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第三章
第四話 政変
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それは突然に起こった。
ジェフリー・アベドが公務のために移動中、何者かに長距離射撃を受けた。
その弾丸は確実に彼の心臓を貫通し、一瞬で生命活動を停止させた。
調べによると、その弾丸は純ミスリル製であり、そのスナイパーが持つ甚大な魔力を反映して、緻密な長距離射撃を可能したとの事である。
しかし弾丸に残った魔力は僅かであり、犯人の特定には結びつかなかった。
これを契機とし、独立運動は更に勢いを増していった。
都市部では暴動が頻発し、それを武力で抑止するティアーノ政府軍との戦いは、もはや内戦の様相を呈していた。
アガルタとシーアの緊張も頂点に達していた。
アガルタは全人種の平等と人権を掲げ、一方のシーアは市民を脅かすテロリズムへの制裁を声高に叫び、それは国境沿いでの戦闘の更なる激化を招いた。
そうして犠牲者が日に日に増えていくたびに、お互いの陣営は自らの加熱する戦争への姿勢を見直すどころか、さらに己が主張を強固なものへとしていき、ある日それはついに臨界を迎えた。
シーア公国のトップでありガルム大公は、ついに東アガルタ連合に対して正式に宣戦布告する旨を決定した。
アガルタもこれに答え、全ての軍備を国境に派遣し、シーアを始めとした全ての差別主義者・純粋種至上主義との戦いに必ず打ち勝つと公に発表した。
これを契機に世界は二つの勢力に割れた。
アガルタに共感し、シーアを始めとした純粋種国家への非難の意思を明確にする国。
そしてもう一方は、アガルタを始めとした亜人国家が世界を煽動するテロの権化であるとし、軍事攻撃を支援する国である。
そしてアズリエル王国は、言うまでもなく後者であった。
そしてアズリエル王国内においては、政見放送が各所で行われた。
街頭の術式ビジョンだけでなく、国内の至る所でリチャード王による会見が繰り返し放送された。
『善良なるアズリエル臣民よ、時は来たれり!』
画面内のリチャードは、声高に叫んだ。
『我が兄弟シーアに対して、東アガルタ連合は暴虐の限りを尽くして来た。
弱者の救済などと言う綺麗事を並べ立て、平和なるシーアを攻撃し進行しようと目論んだ。
正義というものを冒涜するその行為、大いなるアドナイとこのアズリエル王国は決して許さん!
彼らの目的は単純に、この世界の覇権を握ることに過ぎない。
奴らが口にする人種的平等など、所詮は現在の純粋種の人間の排斥に過ぎん。
それは連日報じられる亜人種にテロ行為や、ネロ族の暴動で明らかなはずだ。
彼らは現在アズリエルにて平和に暮らす亜人たちまで巻き込もうとしている。
これの何処が正義だというのか?
アズリエル王国はシーア公国と改めて同盟を結び、世界に真の正義を見せつけるのだ。
真の平和と平等は、我らの手によって作られる。
その瞬間を、ここにいる全員で作り上げようではないか!』
歓声が湧き上がり、全員が拍手した。
誰もが皆、自らの正義を信じて疑いはしなかった。
そして次に登場したのは、ニコラス王子であった。
『みなさま、お聞きください。
世界は今、危機的状況にあります。
今この瞬間でさえ、誰かが誰かに殺されています。
そしてそれは戦争だけではありません。
独裁や恐怖政治といったものでも、人は殺されていくのです。
かつてのディミトリ自治区が、その最たる例でしょう。
そして今度は東アガルタ連合による煽動です。
我らアズリエル臣民は、それらを見過ごす事は出来ません。
忠実なるアドナイの徒として、我々は天より示された愛と平和を世界に示さねばなりません。
これはそのための戦いです。
みなさん、共に手を挙げ、声を上げましょう。
今が、正にその時なのです!』
より一層大きな拍手喝采が巻き起こった。
若く美形であるニコラス王子が語る正義の言葉は、確実に民衆の心を支配していた。
一見すると他国や多民族への差別や無条件の攻撃とも取れるリチャード王の外交政策も、ニコラス王子を通した途端に正義のヒーローが放つ大仰な理想へと変わる。
彼は今やリチャードの完璧な傀儡であり、その歪みや攻撃性や狂気を正当化させるための広告塔として機能していた。
その日アズリエル総行政府の屋上近くに、小型の飛空挺の姿があった。
突如として、そこから一人の女性が飛び降りた。
普通に重力に従って地面まで降り立てば大怪我を負うところだったが、彼女は着地の直前に反重力術式を展開し、その衝撃を全て無くしていた。
もはや音も無く着地したその女性を、アーヴィスが気味の悪いニヤニヤ笑いで迎えた。
「お久しぶりでございます、マリアお嬢様。しばらくお会いできませんで、嬉しゅうございます」
「世辞などいらん、気持ち悪い」
それは旧ディミトリ自治区暫定政府のマリア・アレクサンドル総督であった。
鍛え上げられながらも女性的美しさを宿すその身を包むものは、今やアズリエル軍将校の軍服では無く、地味ながら威厳を放つ礼服である。
もはや目も合わさずに、マリアはつかつかと歩き出した。
「事前に連絡さえ下されば、もう少々マシなお出迎えが出来ましたものを」
「必要ない、私は父上にだけ用がある」
そして彼女は謁見の間のドアを乱暴に開け放った。
中には待ちわびていたかのような様子のニコラスと、無表情なリチャードが玉座についていた。
「姉上! よくぞお越しいただきました。今お茶の用意をさせておりますので…」
「ニコラス、会えて嬉しいが今はそれどころじゃない。どうしても父上に用があるのだ」
マリアは玉座から動かないリチャード王を睨みつけた。
「父上、貴方は本当にシーアと共にアガルタを攻めるおつもりなのですか?」
するとリチャードは鼻でせせら笑った。
「当たり前だ。新聞を読んでおらんのか?」
「貴方は気が狂っておられるのか! 先の南北戦役で多くの犠牲を出しておきながら、まだ飽き足らずに西側の戦争に介入しようというのか⁉︎」
「今回は違う。シーアとの連合軍であり、そしてディミトリを手中に収めた今、我が軍の軍備は過去最高に仕上がりつつある。
万が一にも負ける事などありえんし、戦死者も半分以上減る見通しだ」
「犠牲者は戦死した人間ばかりではない!
生きて帰ったものも、その魂を戦争に蝕まれて命を落としていくのだ‼︎
勇者レイ・デズモンドを失ってもまだ気付かないか⁉︎」
「くだらん。戦いから逃げ出し、教会へと逃げ込んだものなど用済みだ。
それほどまでにわれらアズリエル王国軍は強固になりつつある。
腑抜けの勇者一人いなくなったところで、戦況は変化せんよ」
「例えそうだとしても、このまま戦争を続ければ我々は本当に獣に成り下がるのだぞ‼︎
他人種を悪戯に排斥し、差別し、殺し、喰らい尽くす最低のケダモノだ‼︎
そんなケダモノを討伐せんと、全世界が我々を攻撃してくる。アガルタやティアーノがいい例だ!
こんな終わらない戦いに、何の意味があるというのだ⁉︎」
「意味ならある。
奴らは暴力で我々を脅しにかかっている。なら我らも純粋な力で対抗する。
これは単なる抵抗ではない、我々の自由や安全を守るための、いわば聖戦なのだよ」
「…本気で言っておられるのなら、貴方は本当に正気を失っておられる」
明らかに見下した目線を、リチャードはマリアに向けた。
「もういい、貴様と話していても時間の無駄だ」
そう言ってリチャードは立ち上がり、奥の部屋へと消えていった。
「待てっ! 話は終わっては…」
「いけませんな、マリア様。
陛下はまだ御公務が残っておられる。
貴女もまだ、ディミトリ内での問題が山積みではありませんかな?」
相変わらず気味の悪い笑みを浮かべたまま、アーヴィスが言った。
「くっ…」
苦虫を噛み潰したような顔で、マリアは踵を返した。
ジェフリー・アベドが公務のために移動中、何者かに長距離射撃を受けた。
その弾丸は確実に彼の心臓を貫通し、一瞬で生命活動を停止させた。
調べによると、その弾丸は純ミスリル製であり、そのスナイパーが持つ甚大な魔力を反映して、緻密な長距離射撃を可能したとの事である。
しかし弾丸に残った魔力は僅かであり、犯人の特定には結びつかなかった。
これを契機とし、独立運動は更に勢いを増していった。
都市部では暴動が頻発し、それを武力で抑止するティアーノ政府軍との戦いは、もはや内戦の様相を呈していた。
アガルタとシーアの緊張も頂点に達していた。
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そうして犠牲者が日に日に増えていくたびに、お互いの陣営は自らの加熱する戦争への姿勢を見直すどころか、さらに己が主張を強固なものへとしていき、ある日それはついに臨界を迎えた。
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アガルタもこれに答え、全ての軍備を国境に派遣し、シーアを始めとした全ての差別主義者・純粋種至上主義との戦いに必ず打ち勝つと公に発表した。
これを契機に世界は二つの勢力に割れた。
アガルタに共感し、シーアを始めとした純粋種国家への非難の意思を明確にする国。
そしてもう一方は、アガルタを始めとした亜人国家が世界を煽動するテロの権化であるとし、軍事攻撃を支援する国である。
そしてアズリエル王国は、言うまでもなく後者であった。
そしてアズリエル王国内においては、政見放送が各所で行われた。
街頭の術式ビジョンだけでなく、国内の至る所でリチャード王による会見が繰り返し放送された。
『善良なるアズリエル臣民よ、時は来たれり!』
画面内のリチャードは、声高に叫んだ。
『我が兄弟シーアに対して、東アガルタ連合は暴虐の限りを尽くして来た。
弱者の救済などと言う綺麗事を並べ立て、平和なるシーアを攻撃し進行しようと目論んだ。
正義というものを冒涜するその行為、大いなるアドナイとこのアズリエル王国は決して許さん!
彼らの目的は単純に、この世界の覇権を握ることに過ぎない。
奴らが口にする人種的平等など、所詮は現在の純粋種の人間の排斥に過ぎん。
それは連日報じられる亜人種にテロ行為や、ネロ族の暴動で明らかなはずだ。
彼らは現在アズリエルにて平和に暮らす亜人たちまで巻き込もうとしている。
これの何処が正義だというのか?
アズリエル王国はシーア公国と改めて同盟を結び、世界に真の正義を見せつけるのだ。
真の平和と平等は、我らの手によって作られる。
その瞬間を、ここにいる全員で作り上げようではないか!』
歓声が湧き上がり、全員が拍手した。
誰もが皆、自らの正義を信じて疑いはしなかった。
そして次に登場したのは、ニコラス王子であった。
『みなさま、お聞きください。
世界は今、危機的状況にあります。
今この瞬間でさえ、誰かが誰かに殺されています。
そしてそれは戦争だけではありません。
独裁や恐怖政治といったものでも、人は殺されていくのです。
かつてのディミトリ自治区が、その最たる例でしょう。
そして今度は東アガルタ連合による煽動です。
我らアズリエル臣民は、それらを見過ごす事は出来ません。
忠実なるアドナイの徒として、我々は天より示された愛と平和を世界に示さねばなりません。
これはそのための戦いです。
みなさん、共に手を挙げ、声を上げましょう。
今が、正にその時なのです!』
より一層大きな拍手喝采が巻き起こった。
若く美形であるニコラス王子が語る正義の言葉は、確実に民衆の心を支配していた。
一見すると他国や多民族への差別や無条件の攻撃とも取れるリチャード王の外交政策も、ニコラス王子を通した途端に正義のヒーローが放つ大仰な理想へと変わる。
彼は今やリチャードの完璧な傀儡であり、その歪みや攻撃性や狂気を正当化させるための広告塔として機能していた。
その日アズリエル総行政府の屋上近くに、小型の飛空挺の姿があった。
突如として、そこから一人の女性が飛び降りた。
普通に重力に従って地面まで降り立てば大怪我を負うところだったが、彼女は着地の直前に反重力術式を展開し、その衝撃を全て無くしていた。
もはや音も無く着地したその女性を、アーヴィスが気味の悪いニヤニヤ笑いで迎えた。
「お久しぶりでございます、マリアお嬢様。しばらくお会いできませんで、嬉しゅうございます」
「世辞などいらん、気持ち悪い」
それは旧ディミトリ自治区暫定政府のマリア・アレクサンドル総督であった。
鍛え上げられながらも女性的美しさを宿すその身を包むものは、今やアズリエル軍将校の軍服では無く、地味ながら威厳を放つ礼服である。
もはや目も合わさずに、マリアはつかつかと歩き出した。
「事前に連絡さえ下されば、もう少々マシなお出迎えが出来ましたものを」
「必要ない、私は父上にだけ用がある」
そして彼女は謁見の間のドアを乱暴に開け放った。
中には待ちわびていたかのような様子のニコラスと、無表情なリチャードが玉座についていた。
「姉上! よくぞお越しいただきました。今お茶の用意をさせておりますので…」
「ニコラス、会えて嬉しいが今はそれどころじゃない。どうしても父上に用があるのだ」
マリアは玉座から動かないリチャード王を睨みつけた。
「父上、貴方は本当にシーアと共にアガルタを攻めるおつもりなのですか?」
するとリチャードは鼻でせせら笑った。
「当たり前だ。新聞を読んでおらんのか?」
「貴方は気が狂っておられるのか! 先の南北戦役で多くの犠牲を出しておきながら、まだ飽き足らずに西側の戦争に介入しようというのか⁉︎」
「今回は違う。シーアとの連合軍であり、そしてディミトリを手中に収めた今、我が軍の軍備は過去最高に仕上がりつつある。
万が一にも負ける事などありえんし、戦死者も半分以上減る見通しだ」
「犠牲者は戦死した人間ばかりではない!
生きて帰ったものも、その魂を戦争に蝕まれて命を落としていくのだ‼︎
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「くだらん。戦いから逃げ出し、教会へと逃げ込んだものなど用済みだ。
それほどまでにわれらアズリエル王国軍は強固になりつつある。
腑抜けの勇者一人いなくなったところで、戦況は変化せんよ」
「例えそうだとしても、このまま戦争を続ければ我々は本当に獣に成り下がるのだぞ‼︎
他人種を悪戯に排斥し、差別し、殺し、喰らい尽くす最低のケダモノだ‼︎
そんなケダモノを討伐せんと、全世界が我々を攻撃してくる。アガルタやティアーノがいい例だ!
こんな終わらない戦いに、何の意味があるというのだ⁉︎」
「意味ならある。
奴らは暴力で我々を脅しにかかっている。なら我らも純粋な力で対抗する。
これは単なる抵抗ではない、我々の自由や安全を守るための、いわば聖戦なのだよ」
「…本気で言っておられるのなら、貴方は本当に正気を失っておられる」
明らかに見下した目線を、リチャードはマリアに向けた。
「もういい、貴様と話していても時間の無駄だ」
そう言ってリチャードは立ち上がり、奥の部屋へと消えていった。
「待てっ! 話は終わっては…」
「いけませんな、マリア様。
陛下はまだ御公務が残っておられる。
貴女もまだ、ディミトリ内での問題が山積みではありませんかな?」
相変わらず気味の悪い笑みを浮かべたまま、アーヴィスが言った。
「くっ…」
苦虫を噛み潰したような顔で、マリアは踵を返した。
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