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ジュリアン編
天使なワンコ
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「ブランカ!!」
教室のドアを開ける音が聞こえ、私を呼ぶ声がする。
最近1日1回、昼休みの時間にマリエッタが『光』魔法の癒しの力で、私の眼の治療をしてくれている。方法は至ってシンプルで、私の瞼に彼女の手を置いて光を目に流し込むだけ。
柔らかくて優しいマリエッタちゃんの手の平がじわーっと温かくなって光が注ぎ込まれると、何だか目が活性化する。療養中はいくら頑張ってもダメだった視力が、この魔法のお陰で治療の後には一瞬だけメガネが無くても物が見えるようになっていて、少しずつ良くなっているような気がする。
でも、治療は途中で止める事ができないから、始めたらしばらくは目を開けることができない。目はとても繊細で私もマリエッタもその辺は良くわかっているから、彼女の手に目隠しをされたまま私は声の主に答える。
「もしかして、ジュリアン?」
私の声を聞きつけたジュリアンらしき人物が息を呑む。こちらに気がついたようだ。プレイしていた『プリマリ』の声そのままだったから、間違ってはいないと思うんだけど……。
後ろからもう一人足音が聞こえる。マリエッタに目を塞がれたままだから見えないけれど、誰だろう?
「まだかかりそう?」
その人物が、マリエッタに聞いている。
ああ、そうか。この声は……。
「ユーリスも一緒なの?」
「見えてないのにわかるんだ。スゴイね!」
私の『プリマリ』ファン歴を舐めないで欲しい。
注ぎ込んだ金額はちょっとやそっとじゃありません。
未だに登場キャラクター全員の声を楽に聴きわけるぐらいは、余裕なのだ。何たってCV(キャラクターボイス)聴くために、ヘッドフォン買い直したぐらいだし。
マリエッタが手を離した途端、銀色の塊が私に飛び付いてきた。
「ブランカ姉様! 会いたかったよ!!」
ジュリアンは相変わらず子犬のようで愛くるしい。銀色の髪もツヤツヤで、ほっぺはバラ色。大きな緑の瞳もそのまま。
5歳の時より全体的にスッキリとして大きくなった印象はあるものの、本格的に登場予定の中等部の姿よりは小さくて、相変わらず天使みたいだ。
ただ、ちょっと……。
ねぇ、ジュリアン。あなたが抱きついてスリスリしている所、ちょうど私の胸なんだけど。
きょとんと顔を上げる彼を見た瞬間、そう文句を言おうとしていた気持ちも吹っ飛ぶ。邪気の無い澄んだロイヤルグリーンの瞳が、私を見返している。
ああ、疑ってゴメンね?
こんなにも可愛らしく天使のようなあなたが、わざとだなんて考えてしまってゴメンなさい。私はいつの間に、醜い考えをする大人になってしまったのかしら。
しばらくジュリアンと見つめ合っていたら、ユーリスが話しかけてきた。
「マリエッタの治療後は眼鏡が無くても見えているの?」
そうなのよ~、とユーリスと二言三言交わしていた所、
「ブランカ姉様、こっちー!!」
と、ジュリアンに首をグキッと回された。
少なくともジュリアンは、見た瞬間襲って殴り倒したい程、私の事を醜い顔だとは思っていないみたい。回された首は痛いけれど、自分の方を向くようにと言ってくれている。何て寛大な!
これはあれかな?
飼い犬がご主人様に一番懐くのと一緒で、小さな頃に私と出会った彼は、どんなに顔がブサイクでも私と向き合うと、決めてくれているのかしら?
だって久しぶりに会ったというのに、ジュリアンの頭に耳が、お尻にシッポがパタパタしている様子が目に浮かぶようだもの。
ワンコは頭も良いし賢いから、ジュリアンのイメージにピッタリね!
そうなるとカイル様はヒョウ、リュークはタカ、ライオネルはライオン、ユーリスはヤギ……のイメージで、マリエッタちゃんがウサギちゃんかしら? あら、じゃあ悪役令嬢な私は? まさか、豚って事は無いわよね。まあ、ミニブタ可愛いから好きだけど。
ますます自分の顔が気になってきた。
ブスに偏見は無いけれど、自分が見るに耐えられる顔なのか、それともすぐに殴り倒したくなる程度なのかで、今後の対応も変わってくる。マリエッタちゃんが鏡を取りに行ってくれると言っていたから、さっきから首を長くして待っているのになかなか戻って来る気配がない。
いつもなぜかとても時間がかかっているから、私は眼鏡無しの自分の顔をまだ一度もまともに見たことがないのだ。
「ゴメンなさいね~ブランカ様。お待たせ~~!!」
手鏡を持ったマリエッタが戻ってきた。
ああ、やっと。やっと自分の顔が見られる!
と思ったら、またしてもボヤけてきた。視界の隅にニヤリと笑う彼女が見える。
ねぇ、マリエッタちゃん。もしかして、わざと?
わざと私に鏡を見せないようにしているの?
私の顔はそんなに酷いのかしら?
悪役令嬢に意地悪しているあなたは、もしかして真の悪役令嬢?
ああ、そっか。治療の前に鏡を用意しておけば良かったのね?
マリーに頼ってばかりだったからダメだったんだ。
ちゃんと『悪役』していなかったから、ヒロイン自身がわからせようと喝を入れてくれたのかもしれない。
だから、さっきから心配そうに私の腰に手を回している銀色ワンコに『大丈夫よ』という風に微笑みかけて彼の頭を撫でる。嬉しそうに、また頭をスリスリしてくる様子がとても可愛い……けど、やっぱりそこ、胸だし。
お昼の休み時間は短かかったから、放課後残って待ってくれていたジュリアンと少しだけ話をした。初等部は寮生活では無いから、彼は毎日王宮から学園まで馬車で通っているのだという。ユーリスも王都に別宅があるため、そこから通っているそうだ。
本当は、マリエッタの攻略者に意地悪する目的以外で自分から接触するのは良くないと思うんだけど。でも、自分に課したルールを破ってでも、真っ直ぐに私を慕ってくれるジュリアンと話をしてみたかった。それほど彼は愛くるしく、逆らい難い魅力があるから。
ゲームの中では腹黒肉食系男子だったジュリアン。だけど、このまま素直に育ってくれれば良いと思う。……ああ、でもそれだとマリエッタちゃんを手に入れる事はできないか。彼女より二歳も年下で『プリマリ』でのスタートも誰よりも遅れてしまうから、顔に似合わず強引で無いとダメなんだ。こんなに可愛いらしいのにガツガツ肉食系男子になるなんて、何だかちょっともったいないなぁ~~。
「どうしたの、ブランカ姉様。何でそんなに困った顔をしているの?」
分厚いメガネに覆われているから私の表情は読めないはずなのに。
す、鋭い! もしかしてこの子、本当に天使なんじゃ……?
「どうしてそう思ったの?」
「ん? 何となく……。何かボンヤリしていたし。僕と一緒じゃつまらない?」
きゅるんとした顔を悲しそうに歪めて、な、何て事を聞いてくるんじゃ~~!
こんなに可愛い弟みたいなワンコといるのに、そんなわけないじゃない!!
私はむしろ、あなたの将来を心配しているの。
「まさか。でも、ジュリアンこそどうなの? 私と一緒で大丈夫? 好きな人と一緒が良いんじゃないの?」
私が学園にいないうちに、マリエッタとの淡い恋が始まっていたりして。
まだ小さいからそんなに濃厚シチュエーションはないと思うけど、もしそうならスチルは全部回収しておかなくちゃ。
ポッとほおを赤くして、照れるジュリアン。
あら? この反応はもしかして……。
恥ずかしいの? それともマリエッタに既に恋をしているの?
どっち?
「ねえ、ジュリアン。ちょっと早いとは思うけれど、あなたがそんなに彼女のことが大好きなら、特別に応援してあげるわよ?」
贔屓するのは良くないけれど、最年少の彼にはただでさえハンデがあるんだもの。私が間に入ることで、少しでも腹黒肉食が回避されれば良いなと思う。
「……別に今、好きな人はいないけれど。ねえ、ブランカ姉様は一体誰の事を言っているの?」
可愛らしくほおを染めていたはずのジュリアンが、明らかにムスッとした様子になっている。あらら? 私、何か間違えちゃったのかしら。こんな話は彼にはまだ早かった?
「誰って……。ごめんなさい、私ったら勘違いをしていたみたい。あなたがもっと大きくなって自分の気持ちに気がつくのを待ちましょう」
そう答えた私の言葉に、何とも言えない表情をしたジュリアン。
その顔は一瞬、大きくなってスチルから抜け出たものかと見紛うほど、大人っぽく切ないものだった。
教室のドアを開ける音が聞こえ、私を呼ぶ声がする。
最近1日1回、昼休みの時間にマリエッタが『光』魔法の癒しの力で、私の眼の治療をしてくれている。方法は至ってシンプルで、私の瞼に彼女の手を置いて光を目に流し込むだけ。
柔らかくて優しいマリエッタちゃんの手の平がじわーっと温かくなって光が注ぎ込まれると、何だか目が活性化する。療養中はいくら頑張ってもダメだった視力が、この魔法のお陰で治療の後には一瞬だけメガネが無くても物が見えるようになっていて、少しずつ良くなっているような気がする。
でも、治療は途中で止める事ができないから、始めたらしばらくは目を開けることができない。目はとても繊細で私もマリエッタもその辺は良くわかっているから、彼女の手に目隠しをされたまま私は声の主に答える。
「もしかして、ジュリアン?」
私の声を聞きつけたジュリアンらしき人物が息を呑む。こちらに気がついたようだ。プレイしていた『プリマリ』の声そのままだったから、間違ってはいないと思うんだけど……。
後ろからもう一人足音が聞こえる。マリエッタに目を塞がれたままだから見えないけれど、誰だろう?
「まだかかりそう?」
その人物が、マリエッタに聞いている。
ああ、そうか。この声は……。
「ユーリスも一緒なの?」
「見えてないのにわかるんだ。スゴイね!」
私の『プリマリ』ファン歴を舐めないで欲しい。
注ぎ込んだ金額はちょっとやそっとじゃありません。
未だに登場キャラクター全員の声を楽に聴きわけるぐらいは、余裕なのだ。何たってCV(キャラクターボイス)聴くために、ヘッドフォン買い直したぐらいだし。
マリエッタが手を離した途端、銀色の塊が私に飛び付いてきた。
「ブランカ姉様! 会いたかったよ!!」
ジュリアンは相変わらず子犬のようで愛くるしい。銀色の髪もツヤツヤで、ほっぺはバラ色。大きな緑の瞳もそのまま。
5歳の時より全体的にスッキリとして大きくなった印象はあるものの、本格的に登場予定の中等部の姿よりは小さくて、相変わらず天使みたいだ。
ただ、ちょっと……。
ねぇ、ジュリアン。あなたが抱きついてスリスリしている所、ちょうど私の胸なんだけど。
きょとんと顔を上げる彼を見た瞬間、そう文句を言おうとしていた気持ちも吹っ飛ぶ。邪気の無い澄んだロイヤルグリーンの瞳が、私を見返している。
ああ、疑ってゴメンね?
こんなにも可愛らしく天使のようなあなたが、わざとだなんて考えてしまってゴメンなさい。私はいつの間に、醜い考えをする大人になってしまったのかしら。
しばらくジュリアンと見つめ合っていたら、ユーリスが話しかけてきた。
「マリエッタの治療後は眼鏡が無くても見えているの?」
そうなのよ~、とユーリスと二言三言交わしていた所、
「ブランカ姉様、こっちー!!」
と、ジュリアンに首をグキッと回された。
少なくともジュリアンは、見た瞬間襲って殴り倒したい程、私の事を醜い顔だとは思っていないみたい。回された首は痛いけれど、自分の方を向くようにと言ってくれている。何て寛大な!
これはあれかな?
飼い犬がご主人様に一番懐くのと一緒で、小さな頃に私と出会った彼は、どんなに顔がブサイクでも私と向き合うと、決めてくれているのかしら?
だって久しぶりに会ったというのに、ジュリアンの頭に耳が、お尻にシッポがパタパタしている様子が目に浮かぶようだもの。
ワンコは頭も良いし賢いから、ジュリアンのイメージにピッタリね!
そうなるとカイル様はヒョウ、リュークはタカ、ライオネルはライオン、ユーリスはヤギ……のイメージで、マリエッタちゃんがウサギちゃんかしら? あら、じゃあ悪役令嬢な私は? まさか、豚って事は無いわよね。まあ、ミニブタ可愛いから好きだけど。
ますます自分の顔が気になってきた。
ブスに偏見は無いけれど、自分が見るに耐えられる顔なのか、それともすぐに殴り倒したくなる程度なのかで、今後の対応も変わってくる。マリエッタちゃんが鏡を取りに行ってくれると言っていたから、さっきから首を長くして待っているのになかなか戻って来る気配がない。
いつもなぜかとても時間がかかっているから、私は眼鏡無しの自分の顔をまだ一度もまともに見たことがないのだ。
「ゴメンなさいね~ブランカ様。お待たせ~~!!」
手鏡を持ったマリエッタが戻ってきた。
ああ、やっと。やっと自分の顔が見られる!
と思ったら、またしてもボヤけてきた。視界の隅にニヤリと笑う彼女が見える。
ねぇ、マリエッタちゃん。もしかして、わざと?
わざと私に鏡を見せないようにしているの?
私の顔はそんなに酷いのかしら?
悪役令嬢に意地悪しているあなたは、もしかして真の悪役令嬢?
ああ、そっか。治療の前に鏡を用意しておけば良かったのね?
マリーに頼ってばかりだったからダメだったんだ。
ちゃんと『悪役』していなかったから、ヒロイン自身がわからせようと喝を入れてくれたのかもしれない。
だから、さっきから心配そうに私の腰に手を回している銀色ワンコに『大丈夫よ』という風に微笑みかけて彼の頭を撫でる。嬉しそうに、また頭をスリスリしてくる様子がとても可愛い……けど、やっぱりそこ、胸だし。
お昼の休み時間は短かかったから、放課後残って待ってくれていたジュリアンと少しだけ話をした。初等部は寮生活では無いから、彼は毎日王宮から学園まで馬車で通っているのだという。ユーリスも王都に別宅があるため、そこから通っているそうだ。
本当は、マリエッタの攻略者に意地悪する目的以外で自分から接触するのは良くないと思うんだけど。でも、自分に課したルールを破ってでも、真っ直ぐに私を慕ってくれるジュリアンと話をしてみたかった。それほど彼は愛くるしく、逆らい難い魅力があるから。
ゲームの中では腹黒肉食系男子だったジュリアン。だけど、このまま素直に育ってくれれば良いと思う。……ああ、でもそれだとマリエッタちゃんを手に入れる事はできないか。彼女より二歳も年下で『プリマリ』でのスタートも誰よりも遅れてしまうから、顔に似合わず強引で無いとダメなんだ。こんなに可愛いらしいのにガツガツ肉食系男子になるなんて、何だかちょっともったいないなぁ~~。
「どうしたの、ブランカ姉様。何でそんなに困った顔をしているの?」
分厚いメガネに覆われているから私の表情は読めないはずなのに。
す、鋭い! もしかしてこの子、本当に天使なんじゃ……?
「どうしてそう思ったの?」
「ん? 何となく……。何かボンヤリしていたし。僕と一緒じゃつまらない?」
きゅるんとした顔を悲しそうに歪めて、な、何て事を聞いてくるんじゃ~~!
こんなに可愛い弟みたいなワンコといるのに、そんなわけないじゃない!!
私はむしろ、あなたの将来を心配しているの。
「まさか。でも、ジュリアンこそどうなの? 私と一緒で大丈夫? 好きな人と一緒が良いんじゃないの?」
私が学園にいないうちに、マリエッタとの淡い恋が始まっていたりして。
まだ小さいからそんなに濃厚シチュエーションはないと思うけど、もしそうならスチルは全部回収しておかなくちゃ。
ポッとほおを赤くして、照れるジュリアン。
あら? この反応はもしかして……。
恥ずかしいの? それともマリエッタに既に恋をしているの?
どっち?
「ねえ、ジュリアン。ちょっと早いとは思うけれど、あなたがそんなに彼女のことが大好きなら、特別に応援してあげるわよ?」
贔屓するのは良くないけれど、最年少の彼にはただでさえハンデがあるんだもの。私が間に入ることで、少しでも腹黒肉食が回避されれば良いなと思う。
「……別に今、好きな人はいないけれど。ねえ、ブランカ姉様は一体誰の事を言っているの?」
可愛らしくほおを染めていたはずのジュリアンが、明らかにムスッとした様子になっている。あらら? 私、何か間違えちゃったのかしら。こんな話は彼にはまだ早かった?
「誰って……。ごめんなさい、私ったら勘違いをしていたみたい。あなたがもっと大きくなって自分の気持ちに気がつくのを待ちましょう」
そう答えた私の言葉に、何とも言えない表情をしたジュリアン。
その顔は一瞬、大きくなってスチルから抜け出たものかと見紛うほど、大人っぽく切ないものだった。
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