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第6章 王都
197ーノワちゃん出動
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『ココ様、変装なさっている時は仕方ありませんが、普段から『俺』と仰るのはどうかと思いまっす』
あ、叱られちゃった。念話の時は考えている事が伝わってしまうんだ、忘れてた。
『はい、気をつけます』
『はい、それとですねぇ……』
第1王子を解呪した時の事も注意されちゃった。
『呪いを掴むなんて暴挙は聞いた事がありませんッ』
クリスティー先生、どうしてそんな事まで知っているんだよ。霧島か!? 奴なのか!?
『ココ様、術を掛けた者に返す気持ちで解呪すると良いのでっす』
え? 呪詛返しみたいな?
『そうでっす。その方が楽に解呪できまっす』
これも教えた筈なのですが……と、言われてしまった。すっかり忘れていたよね。
『あまり、無謀な事はなさらないでくださいッ』
『はい、クリスティー先生』
『お約束でっす』
『はい、クリスティー先生』
もう言葉がないぜ。クリスティー先生も心配してくれているんだ。だから敢えて叱ってくれる。そんな気持ちは有難い事だ。
『皆さま揃ってのご無事のお帰りをお待ちしてまっす』
と、言って念話は終わった。ふうぅ~、ちょっと疲れちゃったぜ。最後の方なんて、俺は『はい、クリスティー先生』しか言ってないし。
その後、ちゃんと霧島に魔法陣を送ってくれた。それをノワに持たすのだが。
「ノワ1人でフラフラ目標もなく歩いてもね」
「そうだね」
「ロディ兄さま、どうします?」
「うちのメイドさん達が沢山潜入しているだろう。誘導してもらおう」
「そうですね」
ま、城の奥は無理だろうが、その他大勢の解呪が出来れば楽じゃんね。
「ある程度解呪ができたら僕達も潜入しようか?」
「ロディ兄さま、潜入ですか!?」
ちょっとワクワクしてきたぞ。
「お嬢……」
「お嬢さまぁ……」
「あ、ごめん」
隆と咲に白い目で見られちゃった。でも、やっと進めるじゃん。ずっと膠着状態だったから、何にせよ少しでも進めるのは良い事じゃないか?
「ある程度解呪ができてからだよ」
はぁ~い。ノワちゃん、頑張るんだよ。
「アン!『おれ、がんばるぞ』」
ハハハ。しばらく出番が無かったからな。張り切ってるよ。
「早速、明日からメイドに先導してもらいましょう」
「ロディ、本当に大丈夫なのか?」
「お祖父様、大丈夫です。領地にいるクリスティー先生の案ですから」
「何!? あのエルフのクリスティー殿か!?」
ん? 確かにエルフのクリスティー先生だけど、どうしてじーちゃんはそんなに驚くんだ?
「国の英雄じゃないか!」
げッ、そうなのか!? クリスティー先生ってそんなに有名なの!?
「ココ、とんでもないことだ!」
「え、お祖父さま……そう言われても、クリスティー先生はあたしの先生です」
「それがどんなに有難い事なのか、お前達は分かっていない」
そんな事言われてもなぁ。お茶目なクリスティー先生としか言いようがないよな。自分で『クリスティー先生でっす』なんて言ってるもん。
「ココ、まったくだ」
「ロディ兄さま、そうですよね」
「お前達はよく出来る生徒なのだろうな」
「お祖父様、どうしてですか?」
「あの英雄が可愛がって下さるんだ。そうとしか思えん」
英雄だって。思わず、ロディ兄と一緒に噴き出してしまったぜ。プクク。
「お前達は知らないから笑っていられるんだ。国の歴史書にもクリスティー殿の名前は出て来るんだぞ。ロディ、学園で教わっただろう?」
「確かに、教わりましたが。別人の様で……なんとも……クフフ」
「お前達には本当に常識を教えんといかん!」
あらあら、そんなにか? 俺はまだ今まで領地から出た事がないけどさ、ロディ兄は学園を卒業しているんだぜ。それはどうなんだ?
「ココ、教本に出て来るクリスティー先生と領地で見るクリスティー先生は別人だ」
「まだロディはそんな事を言う」
「だってお祖父様、本当ですよ?」
「とにかく、あのクリスティー殿の提案なら間違いないだろう! ヨシ、やるぞ!」
あら、張り切っちゃってるよ。次の日からノワは、クリスティー先生お手製の魔法陣を首輪につけてメイドさんに連れられて城へ。傍から見れば普通にワンちゃんのお散歩だ。ノーリードだけど。
どうやら何の違和感も重さもないらしい。ファンタジーだね。
城の隅から隅までノワを連れて歩いてもらう事になった。ノワは可愛いからね。フッサフサの尻尾をフリフリしながら弾む様に歩くノワちゃんの可愛さにみんなイチコロさ。メイドさん達のアイドルだよ。
「ノワちゃん可愛いぃ~!」
なんて言われながら、毎日出掛けて行く。戻ってきたらどこを歩いてきたかロディ兄に報告だ。
「そんなところにも精神干渉か?」
「はい、ロディ様。ノワちゃんが歩くと背中から黒い靄がモヤモヤッと出てくるんですよ」
と、メイドさんの報告を受けている。どうやら、庭師や下働きの者にまで精神干渉されているらしい。その上、ノワが側を歩くと背中から黒い靄が出ていくのが見えるのだとか。
見てみてー。あれだよな、第1王子の時に出たモヤモヤだよな。
「ココ様、それです。あれの軽い奴ですね。あれより小さくて薄いんです」
「げげ、とんでもないわね」
「本当ですよ」
と、報告を聞きながらメイドさんとおやつを食べている。城のおやつを持って帰ってきてくれたんだ。ラッキー。超美味い。こんな事していていいのか?
「ふふふ、沢山ありますからぁ」
そんな問題なのか? 美味いけど。
☆ ☆ ☆
読んで頂きありがとうございます。
今日はハルちゃんお休みです。
宜しくお願いしまっす!
あ、叱られちゃった。念話の時は考えている事が伝わってしまうんだ、忘れてた。
『はい、気をつけます』
『はい、それとですねぇ……』
第1王子を解呪した時の事も注意されちゃった。
『呪いを掴むなんて暴挙は聞いた事がありませんッ』
クリスティー先生、どうしてそんな事まで知っているんだよ。霧島か!? 奴なのか!?
『ココ様、術を掛けた者に返す気持ちで解呪すると良いのでっす』
え? 呪詛返しみたいな?
『そうでっす。その方が楽に解呪できまっす』
これも教えた筈なのですが……と、言われてしまった。すっかり忘れていたよね。
『あまり、無謀な事はなさらないでくださいッ』
『はい、クリスティー先生』
『お約束でっす』
『はい、クリスティー先生』
もう言葉がないぜ。クリスティー先生も心配してくれているんだ。だから敢えて叱ってくれる。そんな気持ちは有難い事だ。
『皆さま揃ってのご無事のお帰りをお待ちしてまっす』
と、言って念話は終わった。ふうぅ~、ちょっと疲れちゃったぜ。最後の方なんて、俺は『はい、クリスティー先生』しか言ってないし。
その後、ちゃんと霧島に魔法陣を送ってくれた。それをノワに持たすのだが。
「ノワ1人でフラフラ目標もなく歩いてもね」
「そうだね」
「ロディ兄さま、どうします?」
「うちのメイドさん達が沢山潜入しているだろう。誘導してもらおう」
「そうですね」
ま、城の奥は無理だろうが、その他大勢の解呪が出来れば楽じゃんね。
「ある程度解呪ができたら僕達も潜入しようか?」
「ロディ兄さま、潜入ですか!?」
ちょっとワクワクしてきたぞ。
「お嬢……」
「お嬢さまぁ……」
「あ、ごめん」
隆と咲に白い目で見られちゃった。でも、やっと進めるじゃん。ずっと膠着状態だったから、何にせよ少しでも進めるのは良い事じゃないか?
「ある程度解呪ができてからだよ」
はぁ~い。ノワちゃん、頑張るんだよ。
「アン!『おれ、がんばるぞ』」
ハハハ。しばらく出番が無かったからな。張り切ってるよ。
「早速、明日からメイドに先導してもらいましょう」
「ロディ、本当に大丈夫なのか?」
「お祖父様、大丈夫です。領地にいるクリスティー先生の案ですから」
「何!? あのエルフのクリスティー殿か!?」
ん? 確かにエルフのクリスティー先生だけど、どうしてじーちゃんはそんなに驚くんだ?
「国の英雄じゃないか!」
げッ、そうなのか!? クリスティー先生ってそんなに有名なの!?
「ココ、とんでもないことだ!」
「え、お祖父さま……そう言われても、クリスティー先生はあたしの先生です」
「それがどんなに有難い事なのか、お前達は分かっていない」
そんな事言われてもなぁ。お茶目なクリスティー先生としか言いようがないよな。自分で『クリスティー先生でっす』なんて言ってるもん。
「ココ、まったくだ」
「ロディ兄さま、そうですよね」
「お前達はよく出来る生徒なのだろうな」
「お祖父様、どうしてですか?」
「あの英雄が可愛がって下さるんだ。そうとしか思えん」
英雄だって。思わず、ロディ兄と一緒に噴き出してしまったぜ。プクク。
「お前達は知らないから笑っていられるんだ。国の歴史書にもクリスティー殿の名前は出て来るんだぞ。ロディ、学園で教わっただろう?」
「確かに、教わりましたが。別人の様で……なんとも……クフフ」
「お前達には本当に常識を教えんといかん!」
あらあら、そんなにか? 俺はまだ今まで領地から出た事がないけどさ、ロディ兄は学園を卒業しているんだぜ。それはどうなんだ?
「ココ、教本に出て来るクリスティー先生と領地で見るクリスティー先生は別人だ」
「まだロディはそんな事を言う」
「だってお祖父様、本当ですよ?」
「とにかく、あのクリスティー殿の提案なら間違いないだろう! ヨシ、やるぞ!」
あら、張り切っちゃってるよ。次の日からノワは、クリスティー先生お手製の魔法陣を首輪につけてメイドさんに連れられて城へ。傍から見れば普通にワンちゃんのお散歩だ。ノーリードだけど。
どうやら何の違和感も重さもないらしい。ファンタジーだね。
城の隅から隅までノワを連れて歩いてもらう事になった。ノワは可愛いからね。フッサフサの尻尾をフリフリしながら弾む様に歩くノワちゃんの可愛さにみんなイチコロさ。メイドさん達のアイドルだよ。
「ノワちゃん可愛いぃ~!」
なんて言われながら、毎日出掛けて行く。戻ってきたらどこを歩いてきたかロディ兄に報告だ。
「そんなところにも精神干渉か?」
「はい、ロディ様。ノワちゃんが歩くと背中から黒い靄がモヤモヤッと出てくるんですよ」
と、メイドさんの報告を受けている。どうやら、庭師や下働きの者にまで精神干渉されているらしい。その上、ノワが側を歩くと背中から黒い靄が出ていくのが見えるのだとか。
見てみてー。あれだよな、第1王子の時に出たモヤモヤだよな。
「ココ様、それです。あれの軽い奴ですね。あれより小さくて薄いんです」
「げげ、とんでもないわね」
「本当ですよ」
と、報告を聞きながらメイドさんとおやつを食べている。城のおやつを持って帰ってきてくれたんだ。ラッキー。超美味い。こんな事していていいのか?
「ふふふ、沢山ありますからぁ」
そんな問題なのか? 美味いけど。
☆ ☆ ☆
読んで頂きありがとうございます。
今日はハルちゃんお休みです。
宜しくお願いしまっす!
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