210 / 249
第6章 王都
210ーばーちゃんの企み
しおりを挟む
「精神干渉されていたからか?」
「それもある様ですけど、元々伯爵令嬢ごときが、と思っていたようです」
「幼い頃からプライドが高くて気性の激しい令嬢だったからな」
元々の性格が精神干渉で増長された感じか? それにしても、姉達が助けていなかったら人殺しになっていたぞ。
「1度直接訪ねる方が良いか……」
「いえ、お祖父さま。ご家族も精神干渉されている可能性があります」
「そうだ、そうだったな。しかし、我々の調べがつかないところまで広がっている。見つけ出さないと、どうにもできんぞ」
そうなんだよ。どこまで広がっているのか分からないんだ。
「何か手を考えないといかん」
「お祖父様、第1王子殿下と第2王子殿下が全面的に協力してくださるそうです」
「そうか、それは有難い」
王子2人が協力してくれるんだ。其々を一々探すよりどこかに集められないか?
城に出入りした事のある人達だけでいいんだ。しかし、なら商人達も可能性があるのか。
「ロディ兄さま、1度王都の商人達を鑑定眼で見てみたいです」
「ココ、城に出入りしている者がいるからかい?」
「はい。貴族だけを集めるのなら、お茶会でも夜会でも手はあります。でも城に出入りしている人達までとなると、どれ位の範囲になるのか想像もつきません。どの程度のものなのかを見てみたいです」
「そうだな」
「ココちゃん、じゃあまた一緒にお出掛けしましょう」
「はい、お祖母さま」
「では、私が付いていこう」
「ディオシスお祖父さま、お願いします」
「ではそっちはココに任せよう。で騎士団はどうだ?」
「義父上、ほとんど解呪できたと思いますぞッ」
「キリシマ、それを確認できる?」
「おうよ。俺様に任せておきな!」
よし、霧島がいてくれて良かったよ。確実に解呪するのも確認できるのも俺だけだったら大変だった。
「ココ、もっと俺様を褒めてもいいんだぜ!」
「なんでよ」
「ココみたいなのをツンデレってんだ」
「え、違うわよ。素直って言ってよ」
「なんでだよー!」
ハハハ、でも助かるよ。頼んだぞ。
「任せな!」
「では、確実な事を増やしていこう。ココは王都の商人達の確認。キリシマは騎士団の確認だ。それがハッキリしてからまた話し合おう」
「ココちゃん、明日朝から行きましょうか?」
「はい、お祖母さま」
「じゃあ、今日はもうお祖母様と一緒にお茶しましょうね」
「はい」
お茶? 今飲んでたけど?
で、とにかくばーちゃんとお茶だ。お茶菓子には、またうちの料理人達が作ったであろうスイーツが。甘いのが欲しかったんだ。ラッキーだよ。
「ねえ、ココちゃん。前に教えてもらったスイーツなんだけど」
と、ばーちゃんの話だ。以前、シュークリームとか数点こっちのシェフに教えたんだ。俺じゃないよ。うちの料理人が教えた。それをまた別の料理人に教えてテイクアウトのスイーツのお店を出すそうなんだ。
それも、以前聞いていた。それがどうした?
「やっぱりね、お持ち帰りだけだと勿体ないじゃない? だからお店で食べられるようにしようと思うのよ」
ほうほう。今日のお茶菓子はアップルパイだ。カスタードクリームと甘く煮たりんごがマッチして俺は大好きだ。サックサクで美味いな。
「だからね、ショートケーキ的なもので何かないかと思って」
ほう、ショートケーキか。俺はいちごのショートケーキも好きだけど、イチゴならミルフィーユの方が好きだな。あとはモンブラン。季節によってはイチジクのタルトとかも美味い。
「あら、それはどんなのかしら?」
「え?」
え? 俺、声に出てた?
「お嬢、出てたッス」
「全部ですぅ」
マジか!? 俺、疲れてるかな? ヤバイな。無意識だったよ。
「えっと、パイ生地とカスタードとイチゴを重ねるんです。ちょっと食べ難いですけど、美味しいです」
「それが、いちごのミルフィーユというのね?」
「はい。で、モンブランは基本的には栗のペーストや生クリームを混ぜた物をこう、なんていうか搾り出すんです。あとイチジクのタルトはそのまんまですね」
「よく分からないわね」
「うちの料理人が作れますよ」
「あら、そう? なら聞いておくわ。他にはないの?」
「そうですね~。手軽なものならクレープとか?」
「それも料理人は知っているのかしら?」
「はい、全部作れます。1度作ってもらったら良いと思いますよ」
「そうね、そうするわ」
ばーちゃん、儲けるね~。この世界にはまだないスイーツだから珍しいだろうし、集客は良いだろうな。
「お嬢、バッチリッス」
「そう?」
「はいぃ」
ま、和も食べたいところだけど。1度に色々言ってもな。
「イチゴ大福が良いですぅ」
「ああ、美味しいわね」
「なに? なあに? それもイチゴなの?」
「はい、お祖母さま。イチゴは無敵です」
「フフフ。あらあら、食べてみたいわ」
「お祖母さま、手に持って齧り付くんですよ」
「まあ、そんな食べ方するの?」
「はい。大福はそうして食べる方が美味しいです。クレープも手に持って歩きながら食べられますよ。王都名物になったら良いですね」
「いいッスね」
「はいぃ」
て、今更地味に飯テロかよ。
☆ ☆ ☆
読んで頂きありがとうございます。
今日は先にハルちゃん投稿しております。宜しくお願い致します!
「それもある様ですけど、元々伯爵令嬢ごときが、と思っていたようです」
「幼い頃からプライドが高くて気性の激しい令嬢だったからな」
元々の性格が精神干渉で増長された感じか? それにしても、姉達が助けていなかったら人殺しになっていたぞ。
「1度直接訪ねる方が良いか……」
「いえ、お祖父さま。ご家族も精神干渉されている可能性があります」
「そうだ、そうだったな。しかし、我々の調べがつかないところまで広がっている。見つけ出さないと、どうにもできんぞ」
そうなんだよ。どこまで広がっているのか分からないんだ。
「何か手を考えないといかん」
「お祖父様、第1王子殿下と第2王子殿下が全面的に協力してくださるそうです」
「そうか、それは有難い」
王子2人が協力してくれるんだ。其々を一々探すよりどこかに集められないか?
城に出入りした事のある人達だけでいいんだ。しかし、なら商人達も可能性があるのか。
「ロディ兄さま、1度王都の商人達を鑑定眼で見てみたいです」
「ココ、城に出入りしている者がいるからかい?」
「はい。貴族だけを集めるのなら、お茶会でも夜会でも手はあります。でも城に出入りしている人達までとなると、どれ位の範囲になるのか想像もつきません。どの程度のものなのかを見てみたいです」
「そうだな」
「ココちゃん、じゃあまた一緒にお出掛けしましょう」
「はい、お祖母さま」
「では、私が付いていこう」
「ディオシスお祖父さま、お願いします」
「ではそっちはココに任せよう。で騎士団はどうだ?」
「義父上、ほとんど解呪できたと思いますぞッ」
「キリシマ、それを確認できる?」
「おうよ。俺様に任せておきな!」
よし、霧島がいてくれて良かったよ。確実に解呪するのも確認できるのも俺だけだったら大変だった。
「ココ、もっと俺様を褒めてもいいんだぜ!」
「なんでよ」
「ココみたいなのをツンデレってんだ」
「え、違うわよ。素直って言ってよ」
「なんでだよー!」
ハハハ、でも助かるよ。頼んだぞ。
「任せな!」
「では、確実な事を増やしていこう。ココは王都の商人達の確認。キリシマは騎士団の確認だ。それがハッキリしてからまた話し合おう」
「ココちゃん、明日朝から行きましょうか?」
「はい、お祖母さま」
「じゃあ、今日はもうお祖母様と一緒にお茶しましょうね」
「はい」
お茶? 今飲んでたけど?
で、とにかくばーちゃんとお茶だ。お茶菓子には、またうちの料理人達が作ったであろうスイーツが。甘いのが欲しかったんだ。ラッキーだよ。
「ねえ、ココちゃん。前に教えてもらったスイーツなんだけど」
と、ばーちゃんの話だ。以前、シュークリームとか数点こっちのシェフに教えたんだ。俺じゃないよ。うちの料理人が教えた。それをまた別の料理人に教えてテイクアウトのスイーツのお店を出すそうなんだ。
それも、以前聞いていた。それがどうした?
「やっぱりね、お持ち帰りだけだと勿体ないじゃない? だからお店で食べられるようにしようと思うのよ」
ほうほう。今日のお茶菓子はアップルパイだ。カスタードクリームと甘く煮たりんごがマッチして俺は大好きだ。サックサクで美味いな。
「だからね、ショートケーキ的なもので何かないかと思って」
ほう、ショートケーキか。俺はいちごのショートケーキも好きだけど、イチゴならミルフィーユの方が好きだな。あとはモンブラン。季節によってはイチジクのタルトとかも美味い。
「あら、それはどんなのかしら?」
「え?」
え? 俺、声に出てた?
「お嬢、出てたッス」
「全部ですぅ」
マジか!? 俺、疲れてるかな? ヤバイな。無意識だったよ。
「えっと、パイ生地とカスタードとイチゴを重ねるんです。ちょっと食べ難いですけど、美味しいです」
「それが、いちごのミルフィーユというのね?」
「はい。で、モンブランは基本的には栗のペーストや生クリームを混ぜた物をこう、なんていうか搾り出すんです。あとイチジクのタルトはそのまんまですね」
「よく分からないわね」
「うちの料理人が作れますよ」
「あら、そう? なら聞いておくわ。他にはないの?」
「そうですね~。手軽なものならクレープとか?」
「それも料理人は知っているのかしら?」
「はい、全部作れます。1度作ってもらったら良いと思いますよ」
「そうね、そうするわ」
ばーちゃん、儲けるね~。この世界にはまだないスイーツだから珍しいだろうし、集客は良いだろうな。
「お嬢、バッチリッス」
「そう?」
「はいぃ」
ま、和も食べたいところだけど。1度に色々言ってもな。
「イチゴ大福が良いですぅ」
「ああ、美味しいわね」
「なに? なあに? それもイチゴなの?」
「はい、お祖母さま。イチゴは無敵です」
「フフフ。あらあら、食べてみたいわ」
「お祖母さま、手に持って齧り付くんですよ」
「まあ、そんな食べ方するの?」
「はい。大福はそうして食べる方が美味しいです。クレープも手に持って歩きながら食べられますよ。王都名物になったら良いですね」
「いいッスね」
「はいぃ」
て、今更地味に飯テロかよ。
☆ ☆ ☆
読んで頂きありがとうございます。
今日は先にハルちゃん投稿しております。宜しくお願い致します!
74
お気に入りに追加
2,978
あなたにおすすめの小説
フリーター転生。公爵家に転生したけど継承権が低い件。精霊の加護(チート)を得たので、努力と知識と根性で公爵家当主へと成り上がる
SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
400倍の魔力ってマジ!?魔力が多すぎて範囲攻撃魔法だけとか縛りでしょ
25歳子供部屋在住。彼女なし=年齢のフリーター・バンドマンはある日理不尽にも、バンドリーダでボーカルからクビを宣告され、反論を述べる間もなくガッチャ切りされそんな失意のか、理不尽に言い渡された残業中に急死してしまう。
目が覚めると俺は広大な領地を有するノーフォーク公爵家の長男の息子ユーサー・フォン・ハワードに転生していた。
ユーサーは一度目の人生の漠然とした目標であった『有名になりたい』他人から好かれ、知られる何者かになりたかった。と言う目標を再認識し、二度目の生を悔いの無いように、全力で生きる事を誓うのであった。
しかし、俺が公爵になるためには父の兄弟である次男、三男の息子。つまり従妹達と争う事になってしまい。
ユーサーは富国強兵を掲げ、先ずは小さな事から始めるのであった。
そんな主人公のゆったり成長期!!
全能で楽しく公爵家!!
山椒
ファンタジー
平凡な人生であることを自負し、それを受け入れていた二十四歳の男性が交通事故で若くして死んでしまった。
未練はあれど死を受け入れた男性は、転生できるのであれば二度目の人生も平凡でモブキャラのような人生を送りたいと思ったところ、魔神によって全能の力を与えられてしまう!
転生した先は望んだ地位とは程遠い公爵家の長男、アーサー・ランスロットとして生まれてしまった。
スローライフをしようにも公爵家でできるかどうかも怪しいが、のんびりと全能の力を発揮していく転生者の物語。
※少しだけ設定を変えているため、書き直し、設定を加えているリメイク版になっています。
※リメイク前まで投稿しているところまで書き直せたので、二章はかなりの速度で投稿していきます。
小さな大魔法使いの自分探しの旅 親に見捨てられたけど、無自覚チートで街の人を笑顔にします
藤なごみ
ファンタジー
※2024年10月下旬に、第2巻刊行予定です
2024年6月中旬に第一巻が発売されます
2024年6月16日出荷、19日販売となります
発売に伴い、題名を「小さな大魔法使いの自分探しの旅~親に見捨てられたけど、元気いっぱいに無自覚チートで街の人を笑顔にします~」→「小さな大魔法使いの自分探しの旅~親に見捨てられたけど、無自覚チートで街の人を笑顔にします~」
中世ヨーロッパに似ているようで少し違う世界。
数少ないですが魔法使いがが存在し、様々な魔導具も生産され、人々の生活を支えています。
また、未開発の土地も多く、数多くの冒険者が活動しています
この世界のとある地域では、シェルフィード王国とタターランド帝国という二つの国が争いを続けています
戦争を行る理由は様ながら長年戦争をしては停戦を繰り返していて、今は辛うじて平和な時が訪れています
そんな世界の田舎で、男の子は産まれました
男の子の両親は浪費家で、親の資産を一気に食いつぶしてしまい、あろうことかお金を得るために両親は行商人に幼い男の子を売ってしまいました
男の子は行商人に連れていかれながら街道を進んでいくが、ここで行商人一行が盗賊に襲われます
そして盗賊により行商人一行が殺害される中、男の子にも命の危険が迫ります
絶体絶命の中、男の子の中に眠っていた力が目覚めて……
この物語は、男の子が各地を旅しながら自分というものを探すものです
各地で出会う人との繋がりを通じて、男の子は少しずつ成長していきます
そして、自分の中にある魔法の力と向かいながら、色々な事を覚えていきます
カクヨム様と小説家になろう様にも投稿しております
少し冷めた村人少年の冒険記
mizuno sei
ファンタジー
辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。
トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。
優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。
お前じゃないと、追い出されたが最強に成りました。ざまぁ~見ろ(笑)
いくみ
ファンタジー
お前じゃないと、追い出されたので楽しく復讐させて貰いますね。実は転生者で今世紀では貴族出身、前世の記憶が在る、今まで能力を隠して居たがもう我慢しなくて良いな、開き直った男が楽しくパーティーメンバーに復讐していく物語。
---------
掲載は不定期になります。
追記
「ざまぁ」までがかなり時間が掛かります。
お知らせ
カクヨム様でも掲載中です。
世の中は意外と魔術で何とかなる
ものまねの実
ファンタジー
新しい人生が唐突に始まった男が一人。目覚めた場所は人のいない森の中の廃村。生きるのに精一杯で、大層な目標もない。しかしある日の出会いから物語は動き出す。
神様の土下座・謝罪もない、スキル特典もレベル制もない、転生トラックもそれほど走ってない。突然の転生に戸惑うも、前世での経験があるおかげで図太く生きられる。生きるのに『隠してたけど実は最強』も『パーティから追放されたから復讐する』とかの設定も必要ない。人はただ明日を目指して歩くだけで十分なんだ。
『王道とは歩むものではなく、その隣にある少しずれた道を歩くためのガイドにするくらいが丁度いい』
平凡な生き方をしているつもりが、結局騒ぎを起こしてしまう男の冒険譚。困ったときの魔術頼み!大丈夫、俺上手に魔術使えますから。※主人公は結構ズルをします。正々堂々がお好きな方はご注意ください。
前世の記憶さん。こんにちは。
満月
ファンタジー
断罪中に前世の記憶を思い出し主人公が、ハチャメチャな魔法とスキルを活かして、人生を全力で楽しむ話。
周りはそんな主人公をあたたかく見守り、時には被害を被り···それでも皆主人公が大好きです。
主に前半は冒険をしたり、料理を作ったりと楽しく過ごしています。時折シリアスになりますが、基本的に笑える内容になっています。
恋愛は当分先に入れる予定です。
主人公は今までの時間を取り戻すかのように人生を楽しみます!もちろんこの話はハッピーエンドです!
小説になろう様にも掲載しています。
異世界転生雑学無双譚 〜転生したのにスキルとか貰えなかったのですが〜
芍薬甘草湯
ファンタジー
エドガーはマルディア王国王都の五爵家の三男坊。幼い頃から神童天才と評されていたが七歳で前世の知識に目覚め、図書館に引き篭もる事に。
そして時は流れて十二歳になったエドガー。祝福の儀にてスキルを得られなかったエドガーは流刑者の村へ追放となるのだった。
【カクヨムにも投稿してます】
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる