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1節[第二章]
第二十二話(初)『少女との出会い』
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あれから数十分、少女がいる場所に着いた。吹雪で前が見ずらい。足元も深い雪なためアルクだけで体力を取られる。
「わっ!!」
なにかに躓き雪に倒れてしまう。後ろからあわててフィブア様が支えてくれた。
「レイン大丈夫か!?」
「あっありがとうございますフィブア兄様。」
「気いつけや?ここは年中吹雪で前も見ずらいから。」
年中!?それはもう都市が成り立たないのでは??街から数十分のところにそんな場所があるんじゃ子供たちとか危険だよね…。
「フィブア兄様」
「ん?」
「少女は具体的にどのような姿なのですか?」
「少女の姿か?それはな…」
「いたぞ!」
その言葉の先には私がここまで来た目的の子の姿があった。吹雪の中でもわかるほど服も髪もボロボロで目には全く光がなかった。それでもその少女に私は釘付けなった。
それは…
「綺麗…」
吹雪の中、ブレずに真っ直ぐ立っているその姿に私は綺麗と感じた。少女の周りは赤い液体が染み込んだ雪があり、所々黒い影も見えた。
少女はこちらを見てただ真っ直ぐ立っている。
「あの少女がレインに見せたかった子や。どうや?なんか分かるか?」
いや、吹雪の中ではっきりは見えないしなんの能力的なものも感じれないからただの女の子にしか…。
あれ?じゃあなんで…
「あの子はずっとここにいるんですよね?」
「あぁ、見つけた時からあの子はここにおるで。」
ただの女の子がここにいる理由は??
自分の能力が街の人達を傷つけると思ってる?
それともここにいなきゃ行けない理由が他に…
「“帰って…”」
「えっ?」
「どないした?レイン」
フィブア様には聞こえてない。これはあの子が言ってるの??
「“早く…帰って…”」
「なんや?ようわからん音が聞こえる…」
音…もしかして私しか言葉として通じてない感じかな…。一体なんで…?
「フィブア!少女の周りに狼の遺体が何個かあった。恐らく少女を襲おうとして返り討ちにあったのだな。」
「そうなんか…。保護は出来そうなんか?」
「いや、少女の周りの雪が下手をすれば少女を巻き込んで崩れかねないらしい。すぐには無理だ。」
「そうか…出来たら早う話したいとこなんやけど…。」
あの子との会話…私が理解できるなら、あの子にも通じるはず!
「“あなたはどうしてここにいるの?”」
「!!」
あっ反応した!やっぱり通じてるんだ!
あの時犬さんの言葉を理解するために使った能力がまだ続いてるからかな?
これなら会話もできるしあの子のこと、何かわかるかも!!
「“ここには凶暴な狼がいる。街に向かわないように私がここで殺してる”」
そうだったんだ…。確かに凶暴な狼が街に降りたら子供たちが危険だし街の被害もかなり出る。
「“あなたはそのことを誰かに話したりはしないの?あなたのしていることを知れば街の人は喜んでくれるはずよ?”」
すると彼女は少し俯いた。その姿に今まで感じなかった人間味を感じた。
「“私は生き物を殺した。そんな人間に街で過ごす権利はない”」
そんなことないのに…。私達に早く帰るように伝えてたのは狼が出るからなんだ。
「“あなた、名前は?”」
少女の名を聞いて私は目を見開いた。
少女の名は…
「“ローズ”」
「わっ!!」
なにかに躓き雪に倒れてしまう。後ろからあわててフィブア様が支えてくれた。
「レイン大丈夫か!?」
「あっありがとうございますフィブア兄様。」
「気いつけや?ここは年中吹雪で前も見ずらいから。」
年中!?それはもう都市が成り立たないのでは??街から数十分のところにそんな場所があるんじゃ子供たちとか危険だよね…。
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「ん?」
「少女は具体的にどのような姿なのですか?」
「少女の姿か?それはな…」
「いたぞ!」
その言葉の先には私がここまで来た目的の子の姿があった。吹雪の中でもわかるほど服も髪もボロボロで目には全く光がなかった。それでもその少女に私は釘付けなった。
それは…
「綺麗…」
吹雪の中、ブレずに真っ直ぐ立っているその姿に私は綺麗と感じた。少女の周りは赤い液体が染み込んだ雪があり、所々黒い影も見えた。
少女はこちらを見てただ真っ直ぐ立っている。
「あの少女がレインに見せたかった子や。どうや?なんか分かるか?」
いや、吹雪の中ではっきりは見えないしなんの能力的なものも感じれないからただの女の子にしか…。
あれ?じゃあなんで…
「あの子はずっとここにいるんですよね?」
「あぁ、見つけた時からあの子はここにおるで。」
ただの女の子がここにいる理由は??
自分の能力が街の人達を傷つけると思ってる?
それともここにいなきゃ行けない理由が他に…
「“帰って…”」
「えっ?」
「どないした?レイン」
フィブア様には聞こえてない。これはあの子が言ってるの??
「“早く…帰って…”」
「なんや?ようわからん音が聞こえる…」
音…もしかして私しか言葉として通じてない感じかな…。一体なんで…?
「フィブア!少女の周りに狼の遺体が何個かあった。恐らく少女を襲おうとして返り討ちにあったのだな。」
「そうなんか…。保護は出来そうなんか?」
「いや、少女の周りの雪が下手をすれば少女を巻き込んで崩れかねないらしい。すぐには無理だ。」
「そうか…出来たら早う話したいとこなんやけど…。」
あの子との会話…私が理解できるなら、あの子にも通じるはず!
「“あなたはどうしてここにいるの?”」
「!!」
あっ反応した!やっぱり通じてるんだ!
あの時犬さんの言葉を理解するために使った能力がまだ続いてるからかな?
これなら会話もできるしあの子のこと、何かわかるかも!!
「“ここには凶暴な狼がいる。街に向かわないように私がここで殺してる”」
そうだったんだ…。確かに凶暴な狼が街に降りたら子供たちが危険だし街の被害もかなり出る。
「“あなたはそのことを誰かに話したりはしないの?あなたのしていることを知れば街の人は喜んでくれるはずよ?”」
すると彼女は少し俯いた。その姿に今まで感じなかった人間味を感じた。
「“私は生き物を殺した。そんな人間に街で過ごす権利はない”」
そんなことないのに…。私達に早く帰るように伝えてたのは狼が出るからなんだ。
「“あなた、名前は?”」
少女の名を聞いて私は目を見開いた。
少女の名は…
「“ローズ”」
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