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星祭りの夜に1

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それからというもの、ウィルはほぼ毎日仕事が終わる私を迎えに来て、色々なご飯屋さんやケーキ屋さんに連れていきご馳走してくれた。

私も私で、連れていかれた先では遠慮なく食べるので、最近太ったような気がする。



騎士としての仕事はどうしたのかと聞いたら、長期の休暇を貰ったとの事。

そのうえ最近は夜も私の家周辺を警備しているらしく、とにかく私はウィルに至れり尽くせり状態だった。



ウィルが仕事が終わる私を待っているのはナターナ夫妻もすでに承知済みで、ウィルがお店に来るとナターナ夫人がにこにこし、

「ほら、恋人が来たよ!」

何て言って、早く上がるようせかしてくるようになった。



そんな日々がすっかり日常になりつつあった頃。




いつものように仕事が終わる私を待っていたウィルに「お待たせ!」と言って声を掛けると、ウィルがこちらを振り返った。


「お疲れ、ユキナ。」


そしてウィルと並んで歩きだした私に、ウィルがふと思い出したかのように言った。


「あのさ、今夜予定あったりする?」


ウィルのその言葉に思わずドキッとする。



ナターナ夫人に恋人と呼ばれるようなウィルだけど、実際に付き合っているわけではないし、ご飯に一緒に行くだけで恋人らしいこともしていない。

だから、ウィルと私の関係性は友達・・・が一番近いのだろうがしっくりは来ない。

そんな曖昧な関係の私たちだけど、こんな風に改めて予定を、しかも今日の夜の予定を聞いてくるって事はもしかして・・・ついに告白されちゃったり!?



「特にないですよ。」


ドキドキしながらウィルの目を見て答えた。




「じゃあ、今夜の星祭り一緒に参加できそうだな。」



「ほ、星祭り・・・?」



聞きなれない名前に首を傾げる。


「毎年やっている祭りだよ。

ユキナは令嬢時代、城下町にはほとんど顔出さなかったから知らないのかな?」



本当は異世界から来たから知らないんだけど、とりあえずウィルに合わせておくことにしよう。



「そうですね。あの頃はずっと城と家の行き来ばっかりだっから。
そんなお祭りがあるんですね。」



「ああ、ちょうど今日がその日なんだ。あれを見て。」


ウィルが指さす方向を見ると、街の至る所に生えている木に、星をかたどった綺麗な色の飾りがたくさん付けられていた。



いやこれ・・・どう見ても・・・・


クリスマス・・・!クリスマスだどう見ても!


木に付けられた飾り付けは全て星で統一されているが、全体的な雰囲気はクリスマスで間違いなかった。

この小説を書いた作者はクリスマスが好きだったのかな?


「俺と一緒に行かない?ユキナが好きそうな食べ物のお店もたくさん出ると思うよ。」



その言葉に、さっきまで告白されるのかななんて考えていたのがすっかりどこかへ吹き飛んでしまった。


「行きます!楽しみです。」


二つ返事で了承した私は、昼ご飯も食べていないのに、夜ご飯の事で頭が埋め尽くされてしまった。



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