元ゲームオタク転生悪役令嬢は推しを幸せにするためにあらゆる死亡フラグをチート機能で叩きおります!

蓮斗♀(活動停止/再開の予定なし)

文字の大きさ
上 下
40 / 77
2節[第一章]

第三十七話『到着』

しおりを挟む

「ちょっちょっと待って!」

「どっどういうことやレイン!」

「なっなんかエイムに嫌なことされたんか!?」

え?なんでそんなに慌ててるの?そりゃエイム様の婚約者である私から結婚しないって聞いたら驚きはするけど…。

フィブア様やスベイス様だって本当は悪役令嬢の噂がある妹と大事な友人を婚約させるの嫌なはずだよね?

もしかして違うの??

「お兄様達は私がエイム様と結婚しなければいけないと思っておられるのですか?」

「いや…そういうわけではないねんけど…。」

「エイムさんとレインは一緒になった方が俺はいいと思う…うーん。」

「こう…お兄ちゃんとしては複雑なんよね!」

お兄ちゃんとしては複雑??頼りない妹だからエイム様に預けないと心もとないって事!?

「大丈夫ですよ!私強いですから!!」

神様から貰ったチート能力があればある程度の事は出来ちゃうし!エイム様に頼らなくても十分強いし!

「そういう事やないんやけど…。」

「難しいな…。」

「まぁ、レインが気づかないようなアピールしかしてないエイムにも問題はあるやろ。」

「「それはそう。」」

??

気づかない?私が??何を??

内容を聞こうとした時、馬車が止まり窓から光が差し込んでくる。

その光は会場を照らすまるで街のような明るさだった。思わず目をつぶるが、扉の開く音で目を開ける。

「会場へ到着致しました。」

「あぁ、ありがとうな。ほな行こか、レイン。」

「あっ!はい!」

隣に座っていたフィブア様が私に手を差し出してくれる。やんわりと握りながら馬車を降りる。

今回のパーティーの主役である私はいったん別室に移動し、婚約者のエイム様と入場する形になっている。

別室には私1人で行くため、ここで3人とは一旦別れる。

「俺らは先にパーティー会場に行っとくから。」

「レインが入って来た時にめぇいっぱいの拍手を送るからね!」

「今回はレインがメインのパーティーや、しっかり楽しむんやで。」

3人がそれぞれ言葉をかけてくれる。ヤヌア様もスベイス様もいつも通りの雰囲気を作って私を安心させようとしてくれる。フィブア様は私の頭を軽く撫でて笑顔になるよう元気をくれた。

今から始まる出来事に、立ち向かう勇気を3人は与えてくれた。

3人と別れる直前、私は笑顔で言えた。

「行ってきます!」

私は小走りで別室へと向かった。





















「いや~レインさんが社交デビューか、月日は早いね~。」

「レインに会うん久しぶりやから楽しみやわ!」

「僕はレインさんと1歳差だったのが驚きやったけどね…。」

「あっ!そういえばあいつは?」

「目を離した隙にいなくなっとるな…。何かしでかしたら今度こそ縁切らな。」

「フィーヤ兄さん怖っ…。」

「まぁ俺もあんな妹はもうゴメンや。」

「兄さん達の気持ちは分からなくはないけど…あんまり言葉に出すことじゃ…。」

「ズハイの本音は?」

「今すぐ兄を辞めたい。」

「八ハハッ!さすが俺の弟やな!」

「さて、そろそろ過保護な奴らのご入場やで。」

「今回のパーティーでレインに近寄るやつが出てくるやろうけど、アイツらがおったら絶対無理やろうな。」

「レインさんの婚約をあの人達から許されるのは、エイムさんだけですからね。」

「シスコンは恐ろしいね…。」

「せやな~。」

「さぁ、来るよ。」

大きな扉がゆっくりと開いていく。アナウンスがかかり全員が扉に注目した。

「四代家紋ウィンター家長男フィブア様、次男スベイス様、三男ヤヌア様のご入場です!」

今回の主役の兄妹は、その立場にふさわしいオーラを放っていた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

家出したとある辺境夫人の話

あゆみノワ@書籍『完全別居の契約婚〜』
恋愛
『突然ではございますが、私はあなたと離縁し、このお屋敷を去ることにいたしました』 これは、一通の置き手紙からはじまった一組の心通わぬ夫婦のお語。 ※ちゃんとハッピーエンドです。ただし、主人公にとっては。 ※他サイトでも掲載します。

どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします

文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。 夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。 エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。 「ゲルハルトさま、愛しています」 ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。 「エレーヌ、俺はあなたが憎い」 エレーヌは凍り付いた。

寵愛のいる旦那様との結婚生活が終わる。もし、次があるのなら緩やかに、優しい人と恋がしたい。

にのまえ
恋愛
リルガルド国。公爵令嬢リイーヤ・ロイアルは令嬢ながら、剣に明け暮れていた。 父に頼まれて参加をした王女のデビュタントの舞踏会で、伯爵家コール・デトロイトと知り合い恋に落ちる。 恋に浮かれて、剣を捨た。 コールと結婚をして初夜を迎えた。 リイーヤはナイトドレスを身に付け、鼓動を高鳴らせて旦那様を待っていた。しかし寝室に訪れた旦那から出た言葉は「私は君を抱くことはない」「私には心から愛する人がいる」だった。 ショックを受けて、旦那には愛してもられないと知る。しかし離縁したくてもリルガルド国では離縁は許されない。しかしリイーヤは二年待ち子供がいなければ離縁できると知る。 結婚二周年の食事の席で、旦那は義理両親にリイーヤに子供ができたと言い出した。それに反論して自分は生娘だと医師の診断書を見せる。 混乱した食堂を後にして、リイーヤは馬に乗り伯爵家から出て行き国境を越え違う国へと向かう。 もし、次があるのなら優しい人と恋がしたいと…… お読みいただき、ありがとうございます。 エブリスタで四月に『完結』した話に差し替えいたいと思っております。内容はさほど、変わっておりません。 それにあたり、栞を挟んでいただいている方、すみません。

好きな人に『その気持ちが迷惑だ』と言われたので、姿を消します【完結済み】

皇 翼
恋愛
「正直、貴女のその気持ちは迷惑なのですよ……この場だから言いますが、既に想い人が居るんです。諦めて頂けませんか?」 「っ――――!!」 「賢い貴女の事だ。地位も身分も財力も何もかもが貴女にとっては高嶺の花だと元々分かっていたのでしょう?そんな感情を持っているだけ時間が無駄だと思いませんか?」 クロエの気持ちなどお構いなしに、言葉は続けられる。既に想い人がいる。気持ちが迷惑。諦めろ。時間の無駄。彼は止まらず話し続ける。彼が口を開く度に、まるで弾丸のように心を抉っていった。 ****** ・執筆時間空けてしまった間に途中過程が気に食わなくなったので、設定などを少し変えて改稿しています。

【コミカライズ2月28日引き下げ予定】実は白い結婚でしたの。元悪役令嬢は未亡人になったので今度こそ推しを見守りたい。

氷雨そら
恋愛
悪役令嬢だと気がついたのは、断罪直後。 私は、五十も年上の辺境伯に嫁いだのだった。 「でも、白い結婚だったのよね……」 奥様を愛していた辺境伯に、孫のように可愛がられた私は、彼の亡き後、王都へと戻ってきていた。 全ては、乙女ゲームの推しを遠くから眺めるため。 一途な年下枠ヒーローに、元悪役令嬢は溺愛される。 断罪に引き続き、私に拒否権はない……たぶん。

十三回目の人生でようやく自分が悪役令嬢ポジと気づいたので、もう殿下の邪魔はしませんから構わないで下さい!

翠玉 結
恋愛
公爵令嬢である私、エリーザは挙式前夜の式典で命を落とした。 「貴様とは、婚約破棄する」と残酷な事を突きつける婚約者、王太子殿下クラウド様の手によって。 そしてそれが一度ではなく、何度も繰り返していることに気が付いたのは〖十三回目〗の人生。 死んだ理由…それは、毎回悪役令嬢というポジションで立ち振る舞い、殿下の恋路を邪魔していたいたからだった。 どう頑張ろうと、殿下からの愛を受け取ることなく死ぬ。 その結末をが分かっているならもう二度と同じ過ちは繰り返さない! そして死なない!! そう思って殿下と関わらないようにしていたのに、 何故か前の記憶とは違って、まさかのご執心で溺愛ルートまっしぐらで?! 「殿下!私、死にたくありません!」 ✼••┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈••✼ ※他サイトより転載した作品です。

元侯爵令嬢は冷遇を満喫する

cyaru
恋愛
第三王子の不貞による婚約解消で王様に拝み倒され、渋々嫁いだ侯爵令嬢のエレイン。 しかし教会で結婚式を挙げた後、夫の口から開口一番に出た言葉は 「王命だから君を娶っただけだ。愛してもらえるとは思わないでくれ」 夫となったパトリックの側には長年の恋人であるリリシア。 自分もだけど、向こうだってわたくしの事は見たくも無いはず!っと早々の別居宣言。 お互いで交わす契約書にほっとするパトリックとエレイン。ほくそ笑む愛人リリシア。 本宅からは屋根すら見えない別邸に引きこもりお1人様生活を満喫する予定が・・。 ※専門用語は出来るだけ注釈をつけますが、作者が専門用語だと思ってない専門用語がある場合があります ※作者都合のご都合主義です。 ※リアルで似たようなものが出てくると思いますが気のせいです。 ※架空のお話です。現実世界の話ではありません。 ※爵位や言葉使いなど現実世界、他の作者さんの作品とは異なります(似てるモノ、同じものもあります) ※誤字脱字結構多い作者です(ごめんなさい)コメント欄より教えて頂けると非常に助かります。

働かなくていいなんて最高!貴族夫人の自由気ままな生活

ゆる
恋愛
前世では、仕事に追われる日々を送り、恋愛とは無縁のまま亡くなった私。 「今度こそ、のんびり優雅に暮らしたい!」 そう願って転生した先は、なんと貴族令嬢! そして迎えた結婚式――そこで前世の記憶が蘇る。 「ちょっと待って、前世で恋人もできなかった私が結婚!?!??」 しかも相手は名門貴族の旦那様。 「君は何もしなくていい。すべて自由に過ごせばいい」と言われ、夢の“働かなくていい貴族夫人ライフ”を満喫するつもりだったのに――。 ◆メイドの待遇改善を提案したら、旦那様が即採用! ◆夫の仕事を手伝ったら、持ち前の簿記と珠算スキルで屋敷の経理が超効率化! ◆商人たちに簿記を教えていたら、商業界で話題になりギルドの顧問に!? 「あれ? なんで私、働いてるの!?!??」 そんな中、旦那様から突然の告白―― 「実は、君を妻にしたのは政略結婚のためではない。ずっと、君を想い続けていた」 えっ、旦那様、まさかの溺愛系でした!? 「自由を与えることでそばにいてもらう」つもりだった旦那様と、 「働かない貴族夫人」になりたかったはずの私。 お互いの本当の気持ちに気づいたとき、 気づけば 最強夫婦 になっていました――! のんびり暮らすつもりが、商業界のキーパーソンになってしまった貴族夫人の、成長と溺愛の物語!

処理中です...