人生を斜交いに生きた男 実話

朝焼け

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人生を斜交いに生きた男  実話  18

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社長の方を見ると聞こえない振りをしているのか
 「兎に角月末迄に給与と積立金をきっちり計算しといてや」
 従来は末日締めの翌月の15日払いでお預けが長いのだ。辞めるのに何も気を使う事もないので強気に出たが、のらりくらりと生返事をするので、社長の前に行き啖呵を切った。
 「真面目な労働者を舐めやがって、、、」
 「、、、、」
 「何とか言ったらどう何や!」
  小さい声で
 「わしは分からん、専務に任せているので」
 私は大きな声で
 「なら専務さっきの件頼むで」
 敬語もクソもない。辞めたとこに又のこのこと給与を貰いに来るのも難儀だし。
 「小田、お前は将来大物になるなぁーー」
 「はぁー⁈」
 専務の言った事がその時は理解出来なかったが、、、、最後に社長の愛人と噂の事務員に近づき大きな声で
 「社長とは末長く仲良くしてや」
 顔を真っ赤にして睨んでたが何も言わなかった。専務はポカーンとして、社長は下を向いていた。そのまま工場に戻り仕事をしたが嫌がらせがあるかと思いきや、逆に相手の方が恐れていた様だ。当時は若くて世間知らずと無知なので組合、労働局、労基監督署とか知らずに無駄働きをしていたのだ。
 残りの2週間、約束通り勤めあげ、月末には全てを精算してくれお金も少し多めに入っていた。口止め料も加算されていたのか。
 翌日には新しい所へ。独身だし布団も置いてきたので手荷物はタクシーで運んだ。
 お店の2階の一部屋を貸してくれた。隣の部屋は材料置き場になっていた。
 六畳一間だが1人なので十分な大きさだ。テレビと布団はお店が用意してくれ、1人部屋が何とも嬉しい。周りに気を使わなくて良いのが。この店は当時にしては時代の先読みをしていて、ウィンドベーカリー方式、お店の裏で作り表で販売するので新鮮さが好評でお客さんが多く、紹介や口コミでうまく拡大していた。
 オーナーとチーフと私、後はパートが3人で早出と遅出のシフトで働いていた。
 チーフは45歳位で少し大人しい口数の少ない人で通いで来ていた。   続く
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