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第5章 王都へ
142ーカルロッテ伯爵
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「これはまたッ! なんとお可愛らしいッ!」
俺を見た伯爵が言った。もう何でも良いよ。
「それよりも、ベルンハルド。来る時に盗賊団を捕縛したぞ!」
「なんとッ! あの盗賊団ですかッ!」
「その盗賊団だッ!」
ああもう、煩い。2人とも声が大きい。
ベルンハルド・カルロッテ伯爵はそれほど体格が良い訳でもない。俺にしてみれば普通の貴族だ。
ダークシルバーの髪を後ろで1つに結んでいてロイヤルブルーの瞳が涼し気だ。なのに、どうして父のファンなんだ? しかも同級生なのにファンって何だよ。
「逃げ足が速くてなかなか捕らえる事ができなかったのですッ! 流石、アレクシス様!」
あ、アレクシスって父の名前ね。アレクシス・インペラート、ていうんだよ。
同級生なのに敬語なのか?
「ココ、だから傾倒していると言っただろう。それに爵位だね」
「いや、ロディ。何よりも傾倒だと思うよ。ふふふ」
王子まで言っている位なんだから、よっぽどなんだろう。
「まあまあまあまあ! ようこそお越し下さいましたわッ!」
と、賑やかに登場したのが伯爵夫人だ。兄2人も後ろにいるな。
「もしやッ……ココ様ですの!?」
「はい、ココアリアです。お久しぶりです」
この伯爵と夫人、そしてロディ兄の婚約者であるアンジェリカ嬢はうちに来た事があるんだ。だが、兄2人とは初対面だ。
「なんてお可愛らしいんでしょうッ!」
はいはい、本当にこの伯爵夫人も賑やかなんだ。うちは母がポヤ~ッとしているからまだマシだ。
「母上、私達にも紹介してくださいッ!」
「なんと可愛らしいッ!」
「まるでお人形の様だッ!」
「激可愛いッ!」
と、2人の兄達にも紹介され俺は少しお疲れだ。この家族、みんな賑やかなんだな。
「ココ嬢、だから言っただろう? ふふふ」
「殿下、想像以上でした」
「アハハハ」
父達は盗賊団の件でまだ話をしている様だが、俺達はもう早々に各部屋に案内してもらった。ずっと馬車だと、思ったより疲れるんだよ。
「お嬢さまぁ、夕食まで休みますかぁ?」
「ううん、寝ちゃったら起きられなくなるから。庭でも散歩しようかな」
「はいですぅ」
咲と一緒に庭に出て来た……そしたら、居たよ。奴が。余所の家だというのに元気な奴がいた。
「ワッハッハッハ! じーちゃん疲れてんじゃねーかッ!? しっかりしろよぉッ!」
そうだよ、霧島だ。本当にどこにいても変わらなく煩い。
「キリシマ、声が大きいわよ」
「おう! ココ!」
「アンアンアン!」
「ノワ~、可愛いわね~」
「ココ! 本当に俺には冷たいよなッ!」
「そんな事ないわよ。頼りにしてるわ」
「おうよッ!」
フッフッフ。ちょろい奴だぜ。と、思いながら俺はノワを抱っこして撫でる。
「ココーッ!」
「アハハハ!」
霧島には読まれるんだった。アハハハ。
「ココ、その恰好も似合っているよ」
「ディオシスお祖父さま、複雑です」
「アハハハ、そうかい? 可愛いよ」
「おうぅッ! ココは何着ていても可愛いぞッ!」
じーちゃん達はマイペースだね。こんなとこでも鍛練か?
「ずっと馬に乗っているとね、身体が固まるんだ」
「そうなんですか?」
「同じ姿勢だからね」
「ああ、そうですね」
「ココ! 馬車が退屈になったらワシが馬に乗せてやるぞッ!」
ああッ! その手があったよ! どうして今まで気付かなかった!?
「ユリシスお祖父さま、本当ですか?」
「おうッ! いつでも言いなさいッ!」
「はいッ」
「ハハハハ、ココはもう退屈だったかな?」
「はい、実はそうです」
「この先ずっとだからね」
「ディオシスお祖父さま、ずっとですか?」
「そうだよ。同じ様な平原と街との繰り返しだ」
「王都って遠いですね」
「そりゃそうだッ! 辺境伯領は国の端だからなッ!」
とか、俺と話しながらもユリシスじーちゃんは槍を振り回している。ユリシスじーちゃんは大薙刀だけじゃなくて、槍もお得意だ。
ディオシスじーちゃんは大剣だ。でも、ディオシスじーちゃんは落ち着いていて優しい。
「ここは動ける場所が少なくていかんッ!」
ユリシスじーちゃん、裏庭に鍛練場があるのはうち位だと思うよ。
「ここにいらしたんッスか。もうすぐ夕食ッスよ」
隆が呼びにやって来た。
「お嬢さまぁ、行きましょう」
「そうね」
「ノワは、俺と一緒だぞ」
「アン?」
「ノワ、ここではリュウと一緒にいてね」
「アン!」
可愛いなぁ。あ、いかん。シュンとアキに会いたくなってきたぞ。俺の癒しだ。どうしているだろう?
「ふふふぅ。元気にしていますよぅ」
「そうよね」
「はいぃ」
口に出さなくても分かるって便利だけどどうよ?
「ココ、俺もか?」
「そうね、リュウといてね」
「おう」
家では関係なく一緒に食べていたからな。ちょっと寂しい。
「静かで良いですよぅ」
「ハハハ」
その静かに食べられる筈の夕食だ。
「さあさあさあさあ! 沢山食べてくださいなッ!」
「そうですぞッ! 遠慮は無しですぞッ!」
「おぉッ! 美味そうだぁッ!」
と、まあ賑やかだ。仕方ない。
だけど、ゆっくりテーブルに着いて食事するのも久しぶりだ。料理人達も付いて来てくれているから食事には不自由していない。だが、旅だとこうして落ち着いてテーブルに着く事は無理だからな。
うん、賑やかなのは気にしないで食べよう。
「ココ嬢、ちゃんと食べてる?」
「はい、食べてますよ」
「そう? 賑やかだよね」
「本当ですね。うちより賑やかかも」
「ハハハ」
まあ、気を使ってくれているんだろう。その気持ちは嬉しい。ベッドで眠れるのも嬉しい。
あとは風呂がゆっくり入れたら言う事ないんだけどな。
でも贅沢は言わないさ。
フカフカの布団で眠れるのが1番だ。
俺を見た伯爵が言った。もう何でも良いよ。
「それよりも、ベルンハルド。来る時に盗賊団を捕縛したぞ!」
「なんとッ! あの盗賊団ですかッ!」
「その盗賊団だッ!」
ああもう、煩い。2人とも声が大きい。
ベルンハルド・カルロッテ伯爵はそれほど体格が良い訳でもない。俺にしてみれば普通の貴族だ。
ダークシルバーの髪を後ろで1つに結んでいてロイヤルブルーの瞳が涼し気だ。なのに、どうして父のファンなんだ? しかも同級生なのにファンって何だよ。
「逃げ足が速くてなかなか捕らえる事ができなかったのですッ! 流石、アレクシス様!」
あ、アレクシスって父の名前ね。アレクシス・インペラート、ていうんだよ。
同級生なのに敬語なのか?
「ココ、だから傾倒していると言っただろう。それに爵位だね」
「いや、ロディ。何よりも傾倒だと思うよ。ふふふ」
王子まで言っている位なんだから、よっぽどなんだろう。
「まあまあまあまあ! ようこそお越し下さいましたわッ!」
と、賑やかに登場したのが伯爵夫人だ。兄2人も後ろにいるな。
「もしやッ……ココ様ですの!?」
「はい、ココアリアです。お久しぶりです」
この伯爵と夫人、そしてロディ兄の婚約者であるアンジェリカ嬢はうちに来た事があるんだ。だが、兄2人とは初対面だ。
「なんてお可愛らしいんでしょうッ!」
はいはい、本当にこの伯爵夫人も賑やかなんだ。うちは母がポヤ~ッとしているからまだマシだ。
「母上、私達にも紹介してくださいッ!」
「なんと可愛らしいッ!」
「まるでお人形の様だッ!」
「激可愛いッ!」
と、2人の兄達にも紹介され俺は少しお疲れだ。この家族、みんな賑やかなんだな。
「ココ嬢、だから言っただろう? ふふふ」
「殿下、想像以上でした」
「アハハハ」
父達は盗賊団の件でまだ話をしている様だが、俺達はもう早々に各部屋に案内してもらった。ずっと馬車だと、思ったより疲れるんだよ。
「お嬢さまぁ、夕食まで休みますかぁ?」
「ううん、寝ちゃったら起きられなくなるから。庭でも散歩しようかな」
「はいですぅ」
咲と一緒に庭に出て来た……そしたら、居たよ。奴が。余所の家だというのに元気な奴がいた。
「ワッハッハッハ! じーちゃん疲れてんじゃねーかッ!? しっかりしろよぉッ!」
そうだよ、霧島だ。本当にどこにいても変わらなく煩い。
「キリシマ、声が大きいわよ」
「おう! ココ!」
「アンアンアン!」
「ノワ~、可愛いわね~」
「ココ! 本当に俺には冷たいよなッ!」
「そんな事ないわよ。頼りにしてるわ」
「おうよッ!」
フッフッフ。ちょろい奴だぜ。と、思いながら俺はノワを抱っこして撫でる。
「ココーッ!」
「アハハハ!」
霧島には読まれるんだった。アハハハ。
「ココ、その恰好も似合っているよ」
「ディオシスお祖父さま、複雑です」
「アハハハ、そうかい? 可愛いよ」
「おうぅッ! ココは何着ていても可愛いぞッ!」
じーちゃん達はマイペースだね。こんなとこでも鍛練か?
「ずっと馬に乗っているとね、身体が固まるんだ」
「そうなんですか?」
「同じ姿勢だからね」
「ああ、そうですね」
「ココ! 馬車が退屈になったらワシが馬に乗せてやるぞッ!」
ああッ! その手があったよ! どうして今まで気付かなかった!?
「ユリシスお祖父さま、本当ですか?」
「おうッ! いつでも言いなさいッ!」
「はいッ」
「ハハハハ、ココはもう退屈だったかな?」
「はい、実はそうです」
「この先ずっとだからね」
「ディオシスお祖父さま、ずっとですか?」
「そうだよ。同じ様な平原と街との繰り返しだ」
「王都って遠いですね」
「そりゃそうだッ! 辺境伯領は国の端だからなッ!」
とか、俺と話しながらもユリシスじーちゃんは槍を振り回している。ユリシスじーちゃんは大薙刀だけじゃなくて、槍もお得意だ。
ディオシスじーちゃんは大剣だ。でも、ディオシスじーちゃんは落ち着いていて優しい。
「ここは動ける場所が少なくていかんッ!」
ユリシスじーちゃん、裏庭に鍛練場があるのはうち位だと思うよ。
「ここにいらしたんッスか。もうすぐ夕食ッスよ」
隆が呼びにやって来た。
「お嬢さまぁ、行きましょう」
「そうね」
「ノワは、俺と一緒だぞ」
「アン?」
「ノワ、ここではリュウと一緒にいてね」
「アン!」
可愛いなぁ。あ、いかん。シュンとアキに会いたくなってきたぞ。俺の癒しだ。どうしているだろう?
「ふふふぅ。元気にしていますよぅ」
「そうよね」
「はいぃ」
口に出さなくても分かるって便利だけどどうよ?
「ココ、俺もか?」
「そうね、リュウといてね」
「おう」
家では関係なく一緒に食べていたからな。ちょっと寂しい。
「静かで良いですよぅ」
「ハハハ」
その静かに食べられる筈の夕食だ。
「さあさあさあさあ! 沢山食べてくださいなッ!」
「そうですぞッ! 遠慮は無しですぞッ!」
「おぉッ! 美味そうだぁッ!」
と、まあ賑やかだ。仕方ない。
だけど、ゆっくりテーブルに着いて食事するのも久しぶりだ。料理人達も付いて来てくれているから食事には不自由していない。だが、旅だとこうして落ち着いてテーブルに着く事は無理だからな。
うん、賑やかなのは気にしないで食べよう。
「ココ嬢、ちゃんと食べてる?」
「はい、食べてますよ」
「そう? 賑やかだよね」
「本当ですね。うちより賑やかかも」
「ハハハ」
まあ、気を使ってくれているんだろう。その気持ちは嬉しい。ベッドで眠れるのも嬉しい。
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