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1.婚約破棄されちゃったよ〜!
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「あなたには愛想が尽きました! 私の婚約者に相応しくありませんわ! テティス・マーシア、貴方との婚約は今日この場を以って破棄致します!」
はい、お決まりの台詞ですね~。僕、婚約破棄されちゃいましたッ!
ここは、ブリタニア王国。王立サンブリア学園。
年に1回開かれる新入生歓迎パーティーの会場だ。
僕や王女は4学年になる。王女が4学年の代表として出席しなければならなかったので、僕は婚約者としてエスコートしていたんだ。
そこで、僕テティス・マーシアは婚約者であるこの国の王女、ソフィア・ブリタニアに婚約破棄されちゃいました! テヘペロ!
な~んて、解説している場合じゃないんだよぉ~!!
たった今、僕に婚約破棄を言い渡していた王女、ソフィア・ブリタニア。
言っとくけど、決して悪役令嬢ではないよ。
この国では、ロイヤルブロンドと呼ばれているブルーブロンドのサラッサラピッカピカのいつも良い匂いのする髪なんだ。なんせ王族にしか出ないと言われている色なんだよ。
おまけに瞳は透けるようなブルーでウルウルしていて超可愛いんだぁ!
ぷるんとした唇に、ほんのりピンク色に色付いた頬。そんなに細くて内臓があるのぉ!? て位に括れた細い腰。
なのにその膨らみはなんなの!? と言いたくなるようなお胸。ああ、巨乳て程じゃないんだ。僕にとってはちょうど良い感じの可愛いお胸なの。
あー、もちろん見た事も触った事もないよ! そこに拘っている訳でもないよ! 決してない。
ああ、もう言い尽くせないよ。
その超可愛い王女殿下が僕の婚約者だったんだ。たった今、過去形になっちゃったけど……(泣
僕はと言うと、この国では珍しくも何ともないブロンドの髪を後ろで引っ詰めていて、青紫色の瞳。この青紫色の瞳は王家の色らしい。
でも、少々コミュ症を患ってしまっている僕は、伸びた前髪でその瞳が見えていない。しかも、ちょっと猫背気味。
まあ、一言で言うとモサイ。キョドッてるしね。
そんな僕だけど、身分だけは高くてこの国の王弟殿下であり公爵が僕の父なんだ。父親の兄が、現国王て訳だね。親戚さ。だから瞳に王家の色が出たんだろうね。
「テティス・マーシア! 聞いてますの!? 」
「あ? あ、ああ、はい。婚約破棄ですね。た、承りました。では、ぼ、僕はこれで失礼致します」
「え、えッ!? テテ!? 承りって……意味分かってるの!? ちょっ、ちょっと待ってよ!」
はいはい。ちゃんと意味は分かってますよ~。ほら、折角張り切って婚約破棄を言い渡したのに、テテなんて僕を愛称なんかで呼んだら駄目じゃない。
そんなとこも可愛いなぁ~。ふふん。
僕は返事もちょっと吃っちゃった。コミュ症だからね。ちょっとだけだよ?
でも、こんなに可愛い王女殿下の前に出ると意識しちゃうよ。多少吃ってしまうのは仕方ないよぉ。だって本当に可愛いんだもん。
パーティー会場を出て馬車の待つ学園の正門へ向かうと、父と母が待っていてくれた。心配して来てくれたんだ、ごめんね。
「テテ、本当にこれで良いの?」
「母上、もちろんです」
「テティス、これからだ」
「父上、分かっています」
実は、僕には前世の記憶がある。物心がついた頃から、違う世界の色んな事が頭に浮かんでいたんだ。それが前世の記憶だと、はっきりと認識したのは8歳の時だった。家族には僕が10歳の時に打ち明けた。
でね、僕の両親だけど。
父はレウス・マーシア。金色の短い髪に青紫の瞳。ちょっとだけ表情筋が麻痺してるかも知れないけど、なかなかのイケオジだと思うよ。僕が突然前世の告白をしても動じず冷静に受け止めてくれた。頼りになる父なんだ。
僕の父親は王弟なんだけど、公爵家であるマーシア家に後継がいなかった為に養子に入って公爵家を継いだ。
マーシア公爵家も、前王の弟なんだ。現王や父の叔父にあたる。
この国の公爵家は皆何かしら王族の血筋が入っている。逆に言うとそんな家系しか公爵にはなれない訳だよね。
婚約破棄されちゃったけど、僕だって歴とした公爵家の子息で、王家の血を引いているんだよ。まぁ、お気楽な次男坊だけどね。
母はリース・マーシア。絹糸の様な、ブロンドの長い髪に藍色の瞳。普段はおっとりとした天然さんだけど、いざと言う時はイケイケの肝っ玉母さんに豹変しちゃう。普段は優しい母だよ。
あと、僕には兄と姉がいる。
姉は見掛けも頭脳もおまけに魔法までハイスペックで周辺諸国の王家から……
「是非、我が国の王子の嫁に!」
と、引く手数多だったんだって。
なのに、あっさりとこの国の侯爵家に嫁いじゃった。なんでも、姉の初恋で姉から迫ったらしい。
兄は、公爵家の後継だ。これまた超優秀。僕が今通っている学園で、在学中通しての最高得点を叩き出している。
兄は、魔法はそこそこだが剣を持たせたら敵なしだよ。凄い強いんだ。
そんな兄と姉がいる僕は当然注目されていた。
でも、僕は極々普通だ。見かけや頭、体力や魔法も特出したところはなく、中の中と言う普通以外の何者でもない……と、言う事にしている。表向きはね。
そんな僕と、この国の王女殿下が何故婚約していたかと言うとね。
父親が兄弟だから、小さい頃から交流があったんだ。
実は僕、小さい頃は神童と呼ばれていたんだ。本当だよ?
小さい僕が、カタコトで話した訳の分からない知識を、普通じゃないと気付き読み解き王様と父が進めた衣食住の改善計画でこの国の生活水準が向上した。
畑を改良した事で食が豊かになった。僕がなんとなく話した内容で父達は下水道を作って衛生環境が良くなった。結果、病気が減った。とかね、色々あるんだ。
分かる? マジで僕、神童だったんだ。過去形だけどね。
実はそれは全部前世の記憶だったんだけど。僕の実力でもなんでもないんだ。前世の世界で知らない誰かが発明した事を僕は話しただけだ。僕は知っていただけなんだ。
なのに、王女殿下はそんな僕に恋をしたんだって。初恋だよ? 超可愛いでしょう?
そう、本当に可愛いの。小さい頃はよく一緒に遊んだんだけど、性格は良いし、偉ぶったところもないし、僕の世話もよく焼いてくれる。僕には勿体無い位だよぉ。
今日は変な力が入っていたみたいで、どこかの令嬢っぼい話し方になっていたけどね。普段はそんな事ないんだよ。気さくな可愛い王女なんだ。
さて、僕達が住むこの国、ブリタニア王国がある大陸は7つの国から成り立っている。
ブリタニア王国は、大陸の東端に位置する大国だ。
だからと言って別に国同士が争っていたりする訳ではないんだ。昔、大きな戦争があって、どの国も疲弊したらしい。それで、其々の国と和平条約を結んだんだって。だから、至って平和だよ。
この国の王様の妹が隣国に嫁いでいたりする。人質的な婚姻なんかじゃないよ。
国王と父の妹、僕から見たら叔母にあたる人だね。その叔母が、隣国へ留学中に運命的な恋をしたんだ。そのお相手がたまたま隣国の王子殿下だった。叔母はいそいそと嫁いで行った。
そんな平和な国の学生の話題と言えば、どこそこの貴族が婚姻したとか、婚約したとか、誰の成績が1番だったとか、そんな話題位だよ。
僕が王女に婚約破棄を言い渡された事も明日を待たずに広まっているだろうなぁ。あぁ、明日の事を思うとちょっと憂鬱……
そんな事を考えながら、僕は両親と馬車で帰路に就いた。
はい、お決まりの台詞ですね~。僕、婚約破棄されちゃいましたッ!
ここは、ブリタニア王国。王立サンブリア学園。
年に1回開かれる新入生歓迎パーティーの会場だ。
僕や王女は4学年になる。王女が4学年の代表として出席しなければならなかったので、僕は婚約者としてエスコートしていたんだ。
そこで、僕テティス・マーシアは婚約者であるこの国の王女、ソフィア・ブリタニアに婚約破棄されちゃいました! テヘペロ!
な~んて、解説している場合じゃないんだよぉ~!!
たった今、僕に婚約破棄を言い渡していた王女、ソフィア・ブリタニア。
言っとくけど、決して悪役令嬢ではないよ。
この国では、ロイヤルブロンドと呼ばれているブルーブロンドのサラッサラピッカピカのいつも良い匂いのする髪なんだ。なんせ王族にしか出ないと言われている色なんだよ。
おまけに瞳は透けるようなブルーでウルウルしていて超可愛いんだぁ!
ぷるんとした唇に、ほんのりピンク色に色付いた頬。そんなに細くて内臓があるのぉ!? て位に括れた細い腰。
なのにその膨らみはなんなの!? と言いたくなるようなお胸。ああ、巨乳て程じゃないんだ。僕にとってはちょうど良い感じの可愛いお胸なの。
あー、もちろん見た事も触った事もないよ! そこに拘っている訳でもないよ! 決してない。
ああ、もう言い尽くせないよ。
その超可愛い王女殿下が僕の婚約者だったんだ。たった今、過去形になっちゃったけど……(泣
僕はと言うと、この国では珍しくも何ともないブロンドの髪を後ろで引っ詰めていて、青紫色の瞳。この青紫色の瞳は王家の色らしい。
でも、少々コミュ症を患ってしまっている僕は、伸びた前髪でその瞳が見えていない。しかも、ちょっと猫背気味。
まあ、一言で言うとモサイ。キョドッてるしね。
そんな僕だけど、身分だけは高くてこの国の王弟殿下であり公爵が僕の父なんだ。父親の兄が、現国王て訳だね。親戚さ。だから瞳に王家の色が出たんだろうね。
「テティス・マーシア! 聞いてますの!? 」
「あ? あ、ああ、はい。婚約破棄ですね。た、承りました。では、ぼ、僕はこれで失礼致します」
「え、えッ!? テテ!? 承りって……意味分かってるの!? ちょっ、ちょっと待ってよ!」
はいはい。ちゃんと意味は分かってますよ~。ほら、折角張り切って婚約破棄を言い渡したのに、テテなんて僕を愛称なんかで呼んだら駄目じゃない。
そんなとこも可愛いなぁ~。ふふん。
僕は返事もちょっと吃っちゃった。コミュ症だからね。ちょっとだけだよ?
でも、こんなに可愛い王女殿下の前に出ると意識しちゃうよ。多少吃ってしまうのは仕方ないよぉ。だって本当に可愛いんだもん。
パーティー会場を出て馬車の待つ学園の正門へ向かうと、父と母が待っていてくれた。心配して来てくれたんだ、ごめんね。
「テテ、本当にこれで良いの?」
「母上、もちろんです」
「テティス、これからだ」
「父上、分かっています」
実は、僕には前世の記憶がある。物心がついた頃から、違う世界の色んな事が頭に浮かんでいたんだ。それが前世の記憶だと、はっきりと認識したのは8歳の時だった。家族には僕が10歳の時に打ち明けた。
でね、僕の両親だけど。
父はレウス・マーシア。金色の短い髪に青紫の瞳。ちょっとだけ表情筋が麻痺してるかも知れないけど、なかなかのイケオジだと思うよ。僕が突然前世の告白をしても動じず冷静に受け止めてくれた。頼りになる父なんだ。
僕の父親は王弟なんだけど、公爵家であるマーシア家に後継がいなかった為に養子に入って公爵家を継いだ。
マーシア公爵家も、前王の弟なんだ。現王や父の叔父にあたる。
この国の公爵家は皆何かしら王族の血筋が入っている。逆に言うとそんな家系しか公爵にはなれない訳だよね。
婚約破棄されちゃったけど、僕だって歴とした公爵家の子息で、王家の血を引いているんだよ。まぁ、お気楽な次男坊だけどね。
母はリース・マーシア。絹糸の様な、ブロンドの長い髪に藍色の瞳。普段はおっとりとした天然さんだけど、いざと言う時はイケイケの肝っ玉母さんに豹変しちゃう。普段は優しい母だよ。
あと、僕には兄と姉がいる。
姉は見掛けも頭脳もおまけに魔法までハイスペックで周辺諸国の王家から……
「是非、我が国の王子の嫁に!」
と、引く手数多だったんだって。
なのに、あっさりとこの国の侯爵家に嫁いじゃった。なんでも、姉の初恋で姉から迫ったらしい。
兄は、公爵家の後継だ。これまた超優秀。僕が今通っている学園で、在学中通しての最高得点を叩き出している。
兄は、魔法はそこそこだが剣を持たせたら敵なしだよ。凄い強いんだ。
そんな兄と姉がいる僕は当然注目されていた。
でも、僕は極々普通だ。見かけや頭、体力や魔法も特出したところはなく、中の中と言う普通以外の何者でもない……と、言う事にしている。表向きはね。
そんな僕と、この国の王女殿下が何故婚約していたかと言うとね。
父親が兄弟だから、小さい頃から交流があったんだ。
実は僕、小さい頃は神童と呼ばれていたんだ。本当だよ?
小さい僕が、カタコトで話した訳の分からない知識を、普通じゃないと気付き読み解き王様と父が進めた衣食住の改善計画でこの国の生活水準が向上した。
畑を改良した事で食が豊かになった。僕がなんとなく話した内容で父達は下水道を作って衛生環境が良くなった。結果、病気が減った。とかね、色々あるんだ。
分かる? マジで僕、神童だったんだ。過去形だけどね。
実はそれは全部前世の記憶だったんだけど。僕の実力でもなんでもないんだ。前世の世界で知らない誰かが発明した事を僕は話しただけだ。僕は知っていただけなんだ。
なのに、王女殿下はそんな僕に恋をしたんだって。初恋だよ? 超可愛いでしょう?
そう、本当に可愛いの。小さい頃はよく一緒に遊んだんだけど、性格は良いし、偉ぶったところもないし、僕の世話もよく焼いてくれる。僕には勿体無い位だよぉ。
今日は変な力が入っていたみたいで、どこかの令嬢っぼい話し方になっていたけどね。普段はそんな事ないんだよ。気さくな可愛い王女なんだ。
さて、僕達が住むこの国、ブリタニア王国がある大陸は7つの国から成り立っている。
ブリタニア王国は、大陸の東端に位置する大国だ。
だからと言って別に国同士が争っていたりする訳ではないんだ。昔、大きな戦争があって、どの国も疲弊したらしい。それで、其々の国と和平条約を結んだんだって。だから、至って平和だよ。
この国の王様の妹が隣国に嫁いでいたりする。人質的な婚姻なんかじゃないよ。
国王と父の妹、僕から見たら叔母にあたる人だね。その叔母が、隣国へ留学中に運命的な恋をしたんだ。そのお相手がたまたま隣国の王子殿下だった。叔母はいそいそと嫁いで行った。
そんな平和な国の学生の話題と言えば、どこそこの貴族が婚姻したとか、婚約したとか、誰の成績が1番だったとか、そんな話題位だよ。
僕が王女に婚約破棄を言い渡された事も明日を待たずに広まっているだろうなぁ。あぁ、明日の事を思うとちょっと憂鬱……
そんな事を考えながら、僕は両親と馬車で帰路に就いた。
応援ありがとうございます!
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