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1節[第一章]
第五話『ゑ?そんな設定知らんよ?』
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帰ってきたフィブア様は勢いよく私を抱きしめた。
心臓に悪いよ?死ぬよ?今度こそ死ぬよ私?
「あっあのフィブア様?///」
私が話しかけるとフィブア様は勢いよく離れ「すまない」と顔を隠しながら言った。
なぜ顔を隠す。そんなことするキャラだっけフィブア様って…
フィブア様は落ち着いたのか再び私の前に立って色々質問してきた。
「体調はどうや?」
「随分と良くなりましたわ。」
「そうか…お前が望むならなんだってやるで?今欲しいもんないか?」
フィブア様優しすぎるぅ!!兄弟の中でも最後の最後までレインの味方だったもんね~。さすがにあの事件の時はレインにブチ切れてたけどね…あっ!お願い考えなきゃ…お願いか~
うーん…あっ!
「フィブア様は今日から何日ここにいらっしゃるんですか?」
「え?せやな…三日くらいか?まだあっちでやること残してきたからな…」
三日か…ならやっぱり尚更あれがいい!
「フィブア様!ならその三日間、私にくださいな」(ニコッ
「「「はぁ!?」」」
なんか三人重なってた気がするけどいいよね!このフィブア様との三日間でやらなきゃいけないことがあるから、それをまずしなくっちゃ!
「ダメですか?」
「あぁ大丈夫やで。なら明日からレインと過ごすわ…どっか出かけるか?」
きた!隠しイベント!ここでレインが言うセリフで今後のキャラクターに会う確率が変わる!いちばん高い確率のセリフは…
「国内で一番大きい図書館に行きたいです」
はぇー!ここが一番大きい図書館!!外側はシンプルなデザインなのに中にはたくさん本棚があって円形状に並んでる!階段もあるから上にもたくさんありそう!中が木造なのも雰囲気があっていいな~。
昔から本は好きだったからこの世界に来たら行ってみたかったんだよね~。まぁこれは私の私欲であって目的ではないんだけど…
少しくらい楽しんでもいいよね?ゲームではシーンの背景に少し映り込んでるだけだったから中が見れて感動だ~!
「楽しいかレイン?」
「はい!フィブア兄様!」
ってやば!ついテンション高めで言っちゃった!?しかも勝手に兄様って呼んじゃったし…怒られるかな?
「フフっそうか。ゆっくりしてきぃ、兄さんはいつまでも待っといたるから。」
あれ?怒られなかった?しかも笑ってる?
イベントにこんなセリフなかったはず…
まっいっか!とにかくここに来た目的を果たさなきゃ!
私がここに来た目的、それは…
シオンの兄の一人、ジィーブ・ハーベストに会うこと!
ここでゲームだとレインはシオンと一緒に来てて、シオンに暴力を奮っているのをジィーブ・ハーベストに見られてしまう。
そこからハーベスト家と繋がりが悪くなって最終的にレインの死亡フラグに繋がっていくんだけど…
それより推しの死亡フラグに近くなるってことの方が重要なんだよ!!
この図書館でジィーブ様と繋がりがないと次に出会う時の事件で助けに入れないって言う縛りが…
あっ!いた!ジィーブ様!!
レインの見ている先には、薄いクリーム色の髪に透明な瞳、黄色のネクタイに白色のベストの美しい妖精のような人物が本を読んでいた。
やったぁ!あのジィーブ様が目の前に!もはや奇跡!妖精が降り立ってるよ!後光が!後光が差してる!!
「ん?そこのお嬢様?図書館は初めてですか?」
はっ!ジィーブ様から話しかけられた!?死ですか!?死ぬんですか私!?
「ん?どうされました?」
近いよ!?近いよジィーブ様!?
「あっ…はい!初めてです!今日はお兄様と一緒に来たのですが…」
「お兄様と一緒にですか!私はここでよく本を読むのですが、良ければおすすめの本をご紹介致しましょうか?」
やったぁ!ジィーブ様からこんなこと言われて喜ばないやついないよ?やばくない!?レインって実はいいキャラでは!?
「お願いします!私…本が好きなのですが、まだ何の本が私に必要なのかよく分からなくて…」
「ではまずあなたが何を好きなのか考えてみましょう。それが本につながりますから。あっ!私、ジィーブ・ハーベストと申します。」
「私はレイン・ウィンターです。よろしくお願いしますジィーブ・ハーベスト様。」
それから図書館にある本をたくさん教えて貰いながら自分が好きな本を探した。難しい本ばっかりかと思ってたけど、案外恋愛小説とかミステリー小説とかあって安心した~。
「いい本は見つかりましたか?」
「はい!これにします!」
私が持ってる本はこの世界にある恋愛小説二冊だ。同じシリーズの一巻と二巻。タイトルは“私のキュルリン下克上!”
タイトルなんじゃこりゃ!!ダッッサ!?ダサくない!?このゲームのタイトルと同じくらいダサいよ!何キュルリンって!鳥肌もんだよ!っていう感じなんだけど、このゲームもそうなんだけどさ…タイトルダサいのキャライケメン説が私の中にあるのよね…
「ご令嬢の方は恋愛小説をよく借りられますから…お嬢様も恋愛小説に興味が出たようですね!本に善し悪しはありませんから!」
ほんとに本が好きなんだな~ジィーブ様って紳士だし本好きだし、設定にはなかったけどモテただろうな~。
「ジィーブ様はとっても紳士で知的な方ですから、よく女性の方とお話されるのではないですか?」
ちょっと冗談ぽく言ってみたけどどうなんだろ?なかなか気になるとこよ?
「えっ///あっ!いや!女性な方とは…その…あまり///」
えっめっちゃ照れるじゃん…まさかジィーブ様って童貞??そんな設定しらんよ??
「レイン?本あったか~?」
えっ!?フィブア様が来ちゃった!このイベントではフィブア様とジィーブ様が会うはずないからヤバいんじゃ!?
「ん?あんた誰や?」
「あっ!初めまして、ジィーブ・ハーベストと申します。」
「あっ!ハーベスト家の長男さんか!」
「はい。挨拶が遅れておりましたがまさかこのような場で会えるとは思っておりませんでした。」
「俺もやわ!妹に本すすめとったんはあんさんやったんやな…ありがとうな。」
「いえいえ、美しい妹様ですね。」
「あげへんで?」
「ふふっまさか…そんなことは致しませんよ。」
あれ?意外とこの時にあっても大丈夫なんだ…
「ではレイン様、私はこれで…」
「あっ!はい!ありがとうございました!ジィーブ様!」
「またいずれ、お会いしましょう。」
えっ…それってどういう??
そういうとジィーブ様は本棚の奥に消えていった。私は本を借りてフィブア様と本やハーベスト家、仕事について話しながら帰った。
心臓に悪いよ?死ぬよ?今度こそ死ぬよ私?
「あっあのフィブア様?///」
私が話しかけるとフィブア様は勢いよく離れ「すまない」と顔を隠しながら言った。
なぜ顔を隠す。そんなことするキャラだっけフィブア様って…
フィブア様は落ち着いたのか再び私の前に立って色々質問してきた。
「体調はどうや?」
「随分と良くなりましたわ。」
「そうか…お前が望むならなんだってやるで?今欲しいもんないか?」
フィブア様優しすぎるぅ!!兄弟の中でも最後の最後までレインの味方だったもんね~。さすがにあの事件の時はレインにブチ切れてたけどね…あっ!お願い考えなきゃ…お願いか~
うーん…あっ!
「フィブア様は今日から何日ここにいらっしゃるんですか?」
「え?せやな…三日くらいか?まだあっちでやること残してきたからな…」
三日か…ならやっぱり尚更あれがいい!
「フィブア様!ならその三日間、私にくださいな」(ニコッ
「「「はぁ!?」」」
なんか三人重なってた気がするけどいいよね!このフィブア様との三日間でやらなきゃいけないことがあるから、それをまずしなくっちゃ!
「ダメですか?」
「あぁ大丈夫やで。なら明日からレインと過ごすわ…どっか出かけるか?」
きた!隠しイベント!ここでレインが言うセリフで今後のキャラクターに会う確率が変わる!いちばん高い確率のセリフは…
「国内で一番大きい図書館に行きたいです」
はぇー!ここが一番大きい図書館!!外側はシンプルなデザインなのに中にはたくさん本棚があって円形状に並んでる!階段もあるから上にもたくさんありそう!中が木造なのも雰囲気があっていいな~。
昔から本は好きだったからこの世界に来たら行ってみたかったんだよね~。まぁこれは私の私欲であって目的ではないんだけど…
少しくらい楽しんでもいいよね?ゲームではシーンの背景に少し映り込んでるだけだったから中が見れて感動だ~!
「楽しいかレイン?」
「はい!フィブア兄様!」
ってやば!ついテンション高めで言っちゃった!?しかも勝手に兄様って呼んじゃったし…怒られるかな?
「フフっそうか。ゆっくりしてきぃ、兄さんはいつまでも待っといたるから。」
あれ?怒られなかった?しかも笑ってる?
イベントにこんなセリフなかったはず…
まっいっか!とにかくここに来た目的を果たさなきゃ!
私がここに来た目的、それは…
シオンの兄の一人、ジィーブ・ハーベストに会うこと!
ここでゲームだとレインはシオンと一緒に来てて、シオンに暴力を奮っているのをジィーブ・ハーベストに見られてしまう。
そこからハーベスト家と繋がりが悪くなって最終的にレインの死亡フラグに繋がっていくんだけど…
それより推しの死亡フラグに近くなるってことの方が重要なんだよ!!
この図書館でジィーブ様と繋がりがないと次に出会う時の事件で助けに入れないって言う縛りが…
あっ!いた!ジィーブ様!!
レインの見ている先には、薄いクリーム色の髪に透明な瞳、黄色のネクタイに白色のベストの美しい妖精のような人物が本を読んでいた。
やったぁ!あのジィーブ様が目の前に!もはや奇跡!妖精が降り立ってるよ!後光が!後光が差してる!!
「ん?そこのお嬢様?図書館は初めてですか?」
はっ!ジィーブ様から話しかけられた!?死ですか!?死ぬんですか私!?
「ん?どうされました?」
近いよ!?近いよジィーブ様!?
「あっ…はい!初めてです!今日はお兄様と一緒に来たのですが…」
「お兄様と一緒にですか!私はここでよく本を読むのですが、良ければおすすめの本をご紹介致しましょうか?」
やったぁ!ジィーブ様からこんなこと言われて喜ばないやついないよ?やばくない!?レインって実はいいキャラでは!?
「お願いします!私…本が好きなのですが、まだ何の本が私に必要なのかよく分からなくて…」
「ではまずあなたが何を好きなのか考えてみましょう。それが本につながりますから。あっ!私、ジィーブ・ハーベストと申します。」
「私はレイン・ウィンターです。よろしくお願いしますジィーブ・ハーベスト様。」
それから図書館にある本をたくさん教えて貰いながら自分が好きな本を探した。難しい本ばっかりかと思ってたけど、案外恋愛小説とかミステリー小説とかあって安心した~。
「いい本は見つかりましたか?」
「はい!これにします!」
私が持ってる本はこの世界にある恋愛小説二冊だ。同じシリーズの一巻と二巻。タイトルは“私のキュルリン下克上!”
タイトルなんじゃこりゃ!!ダッッサ!?ダサくない!?このゲームのタイトルと同じくらいダサいよ!何キュルリンって!鳥肌もんだよ!っていう感じなんだけど、このゲームもそうなんだけどさ…タイトルダサいのキャライケメン説が私の中にあるのよね…
「ご令嬢の方は恋愛小説をよく借りられますから…お嬢様も恋愛小説に興味が出たようですね!本に善し悪しはありませんから!」
ほんとに本が好きなんだな~ジィーブ様って紳士だし本好きだし、設定にはなかったけどモテただろうな~。
「ジィーブ様はとっても紳士で知的な方ですから、よく女性の方とお話されるのではないですか?」
ちょっと冗談ぽく言ってみたけどどうなんだろ?なかなか気になるとこよ?
「えっ///あっ!いや!女性な方とは…その…あまり///」
えっめっちゃ照れるじゃん…まさかジィーブ様って童貞??そんな設定しらんよ??
「レイン?本あったか~?」
えっ!?フィブア様が来ちゃった!このイベントではフィブア様とジィーブ様が会うはずないからヤバいんじゃ!?
「ん?あんた誰や?」
「あっ!初めまして、ジィーブ・ハーベストと申します。」
「あっ!ハーベスト家の長男さんか!」
「はい。挨拶が遅れておりましたがまさかこのような場で会えるとは思っておりませんでした。」
「俺もやわ!妹に本すすめとったんはあんさんやったんやな…ありがとうな。」
「いえいえ、美しい妹様ですね。」
「あげへんで?」
「ふふっまさか…そんなことは致しませんよ。」
あれ?意外とこの時にあっても大丈夫なんだ…
「ではレイン様、私はこれで…」
「あっ!はい!ありがとうございました!ジィーブ様!」
「またいずれ、お会いしましょう。」
えっ…それってどういう??
そういうとジィーブ様は本棚の奥に消えていった。私は本を借りてフィブア様と本やハーベスト家、仕事について話しながら帰った。
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