オレの異世界に対する常識は、異世界の非常識らしい

広原琉璃

文字の大きさ
上 下
91 / 132
第5章 冒険者4か月目

87話 3対3【2】

しおりを挟む
「よっ、お待たせ。来てくれたのに悪いな、3人とも」
「いいえ。こちらこそ急に来てすいません、アークさん」

 エルフェル・ブルグ国内にある軍港。
 そこは、近年新設された海洋生物の魔物化に伴う、調査・対応・要人護衛などを目的とした、海軍が拠点としている場所だ。
 以前はただの停泊場だったらしい。
 軍港として利用するにあたり、一般的な船が停泊する場所は、別の所に移されているとのこと。

 そんな軍港内にある、海軍専用の建物。
 海軍作戦本部とも呼ばれるそこは、寄宿舎も兼ねており、オレたちはそこを訪れていた。

 訪問先は、サディエルの幼馴染にして元旅仲間であるアークさん。
 クレインさんから聞いた内容や、サディエルが槍を使っていた事、その辺りに詳しい人となればこの人しかいないだろう。

 寄宿舎の入り口で合流し、オレたちはそのままアークさんの個室へと案内される。
 指揮官兼船長の地位に居る為か、なかなかに広くて立派な個室が割り当てられており、オレたち3人がお邪魔しても、まったく窮屈さを感じない場所だった。

「んで、おれの所にわざわざ……しかもサディの奴を抜きでとは。あいつ今度は何をやらかした?」

 第一声で疑われるサディエル。
 いやまぁ、うん、こればかりは擁護もフォローも出来ないから仕方ない。

「当たらずも遠からず、と申しますか」
「少しばかり、お願いたいことがありまして。だろ、ヒロト」

「うん。実は、サディエルたちに勝つために、アークさんには、オレたちのチームのセコンドをやって欲しいんです!」

 オレの言葉を聞いて、アークさんは首を傾げる。

「せこんど……? 何だそりゃ、君の所の言葉かい。響きからの推測で申し訳ないが、おれは通常戦闘について、もう無理な……」
「違います! 戦闘参加のお願いじゃなくて、監督とか、作戦指示を出すとか、第三者視点から指摘をする人が欲しいんです!」

 そのままオレは、これまでの経緯をアークさんに説明した。
 現在は、狭義の意味でのコンビネーションの試験をやっていること。
 ルールと、対戦相手がサディエルたちなこと。

 一通り説明を終えると、アークさんは納得いったように頷いた。

「サディの奴は、3対3のチーム戦っつーたんだよな? 戦闘参加が3人……なるほど、戦闘に "不参加" ならば、見学者何人がいて、ヤジをどれだけ飛ばそうとも問題ないってわけか」
「そうです!」

 オレがアークさんの元を訪れようと提案したのは、これを打診する為である。
 今回の戦闘で分かったことは、客観的に自分たちの動きを確認することは元より、相手の動きも観察した方が良い、と言う事だった。

 正直、今日に関しては、あちらの策略に乗せられてしまった部分もある。

 本来ならば、今回の試験内容は『コンビネーション』だ。
 それをあちらは、わざと速攻で1対1のタイマン勝負に持ち込んで、コンビネーションをさせないようにして来た。
 恐らく、サディエルの策だとは思う。

 オレらの目的が、オレに対人戦の経験を積ませて、前衛としての視野を広くすること……それを見抜かれていたからだ。

 単純な3対3では、正直勝ちの目があまりにも薄い。
 だったら、どうやって勝ちの目を増やすのか。

 そう考えたオレは、1つの結論に辿り着いた。

 合法的に、人数差を作ることだ。
 人数差と言うのは、手札の強さに比例しない、大きなアドバンテージになる。

 これは、オレがやっていたゲームの話になるんだけど、攻撃力が10あるユニット3人に対し、攻撃力が6しかないユニット3人で勝利せよ、と言う条件の試合があったとして、基本はムリゲーだ。

 だけど、同じ攻撃力が6しかないユニットが、4人や5人になれば……話は変わってくる。
 人数差が1人でもあれば、相手の1人に対して2人で攻撃をして撃破出来る可能性が生まれてくる。
 たった1人でも、人数が異なれば、それだけで取れる手段や行動が増えるのだ。

「正直、今のままじゃ明後日までに1勝出来るかも怪しい状況なんです。なので、サディエルの立ち回りや思考を理解しつつ、バークライスさんやレックスさんの動きの考察を、アークさんにお願いしたいんです!」
「なるほどな、面白そうな話だ」
「じゃあ……!」

「明日と明後日だよな。ここ最近は休暇を取得していなかったし、大丈夫だろ。セコンドとして参加させて貰おうよ」

 アークさんから色よい返事を貰え、オレはガッツポーズをする。
 いや、それよりもまずは何よりもお礼が先だ。

「ありがとうございます! アークさん!」

 頭を下げながら、オレはそう言った。

「気にするな。お前らがやっていることは、要するにこの後の旅で必要なことなんだろ。例の魔族……ガランドとの戦いにおいてな。微力以下ではあるが、おれにも手伝わせてくれ」

「とても助かります、アークさん」
「よろしくお願いいたします。これで、少しは勝利の目が見えそうですね、ヒロト」
「やっと1歩って感じ。ただ、まだ詰めないとダメな気がする……そうだよね、アルム」

 オレの問いかけに、アルムは頷く。

「あぁ、これでようやく勝率が5%あるかないかだな。元々、僕やリレルの立ち回りに思考、作戦傾向がバレバレな状態だから、なんとか0%から動いたって感じだ」
「サディエルとバークライスさんの影響、だよね」

 オレが対人戦に慣れる以外にも、大問題な点が1つ。
 アルムとリレルの行動パターンを完全に読まれてしまっていることだ。

 あっちにはサディエルとバークライスさんという、2人に対してガンメタ張れるメンツが居るわけだし。
 正直、それだけでもこっちは大きなハンデだ。
 特にアルムの戦術が全く通用しなくなるのは痛すぎる。

 それに対して自覚があるからこそ、今回アルムは、オレに作戦を全投げしてきているわけだけど。

「レックスさんも侮らない方が良い。あの人、クレイン殿に仇名す奴を見抜くのは上手いって噂をよく耳にする。サディとヒロト君の関係性も、違和感を持っていたんだろう?」
「はい。あの方もアークさん同様に、ヒロトに対してサディエルの親族か、と言われておりました」

 アークさんの言葉に、リレルが答える。
 幼馴染であるアークさんが気づくのは分かるけど、レックスさんがソレに気づくってことは、それだけ他の人を良く見ているってことなんだろう。

 じゃないと、あぁいう反応は絶対にないはずだし。

「おれだったら、こんなメンツ相手だと知った瞬間、白旗振りたくなるね」
「オレもめっちゃ振りたいですよ、本音は。だけど……」

 今回の試験を言い渡した時のサディエルを思い出す。
 悔しそうに自身は拳を握り、苦しそうに試験の内容を通達していた彼のことを思うと、諦めたくはない。

「オレの最終目標は、『元の世界へ帰る』ことと『サディエルたち全員に見送って貰う事』だ! 誰かが欠けることなんて絶対ごめんだからな。笑顔でみんなとお別れしたいんだ」

 これだけは絶対に譲れない。
 サディエルが、アルムが、リレルが、目標達成の為ならば自分たちの生死を問わないと言ってもだ。

「そうだ、アルムにリレル。いい加減、そっちの最終目標からも『自分たちの生死を問わない』ってやつ、除外して! 矛盾した目標持っていたら、一致団結も出来やしない!」

「それは外さなくていいだろ」
「ですよね?」
「いーや、外して! オレが嫌だ!」

 外して! 外さなくても変わらんだろ、とあーだこーだとオレらの間で論争が始まる。
 しばらくの間、その光景をポカーン、と見ていたアークさんは、突然吹き出して笑い始めた。

「ぷっ、あっはははは! 本当にお前ら仲が良いな!」

「今まさに、意見が割れてるんですけど?」
「意見をぶつけ合えないような奴と、パーティ組んでてもしかたねーだろ。互いの良い所も、悪い所も、嫌でも見せ合わないといけないんだ。意見の対立なんて些事なもんさ。そっからどう最善手を探すかが、仲間だろ」

 ……確かに、そうかも。

 オレも、サディエルも、アルムも、リレルも、良い所も、悪い所も色々見せあって来た。
 それでもこうやって、旅を続けてきたし、続けてこられた。

「はい!」
「まぁな」
「そうですね、アークさんの言う通りです」

 アークさんの言葉に、オレたちは各々同意する。
 ここにサディエルがいないのだけが、ちょっと残念だ。
 彼からも、聞きたかったな……

 いや、この試験が終わったら聞こう、聞き出そう、サディエルからも。

「アークさん、改めて明日からよろしくお願いします!」
「あぁ、任せろ。時間と場所は?」
「明日の午前10時から、クレインさんのお屋敷になります」

「了解。とりあえずは、休暇申請だな。えーと、急ぎの書類は片付いた、会議も明日明後日はない、緊急性の高いやつもなし、あとは……」

 ぶつぶつと呟きながら、アークさんは手帳を取り出してスケジュールを確認する。
 そっか、指揮官で船長だから、やらないといけない仕事いっぱいあるんだった。

「えっと、すいませんアークさん、本当に急に」
「ん? あぁ気にすんな。おれだって、全く打算なく協力するわけじゃない。心配だからな、サディのことは」

 親友の為……ってことだよな。
 つい最近になって再会して、色々あったってのに、2人の友情は本当に固いんだなってのが良く分かる。

 ―――この後、アークさんの休暇申請は無事に降りた。

 ここ最近、休暇未取得状態が続いていたのと、海洋生物の魔物に関する調査の為に航海が頻発していたので、そろそろ休ませないといけないから、という形での許可だった。
 アークさん……もっと、休んだ方が良いと思います。

 明日の午前9時頃には合流する、と約束を貰って、オレたちがクレインさんのお屋敷に戻る頃には、すっかり日も暮れていた。

「さっすがにお腹すいた」
「ですね。今日の夕飯は何でしょうね。毎日美味しいものばかりなので、旅に戻ったら、しばらくはお屋敷の食事が恋しくなりそうです」
「言えてる。ヒロトじゃないけど、魔物の肉食うのに躊躇しそうになるかもな」

 そんな会話を交わしながら、オレたちはいつも夕飯を食べる部屋に入る。

「おや、皆様。お帰りなさいませ」
「作戦会議は済んだのか?」

 そこには、レックスさんと、食事中のバークライスさんが居た。
 って、あれ?

「ただいまです。あの、サディエルは?」
「彼でしたら、部屋にいますよ。一足先に夕飯を召し上がって、明日の調整をされています」

「そっか……」

 サディエルはもう夕飯食べ終わってたのか、残念。
 仕方なく、オレたちは席に座り、用意してもらった夕飯に舌鼓を打つ。
 途中、先に食べ終わったバークライスさんが、一足先に退室して行く。

 レックスさんの話によると、バークライスさんは試験中はクレインさんのお屋敷に滞在するとのこと。

 あれ? それなら、アークさんの滞在もお願いすればいいんじゃないかな。
 海軍作戦本部からの移動は大変なはずだし、うん、明日お願いしてみよう。
 今はほら、アークさんがセコンドとして参加するって件は、秘密にしているわけだし。

 明日、サディエルは驚くだろうな。

 彼が驚く様が今から楽しみである。

「ヒロト、顔に出てるぞ」
「うわっ!? あ、ごめん」

 隣で食べていたアルムに指摘され、慌てて表情を戻す。
 危ない危ない、レックスさんという対戦相手が近くにいるんだ、下手なヒントを与えてはいけない。

 明日まではトップシークレットなんだし!
しおりを挟む

ツギクルバナー
感想 10

あなたにおすすめの小説

転生したら神だった。どうすんの?

埼玉ポテチ
ファンタジー
転生した先は何と神様、しかも他の神にお前は神じゃ無いと天界から追放されてしまった。僕はこれからどうすれば良いの? 人間界に落とされた神が天界に戻るのかはたまた、地上でスローライフを送るのか?ちょっと変わった異世界ファンタジーです。

クラス転移で無能判定されて追放されたけど、努力してSSランクのチートスキルに進化しました~【生命付与】スキルで異世界を自由に楽しみます~

いちまる
ファンタジー
ある日、クラスごと異世界に召喚されてしまった少年、天羽イオリ。 他のクラスメートが強力なスキルを発現させてゆく中、イオリだけが最低ランクのEランクスキル【生命付与】の持ち主だと鑑定される。 「無能は不要だ」と判断した他の生徒や、召喚した張本人である神官によって、イオリは追放され、川に突き落とされた。 しかしそこで、川底に沈んでいた謎の男の力でスキルを強化するチャンスを得た――。 1千年の努力とともに、イオリのスキルはSSランクへと進化! 自分を拾ってくれた田舎町のアイテムショップで、チートスキルをフル稼働! 「転移者が世界を良くする?」 「知らねえよ、俺は異世界を自由気ままに楽しむんだ!」 追放された少年の第2の人生が、始まる――! ※本作品は他サイト様でも掲載中です。

転生したら第6皇子冷遇されながらも力をつける

そう
ファンタジー
転生したら帝国の第6皇子だったけど周りの人たちに冷遇されながらも生きて行く話です

『収納』は異世界最強です 正直すまんかったと思ってる

農民ヤズ―
ファンタジー
「ようこそおいでくださいました。勇者さま」 そんな言葉から始まった異世界召喚。 呼び出された他の勇者は複数の<スキル>を持っているはずなのに俺は収納スキル一つだけ!? そんなふざけた事になったうえ俺たちを呼び出した国はなんだか色々とヤバそう! このままじゃ俺は殺されてしまう。そうなる前にこの国から逃げ出さないといけない。 勇者なら全員が使える収納スキルのみしか使うことのできない勇者の出来損ないと呼ばれた男が収納スキルで無双して世界を旅する物語(予定 私のメンタルは金魚掬いのポイと同じ脆さなので感想を送っていただける際は語調が強くないと嬉しく思います。 ただそれでも初心者故、度々間違えることがあるとは思いますので感想にて教えていただけるとありがたいです。 他にも今後の進展や投稿済みの箇所でこうしたほうがいいと思われた方がいらっしゃったら感想にて待ってます。 なお、書籍化に伴い内容の齟齬がありますがご了承ください。

異世界に来たからといってヒロインとは限らない

あろまりん
ファンタジー
※ようやく修正終わりました!加筆&纏めたため、26~50までは欠番とします(笑)これ以降の番号振り直すなんて無理! ごめんなさい、変な番号降ってますが、内容は繋がってますから許してください!!!※ ファンタジー小説大賞結果発表!!! \9位/ ٩( 'ω' )و \奨励賞/ (嬉しかったので自慢します) 書籍化は考えていま…いな…してみたく…したいな…(ゲフンゲフン) 変わらず応援して頂ければと思います。よろしくお願いします! (誰かイラスト化してくれる人いませんか?)←他力本願 ※誤字脱字報告につきましては、返信等一切しませんのでご了承ください。しかるべき時期に手直しいたします。      * * * やってきました、異世界。 学生の頃は楽しく読みました、ラノベ。 いえ、今でも懐かしく読んでます。 好きですよ?異世界転移&転生モノ。 だからといって自分もそうなるなんて考えませんよね? 『ラッキー』と思うか『アンラッキー』と思うか。 実際来てみれば、乙女ゲームもかくやと思う世界。 でもね、誰もがヒロインになる訳じゃないんですよ、ホント。 モブキャラの方が楽しみは多いかもしれないよ? 帰る方法を探して四苦八苦? はてさて帰る事ができるかな… アラフォー女のドタバタ劇…?かな…? *********************** 基本、ノリと勢いで書いてます。 どこかで見たような展開かも知れません。 暇つぶしに書いている作品なので、多くは望まないでくださると嬉しいです。

外れスキル《コピー》を授かったけど「無能」と言われて家を追放された~ だけど発動条件を満たせば"魔族のスキル"を発動することができるようだ~

そらら
ファンタジー
「鑑定ミスではありません。この子のスキルは《コピー》です。正直、稀に見る外れスキルですね、何せ発動条件が今だ未解明なのですから」 「何てことなの……」 「全く期待はずれだ」 私の名前はラゼル、十五歳になったんだけども、人生最悪のピンチに立たされている。 このファンタジックな世界では、15歳になった際、スキル鑑定を医者に受けさせられるんだが、困ったことに私は外れスキル《コピー》を当ててしまったらしい。 そして数年が経ち……案の定、私は家族から疎ましく感じられてーーついに追放されてしまう。 だけど私のスキルは発動条件を満たすことで、魔族のスキルをコピーできるようだ。 そして、私の能力が《外れスキル》ではなく、恐ろしい能力だということに気づく。 そんでこの能力を使いこなしていると、知らないうちに英雄と呼ばれていたんだけど? 私を追放した家族が戻ってきてほしいって泣きついてきたんだけど、もう戻らん。 私は最高の仲間と最強を目指すから。

レベルを上げて通販で殴る~囮にされて落とし穴に落とされたが大幅レベルアップしてざまぁする。危険な封印ダンジョンも俺にかかればちょろいもんさ~

喰寝丸太
ファンタジー
異世界に転移した山田(やまだ) 無二(むに)はポーターの仕事をして早6年。 おっさんになってからも、冒険者になれずくすぶっていた。 ある日、モンスター無限増殖装置を誤って作動させたパーティは無二を囮にして逃げ出す。 落とし穴にも落とされ絶体絶命の無二。 機転を利かせ助かるも、そこはダンジョンボスの扉の前。 覚悟を決めてボスに挑む無二。 通販能力でからくも勝利する。 そして、ダンジョンコアの魔力を吸出し大幅レベルアップ。 アンデッドには聖水代わりに殺菌剤、光魔法代わりに紫外線ライト。 霧のモンスターには掃除機が大活躍。 異世界モンスターを現代製品の通販で殴る快進撃が始まった。 カクヨム、小説家になろう、アルファポリスに掲載しております。

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~

おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。 どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。 そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。 その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。 その結果、様々な女性に迫られることになる。 元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。 「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」 今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。

処理中です...