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レインの屋敷に行きます。

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レインは私の返事を聞くなり、こう言った。


「では、すぐに迎えを呼ぼう。」


レインはパチンッと指を鳴らした。

私はレインの行動が理解できなかったが、すぐに理解することになった。


突然、何処からか馬の足音が聞こえてきたのだ。

馬だけでなく、台車を引きずるような音まで聞こえてくる。


まさかと思い音のする方へ目を凝らすと、うっすら影が見えてきた。


「も、もしかして・・・。」


口に手を当て私がたじろいでいる間にも、音はどんどんこちらへ向かってやって来る。


そしてとうとう目の前まできてしまった。


馬二頭を筆頭に、手綱で繋がれた荷台。

荷台と言っても、人が優雅に座れる広さを持った、豪華なものだ。

御者が手綱を引き、馬は私たちの前でちょうど止まった。

私は空いた口が塞がらなかった。



「な、なんで馬車がここに・・・・。」

それを見て、レインが楽しそうに笑いながら言った。


「びっくりした?だって、善は急げって言うし、早い方がいいだろう?

ユリアの気が変わらないうちに、君をここから連れ去ってしまいたいのさ。」


「ち、違う・・!」



そうじゃなくて!そんなことを聞いているんじゃなくて!

なんで指を鳴らしただけで、馬車が来るの!?


ずっと森の近くに待機させてたって事?

もしそうなら、人使いが荒すぎる!!


「レインはずっと御者をこの森に待機させていたんですか?」

嫌悪感を含ませながらそう聞くと、レインは慌てて否定した。


「いいや、待機なんかさせていない。これは、僕の魔法の一つさ。」

取り繕うようにそう言うが、嘘をついているようにしか聞こえない。



「魔法の域を越えている気がするんだけど。」


そう指摘するとレインはばつの悪そうな顔をした。


「ああ、まあね。僕はちょっと特別なんだ。

基本的になんでも思い通りにできるよ。」



いまいち説得力がないけど、これ以上聞いても堂々巡りになりそうなのでやめた。


とにかく馬車に乗ろう。


そう思った私はレインの手を借り馬車に乗った。

もちろん、妖精の三人もついてきた。


「えっと、君たちも来るんだね・・・。」


それを見たレインがひくつきながらそう言う。


「当たり前でしょう?ユリアの事が私たちも心配なの。」


エリザがきっぱりそう言って、私の方に寄り添った。



「はあ、分かったよ。みんなでユリアを守ろう。」

レインはため息交じりにそう言ってから、馬車に乗り込んだ。



「出してくれ。」


レインの一言で、馬車はゆっくりと動き始めた。


ああ、また街に戻ることになるなんて。

でも、レインは公爵家なんだから、相当立派な屋敷に住んでいるんだろうな。

そう考えると、少し楽しみかもしれない。


窓に寄りかかり、レインの屋敷はどんな建物だろうと想像をめぐらせた。



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