元ゲームオタク転生悪役令嬢は推しを幸せにするためにあらゆる死亡フラグをチート機能で叩きおります!

蓮斗♀(活動停止/再開の予定なし)

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1節[第一章]

第九話『はい。やらかしました』

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やらかしたァ!いつもの感覚で好きって言っちゃったぁ!今私はレインなんだから誤解しか招かないよ!!

「えっ?レイン??ノインが好きって…ほんとに??」

「うっ嘘やんな?」

「マジか…」

「へ~…」

どうすんのこの空気!!今更取り返しつかないし!嘘だって言ったらノイン様が傷つくし…。

てか嫌でしょノイン様…。殺そうとした相手から好きって言われても…。ってそうじゃん!さっき殺されかけたんだからレインからしてもおかしいでしょ!!好きってだけで殺そうとした相手を許すなんて…あっ!そっか。その手がある!!

「でっですが!」

「「「「「!!」」」」」

「ノイン様に首を絞められた時、私の思いは届かないと思いました。ですから、“好きだった”が適切な言葉です。」

どう?辻褄はあってるし、あの言葉が嘘ってわけでもないし今は違うって意味も込められて最高じゃない?ノイン様は私の事好きじゃないだろうし、これが最適解なはず!!

「好きやった…って。」

「今はもう好きやないってこと?」

「えっ?はい…。」

スベイス様とヤヌア様の顔がさっきからコロコロ変わるんだよね…。私がノイン様のこと好きだって言った時は二人とも死にそうな顔してて、今は好きじゃないって言ったら急に笑顔になって…そんな変わるもんなの表情って!!感情のバーゲンセール!?スベイス様はともかくヤヌア様まで、どんだけ妹好きなのよ!!

「よかった~♡」(ギュッ

「あんな野蛮なやつに大切な妹やってたまるか。」(ナデナデ

愛がすごーい…。これレイン一生結婚できないんじゃ…。

「あちゃ~。ノインのいいお嫁さんになると思ったんだけどな~。」

「おっ俺は嫌やで!あんな男たらし女なんか!」

「私は男たらしではありません!ブラコンです!」

もっと言えばオタクじゃ!!決して男たらしではない!!

「よけい嫌やわ!」

「私だってあなたなんかゴメンです!」

「まぁまぁ二人とも…。」

あなた達は私の推しであり、私はあなた方のオタクであって、それ以上でもそれ以下でもない関係なんです!ここ大事!!

「どんな奴であろうとレインを嫁に出す気はないですが?」

「せやで!レインは昔スベお兄ちゃんと結婚する!って言ってたんやから僕と結婚するんや!」

「そんなこと言ったら私ヤヌア兄様に相応しいお嬢様になるために頑張るから、なった時はお嫁さんにしてね!って約束した俺の方が結婚するべきだと思いますけど?」

ええ??そんなこと言ってたのレイン??

「でもエイム・プレントさんと婚約していらっしゃいますよね?」

「ぐっ…。」

「うっ…。」

お兄様方ぐぅの根が出てますよ…。

「可愛い妹の頼みだったからね…。」

「それにフィブア兄さんが…「ヤヌア!」…!!」

えっ?えっ!?何!?

「ヤヌア…。それは言っちゃダメ。フィブア兄さんとエイムとの約束だから。」

「ごっごめんなさい兄さん…。」

何何!?気になるじゃん!そんなに言わられたら!!

聞こうか迷っているとジィーブ様が手を叩き話を切りかえた。

「改めて。話を進めましょう」

みんなも気持ちを切り替え椅子に座った。私は二人の兄に挟まれる形で座り前にはエース様がいる。

ジィーブ様が内容を話し出す。

「今回事前にお知らせせずウィンター家を訪れることになり、申し訳ありません。急ぎ伝えなければならない事がありまして、それを伝えに来たのです。とても重要な内容で手紙ではお伝えできないものです。」

「なるほど。詳しく聞かせて頂けますか?」

「はい。まずどの家紋にも話していなかった事実ですが…我々には四人目の兄弟がいます。」

「四人目?」

「名はシオン。産まれて間もないシオンは、ある日黒いマントの何者かに誘拐され、今の今まで行方が分からない状態でした。」

ここまではゲームのシナリオで見た事がある。この時兄たちはシオンのことを聞いてレインが闇市で買っていじめていた子だと察する。そしてそれを打ち明けてしまう。ここで元々低かった兄たちからの評価はガクッと落ちてレインはどんどん不利になっていく。

けど、今回は違う!私はシオンをいじめていないし兄たちの評価も下げてない!だからきっと…。

「そのシオンがウィンター家の近くで目撃されたとの情報がありました。」
    
「私達が誘拐したと仰りたいんですか?」

「いえ!決してそのようなことはありません!ウィンター家とハーベスト家は代々協力しあってきた家紋です。もしそちらでなにか情報がないかそれが知りたかったのです。」

「なるほど…。特徴などはお教え頂けますか?」

「私どもも幼い頃の記憶しかなく詳しくは言えないのですが…。紫の瞳の男の子です。」

「紫の瞳ですか…。今いくつぐらいでしょう?レインと同じくらいですか?」

「おそらく今は十三歳だと思います。」

「あの…。」

スベイス様とジィーブ様が話している中ヤヌア様が手を上げる。

「ノインがレインの首を絞めたのとこの話ってなにか繋がりがあるんすよね?」

その言葉にジィーブ様もエース様も顔を顰めた。空気が重くなり誰も話出せなくなっていた。

「何かあるなら教えて欲しいな~。なんせウィンター家とハーベスト家の間柄やねんから。」

スベイス様が砕けた言い方で話し出す。そのおかげか二人の表情が少し穏やかになり、話出そうとした瞬間、扉の方からノックが聞こえた。

「失礼します。レイン様に急ぎの用事があるとエイム様が来られました。」

その扉から出てきたのは、シオンだった。

椅子が倒れる音が聞こえる。

私はこの時思った。

はい、やらかしました。
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