人生を斜交いに生きた男 実話

朝焼け

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人生を斜交いに生きた男 実話 64

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 そうか相手も人を入れてきたか。
 「しゃないなぁ、分かった」
 余り行きたくなかったが、紹介した手間もあるし。
 その日神戸では2流のホテルでの待ち合わせで、相手が此処を指定してきたのだ。
 山崎に駐車場で車の中から待機させて何人でどんな車で来るか見晴らせた。
 やってきたのは3人で、ムスタンクの外車なのだが、何とこれがレンタカーだと報告がきた。
 私とタカシは先に着いてコーヒーを。少し間を置いて山崎が上がってきた。
 約束の時間より7分遅れて3人が、一見しただけで招かれざる客の雰囲気を撒き散らしている。
 レンタカーと聞いていたので大した大物ではないと踏んでいたが、向かいに座りボーイが注文取りに
 「ビール2本」
 「はい、、、」
 2分も経たない内にビールが
 「何やキリンじゃないのか!変えてくれ」
 ボーイが少し困惑気味で
 「こちらではキリンは一寸、、、扱って、、、」
 「何やこれしかないんか」
 ーこいつらわしらをカマしているつもりやなぁー」
 1番の兄貴分は45才位か、パッとせず。如何にもローカルヤクザ丸出し、逆にタカシの方が年下やが押出しがあり、ポッチャリして青年実業家に見えるし、上品なヤクザにも見える。この差は歴然としていた。
 暫くはお互いの値踏み状態が、後の2人は如何にも付け足し役で小物だ。
 私とタカシは兄貴分の小指が欠損してるのを気付いていたが、別にこれ位では動じないので相手は逆に意識して両手の指を誇示してアピールしてくるが 私が
 「何処の組ですか?それとも個人プレーでっか?」
 少し揺さぶってみると相手は驚いた表情に。こいつら一体何者や?大方の人は一発でビビるのに、と戸惑っていた。
 此処でもう一発カマす気で目の前で右目の義眼を取り出してお冷の水で洗って見せたら、3人はギョッとして明らかにビビってしまった。
 此処でタカシが
 「現役でっか?」
 10秒程間が空き
 「、、、いや、、、」
 聞き取りにくい声で返事が
 「山崎は坊ちゃんやが、わしら2人は施設育ちやし分かるよな!世間に拗ねて生きてるし、別に怖いもんはないし」
 これで勝負あった空気が   64
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