人生を斜交いに生きた男 実話

朝焼け

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人生を斜交いに生きた男 実話 37

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半年程経過すると問屋、小売店、担当メーカーを割り振られて、私は6社のメーカー担当になり先輩と同行して格社長との顔繋ぎをし、正式な担当になった。婦人靴はどうしても流行が大きく左右する。売れ筋を把握して素早く製造させたり。過剰製造で値崩れにならない様に、他社よりも売れ筋を早く出荷させたりと。又、一旦火が付いた商品となるとあちこちから奪い合いになったり、人気薄の商品を抱き合わせで買わされたりで、、、ワンケースでも多くヒット商品を出荷させる力量が問われるのだが、日頃からのスキンシップと力関係(支払い能力)が大きく作用するが、その点我が社は力があったのでまだやりやすかった。それと担当メーカーの商品が売れる為にアンテナショップを開拓して流行の流れや鈍化に向かっていないかと空気を掴むのも大きな仕事である。何しろ婦人靴の流行のサイクルは約半年で様変わりをして判断を間違うと何千足と売れ残り価値は二束三文になりデッドストックで経営を圧迫し倒産になってしまうのだ。
 ゆっくりする間もなく次のシーズンへの立ち上がりの準備が回ってくるので。 真夏に冬物の展示会を開かないと本番に商品提供が出来ないのだ。展示会には全国の問屋、小売店、デパート関係者のバイヤーが来て注文するのだが、何処が先頭切ってリスクを背負うのか!戦々恐々の世界だ。目眩ませやダミー注文してライバルを戸惑はせたりして、、、
 メーカー側としてはある程度の数に成らないと生産体制に成らないので、見込み発注してでも生産へと舵を切るのだが、この見込みが間違うと大きな損失になるので目利きが要求されるのだ。然しこれには以外と私はセンスが有り会社では重宝されていたのだ。
 我が社の株主のメーカーが10社程有りどうしてもそのメーカーの商品も無理してでも捌かないといけないのだが、流行から逸れていると売り辛いのだ。
 10月になるとボツボツと冬物商品を小売店に展示して食い付きの動向を早く探り、価格が高過ぎないか?他社の動きを掴みメーカーに報告して展開を考えるのだが、この頃に興信所にでも調査したのか、私の学歴詐称がバレて馬鹿にした言動が多くなり、此処で学んだのは
 =出る杭は打たれる=
 出来過ぎると妬みを買う事に。角度を変えてネチネチと嫌味、嫌がらせをしたりで。
 〈くそ、今に見とれ〉のハングリー精神が此処で一層芽生えたのだ。私は叩かれれば逆に燃えてくる方なのだ。
     続く
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