物の王子様にこんな仕打ちをしたってバレたら、明日から私の命はないかもしれない!
「カイル様、わたわた私ったら何てことを!」
「大丈夫、替えのシャツはあるから落ち着いて。それよりも少しは気が済んだ? 泣きたい時にはいつでも肩を貸すから、ここにおいで」
ああ、カイルったら。
悪役令嬢にそんなに優しい言葉をかけてはダメ。頭ポンポンしながらそんな事を言ったら、どうしてよいかわからなくて戸惑ってしまう。
私は今、自分の軽率な行動に泣きたい。優しくされたからって、すぐにまた甘えてしまいたくなるなんてどういうこと!?
「カイル様、ありがとうございました。おかげでスッキリしました。では、また」
これ以上迷惑をかけてはいけないので、私は素早く『監督室』を後にした。
マリエッタちゃん、ごめん。
あなたの恋を応援するはずなのに、ちょっとだけときめいちゃった。本当にごめんね!
カイルが珍しく激怒している。
対して、怒られている女生徒達は涙を浮かべておろおろしている。
言い訳さえも受け付けてはもらえない。だって、彼には現場を目撃されてしまったし、私の頬には赤くくっきりと平手打ちの跡がついているのだろう。
あったあった、こんなシーン。ただし中等部の頃、カイルルートに入る前のマリエッタちゃんが相手だったけど。
彼女達を押しのけて、辛そうな表情で私に近寄るカイル。その緑の瞳が苦しそうに翳っている。
「ブランカ……大丈夫? ごめん、私のせいだ。許してくれる?」
はいぃ? 何で。カイルったら、今来たばっかりでしょう?
それに、私の頬にそっと手を当ててそんなに甘く囁いたら、周りのみんながますます勘違いしてしまう。恥ずかしいし何だか焦ってしまったので、ぶんぶん縦に首を振る。
それを見たカイル、私を囲んでいた女生徒達にくるりと向き直り、打って変わって冷たい声でこう言い渡した。
「君達の顔と学年は覚えた。これ以上彼女に危害を加えるのなら、監督生として私にも考えがある。許してくれたからといって甘えるな。もう二度と彼女に手を出さないと誓えるか?」
三人は涙目のまま、必死に頷いている。
そりゃあそうだろう。好きな人に平手打ちをしているところを目撃された上に、今まで見たことも無いほど怖い顔で叱り飛ばされてしまったのだ。ショックも大きかったのではないかと思う。
カイル、私も煽ってしまったし、もうその辺で。彼の袖を掴んで下から見上げ、瞳を見ながらわかって欲しいと訴える。
カイルは自分の袖を掴む私の手に自分の手を添えながら、少しだけいつもの口調に戻って彼女達にさらに言った。
「わかったならいい。今回の処分は保留とする。もう行きなさい」
それは、早くここから立ち去れという命令だった。三人は慌てて一礼すると、バタバタ走って逃げて行った。
ああ、何だかとっても可哀想。
最初に文句を言われて叩かれたのは私の方なのに、彼女達にすごく同情してしまう。
好きな人に嫌われて苦しくなる気持ちは、痛いほどわかるから――
「あれで良かったの? 私としてはきちんと罰を与えても良かったんだけど……」
「いいえ、カイル様。元々は好意から出た事ですもの。好きな人に振り向いてもらえず焦る気持ちは、私にも覚えがありますから」
「そうだね。好きな人に振り向いてもらえないのは、とても苦しいことだよね」
彼もポツリと呟く。
あれ? カイルったら……
この世界は『プリマリ』通りだから、マリエッタのだろう事が好きなんでしょう?
そんなに好きなら、私なんかを助けている場合じゃないと思うの。私の事なんか放っておいて、魔法の授業もマリエッタと組めば良かったのに。せっかく競技会も三年連続で優勝したんだから、私と踊って時間を無駄にするよりも、最初の時みたいに彼女に正式に申し込めば良かったものを。
まったく、優し過ぎるのも考えものよね?
「ブランカ、手当は? 小さな氷室なら監督室にもあるから寄っていく?」
ほら、考えたそばから。
私に優しくしてどうするの!
悪役令嬢に優しくしても何にも出ませんよ?
「いえ、これくらい冷やさなくても大丈夫です」
「そう。じゃあ、放課後にでも寄って」
勢いに押されて思わず頷いてしまったけれど、教室に戻る道すがら考えた。
何がどうしてそうなった?
というか、人気No. 1攻略者がそんなんで良いんですか?
マリエッタちゃんは?
彼女は良いの?
その日の放課後――
遠慮がちにノックをして、私は高等部の『監督室』を訪れた。
競技会で優勝か準優勝すれば監督生となり、この部屋を自由に使える権利をもらえる。高等部でもあっさり優勝してしまったカイルは、当然その権利を持ってる。
少し前までこの部屋に招かれたい、と願う女生徒達が列を作っていた。今はたまたま誰も見かけなかったんだけど。でも一人で良かったんだよね? マリエッタを連れて来た方が良かった?
「かけて気を楽にして」
カイルは優しい。
きっとさっきの事で私がショックを受けていると思って、気を遣ってくれたのだろう。リュークに無視され弱っていただけに、彼の心遣いにちょっとぐらっとしてしまう。私は彼に勧められるまま、ソファーに腰を下ろした。
「どうぞ。バラの紅茶は君も好きだろう?」
良くご存知で。一緒に美味しそうなアーモンド入りの焼き菓子も勧められた。紅茶の良い香りにつられてお腹も空いたように感じるのは、何も私が最初ではないはずだ。
紅茶のカップを口に当てて香りと味を堪能していたら、なぜか突然カイルが当然のように私の隣に腰を下ろした。
ど、どどーなさいました? 他にもソファは空いてますよね?
でも悪役令嬢たる者、これしきのことぐらいで動揺してはいけない。じわじわと距離をとりつつ、何でもないフリをしてお茶を飲んだ。もちろん味はわからなかった。
「リュークの症状がもし本当に『記憶喪失』だとしたら……」
何を思ったのかカイルは、私の手を取ると自分の両手で包みこみながら静かに語りだした。
「それだけの強い想いが君に対してだけはあったという事だろうね。だからその点に関しては、君は自分に自信を持っていいと思うよ」
ああ、そうか。カイルは私を慰めようとしているんだ。
リュークが私の事だけを忘れていたとわかってから、もう何日も私は落ち込んでいる。だから私は、この方を心配させてしまっていたんだ。リュークの留学中もずっと、私の事を気にかけて下さって冗談で紛らわせて下さった優しいこの方を――
少しでも感謝の気持ちを伝えたくて、綺麗な緑の瞳をじっと見つめる。彼も私を優しい微笑みと共に見つめ返してくれている。
「ああ、ブランカ。そんな風に君に見つめられると、私は想いを口にしてしまいそうだ。泣きたい時は、思いっきり泣けば良い。辛い気持ちを吐き出すための肩なら貸すから、遠慮なくどうぞ」
ああ、さすがは『プリマリ』人気ナンバー1。
彼の声はひどく優しく、そして甘い。言いながら自分の腕で私を包み込み、広い胸に頭を押し当てるようにしてくれる。
カイルの手が優しくそっと私の髪を撫でるから、とうとう今まで我慢してきたものが堪えきれなくなって、思い切り泣いてしまった。
誰にも言えなかった悲しみを、カイルの前では素直に吐き出せた。彼が私を優しく支えてくれるから、苦しみを涙に変えて流すことができた。漏れる嗚咽を掌で塞ぐ……。彼は何も言わずに、ずっと優しく髪を撫でてくれていた。
しばらくして正気に返ると「しまった!」という思いが強くなった。今日の私はカイルに、みっともない所ばかりを見せている。いつの間にか握り締めていた彼の白いシャツも涙でベットリ。あ、でも、鼻水やよだれは出してないからね?
それでも、こんな姿を昼間の三人組に見られたら、今度こそ平手打ちなんかじゃ済まなくて、それこそ刺されてしまうかもしれない。学園の全女生徒の憧れのカイル。
本物の王子様にこんな仕打ちをしたってバレたら、明日から私の命はないかもしれない!
「カイル様、わたわた私ったら何てことを!」
「大丈夫、替えのシャツはあるから落ち着いて。それよりも少しは気が済んだ? 泣きたい時にはいつでも肩を貸すから、ここにおいで」
ああ、カイルったら。
悪役令嬢にそんなに優しい言葉をかけてはダメ。頭ポンポンしながらそんな事を言ったら、どうしてよいかわからなくて戸惑ってしまう。
私は今、自分の軽率な行動に泣きたい。優しくされたからって、すぐにまた甘えてしまいたくなるなんてどういうこと!?
「カイル様、ありがとうございました。おかげでスッキリしました。では、また」
これ以上迷惑をかけてはいけないので、私は素早く『監督室』を後にした。
マリエッタちゃん、ごめん。
あなたの恋を応援するはずなのに、ちょっとだけときめいちゃった。本当にごめんね!
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『綺麗になるから見てなさいっ!』(*´꒳`*)アルファポリス発行レジーナブックス。書店、通販にて好評発売中です。
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