元ゲームオタク転生悪役令嬢は推しを幸せにするためにあらゆる死亡フラグをチート機能で叩きおります!

蓮斗♀(活動停止/再開の予定なし)

文字の大きさ
上 下
42 / 77
2節[第一章]

第三十九話『秋の家紋』

しおりを挟む

会場には溢れんばかりの拍手が響いている。

その中にはフィブア様達の姿もある。

パーティーの主役である私は挨拶のために一歩前に出る。

「ごきげんよう皆様!ウィンター家令嬢、レイン・ウィンターです!今宵は私の社交デビューパーティーに来て下さり感謝致します。どうぞ心ゆくまで楽しんでくださいませ!」

会場に再び沢山の拍手が響く。後ろで待機していたエイム様も笑顔で私の横へ立って「良かったよ」と言ってくれた。

私とエイム様は下にあるパーティー会場へ向かい、まずフィブア様達の元へ行った。

3人とも沢山の人に囲まれており入りずらくしていると、エイム様が私の手を引きながら3人の元へ歩いていってくれた。

「やぁフィブア、スベイス、ヤヌア君、久しぶりだな。」

「お兄様達も楽しんで頂けているようで良かったです!」

「エイム!レイン!」

「レイン!挨拶良かったで!やっぱりレインは僕らの最高の妹やわ!」

「色んな方々から噂なんて当てにならないって話が出とるよ。まぁ俺らの妹なんだからそんな事は当たり前やけど。」

エイム様とフィブア様達はいつも通り話している。しかし場所が場所なので色々聞こえてきはする。

「一体何なのかしらねあの女。」

「いくらウィンター家の一人娘だからってね。」

「男好き令嬢とはよく言ったものよね。」

なんて声が聞こえてくる。一応私の社交デビュー記念パーティーなんだけどな…。

悪役令嬢として転生した時点でこういう事は覚悟していたし、初めの方はこういう態度があたり前だったから今更気にしてはいないけど。

フィブア様達にまで私と同じ態度を取られたら困るし、ここは一言言っておかなきゃ。

女の子達の所へ行こうとすると、その前に見慣れた人がその場へ行っていた。

そして私の隣にはその人物の兄弟が立っていた。笑顔で挨拶する彼は私のよく知る人物だ。

「社交デビューおめでとうございます、レインさん。」

「シオンのこと、いつもありがとうね。」

「ジィーブ様!エース様!」

そう2人は四代家紋、秋をつかさどるハーベスト家の長男と次男のジィーブ様とエース様。

私の従者、シオン君のお兄様達だ。

「ありがとうございます!こちらこそシオンには助けられてばかりですから…もっと頼りがいのある主人にならなきゃいけません!」

「ハハッ君は相変わらず頑張り屋なんだね。僕からはもう十分立派なレディに見えるよ。」

「ちょっとエース?僕の妹を口説くつもり?」

エース様達と話していると、スベイス様が私の横から顔を出して口をとがらせながら話し始めた。

「そんな事しないよ!レインさんはエイムの婚約者だしね。」

「その前に僕の妹やで!」

頼むからそんな恥ずかしい事を言わないでくださいスベイス様。

口をとがらせるスベイス様は少し幼く見える。まだまだ子供だな~。

2人はそれぞれの家紋の次男通しなのでよく話し合いをする場で出くわすらしい。

エース様もジィーブ様も弟であるシオンが大好きな事がよく伝わってくる。

ハーベスト家の兄弟はゲームでも仲がいい兄弟達で有名だったからか、それを近くで感じられている私は幸せだなと感じる。

ハーベスト家はシオン君、ジィーブ様、エース様、そして…

「ノイ…」

「ありゃ?そういえばノインは?」

「あれ?私たちと一緒に来てたんやけど…。」

「あっ!あそこにいる…ってあの子またやってるよ…。」

ふと、私はさっきまで聞こえていた声が聞こえてこないことに気づいた。

騒いでいた女の子達の方を見ると、怯えている女の子達ともの凄い剣幕で女の子達を睨んでいるノイン様の姿があった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

久しぶりに会った婚約者は「明日、婚約破棄するから」と私に言った

五珠 izumi
恋愛
「明日、婚約破棄するから」 8年もの婚約者、マリス王子にそう言われた私は泣き出しそうになるのを堪えてその場を後にした。

家出したとある辺境夫人の話

あゆみノワ@書籍『完全別居の契約婚〜』
恋愛
『突然ではございますが、私はあなたと離縁し、このお屋敷を去ることにいたしました』 これは、一通の置き手紙からはじまった一組の心通わぬ夫婦のお語。 ※ちゃんとハッピーエンドです。ただし、主人公にとっては。 ※他サイトでも掲載します。

どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします

文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。 夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。 エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。 「ゲルハルトさま、愛しています」 ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。 「エレーヌ、俺はあなたが憎い」 エレーヌは凍り付いた。

王妃の仕事なんて知りません、今から逃げます!

gacchi
恋愛
側妃を迎えるって、え?聞いてないよ? 王妃の仕事が大変でも頑張ってたのは、レオルドが好きだから。 国への責任感?そんなの無いよ。もういい。私、逃げるから! 12/16加筆修正したものをカクヨムに投稿しました。

【コミカライズ2月28日引き下げ予定】実は白い結婚でしたの。元悪役令嬢は未亡人になったので今度こそ推しを見守りたい。

氷雨そら
恋愛
悪役令嬢だと気がついたのは、断罪直後。 私は、五十も年上の辺境伯に嫁いだのだった。 「でも、白い結婚だったのよね……」 奥様を愛していた辺境伯に、孫のように可愛がられた私は、彼の亡き後、王都へと戻ってきていた。 全ては、乙女ゲームの推しを遠くから眺めるため。 一途な年下枠ヒーローに、元悪役令嬢は溺愛される。 断罪に引き続き、私に拒否権はない……たぶん。

十三回目の人生でようやく自分が悪役令嬢ポジと気づいたので、もう殿下の邪魔はしませんから構わないで下さい!

翠玉 結
恋愛
公爵令嬢である私、エリーザは挙式前夜の式典で命を落とした。 「貴様とは、婚約破棄する」と残酷な事を突きつける婚約者、王太子殿下クラウド様の手によって。 そしてそれが一度ではなく、何度も繰り返していることに気が付いたのは〖十三回目〗の人生。 死んだ理由…それは、毎回悪役令嬢というポジションで立ち振る舞い、殿下の恋路を邪魔していたいたからだった。 どう頑張ろうと、殿下からの愛を受け取ることなく死ぬ。 その結末をが分かっているならもう二度と同じ過ちは繰り返さない! そして死なない!! そう思って殿下と関わらないようにしていたのに、 何故か前の記憶とは違って、まさかのご執心で溺愛ルートまっしぐらで?! 「殿下!私、死にたくありません!」 ✼••┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈••✼ ※他サイトより転載した作品です。

元侯爵令嬢は冷遇を満喫する

cyaru
恋愛
第三王子の不貞による婚約解消で王様に拝み倒され、渋々嫁いだ侯爵令嬢のエレイン。 しかし教会で結婚式を挙げた後、夫の口から開口一番に出た言葉は 「王命だから君を娶っただけだ。愛してもらえるとは思わないでくれ」 夫となったパトリックの側には長年の恋人であるリリシア。 自分もだけど、向こうだってわたくしの事は見たくも無いはず!っと早々の別居宣言。 お互いで交わす契約書にほっとするパトリックとエレイン。ほくそ笑む愛人リリシア。 本宅からは屋根すら見えない別邸に引きこもりお1人様生活を満喫する予定が・・。 ※専門用語は出来るだけ注釈をつけますが、作者が専門用語だと思ってない専門用語がある場合があります ※作者都合のご都合主義です。 ※リアルで似たようなものが出てくると思いますが気のせいです。 ※架空のお話です。現実世界の話ではありません。 ※爵位や言葉使いなど現実世界、他の作者さんの作品とは異なります(似てるモノ、同じものもあります) ※誤字脱字結構多い作者です(ごめんなさい)コメント欄より教えて頂けると非常に助かります。

働かなくていいなんて最高!貴族夫人の自由気ままな生活

ゆる
恋愛
前世では、仕事に追われる日々を送り、恋愛とは無縁のまま亡くなった私。 「今度こそ、のんびり優雅に暮らしたい!」 そう願って転生した先は、なんと貴族令嬢! そして迎えた結婚式――そこで前世の記憶が蘇る。 「ちょっと待って、前世で恋人もできなかった私が結婚!?!??」 しかも相手は名門貴族の旦那様。 「君は何もしなくていい。すべて自由に過ごせばいい」と言われ、夢の“働かなくていい貴族夫人ライフ”を満喫するつもりだったのに――。 ◆メイドの待遇改善を提案したら、旦那様が即採用! ◆夫の仕事を手伝ったら、持ち前の簿記と珠算スキルで屋敷の経理が超効率化! ◆商人たちに簿記を教えていたら、商業界で話題になりギルドの顧問に!? 「あれ? なんで私、働いてるの!?!??」 そんな中、旦那様から突然の告白―― 「実は、君を妻にしたのは政略結婚のためではない。ずっと、君を想い続けていた」 えっ、旦那様、まさかの溺愛系でした!? 「自由を与えることでそばにいてもらう」つもりだった旦那様と、 「働かない貴族夫人」になりたかったはずの私。 お互いの本当の気持ちに気づいたとき、 気づけば 最強夫婦 になっていました――! のんびり暮らすつもりが、商業界のキーパーソンになってしまった貴族夫人の、成長と溺愛の物語!

処理中です...