17 / 77
1節[第二章]
第十六話『ノイン様の思い』
しおりを挟む
パーティー終了後、エイム様は私を家まで送ってくれた。私は最後までエイム様の目をしっかり見ることが出来なかった。
フロアに入るとフィブア様が勢いよく抱きしめてきた。ヒロインがパーティーで私の噂を流していることがフィブア様に伝わっていたらしい。まぁエイム様と常に一緒にいるフィブア様だからそうだろうなとは思っていた。
「そいつに何かされへんかったか?パーティーで雰囲気悪くされたとか、嫌がらせ受けたとか…」
心配性だな~。いつも家にいれないから兄妹のこととなると過敏に反応しちゃうんだね。
「大丈夫ですよフィブア兄様。エイム様がいて下さいましたから、パーティーは凄く楽しかったです。」(ニコッ
「そうか?ならええんやけど…。」
顔が沈んだままだな…。普段はウィンター家次期当主として頑張ってる分兄妹のことが疎かになっちゃって変な噂が流れちゃったって思っちゃったのかな?
「フィブア兄様、私は兄様のおかげで多くのことに恵まれています。兄様が私の兄であることを誇りに思っております。だからそんなに不安にならないで下さい。」
私はフィブア様の手を握る。不安な顔だったフィブア様は私の言葉を聞いて朗らかな笑みをこぼした。優しく頭を撫でてくれる。
「いつの間にか、こんな凛々しい女性になっとったんやな…。」
フィブア様はゲームの位置キャラクターでヒロインに恋をする一人であるはずなのに、今の姿はただ妹の成長を喜ぶお兄ちゃん。
今更だけど、あぁ生きてるんだなって思った。ゲームの世界だけど、動いて話して想いあってる。
そんな世界の私は一部なんだ…。
次の日にはフィブア様はいなくなっていた。聞けば妹の顔が見たくて一度帰宅しただけで、本来は帰らず直接行くはずだったとの事。
いやどんだけ心配やねん。
案の定シスコンお兄ちゃんスベイス様は見たことがないようなマジギレをし、ヤヌア様は顔には出さなかったものの静かな殺意が見えていた。
みんなレインのこと大好きだね~。やっぱりお兄ちゃんにとって妹の存在ってかなり重要なんだな~。
一応何かされたわけではないから騒ぎにはしないでくれとスベイス様とヤヌア様には頼んだ。
元々ヒロインの性格は嫌がらせをするようなものではない。それはどっちかといえばレインの方だ。だからきっと転生した私が知らないうちにヒロインに嫌がらせをさせるほど嫌な思いをさせたんだろう。そう考えるとヒロインの性格が変わっているのも、エイム様がヒロインに一目惚れしなかったのも説明がつく。
転生してレインの行動が変わってる時点で気づくべきだったな~。でも転生する前からレインの行動が変わってたのはなんでだろ…?
そんな考えをめぐらせながらフィブア様とエイム様への手紙を書く。手紙が来たら返事くらい書かなきゃね!
手紙を書き終わりシオンにエイム様達へ届けるように伝える。といっても届けるのはシオンではなくエイム様達の手紙を届けてくれた従者の方である。
この後は特に悪役令嬢であるレインのすることは無い。今の時期は本来ならヒロインが社交界デビューのため準備を進める段階の時間だ。まぁヒロインはもう出てきているため何が起こるか分からないのが現状である。
「庭園のお花に水やりにでも行こうかな。」
この体になって気づいたのは明らかに暇な時間が多いということ。ほとんどシオンとか従者やメイドの方がやってくれるからね~。
教育はやらなくていいらしい。レインが元々優秀なのもあるんだけど、この世界のレベルが低いのよ!!だって二桁の掛け算が出来たら優秀な方にはいるんだよ!?ヤバくない!?
だからやることがだいぶ絞られてて、前まで学生として学校に通ってた身としては暇なわけですよ。
お花に水をあげていると、庭園の奥に見慣れた姿があったあった。
あんなことがあった後だけどそんなことで推しを嫌いになるわけがありません!
というわけで話しかけてみま~す。
「何をしていらっしゃるんですか?ノイン様。」
「うわっ!ビッビックリした…。」
なんだその反応可愛いか。
「驚かせてしまい申し訳ありません。ノイン様が庭園におられるのを見つけましたので、お声をかけさせて頂きました。」
「あぁそうやったんか。君こそ何しとったん?」
「私は花たちに水をやっていたところです。もうすぐ咲く花も沢山ありますから。」
ウィンター家の中で私が最も気に入っている落ち着く場所ランキング一位の庭園ですからね!もはや自慢したくなるレベル!
「フゥン…そうなんや。」
何その素っ気ない反応!お花好きじゃないわけ?まぁ大体の男性お花好きじゃないよね。
「ノイン様は何か兄達にご用事ですか?」
「あぁ、ヤヌアに用があってきたんやけど連絡忘れとって出てるみたいやねん。そしたらメイドさんが帰ってくるまで庭園でも見てたらって勧めてくれてん。」
「ヤヌア兄様でしたら今日は遅くなると言っておりましたよ?」
「え?マジで??」
朝一私に言ってきたから間違いないですよ~。ちなみにスベイス様も出払ってます。みんな忙しいんだよ。だからといって見かけたノイン様を放置はできないし…。
「良かったら私オススメのティースポットがあるのでそこでお茶にしませんか?ヤヌア兄様が帰られるまでお話でも致しましょう?」
「おっお茶??」
「はい!ぜひ来てくださいな!うちの庭園は本当に綺麗ですから。」
そう言ってノイン様を私のお気に入りスポットへ案内しシオン君にお茶を頼む。ノイン様はあまりお茶が好きじゃないけど、甘めの茶葉なら飲めるからそれを用意するようにシオンに言っとかなきゃね!
「今回は甘めの茶葉でお願いできる?」
「分かりました!庭園のあの場所ですよね、先に行ってお待ちください。」
「えぇ、ありがとう。」
シオン君は本当に優秀でお姉ちゃん幸せです!
じゃなくて…とりあえずヤヌア様が帰ってくるまでノイン様とお話でもしながら時間を潰そ。どうせ暇だったし…。
席に着いてしばらくするとシオン君がお茶を置いていく。私のそばにたちいかにも従者のように控えている姿はもはや国宝である。
本当にイケメンなんだからシオン君は…。
「えっ…美味っ。」
言葉の先を見ればお茶が美味しかったことに驚いてカップを持ったまま止まっているノイン様がいた。ノイン様が甘めの茶葉なら飲めるという情報は全攻略した私なら余裕なのだよ!
「俺今までお茶なんか飲まれへんかったのに…。」
「今回は甘めの茶葉をご用意させていただきましたから、ノイン様でも飲みやすいものだったのでしょう。」
「へぇー…。」
ノイン様はお茶を見つめながらキラキラと目を輝かせている。可愛い…。
しばらくノイン様がいつも飲むお茶について話し、甘めの茶葉のことを詳しく聞いてきた。家に帰ったら早速取り寄せて専用の茶葉にするらしい。
「なぁお前はさ、エイムさんとパーティー行ったんよな?」
「はい、エイム様とは婚約者ですから。」
「その、噂を流しとる子おるやろ?」
噂?あぁ!ヒロインのことか!えっまさか会ったのかな?それで気になっちゃった感じ?まぁヒロインですからそりゃ好かれるよね~。
「エミ・フィーダーさんのことですか?」
「あぁそんな名前やっけ?知らんけど…あいつさ…“めっちゃキモくね”?」
え??今なんて??
「すぐ近寄ってくるしベタベタするし距離感バグってんだよ!お前に話す内容じゃないかもしれんけど…噂流しとるんがアイツってわかって一回話してみたいな~とは思っとったんよ。」
「そうなんですか?」
「せやねん。初対面でいきなりノイン♡とか言って抱きついてくるし…今思い出しただけでも鳥肌やわ。」
ヒロインのする行動とは矛盾はないけど、ノイン様の反応が全然違う…。やっぱりゲームのストーリーから外れてるんだ…。
「ノイン様はその方を可愛いとは思われなかったのですね。」
「そりゃそうやろ!俺が好きなんは気品があって言うことはちゃんと言ってくれるしっかりしたタイプが好きなんや!」
タイプがハッキリしてるな~。さすがノイン様!若干照れながらこっちガン見で見てきたのはなんなのか分からないけど。
「お姉様のような方がタイプなのですね。ノイン様とならとってもお似合いでしょうね!」(ニコッ
「くそっ…なんでそんな鈍いんや…///(ボソッ」
ん?今なんて言ったんだろ??
「ノイン様。お言葉ですがあまり女性の前でタイプの話をされるのは宜しくないかと…。」
そう言ったシオンは明らかに不機嫌な顔をしていて、弟を不快にさせたからかノイン様はかなり焦っていた。
「あっわっ悪いついノリで…。」
「いえ、ノイン様のタイプが聞けて少し得した気分ですからいいですよ。ですけど、私以外にそのような話はダメですよ?作法としてはアウトですから。」
「おっおう、わかった。」
あの血気盛んな元気っ子のノイン様が珍しく戸惑ってる!そんな姿まで見せてくれるようになったんだ~。ノイン様とは最初とんでもなかったのに今ではタイプの話をしてくれるまで心を開いてくれてるんだな~。
「フフっ」(ニコッ
「えっ?なんかおかしなとこあったか!?」
「あっいえ、ノイン様が私に心を開いて下さってるのが嬉しくて。」(ニコッ
「!!///」(ドキッ
やわらかい風が吹き始め空も少し橙色に染まってきたころだった。ノイン様は私の目を真剣な顔で見つめてきた。一瞬の沈黙が流れる。
「おっ俺がお前に色々話すんわ…俺がお前をす…」
「ノイン!!」
言葉の方を見れば帰ってきたであろうヤヌア様がいた。
「ヤヌア兄様!」
「レイン!悪いけどノインを応接室へ案内してくれへんか?」
「わかりました!行きましょうノイン様!」
「あっあぁ。」
ノイン様が言おうとしたことはよく分からないけど、元々ノイン様はヤヌア様に用があって来たんだから邪魔はしちゃいけない。
応接室にノイン様を案内してノイン様に挨拶をする。
「今日は沢山お話して頂いてありがとうございました。良かったらまたあの庭園で今度は他のハーベスト家の方や兄様達も一緒にお茶をしましょう!」
「あぁそうやね。今日はありがとうな!兄さん達も誘ってみるな!」
「はい、ではまた。」
そう言ってノイン様は応接室の中へ入っていった。私も部屋に戻り一呼吸おく。
ヒロインの行動が違ってるからキャラ達の反応が違うのかと思ったけど、そもそもキャラ達の反応自体が変わってるのかも…。
出来たら他の人達にもヒロインについて聞いときたいかも…。
何かが…
変わり始めている…。
フロアに入るとフィブア様が勢いよく抱きしめてきた。ヒロインがパーティーで私の噂を流していることがフィブア様に伝わっていたらしい。まぁエイム様と常に一緒にいるフィブア様だからそうだろうなとは思っていた。
「そいつに何かされへんかったか?パーティーで雰囲気悪くされたとか、嫌がらせ受けたとか…」
心配性だな~。いつも家にいれないから兄妹のこととなると過敏に反応しちゃうんだね。
「大丈夫ですよフィブア兄様。エイム様がいて下さいましたから、パーティーは凄く楽しかったです。」(ニコッ
「そうか?ならええんやけど…。」
顔が沈んだままだな…。普段はウィンター家次期当主として頑張ってる分兄妹のことが疎かになっちゃって変な噂が流れちゃったって思っちゃったのかな?
「フィブア兄様、私は兄様のおかげで多くのことに恵まれています。兄様が私の兄であることを誇りに思っております。だからそんなに不安にならないで下さい。」
私はフィブア様の手を握る。不安な顔だったフィブア様は私の言葉を聞いて朗らかな笑みをこぼした。優しく頭を撫でてくれる。
「いつの間にか、こんな凛々しい女性になっとったんやな…。」
フィブア様はゲームの位置キャラクターでヒロインに恋をする一人であるはずなのに、今の姿はただ妹の成長を喜ぶお兄ちゃん。
今更だけど、あぁ生きてるんだなって思った。ゲームの世界だけど、動いて話して想いあってる。
そんな世界の私は一部なんだ…。
次の日にはフィブア様はいなくなっていた。聞けば妹の顔が見たくて一度帰宅しただけで、本来は帰らず直接行くはずだったとの事。
いやどんだけ心配やねん。
案の定シスコンお兄ちゃんスベイス様は見たことがないようなマジギレをし、ヤヌア様は顔には出さなかったものの静かな殺意が見えていた。
みんなレインのこと大好きだね~。やっぱりお兄ちゃんにとって妹の存在ってかなり重要なんだな~。
一応何かされたわけではないから騒ぎにはしないでくれとスベイス様とヤヌア様には頼んだ。
元々ヒロインの性格は嫌がらせをするようなものではない。それはどっちかといえばレインの方だ。だからきっと転生した私が知らないうちにヒロインに嫌がらせをさせるほど嫌な思いをさせたんだろう。そう考えるとヒロインの性格が変わっているのも、エイム様がヒロインに一目惚れしなかったのも説明がつく。
転生してレインの行動が変わってる時点で気づくべきだったな~。でも転生する前からレインの行動が変わってたのはなんでだろ…?
そんな考えをめぐらせながらフィブア様とエイム様への手紙を書く。手紙が来たら返事くらい書かなきゃね!
手紙を書き終わりシオンにエイム様達へ届けるように伝える。といっても届けるのはシオンではなくエイム様達の手紙を届けてくれた従者の方である。
この後は特に悪役令嬢であるレインのすることは無い。今の時期は本来ならヒロインが社交界デビューのため準備を進める段階の時間だ。まぁヒロインはもう出てきているため何が起こるか分からないのが現状である。
「庭園のお花に水やりにでも行こうかな。」
この体になって気づいたのは明らかに暇な時間が多いということ。ほとんどシオンとか従者やメイドの方がやってくれるからね~。
教育はやらなくていいらしい。レインが元々優秀なのもあるんだけど、この世界のレベルが低いのよ!!だって二桁の掛け算が出来たら優秀な方にはいるんだよ!?ヤバくない!?
だからやることがだいぶ絞られてて、前まで学生として学校に通ってた身としては暇なわけですよ。
お花に水をあげていると、庭園の奥に見慣れた姿があったあった。
あんなことがあった後だけどそんなことで推しを嫌いになるわけがありません!
というわけで話しかけてみま~す。
「何をしていらっしゃるんですか?ノイン様。」
「うわっ!ビッビックリした…。」
なんだその反応可愛いか。
「驚かせてしまい申し訳ありません。ノイン様が庭園におられるのを見つけましたので、お声をかけさせて頂きました。」
「あぁそうやったんか。君こそ何しとったん?」
「私は花たちに水をやっていたところです。もうすぐ咲く花も沢山ありますから。」
ウィンター家の中で私が最も気に入っている落ち着く場所ランキング一位の庭園ですからね!もはや自慢したくなるレベル!
「フゥン…そうなんや。」
何その素っ気ない反応!お花好きじゃないわけ?まぁ大体の男性お花好きじゃないよね。
「ノイン様は何か兄達にご用事ですか?」
「あぁ、ヤヌアに用があってきたんやけど連絡忘れとって出てるみたいやねん。そしたらメイドさんが帰ってくるまで庭園でも見てたらって勧めてくれてん。」
「ヤヌア兄様でしたら今日は遅くなると言っておりましたよ?」
「え?マジで??」
朝一私に言ってきたから間違いないですよ~。ちなみにスベイス様も出払ってます。みんな忙しいんだよ。だからといって見かけたノイン様を放置はできないし…。
「良かったら私オススメのティースポットがあるのでそこでお茶にしませんか?ヤヌア兄様が帰られるまでお話でも致しましょう?」
「おっお茶??」
「はい!ぜひ来てくださいな!うちの庭園は本当に綺麗ですから。」
そう言ってノイン様を私のお気に入りスポットへ案内しシオン君にお茶を頼む。ノイン様はあまりお茶が好きじゃないけど、甘めの茶葉なら飲めるからそれを用意するようにシオンに言っとかなきゃね!
「今回は甘めの茶葉でお願いできる?」
「分かりました!庭園のあの場所ですよね、先に行ってお待ちください。」
「えぇ、ありがとう。」
シオン君は本当に優秀でお姉ちゃん幸せです!
じゃなくて…とりあえずヤヌア様が帰ってくるまでノイン様とお話でもしながら時間を潰そ。どうせ暇だったし…。
席に着いてしばらくするとシオン君がお茶を置いていく。私のそばにたちいかにも従者のように控えている姿はもはや国宝である。
本当にイケメンなんだからシオン君は…。
「えっ…美味っ。」
言葉の先を見ればお茶が美味しかったことに驚いてカップを持ったまま止まっているノイン様がいた。ノイン様が甘めの茶葉なら飲めるという情報は全攻略した私なら余裕なのだよ!
「俺今までお茶なんか飲まれへんかったのに…。」
「今回は甘めの茶葉をご用意させていただきましたから、ノイン様でも飲みやすいものだったのでしょう。」
「へぇー…。」
ノイン様はお茶を見つめながらキラキラと目を輝かせている。可愛い…。
しばらくノイン様がいつも飲むお茶について話し、甘めの茶葉のことを詳しく聞いてきた。家に帰ったら早速取り寄せて専用の茶葉にするらしい。
「なぁお前はさ、エイムさんとパーティー行ったんよな?」
「はい、エイム様とは婚約者ですから。」
「その、噂を流しとる子おるやろ?」
噂?あぁ!ヒロインのことか!えっまさか会ったのかな?それで気になっちゃった感じ?まぁヒロインですからそりゃ好かれるよね~。
「エミ・フィーダーさんのことですか?」
「あぁそんな名前やっけ?知らんけど…あいつさ…“めっちゃキモくね”?」
え??今なんて??
「すぐ近寄ってくるしベタベタするし距離感バグってんだよ!お前に話す内容じゃないかもしれんけど…噂流しとるんがアイツってわかって一回話してみたいな~とは思っとったんよ。」
「そうなんですか?」
「せやねん。初対面でいきなりノイン♡とか言って抱きついてくるし…今思い出しただけでも鳥肌やわ。」
ヒロインのする行動とは矛盾はないけど、ノイン様の反応が全然違う…。やっぱりゲームのストーリーから外れてるんだ…。
「ノイン様はその方を可愛いとは思われなかったのですね。」
「そりゃそうやろ!俺が好きなんは気品があって言うことはちゃんと言ってくれるしっかりしたタイプが好きなんや!」
タイプがハッキリしてるな~。さすがノイン様!若干照れながらこっちガン見で見てきたのはなんなのか分からないけど。
「お姉様のような方がタイプなのですね。ノイン様とならとってもお似合いでしょうね!」(ニコッ
「くそっ…なんでそんな鈍いんや…///(ボソッ」
ん?今なんて言ったんだろ??
「ノイン様。お言葉ですがあまり女性の前でタイプの話をされるのは宜しくないかと…。」
そう言ったシオンは明らかに不機嫌な顔をしていて、弟を不快にさせたからかノイン様はかなり焦っていた。
「あっわっ悪いついノリで…。」
「いえ、ノイン様のタイプが聞けて少し得した気分ですからいいですよ。ですけど、私以外にそのような話はダメですよ?作法としてはアウトですから。」
「おっおう、わかった。」
あの血気盛んな元気っ子のノイン様が珍しく戸惑ってる!そんな姿まで見せてくれるようになったんだ~。ノイン様とは最初とんでもなかったのに今ではタイプの話をしてくれるまで心を開いてくれてるんだな~。
「フフっ」(ニコッ
「えっ?なんかおかしなとこあったか!?」
「あっいえ、ノイン様が私に心を開いて下さってるのが嬉しくて。」(ニコッ
「!!///」(ドキッ
やわらかい風が吹き始め空も少し橙色に染まってきたころだった。ノイン様は私の目を真剣な顔で見つめてきた。一瞬の沈黙が流れる。
「おっ俺がお前に色々話すんわ…俺がお前をす…」
「ノイン!!」
言葉の方を見れば帰ってきたであろうヤヌア様がいた。
「ヤヌア兄様!」
「レイン!悪いけどノインを応接室へ案内してくれへんか?」
「わかりました!行きましょうノイン様!」
「あっあぁ。」
ノイン様が言おうとしたことはよく分からないけど、元々ノイン様はヤヌア様に用があって来たんだから邪魔はしちゃいけない。
応接室にノイン様を案内してノイン様に挨拶をする。
「今日は沢山お話して頂いてありがとうございました。良かったらまたあの庭園で今度は他のハーベスト家の方や兄様達も一緒にお茶をしましょう!」
「あぁそうやね。今日はありがとうな!兄さん達も誘ってみるな!」
「はい、ではまた。」
そう言ってノイン様は応接室の中へ入っていった。私も部屋に戻り一呼吸おく。
ヒロインの行動が違ってるからキャラ達の反応が違うのかと思ったけど、そもそもキャラ達の反応自体が変わってるのかも…。
出来たら他の人達にもヒロインについて聞いときたいかも…。
何かが…
変わり始めている…。
0
お気に入りに追加
36
あなたにおすすめの小説
旦那様、前世の記憶を取り戻したので離縁させて頂きます
結城芙由奈@12/27電子書籍配信中
恋愛
【前世の記憶が戻ったので、貴方はもう用済みです】
ある日突然私は前世の記憶を取り戻し、今自分が置かれている結婚生活がとても理不尽な事に気が付いた。こんな夫ならもういらない。前世の知識を活用すれば、この世界でもきっと女1人で生きていけるはず。そして私はクズ夫に離婚届を突きつけた―。
断罪される一年前に時間を戻せたので、もう愛しません
天宮有
恋愛
侯爵令嬢の私ルリサは、元婚約者のゼノラス王子に断罪されて処刑が決まる。
私はゼノラスの命令を聞いていただけなのに、捨てられてしまったようだ。
処刑される前日、私は今まで試せなかった時間を戻す魔法を使う。
魔法は成功して一年前に戻ったから、私はゼノラスを許しません。
私は既にフラれましたので。
椎茸
恋愛
子爵令嬢ルフェルニア・シラーは、国一番の美貌を持つ幼馴染の公爵令息ユリウス・ミネルウァへの想いを断ち切るため、告白をする。ルフェルニアは、予想どおりフラれると、元来の深く悩まない性格ゆえか、気持ちを切り替えて、仕事と婚活に邁進しようとする。一方、仕事一筋で自身の感情にも恋愛事情にも疎かったユリウスは、ずっと一緒に居てくれたルフェルニアに距離を置かれたことで、感情の蓋が外れてルフェルニアの言動に一喜一憂するように…?
※小説家になろう様、カクヨム様にも掲載しております。
病弱な幼馴染と婚約者の目の前で私は攫われました。
鍋
恋愛
フィオナ・ローレラは、ローレラ伯爵家の長女。
キリアン・ライアット侯爵令息と婚約中。
けれど、夜会ではいつもキリアンは美しく儚げな女性をエスコートし、仲睦まじくダンスを踊っている。キリアンがエスコートしている女性の名はセレニティー・トマンティノ伯爵令嬢。
セレニティーとキリアンとフィオナは幼馴染。
キリアンはセレニティーが好きだったが、セレニティーは病弱で婚約出来ず、キリアンの両親は健康なフィオナを婚約者に選んだ。
『ごめん。セレニティーの身体が心配だから……。』
キリアンはそう言って、夜会ではいつもセレニティーをエスコートしていた。
そんなある日、フィオナはキリアンとセレニティーが濃厚な口づけを交わしているのを目撃してしまう。
※ゆるふわ設定
※ご都合主義
※一話の長さがバラバラになりがち。
※お人好しヒロインと俺様ヒーローです。
※感想欄ネタバレ配慮ないのでお気をつけくださいませ。
[完結]思い出せませんので
シマ
恋愛
「早急にサインして返却する事」
父親から届いた手紙には婚約解消の書類と共に、その一言だけが書かれていた。
同じ学園で学び一年後には卒業早々、入籍し式を挙げるはずだったのに。急になぜ?訳が分からない。
直接会って訳を聞かねば
注)女性が怪我してます。苦手な方は回避でお願いします。
男性視点
四話完結済み。毎日、一話更新
絶対に間違えないから
mahiro
恋愛
あれは事故だった。
けれど、その場には彼女と仲の悪かった私がおり、日頃の行いの悪さのせいで彼女を階段から突き落とした犯人は私だと誰もが思ったーーー私の初恋であった貴方さえも。
だから、貴方は彼女を失うことになった私を許さず、私を死へ追いやった………はずだった。
何故か私はあのときの記憶を持ったまま6歳の頃の私に戻ってきたのだ。
どうして戻ってこれたのか分からないが、このチャンスを逃すわけにはいかない。
私はもう彼らとは出会わず、日頃の行いの悪さを見直し、平穏な生活を目指す!そう決めたはずなのに...……。
悪役令嬢の心変わり
ナナスケ
恋愛
不慮の事故によって20代で命を落としてしまった雨月 夕は乙女ゲーム[聖女の涙]の悪役令嬢に転生してしまっていた。
7歳の誕生日10日前に前世の記憶を取り戻した夕は悪役令嬢、ダリア・クロウリーとして最悪の結末 処刑エンドを回避すべく手始めに婚約者の第2王子との婚約を破棄。
そして、処刑エンドに繋がりそうなルートを回避すべく奮闘する勘違いラブロマンス!
カッコイイ系主人公が男社会と自分に仇なす者たちを斬るっ!
君を愛することは無いと言うのならさっさと離婚して頂けますか
砂礫レキ
恋愛
十九歳のマリアンは、かなり年上だが美男子のフェリクスに一目惚れをした。
そして公爵である父に頼み伯爵の彼と去年結婚したのだ。
しかし彼は妻を愛することは無いと毎日宣言し、マリアンは泣きながら暮らしていた。
ある日転んだことが切っ掛けでマリアンは自分が二十五歳の日本人女性だった記憶を取り戻す。
そして三十歳になるフェリクスが今まで独身だったことも含め、彼を地雷男だと認識した。
「君を愛することはない」「いちいち言わなくて結構ですよ、それより離婚して頂けます?」
別人のように冷たくなった新妻にフェリクスは呆然とする。別人のように冷たくなった新妻にフェリクスは呆然とする。
そして離婚について動くマリアンに何故かフェリクスの弟のラウルが接近してきた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる