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第7章 解呪
241ー王の部屋
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「ココ! 無事か!?」
ディオシスじーちゃんとロディ兄だ。
「兄さま、ディオシスお祖父さま、大丈夫です」
「これは……一体、どうなっているんだ?」
ロディ兄がソファーに倒れている侍女を見て聞いてきた。
「兄さま、その侍女が深い干渉を受けていたのです。意識が戻るかどうかも分かりません」
「そんなになのか?」
「はい、驚きました」
「目が黒くなってたッス」
「目? 目がか?」
「手も鷲みたいでぇ」
「わ、鷲?」
「お祖父さま、それより王妃様を」
「ああ、どうだった?」
「それほど深い精神干渉じゃなかったです。毒に侵されてました」
「毒か」
まだベッドで意識のない王妃を見る。
「はい。それで意識がないのだと思います。キリシマがもう解毒と解呪もしてくれてます」
「では、大丈夫なんだな?」
「はい。意識は戻る筈です。なのでお祖父さま、ここをお願いします」
「ココ?」
「ロディ兄さま、侍女と近衛兵をお願いします」
「ああ」
「キリシマ、行くわよ。サキ、リュウ」
「おう」
「はいッス」
「はいですぅ」
「ココ、待ちなさい!」
ロディ兄はそう言うが、ここまで来て待てるわけないじゃん。奥の突き当りが王の部屋だ。その部屋の前には近衛兵が立っている。
ここまで入ってきたのは初めてだが、部屋に入る前から異様な空気が感じられる。
一筋縄じゃいかないだろう事が想像できる。
「サキ、リュウ、無理だと思ったら俺を気にせず逃げるんだ」
「若、何言ってるんスか?」
「そうですぅ」
「ココ」
「いや、俺も無理だと思ったら逃げるさ」
「本当ッスか?」
「ああ」
でも、俺がなんとかしなきゃな。出来るだけ頑張ってみるさ。
「ココ、俺がいるだろうが」
「おう、キリシマ。頼んだ」
「おうよ」
部屋の前に立っていた近衛兵が、向かってきたが隆が難なく気絶させ、霧島がサクッと解呪する。
そのまま俺達はゆっくりと部屋のドアを開けた。
薄暗い部屋。何処からともなく漂ってくる霧の様なもの。ベッドに横たわっている王らしき人物。この饐えた匂いは何だろう。なにかが蠢く様な音がする。ズルッ……ズルッと……
そいつは姿を現したんだ。
「なんスかこれ……」
「えぇー……」
「キリシマ」
「おう」
黒い鱗が薄気味悪く光っている。薄暗い部屋にギロッと光る紅い瞳。そこに居たのは部屋が狭く感じる程の大きさの大蛇の様な化け物だ。
但し普通の大蛇ではない。持ち上げている上半身は人だ。背中には蝙蝠の様な黒い翼がある。頭には悪魔の様な大きな巻き角があり口は耳までさけていて先端が2つに割れた舌を出している。その腰からは何かの獣の骸骨の様な悍ましい首が2つ伸びてジッと此方を見ている。下半身は大蛇のようにとぐろを巻いていた。
その化け物がニタッとこちらをみた。こちらを見ている瞳は血の色の様に異様に赤く光っていた。
「これは何?」
「魔族だ」
「魔族? そんなものが本当にいるのか?」
「おう、この世界の果てに魔族が暮らす大陸があるんだ。だが、そこから魔族は出て来ないはずなんだ」
「でも目の前にいるぞ」
「おう、いるな」
そいつは、ズルッズルッと動いている。俺達は慎重に距離をとる。だが、問題は王だ。
どうする? どうやって助け出す?
「ココ、とにかく鑑定眼で見てみろ」
「おう」
鑑定眼で王を見る。ああ、王妃と一緒だ。毒にやられている。そして、精神干渉もだ。この部屋の空気も異常なのか? 瘴気にもやられている。
そして目の前の、霧島が魔族と言った奴だ。
確かに魔族らしい。だが、それ以上の情報を見る事ができない。
「ココの魔力量だと無理なんだろう」
「そんなに?」
ああ、そういえばクリスティー先生の情報も見る事が出来なかった。
「どうすんだ、これ?」
「なんでも首と胴体が分かれちまえば倒れるさ」
「本当かよ?」
「おうよ」
ここにきて霧島の脳筋発言だ。ああ、マジかぁ。俺、そんなに強くねーぞ。
「ココ、剣に聖属性魔法を付与すんだ。魔族ってのは皆聖属性に弱い」
「分かった」
ズルッと動く音がする。とぐろを巻いていた下半身をゆっくりと持ち上げた。鱗の様なものが鈍く光っている。
緊張感が走る。咲や隆、俺も剣を構えて尻尾の攻撃を覚悟した。そう身構えた時だ。
どこからか何かが飛んできた。そして大蛇が高く持ち上げた尻尾に齧り付き床へ抑え込んだ。
――グアァァァァ!
「バウゥゥゥ!」
直ぐさま俺達を庇うかの様に前に立ち塞がったのはノワだった。
「ノワ! え!? ノワなの?」
「ココ! 助けにきたぞ!」
「え? え?」
確かにノワだ。だが、あの小さくて可愛らしいノワじゃなかった。子犬の大きさじゃなかったんだ。
真っ黒の体毛に金色の目。鋭い犬歯を剥き出しにして威嚇しているその堂々たる体躯。優に2メートルはあるか?
「え? ノワ大きくなったの!?」
「ココ、あれが本来のブラックフェンリルだ。ココの気配を辿って転移してきたんだろう」
「キリシマ、そうなの?」
「あれでもまだ子供だ」
「凄いじゃない! ノワ!」
「ココ! 危ないから下がって!」
「駄目よ、ノワ」
◇ ◇ ◇
俺はノワ。大変だ。ココがピンチだ!
俺はココと繋がっているから分かるんだ!
「今日はお留守番よ。お利口さんにして待っていてね」
そう言ってココは出掛けて行った。つまんねー。俺だってもっともっとココの役に立ちたいんだ。
俺はまだ子供だ。キリシマみたいな魔法は使えない。でも、俺だって誇り高いブラックフェンリルだ。風を纏ったら誰よりも速く走れるんだ。
ココがピンチだと分かっているのに、お留守番なんてしていられない!
助けに行くんだ! 俺だって戦えるんだ! 行くぞッ!
☆ ☆ ☆
読んで頂き有難うございます。
今日はハルちゃんお休みです。
宜しくお願いします!
ディオシスじーちゃんとロディ兄だ。
「兄さま、ディオシスお祖父さま、大丈夫です」
「これは……一体、どうなっているんだ?」
ロディ兄がソファーに倒れている侍女を見て聞いてきた。
「兄さま、その侍女が深い干渉を受けていたのです。意識が戻るかどうかも分かりません」
「そんなになのか?」
「はい、驚きました」
「目が黒くなってたッス」
「目? 目がか?」
「手も鷲みたいでぇ」
「わ、鷲?」
「お祖父さま、それより王妃様を」
「ああ、どうだった?」
「それほど深い精神干渉じゃなかったです。毒に侵されてました」
「毒か」
まだベッドで意識のない王妃を見る。
「はい。それで意識がないのだと思います。キリシマがもう解毒と解呪もしてくれてます」
「では、大丈夫なんだな?」
「はい。意識は戻る筈です。なのでお祖父さま、ここをお願いします」
「ココ?」
「ロディ兄さま、侍女と近衛兵をお願いします」
「ああ」
「キリシマ、行くわよ。サキ、リュウ」
「おう」
「はいッス」
「はいですぅ」
「ココ、待ちなさい!」
ロディ兄はそう言うが、ここまで来て待てるわけないじゃん。奥の突き当りが王の部屋だ。その部屋の前には近衛兵が立っている。
ここまで入ってきたのは初めてだが、部屋に入る前から異様な空気が感じられる。
一筋縄じゃいかないだろう事が想像できる。
「サキ、リュウ、無理だと思ったら俺を気にせず逃げるんだ」
「若、何言ってるんスか?」
「そうですぅ」
「ココ」
「いや、俺も無理だと思ったら逃げるさ」
「本当ッスか?」
「ああ」
でも、俺がなんとかしなきゃな。出来るだけ頑張ってみるさ。
「ココ、俺がいるだろうが」
「おう、キリシマ。頼んだ」
「おうよ」
部屋の前に立っていた近衛兵が、向かってきたが隆が難なく気絶させ、霧島がサクッと解呪する。
そのまま俺達はゆっくりと部屋のドアを開けた。
薄暗い部屋。何処からともなく漂ってくる霧の様なもの。ベッドに横たわっている王らしき人物。この饐えた匂いは何だろう。なにかが蠢く様な音がする。ズルッ……ズルッと……
そいつは姿を現したんだ。
「なんスかこれ……」
「えぇー……」
「キリシマ」
「おう」
黒い鱗が薄気味悪く光っている。薄暗い部屋にギロッと光る紅い瞳。そこに居たのは部屋が狭く感じる程の大きさの大蛇の様な化け物だ。
但し普通の大蛇ではない。持ち上げている上半身は人だ。背中には蝙蝠の様な黒い翼がある。頭には悪魔の様な大きな巻き角があり口は耳までさけていて先端が2つに割れた舌を出している。その腰からは何かの獣の骸骨の様な悍ましい首が2つ伸びてジッと此方を見ている。下半身は大蛇のようにとぐろを巻いていた。
その化け物がニタッとこちらをみた。こちらを見ている瞳は血の色の様に異様に赤く光っていた。
「これは何?」
「魔族だ」
「魔族? そんなものが本当にいるのか?」
「おう、この世界の果てに魔族が暮らす大陸があるんだ。だが、そこから魔族は出て来ないはずなんだ」
「でも目の前にいるぞ」
「おう、いるな」
そいつは、ズルッズルッと動いている。俺達は慎重に距離をとる。だが、問題は王だ。
どうする? どうやって助け出す?
「ココ、とにかく鑑定眼で見てみろ」
「おう」
鑑定眼で王を見る。ああ、王妃と一緒だ。毒にやられている。そして、精神干渉もだ。この部屋の空気も異常なのか? 瘴気にもやられている。
そして目の前の、霧島が魔族と言った奴だ。
確かに魔族らしい。だが、それ以上の情報を見る事ができない。
「ココの魔力量だと無理なんだろう」
「そんなに?」
ああ、そういえばクリスティー先生の情報も見る事が出来なかった。
「どうすんだ、これ?」
「なんでも首と胴体が分かれちまえば倒れるさ」
「本当かよ?」
「おうよ」
ここにきて霧島の脳筋発言だ。ああ、マジかぁ。俺、そんなに強くねーぞ。
「ココ、剣に聖属性魔法を付与すんだ。魔族ってのは皆聖属性に弱い」
「分かった」
ズルッと動く音がする。とぐろを巻いていた下半身をゆっくりと持ち上げた。鱗の様なものが鈍く光っている。
緊張感が走る。咲や隆、俺も剣を構えて尻尾の攻撃を覚悟した。そう身構えた時だ。
どこからか何かが飛んできた。そして大蛇が高く持ち上げた尻尾に齧り付き床へ抑え込んだ。
――グアァァァァ!
「バウゥゥゥ!」
直ぐさま俺達を庇うかの様に前に立ち塞がったのはノワだった。
「ノワ! え!? ノワなの?」
「ココ! 助けにきたぞ!」
「え? え?」
確かにノワだ。だが、あの小さくて可愛らしいノワじゃなかった。子犬の大きさじゃなかったんだ。
真っ黒の体毛に金色の目。鋭い犬歯を剥き出しにして威嚇しているその堂々たる体躯。優に2メートルはあるか?
「え? ノワ大きくなったの!?」
「ココ、あれが本来のブラックフェンリルだ。ココの気配を辿って転移してきたんだろう」
「キリシマ、そうなの?」
「あれでもまだ子供だ」
「凄いじゃない! ノワ!」
「ココ! 危ないから下がって!」
「駄目よ、ノワ」
◇ ◇ ◇
俺はノワ。大変だ。ココがピンチだ!
俺はココと繋がっているから分かるんだ!
「今日はお留守番よ。お利口さんにして待っていてね」
そう言ってココは出掛けて行った。つまんねー。俺だってもっともっとココの役に立ちたいんだ。
俺はまだ子供だ。キリシマみたいな魔法は使えない。でも、俺だって誇り高いブラックフェンリルだ。風を纏ったら誰よりも速く走れるんだ。
ココがピンチだと分かっているのに、お留守番なんてしていられない!
助けに行くんだ! 俺だって戦えるんだ! 行くぞッ!
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読んで頂き有難うございます。
今日はハルちゃんお休みです。
宜しくお願いします!
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