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第4章 聖王都エルフェル・ブルグ
80話 鬼ごっこ開始
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―――エルフェル・ブルグ、滞在8日目
「完全じゃないけど、復活! 自由って素晴らしい!」
魔術省から出た第一声で、サディエルは高らかに宣言する。
昨日で精密検査を終え、今朝方ようやく退院許可が下りたのだ。
「完全じゃないって辺りが、残念だけどね」
「仕方ないさヒロト。古代遺跡での戦闘直前まで調子が戻っただけでも、めっけもんだ」
とは言え、先日の騒動から早くも5日が経過している。
そう言う意味では、本当の意味で万全ってわけじゃないのに、サディエルの表情は明るい。
「さて、まずはクレインさんにご挨拶とお礼をして、レックスさんにも同様に。バークライスさんは魔術省を出る前に挨拶は済ませた。アークの奴は……ひょっこり現れなければ、軍港かな」
アークさんだけ扱い。
まぁ、何事もなければアークさんがひょっこり顔出してきそうではあるけど。
本当に、どこから情報仕入れているんだろう、あの人……
「1日がお礼参りで潰れそうだな」
「仕方ないさアルム、これも大事なことだ。こういう事の積み重ねが、あとで全部自分に跳ね返ってくるわけだし」
「"情けは人のためならず、めぐりめぐりて己が為"、ってわけか……サディエルが言うと、無駄に説得力あるよな、これに関しては」
荷馬車の護衛とかもそうだけど、1つ1つは何の繋がりも無いように見えて、その裏ではサディエルたちがこれまで培ってきた人脈が効いているわけだ。
本当に、今までどんな人生歩んだらこんな状況になるんだか。
「ヒロトの所の言葉ですね。意味はどういうものですか?」
「情けは相手の為だけではなく自分の為でもある。他人への情けは、いずれは巡って自分に返ってくるのであるから、誰にでも親切にしておいた方が良いって、ことわざ。最も、最近は "情けは人のためならず" の部分だけが先行して、誤った解釈がされることもあるかな」
オレも受験勉強で調べた時に知ったことだけどさ。
どうも最近は、「人に情けをかけることはその人の為にならない」って間違えた意味で覚えている場合もあるらしい。
完全に言葉遊びか! と言いたくなるよな、こういうのを知ると。
それだけ、伝えるってことがいかに難しいのか、ってことの証明なんだろうけど。
「まっ、ヒロトの所のことわざ? で、そう言う言葉があるなら、尚の事、今回ご迷惑かけたり、協力して貰った皆さんには、お礼を言わないとな」
さて、どのルートが早いだろうとサディエルは思案し始める。
本当にこれは国中を駆け巡ることになりそうだ。
「っと、その前に……ヒロト」
「ん? 何、サディエル」
「先日言ったこと、覚えているか?」
先日って言うと、確か……
「うん、覚えている。コンビネーションの件だよね」
そう、サディエルは5日後、つまり今日からオレに対して、このパーティでのコンビネーションについて指導する、と言っていた。
オレの返答を聞いて、彼は小さく頷く。
「あぁ。その件について、今から説明する」
「お礼参りは?」
「この説明が終わり次第に。サクッと説明するから」
サクッと……って。
仮にもパーティメンバーでの戦闘時のコンビネーションを、そんなあっさり。
今まで、アルムやリレルからあれこれ教わった範囲でも、コンビネーションの重要性がちらほらと見え隠れしていた。
例えば魔術。
オレが無詠唱について、リレルと話した時のことだ。
『ですから、どのような形でも声掛けが必要なんですよ。魔術であろうと、弓矢であろうと』
『……あっ、そっか。それで誤射を予防する』
『それもありますけど、後方にいる私たちが、今、どの位置で、どのような状況か分かりませんでしょ? 頭の後ろに目があるわけじゃありませんし』
そう、誤射の防止や位置の把握という点を加味しても、声掛けという必要動作についての重要性が提示されている。
それから、アルムの時は……やっぱりあれだな、古代遺跡でのガランドとの初戦。
あの時、オレが立案した作戦には当然抜けがあった。
アルムは事前にその事に気がついて、フォロー出来る部分を確認し、そして実戦していた。
『アルム、いつの間に!?』
『ペンダント確認しながらメモ取るぐらいはできる! 言っただろ、"懸念事項に関しては、僕の方で適時援護する" って! お前が思いつかなかった部分を補うのも、師匠の務め。初めてなんだから抜けがあるのは当然だ。その抜けを "負け" に繋げないことが、今回の僕の目的だ!』
コンビネーションと、一言で言ったところで相当奥が深い。
この世界で嫌でも突き付けられている現実だ、オレも相応の覚悟で挑むつもりではいたのに……
軽いなぁ、指導するって言った当人が!
「コンビネーションの指導は俺がするわけだけど、本格的なものをやる前に、今回は実践から入ろう。要は、実地試験だな」
「実践から?」
「そうだ。期限は今日から明後日までの3日間。その間に、アルムやリレルと協力して、俺に触れることが出来たら勝ち」
簡単だろ? と、サディエルは笑顔で言う。
そうだね、聞いただけならば、簡単そうではある……あるけど。
「サディエル、質問と言うか問いかけと言うか………何か、隠してない?」
「いや? 何も隠していないぞ。言葉通りだ」
嘘だ、絶対嘘だ。
これまでの経験上、サディエルを含めて彼らの言葉には、必ず意図があった。
絶対に何か裏があるよ、これ!
「と言うかヒロト」
「ん?」
「今、俺に触れば勝利だったわけだけど」
「あ……」
ゆっくりとオレから距離を取りながら、サディエルが言う。
しまった、確かにそうだ! 思いっきり手の届く範囲にいたのに!
「あっははは。まぁ、次の機会を狙ってくれ。つーわけで、俺はお礼参りに行ってくる。3人は作戦会議でもしていてくれ」
夕方までにはクレインさんの屋敷に戻るからー! とだけ伝えて、サディエルはさっさと行ってしまった。
後に残ったのは、オレとアルム、リレルの3名のみ。
「……これさ、サディエルの言葉通りに受け取ったら、絶対にダメなやつだよね」
「それが分かるようになっただけ、ヒロトも成長したってことだ」
「そうですね。ちなみに、この実地試験なんですが、実は私たちも受けているんですよ」
「え!? アルムとリレルも!?」
驚いて2人を見る。
すると、アルムは苦々しい表情で、リレルは遠い目をしながら頷く。
「あー……懐かしい、大変だったな。あの体力と俊敏自慢を捕まえるのは」
「えぇ、大変でしたね。私とアルムは、ヒロトと違って当時は体力もありませんでしたから、余計に」
あぁそうか。
2人は元々はこの国に住んでいて、アルムは戦術論を学ぶために師匠さんの所に。
リレルは医者見習いとして、あれこれやっていたんだっけか。
そうなると、運動する暇なさそうだなぁ、今と比べて。
しかし、そうであるならばオレにとっては大チャンスだ。
どうやって2人がサディエルを捕まえたのかを聞くことが出来れば、何とでもなるだろうし。
「2人とも、当時は……」
「あ、それは却下」
「まだ何も言ってない!」
「聞かなくても分かりますよ、流石に。当時はどうやってサディエルを捕まえたか、ですよね?」
はい、大正解です。
リレルの問いかけに、オレは素直に頷く。
「教えるのは最終日の午後だ。それまでは、お前がちゃんと考えろ。でかいヒントは通知済みだしな」
でかい、ヒント?
あれ、そんな言葉どこかにあったっけか……
うーん、さっきのサディエルの言葉を思い出しても、それらしいものが見当たらない。
期限とオレの勝利条件だけ。
そこに、でかいヒントか……無理難題じゃないんだろうけど、頭ちょっと捻らないと無理そうかな。
「まっ、作戦を思いついたら、いくらでも協力するから」
「そうですね。頑張ってサディエルを捕まえましょう」
今は悩んでも仕方ない……わけじゃないけど、とりあえずは動いてみてから考えよう。
サディエルの身体能力については、冒険者歴を加味しても、アルムやリレルよりは断然上だろうし。
確実に体力勝負がどこかである。
だけど、それをやられると不利なのはオレら側だ。
サディエルの得意分野じゃなく、オレらの得意分野に引きずり込まないと、勝ち目がない。
しかし、そうなるとまた難しいんだけど。
勝ち筋と負け筋の面から追い詰めようにも、アルムと戦術論についてあーだこーだとやっていたって話だし、期待は薄い。
おまけにサディエルは、オレたちの実力は元より、自身の実力すら、過大評価も過小評価もしない。
つまりは、油断や慢心が無いと言う事でもある。
「何だろう、既に凄い高難易度な課題を押し付けられた気がする」
「多分、間違っちゃいないと思うぞ……さってと、悩む前にまずは……」
「まずは?」
「あの馬鹿を追うぞ。シレっと1人でお礼参りに行きやがったからな」
……そうだった。
エルフェル・ブルグに到着してからお世話になった人たちにって話なんだから、オレら全員で行かないとダメじゃん!
何1人で済まそうとしているんだ、あの人!?
脳裏で、"あっははは、いやぁ悪い悪い" と悪びれる様子もなく笑うサディエルの姿が浮かび上がる。
ごめん、ちょっと、イラッとした。
「クレインさんの方は夕方でしょうから、それ以外ですね」
「バークライスさんはもう対象外だから、他は……最初の病院だな、きっと」
「とりあえず、ダッシュしよう! あーもー、サディエルのアホ! 馬鹿! 光属性のお人よし主人公属性ー!」
―――第4章 聖王都エルフェル・ブルグ【始まりの魔王編】 完
「完全じゃないけど、復活! 自由って素晴らしい!」
魔術省から出た第一声で、サディエルは高らかに宣言する。
昨日で精密検査を終え、今朝方ようやく退院許可が下りたのだ。
「完全じゃないって辺りが、残念だけどね」
「仕方ないさヒロト。古代遺跡での戦闘直前まで調子が戻っただけでも、めっけもんだ」
とは言え、先日の騒動から早くも5日が経過している。
そう言う意味では、本当の意味で万全ってわけじゃないのに、サディエルの表情は明るい。
「さて、まずはクレインさんにご挨拶とお礼をして、レックスさんにも同様に。バークライスさんは魔術省を出る前に挨拶は済ませた。アークの奴は……ひょっこり現れなければ、軍港かな」
アークさんだけ扱い。
まぁ、何事もなければアークさんがひょっこり顔出してきそうではあるけど。
本当に、どこから情報仕入れているんだろう、あの人……
「1日がお礼参りで潰れそうだな」
「仕方ないさアルム、これも大事なことだ。こういう事の積み重ねが、あとで全部自分に跳ね返ってくるわけだし」
「"情けは人のためならず、めぐりめぐりて己が為"、ってわけか……サディエルが言うと、無駄に説得力あるよな、これに関しては」
荷馬車の護衛とかもそうだけど、1つ1つは何の繋がりも無いように見えて、その裏ではサディエルたちがこれまで培ってきた人脈が効いているわけだ。
本当に、今までどんな人生歩んだらこんな状況になるんだか。
「ヒロトの所の言葉ですね。意味はどういうものですか?」
「情けは相手の為だけではなく自分の為でもある。他人への情けは、いずれは巡って自分に返ってくるのであるから、誰にでも親切にしておいた方が良いって、ことわざ。最も、最近は "情けは人のためならず" の部分だけが先行して、誤った解釈がされることもあるかな」
オレも受験勉強で調べた時に知ったことだけどさ。
どうも最近は、「人に情けをかけることはその人の為にならない」って間違えた意味で覚えている場合もあるらしい。
完全に言葉遊びか! と言いたくなるよな、こういうのを知ると。
それだけ、伝えるってことがいかに難しいのか、ってことの証明なんだろうけど。
「まっ、ヒロトの所のことわざ? で、そう言う言葉があるなら、尚の事、今回ご迷惑かけたり、協力して貰った皆さんには、お礼を言わないとな」
さて、どのルートが早いだろうとサディエルは思案し始める。
本当にこれは国中を駆け巡ることになりそうだ。
「っと、その前に……ヒロト」
「ん? 何、サディエル」
「先日言ったこと、覚えているか?」
先日って言うと、確か……
「うん、覚えている。コンビネーションの件だよね」
そう、サディエルは5日後、つまり今日からオレに対して、このパーティでのコンビネーションについて指導する、と言っていた。
オレの返答を聞いて、彼は小さく頷く。
「あぁ。その件について、今から説明する」
「お礼参りは?」
「この説明が終わり次第に。サクッと説明するから」
サクッと……って。
仮にもパーティメンバーでの戦闘時のコンビネーションを、そんなあっさり。
今まで、アルムやリレルからあれこれ教わった範囲でも、コンビネーションの重要性がちらほらと見え隠れしていた。
例えば魔術。
オレが無詠唱について、リレルと話した時のことだ。
『ですから、どのような形でも声掛けが必要なんですよ。魔術であろうと、弓矢であろうと』
『……あっ、そっか。それで誤射を予防する』
『それもありますけど、後方にいる私たちが、今、どの位置で、どのような状況か分かりませんでしょ? 頭の後ろに目があるわけじゃありませんし』
そう、誤射の防止や位置の把握という点を加味しても、声掛けという必要動作についての重要性が提示されている。
それから、アルムの時は……やっぱりあれだな、古代遺跡でのガランドとの初戦。
あの時、オレが立案した作戦には当然抜けがあった。
アルムは事前にその事に気がついて、フォロー出来る部分を確認し、そして実戦していた。
『アルム、いつの間に!?』
『ペンダント確認しながらメモ取るぐらいはできる! 言っただろ、"懸念事項に関しては、僕の方で適時援護する" って! お前が思いつかなかった部分を補うのも、師匠の務め。初めてなんだから抜けがあるのは当然だ。その抜けを "負け" に繋げないことが、今回の僕の目的だ!』
コンビネーションと、一言で言ったところで相当奥が深い。
この世界で嫌でも突き付けられている現実だ、オレも相応の覚悟で挑むつもりではいたのに……
軽いなぁ、指導するって言った当人が!
「コンビネーションの指導は俺がするわけだけど、本格的なものをやる前に、今回は実践から入ろう。要は、実地試験だな」
「実践から?」
「そうだ。期限は今日から明後日までの3日間。その間に、アルムやリレルと協力して、俺に触れることが出来たら勝ち」
簡単だろ? と、サディエルは笑顔で言う。
そうだね、聞いただけならば、簡単そうではある……あるけど。
「サディエル、質問と言うか問いかけと言うか………何か、隠してない?」
「いや? 何も隠していないぞ。言葉通りだ」
嘘だ、絶対嘘だ。
これまでの経験上、サディエルを含めて彼らの言葉には、必ず意図があった。
絶対に何か裏があるよ、これ!
「と言うかヒロト」
「ん?」
「今、俺に触れば勝利だったわけだけど」
「あ……」
ゆっくりとオレから距離を取りながら、サディエルが言う。
しまった、確かにそうだ! 思いっきり手の届く範囲にいたのに!
「あっははは。まぁ、次の機会を狙ってくれ。つーわけで、俺はお礼参りに行ってくる。3人は作戦会議でもしていてくれ」
夕方までにはクレインさんの屋敷に戻るからー! とだけ伝えて、サディエルはさっさと行ってしまった。
後に残ったのは、オレとアルム、リレルの3名のみ。
「……これさ、サディエルの言葉通りに受け取ったら、絶対にダメなやつだよね」
「それが分かるようになっただけ、ヒロトも成長したってことだ」
「そうですね。ちなみに、この実地試験なんですが、実は私たちも受けているんですよ」
「え!? アルムとリレルも!?」
驚いて2人を見る。
すると、アルムは苦々しい表情で、リレルは遠い目をしながら頷く。
「あー……懐かしい、大変だったな。あの体力と俊敏自慢を捕まえるのは」
「えぇ、大変でしたね。私とアルムは、ヒロトと違って当時は体力もありませんでしたから、余計に」
あぁそうか。
2人は元々はこの国に住んでいて、アルムは戦術論を学ぶために師匠さんの所に。
リレルは医者見習いとして、あれこれやっていたんだっけか。
そうなると、運動する暇なさそうだなぁ、今と比べて。
しかし、そうであるならばオレにとっては大チャンスだ。
どうやって2人がサディエルを捕まえたのかを聞くことが出来れば、何とでもなるだろうし。
「2人とも、当時は……」
「あ、それは却下」
「まだ何も言ってない!」
「聞かなくても分かりますよ、流石に。当時はどうやってサディエルを捕まえたか、ですよね?」
はい、大正解です。
リレルの問いかけに、オレは素直に頷く。
「教えるのは最終日の午後だ。それまでは、お前がちゃんと考えろ。でかいヒントは通知済みだしな」
でかい、ヒント?
あれ、そんな言葉どこかにあったっけか……
うーん、さっきのサディエルの言葉を思い出しても、それらしいものが見当たらない。
期限とオレの勝利条件だけ。
そこに、でかいヒントか……無理難題じゃないんだろうけど、頭ちょっと捻らないと無理そうかな。
「まっ、作戦を思いついたら、いくらでも協力するから」
「そうですね。頑張ってサディエルを捕まえましょう」
今は悩んでも仕方ない……わけじゃないけど、とりあえずは動いてみてから考えよう。
サディエルの身体能力については、冒険者歴を加味しても、アルムやリレルよりは断然上だろうし。
確実に体力勝負がどこかである。
だけど、それをやられると不利なのはオレら側だ。
サディエルの得意分野じゃなく、オレらの得意分野に引きずり込まないと、勝ち目がない。
しかし、そうなるとまた難しいんだけど。
勝ち筋と負け筋の面から追い詰めようにも、アルムと戦術論についてあーだこーだとやっていたって話だし、期待は薄い。
おまけにサディエルは、オレたちの実力は元より、自身の実力すら、過大評価も過小評価もしない。
つまりは、油断や慢心が無いと言う事でもある。
「何だろう、既に凄い高難易度な課題を押し付けられた気がする」
「多分、間違っちゃいないと思うぞ……さってと、悩む前にまずは……」
「まずは?」
「あの馬鹿を追うぞ。シレっと1人でお礼参りに行きやがったからな」
……そうだった。
エルフェル・ブルグに到着してからお世話になった人たちにって話なんだから、オレら全員で行かないとダメじゃん!
何1人で済まそうとしているんだ、あの人!?
脳裏で、"あっははは、いやぁ悪い悪い" と悪びれる様子もなく笑うサディエルの姿が浮かび上がる。
ごめん、ちょっと、イラッとした。
「クレインさんの方は夕方でしょうから、それ以外ですね」
「バークライスさんはもう対象外だから、他は……最初の病院だな、きっと」
「とりあえず、ダッシュしよう! あーもー、サディエルのアホ! 馬鹿! 光属性のお人よし主人公属性ー!」
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