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第5章 王都へ
170ー敵襲
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――ピピーーー!!
「よし、攻撃開始だ」
「若さまぁ、出ないでくださいぃ!」
「ばか、サキ。出ないでどうすんだよッ!」
「若ッスね」
「あたぼうよッ!」
「ココ、俺もやるぞッ!」
「アンアン!『おれもだ!』」
「キリシマは上空から支援して、ノワいくわよ!」
「おうよ!」
「アン!」
幌馬車から飛び降り、馬車に近づく敵を迎え撃つ。前線は兵達に任せる。じーちゃん2人も出ている。ちっとやそっとじゃ負けねーぞ!
敵はアースウォールで囲んだ中を押し合いながら進んでくる。そこを複数人で迎え撃つ。1人が盾になり1人が攻撃をし1人がフォローする。この攻撃態勢を崩さないように戦う。俺達も参戦だ。
先ず咲が突っ込んで崩し隆が斬り込み俺が仕留める。そこまでしなくても簡単に倒せる様な輩ばかりだった。
「急ごしらえなんッス」
「なるほどね」
そんな無駄口も叩ける程度だった。だが、何しろ数が多い。イラっとするぜ。
と、思っていたら上空からピンポイントで敵に風の刃が飛ぶ。
「キリシマ、スゴイじゃない!」
「へへん! どうだよ、俺様の力はこんなもんじゃねーぞッ!」
「アンアンアン!」
ノワも可愛い声で鳴きながら風の刃を飛ばしている。その上、噛みついたりひっかいたり。敵がノワを捕まえようとしてもすばしっこくて結局尻もちをついている。
「強いッスね」
「ね、ほんとだわ」
「ブラックフェンリルですからぁ」
「そうだった」
「若ッ、前に出過ぎッス!」
隆が叫ぶ。いかん、つい気が焦ってしまっていた。大事な事は王子を無事に守る事だ。
咲や隆と一緒に馬車の周りを守る。アルベルトも馬車から離れない。
父とじーちゃん達は前線に出ている。大きな声が聞こえてくる。
「うおぉぉーッ!」
「雑魚共がぁーッ!」
ああ、張り切っているな。怪我するんじゃないぞ。
「ノワ、ここは大丈夫だから父さま達の方へ行ってくれる?」
「アン!」
ノワは一鳴きして、敵味方が入り乱れて戦っている中を小さな身体で弾丸の様に走って行く。
敵は馬に乗ったまま突っ込んでくる奴もいる。かと思えば、単身で突っ込んでくる奴もいる。
「なんだ、バラバラじゃないか?」
「寄せ集めなんスからこんなもんッス」
そうか。それに比べてこっちの兵はしっかり落ち着いて連係しながら対応している。お、メイドさん達も参戦しているぞ。
「きゃー、怖いぃ~ッ!」
なんて声をあげながら、しっかりと暗器を命中させていたりする。本当に怖いと思っているのだろうか? いや、考えるだけ無駄だ。絶対に思ってないぞ。
「あぁー、しつこいッス!」
「数が多いですぅ!」
確かに、このままだと数で押されてしまう。
どうする? 一層のこと王子が乗っている馬車を逃がすか? いや、それもどうなんだ?
そんな事を考えていた時だった。
「ぐわッ!」
「アルベルトさん!」
数人、明らかに動きの違う者達がいた。きっと訓練されている者達だろう。
兵達が数人で抑えにかかっても、うまくすり抜けられている。こいつら、王子を狙っているぞ。
「サキ! リュウ!」
「はいッス!」
「はいですぅ!」
俺達は馬車の前で立ちはだかる。そして、斬られたアルベルトにはヒールだ。
「大丈夫ですか?」
「申し訳ありません、大丈夫です。1人飛び抜けて強い者がおります」
「はい」
「俺様に任せろッ!」
上空から霧島が応戦してくれている。
どうする、勝てるか? まだチビの俺に勝てるのか?
「若ッ、下がってください!」
「若さまぁ!」
「大丈夫だ」
俺は短剣で応戦する。ああ、面倒だ。この数の多い雑魚を減らせればなぁ。
まとめて剣を振り上げてくる奴等に向かって、咲が斬り込む。隆が斬りはらう。が、キリがない。
「サキ、リュウ! いくぞッ!」
「はいッス!」
「はいですぅ」
「「「エアリアルブロークン」」」
広範囲の上級風属性魔法だ。空気を凝縮させ、爆発を起こす。爆風と空気の塊が敵を襲うんだ。
だが、しつこくまだ向かってくる奴等がいる。
「もう一発いくぞッ!」
「エアリアルブロークン!」
3人でするよりは威力は劣るが、それでも敵を吹き飛ばした。
「ココ嬢!」
「殿下! 出ないで下さいッ!」
「しかし」
「アルベルトさん、殿下のお側に!」
「忝い!」
「伏せろ! もう一発いくぞぉッ!」
霧島が上空から風の槍を出現させ敵を襲う。
そんな中を王子が乗っている馬車を目掛けて突進していく者がいた。
「アルベルトさん!」
ガキーン!!
敵の剣をアルベルトの剣が受け止めた。
「サキ! リュウ!」
俺は叫びながらその場へ向かう。が、雑魚達が邪魔でなかなか動けない。
敵は強い。あいつはさっきアルベルトに傷を負わせた奴だ。
ヤバイ、アルベルトがやられたら……
そう思い焦っていた時だ。馬車の向こうから馬の一団が走ってきた。何だ? また新手なのか? マズイぞ。どうすんだ!?
アルベルトがなんとか持ち堪えていたんだが、ほんの一瞬バランスを崩した。それを見逃さず敵はアルベルトに向かって剣を振りかぶる。ヤバイ! やられてしまうッ!
と、思っていたらアルベルトに斬り込んできた奴の胸に、どこからか飛んできた剣がグサッと突き刺さった。
☆ ☆ ☆
読んで頂きありがとうございます!
今日はハルちゃんお休みです。
宜しくお願いします!
「よし、攻撃開始だ」
「若さまぁ、出ないでくださいぃ!」
「ばか、サキ。出ないでどうすんだよッ!」
「若ッスね」
「あたぼうよッ!」
「ココ、俺もやるぞッ!」
「アンアン!『おれもだ!』」
「キリシマは上空から支援して、ノワいくわよ!」
「おうよ!」
「アン!」
幌馬車から飛び降り、馬車に近づく敵を迎え撃つ。前線は兵達に任せる。じーちゃん2人も出ている。ちっとやそっとじゃ負けねーぞ!
敵はアースウォールで囲んだ中を押し合いながら進んでくる。そこを複数人で迎え撃つ。1人が盾になり1人が攻撃をし1人がフォローする。この攻撃態勢を崩さないように戦う。俺達も参戦だ。
先ず咲が突っ込んで崩し隆が斬り込み俺が仕留める。そこまでしなくても簡単に倒せる様な輩ばかりだった。
「急ごしらえなんッス」
「なるほどね」
そんな無駄口も叩ける程度だった。だが、何しろ数が多い。イラっとするぜ。
と、思っていたら上空からピンポイントで敵に風の刃が飛ぶ。
「キリシマ、スゴイじゃない!」
「へへん! どうだよ、俺様の力はこんなもんじゃねーぞッ!」
「アンアンアン!」
ノワも可愛い声で鳴きながら風の刃を飛ばしている。その上、噛みついたりひっかいたり。敵がノワを捕まえようとしてもすばしっこくて結局尻もちをついている。
「強いッスね」
「ね、ほんとだわ」
「ブラックフェンリルですからぁ」
「そうだった」
「若ッ、前に出過ぎッス!」
隆が叫ぶ。いかん、つい気が焦ってしまっていた。大事な事は王子を無事に守る事だ。
咲や隆と一緒に馬車の周りを守る。アルベルトも馬車から離れない。
父とじーちゃん達は前線に出ている。大きな声が聞こえてくる。
「うおぉぉーッ!」
「雑魚共がぁーッ!」
ああ、張り切っているな。怪我するんじゃないぞ。
「ノワ、ここは大丈夫だから父さま達の方へ行ってくれる?」
「アン!」
ノワは一鳴きして、敵味方が入り乱れて戦っている中を小さな身体で弾丸の様に走って行く。
敵は馬に乗ったまま突っ込んでくる奴もいる。かと思えば、単身で突っ込んでくる奴もいる。
「なんだ、バラバラじゃないか?」
「寄せ集めなんスからこんなもんッス」
そうか。それに比べてこっちの兵はしっかり落ち着いて連係しながら対応している。お、メイドさん達も参戦しているぞ。
「きゃー、怖いぃ~ッ!」
なんて声をあげながら、しっかりと暗器を命中させていたりする。本当に怖いと思っているのだろうか? いや、考えるだけ無駄だ。絶対に思ってないぞ。
「あぁー、しつこいッス!」
「数が多いですぅ!」
確かに、このままだと数で押されてしまう。
どうする? 一層のこと王子が乗っている馬車を逃がすか? いや、それもどうなんだ?
そんな事を考えていた時だった。
「ぐわッ!」
「アルベルトさん!」
数人、明らかに動きの違う者達がいた。きっと訓練されている者達だろう。
兵達が数人で抑えにかかっても、うまくすり抜けられている。こいつら、王子を狙っているぞ。
「サキ! リュウ!」
「はいッス!」
「はいですぅ!」
俺達は馬車の前で立ちはだかる。そして、斬られたアルベルトにはヒールだ。
「大丈夫ですか?」
「申し訳ありません、大丈夫です。1人飛び抜けて強い者がおります」
「はい」
「俺様に任せろッ!」
上空から霧島が応戦してくれている。
どうする、勝てるか? まだチビの俺に勝てるのか?
「若ッ、下がってください!」
「若さまぁ!」
「大丈夫だ」
俺は短剣で応戦する。ああ、面倒だ。この数の多い雑魚を減らせればなぁ。
まとめて剣を振り上げてくる奴等に向かって、咲が斬り込む。隆が斬りはらう。が、キリがない。
「サキ、リュウ! いくぞッ!」
「はいッス!」
「はいですぅ」
「「「エアリアルブロークン」」」
広範囲の上級風属性魔法だ。空気を凝縮させ、爆発を起こす。爆風と空気の塊が敵を襲うんだ。
だが、しつこくまだ向かってくる奴等がいる。
「もう一発いくぞッ!」
「エアリアルブロークン!」
3人でするよりは威力は劣るが、それでも敵を吹き飛ばした。
「ココ嬢!」
「殿下! 出ないで下さいッ!」
「しかし」
「アルベルトさん、殿下のお側に!」
「忝い!」
「伏せろ! もう一発いくぞぉッ!」
霧島が上空から風の槍を出現させ敵を襲う。
そんな中を王子が乗っている馬車を目掛けて突進していく者がいた。
「アルベルトさん!」
ガキーン!!
敵の剣をアルベルトの剣が受け止めた。
「サキ! リュウ!」
俺は叫びながらその場へ向かう。が、雑魚達が邪魔でなかなか動けない。
敵は強い。あいつはさっきアルベルトに傷を負わせた奴だ。
ヤバイ、アルベルトがやられたら……
そう思い焦っていた時だ。馬車の向こうから馬の一団が走ってきた。何だ? また新手なのか? マズイぞ。どうすんだ!?
アルベルトがなんとか持ち堪えていたんだが、ほんの一瞬バランスを崩した。それを見逃さず敵はアルベルトに向かって剣を振りかぶる。ヤバイ! やられてしまうッ!
と、思っていたらアルベルトに斬り込んできた奴の胸に、どこからか飛んできた剣がグサッと突き刺さった。
☆ ☆ ☆
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今日はハルちゃんお休みです。
宜しくお願いします!
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